「それにしても、なんでここまで入ってこれたんだろうね」
念のために眠っている五人をなぜかスタッフの人が用意していた縄で縛りあげながら疑問に思ったことを口にする。
「さあな。だがさっきの会話からかんがみるに隙を見て入ってきたとみるのが妥当だろうな。一度入り口から入っちまえばほかの会場の人間にまぎれることでなんとでも誤魔化せるからな。……こんなもんか」
雄二も一緒に縛りあげていく。
そこそこしっかりとした警備っぽかったけど……まあ、Fクラスだからなあ。
あの手この手で気をそらして~ってことは手慣れているのかもしれない。あまりいいことじゃない気もするけど。
「それで、どうするのよ。福村たちがここにウチらがいるってことを連絡していた可能性は?」
「それなラ大丈夫デス。彼ラを盗チョ……トランシーバーの周波数を確認の上で内容を聞いていタ仲間によるトここにイタことハ伝えラレていないようデス」
相変わらずどこかあやしい日本語のスタッフさんがさらっと怖いことを言う。
前の時もちょっと思ったけど、この人っていったい何者なんだろう。
「でもまあ、それなら一安心だね」
「いや、そうでもない。どのみち移動する必要性ができちまった」
「えっ?」
縛りあげ終わったため今度は彼らの持ち物をあさっている雄二が僕のそんな考えを否定する。
「スタッフさんよ、それまではこいつらもある程度の頻度で須川と連絡を取っていたんだよな?」
「エエ、そうデスね」
「つまり、だ。こいつらと連絡を取れなくなったことで俺たちがここにいることをもう感づかれていると考えたほうがいいだろう」
なるほど、たしかにそうだ。
あらかじめ行く場所が決まっているのなら、そこで連絡が途絶えたらそこに僕らがいると判断するのは確かに当然な流れ、か。
「……でも雄二。どこに隠れるの?ほかにいい隠れ場所はない」
「ちょっと待て。えーっと……お、あったあった」
順番に持ち物をあさっていき最後の一人。福村君のポケットに手を突っ込んでいた雄二はしめたと悪い表情を浮かべる。
「さて。これからはかくれんぼというより鬼ごっこになっちまうが……頼めるか?」
「まあ、このままじっとしてられないんじゃ、しょうがないわね」
「ですです!」
「……雄二と一緒なら、構わない」
「ま、僕にはどうしようもないし。雄二に任せるよ」
「よし、それじゃあ……俺について来い」
「……どうカ武運長久ヲ。いってらっしゃいマセ」
怪しいスタッフさんに見送られながら、僕らはついに鯖の味噌煮を離れる。
次の目的地は――
「レストランだ」
お久しぶりです。
パソコン修理のほか臨時のバイトやらなんやらで遅れに遅れました。
今後も気まぐれ更新になりますが何卒よろしくお願いします