俺の名前は南 隼翔。18歳、好きな物はカレーとサッカー。好きな人はこの世に舞い降りて来た天使といっても過言では無い、俺の可愛い可愛い妹 南 ことりだ。
そして、今は俺はロンドンで一人暮らしをしている。理由はサッカーの発祥地という事もあり、やはりサッカーが強いという事もあるからだ。自慢では無いがサッカーはそれなりに出来ると自負している、そして夢であるプロサッカー選手になる為に本場である此処に留学しているという訳だ。
留学して来て直ぐには、言葉が分からなかったり道が分からず迷子になったりした事が多々あったが、今では大分慣れてきた。
日本での生活も大分楽しかったが、此方の生活も慣れると大分楽しいものだ。
などと、考え事に浸っていると携帯が鳴り出した。
かけてきた相手は、母さんだった。
母さんは音ノ木坂学院の理事長をしていて、向こうに居る時も何時も忙しそうだった。その、母さんからの電話ってことは何か大事な事じゃないかと思った。とにかく早く電話に出た方が良さそうだ。
「どうしたの?母さん、急にかけてきて。何か急を要することでも有るの?」
「ええ、隼翔に実は頼み事が有るのだけど、聞いてくれる?」
母さんから、頼みごと?
そんなこと一つも思い浮かばないのだけど…そうだ、まさかことりに何かあったのか?誰だそんなことをするのわ。俺の天使に手を出した奴は絶対に許さない。
「ねぇ?隼翔聞いてるの?だから、隼翔には音ノ木坂学院の共学化のモデルになって欲しいの。」
だけど頼みごとは予想の遥か斜め上だった。
「ちょっと待ってよ。母さん、確か音ノ木坂学院って女子校でしょ?
それに、今はシーズンじゃないから空いてるけどシーズンに入ったら如何するの?」
「そうね。音ノ木坂学院は今廃校になりそうなの、だから共学にしようという話が出てて、その為のモデルになる人が居るの。それと、サッカーと学校に関してだけど話はもう済んでるから安心して。」
え?あの超が付く程面倒くさいコーチを説得しただとっ!何て化物なんだ…
てか、俺以外女の子の学校生活とかうまく行くか心配だわ。
「分かったよ。じゃあ引き受けるよ。てか、其処までしてるなら最早頼みごとでは無いと思うんだけどな…
で、何時そっちに行けば良いの?」
「早く来る事が出来るなら明後日、最低でも一週間後までにはこっちに来て。それと家の場所は分かる?」
まさか、忘れる筈も無いさ、だって可愛い可愛い我が天使 ことりと過ごした家なのだから。
それより、早ければとは言っていたが、昔一度言われていた期限ギリギリに頼みごとを聞いたら、めちゃくちゃ怒られた事があったから、明後日に行けるよう準備しなくてはいけない。
「分かった。また準備が出来次第連絡するよ。」
さぁ、久しぶりにmy sweet engelことりに会える。そう考えるだけで、鼻血が出てきそうだ。
「まぁ、取り敢えずこの部屋の荷物を片付けて、荷作りしないと行けないな。」
何気に此処に3年近く住んでたからか。愛着がわいたのかかもしれない。だからか涙が出てきた。
「さぁ、泣いて無いで準備しないと行けないと。ことりが待ってるのだろうから」
そう言って、感傷に浸るのを止めて。俺は借りているこの部屋の荷物をまとめるのをまた再開した。いち早くことりに会うために。
という訳で俺の生活は一変するようだ。それも、大分。
でも、俺は未だ知らなかった。いや知ってる筈など無かった。だって俺は神では無いし、ましてや未来予知などの能力は無いのだから。これからの彼女達との出会いや学校を救う為のアイドル活動など、とにかく知らないことばかりだった様だ。