パワード・アサルト~使い捨て兵士達の賛美歌~   作:ヤーンスポナー

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あらすじにもあった通り、息抜きで投稿します。
思いついたネタをとりあえず先に吐き出しておく意図でやっている上、こちらのSSはメインではありません。本当に亀更新になりますが悪しからずお願いいたします。


プロローグ~陸の道の機動小隊~

野外のテントの下で地図を広げ、上官が作戦を伝える。

 

「本日十一時未明、オーストラリア国籍の民間船から中国軍と思われる勢力が上陸、現在は上陸地点に防御陣地を敷かれている。このまま"頚木"を打ち込まれる訳には行かない。後続が到着する前に、敵軍を我々の領土から叩き出さねばならない」

 

上官の話を聞く三名の兵士は、全員アニメのパイロットスーツのような物を着ている。違う所は、ヘルメットがない事ぐらいだ。

 

「現在の状況から機甲兵力を投入しても消耗は避けられない。それに、到着速度でも劣る。そこで、高機動強化装甲ユニットを駆る諸君らに白羽の矢が立った」

 

その言葉と共に、上官が兵士達へ真っ直ぐ目を向ける。

 

「諸君らの任務は直ちに高機動強化装甲ユニットを用い現場に急行、敵陣を破壊することである。残党狩りを気にする必要はない。諸君らによる敵陣への攻撃の後、攻撃ヘリ、及び機械化歩兵を向かわせその任に当たらせる。諸君らは打撃を加えた後は速やかに帰還するか、手近なところで防衛線を張れ。

 

諸君らの活躍が、この日本の命運を決める。全力で、任務を遂行せよ!」

 

「「「ハッ!」」」

 

踵を揃え敬礼し、三人の兵士がミーティングルームから出る。

しかし出てからある程度はなれた後、出てくる言葉は戦意高揚を促す物などではなかった。

 

「はぁ、何が諸君らの活躍は、だよ。結局は"何時失ってもいい奴"を突撃させてるだけだろうが」

 

「まぁ、いいじゃないか。それでも個人に与えられる兵器としては高価なんだ。それに、上手く扱えば死ぬことなく英雄になれる」

 

「それでも確かに気落ちするのは確かだな。俺だって怖くて仕方ないさ。いくらある程度の装甲で固められてるとはいえ、果たして有効なのかどうかは疑問だしな」

 

「全くだ。まぁ、俺ら自身が好き好んで"こんな"部隊に入ったんだ。やることはやろう」

 

そうやり取りをしている間に、"それ"が搭載されているトラックへたどり着く。

 

「よし、いっちょやってやろうじゃないか。散るつもりは無いが、花を咲かせるぞ」

 

「あぁ」

 

「もちろんだ」

 

その言葉と共に一時別れ、"自分の物"が入っているトラックのコンテナへと乗り込む

中には、武装一式を高機動強化装甲ユニットに取り付けているエンジニア達と、その本体。そして、加速を稼ぐ為のカタパルト代わりのロープがそれに付けられていた。

 

「武装はマニュアル通りだよな?」

 

「えぇ。右腕外側側面には20mmガトリング砲を一門、右肩に二連装対戦車ロケットランチャーを一つ、左腕にはシールドを装備しています。特に何も弄くってはいません」

 

「いざ実戦となると緊張するな。一応は初陣だからな・・・。俺は、大丈夫だろうか?」

 

「心配しないでください、我々が腕によりを掛けました。きっと、上手くやれますよ」

 

「ありがとう」

 

そう言葉を返し、ユニットの内部に入り込む。

いや、"着る"と言った方がいいのだろうか。

いくら高機動強化装甲ユニットと銘打ってはいても、実際はパワードスーツのそれに近い。それよりもかなり物々しくなっているのは事実だが、中に入ると言うよりは着る、身につけると言った方が良いのかも知れない。

 

背面部のロックを完了させると同時に、モニタが映り視界が確保される。

しかし、完全に肉眼どおりな訳ではない。それよりもさらに情報がモニタに溢れ返り、今現在自分の命を預けているこの兵器の状態を示す図が左下にも映されている。

 

『燃料の補給も完了しました。いつでも出れますよ』

 

「了解、これより発進する。エンジニアは直ぐにトラックから退避してくれ」

 

『分かりました。最後に一つだけ』

 

「何だ?」

 

『我々が全力で整備し、用意したのです。必ず、生きて帰ってください』

 

「・・・ありがとう。気が楽になった」

 

例え"安い兵士"と見られていようが、関係ない。

国の為、国民の為、そして仲間の為に、必ず作戦を遂行させる。

 

「よし、出るぞ!」

 

その言葉と共にユニットからジェットブーストが火を吹き、加速を開始する。

 

『加速完了まで後五秒!四、三、二・・・切り離します!』

 

加速を稼ぐ為につけられていたロープが機体から切り離され、勢いよくトラックから飛び出す。

続けて別のトラックからも、機体が二つ高速で出てくる。

 

『実戦とは言え、こいつは着ててテンションが上がるな!そうは思わないか!』

 

『ご機嫌だな!』

 

「実戦だってのに、よくそんなことが言えたもんだ!」

 

『だが事実そうだろう?俺たちは今、ロボットアニメのロボットに成り切ってるんだからよ!』

 

「ははっ、違いない!」

 

そう笑いながら、更に加速をかけて目標へと向かう。

住民の避難経路を避けつつ、もう空いている道路を三機のユニットが駆けていく。

そのスピードは既に百四十キロを超えていた。

 

『目標視認までおよそ後五分!全員、武装に問題はないな?』

 

「俺が一応は小隊長なんだがな。人のセリフ取るなよ」

 

『固いこと言うなよ!』

 

「確かに、それもそうだな。こちらは何の問題もない」

 

『同じくだ。いつでもいける』

 

『なら問題ない。それじゃ、"隊長"、命令を』

 

「全く、美味しいところをこっちに渡しやがって」

 

『その方が締まるだろ!』

 

『ほら、隊長?命令を』

 

「まったく、仕方がないな・・・」

 

テンションがころころ変わるが、しかし憎めない同僚に笑いを漏らす。

しかし、だからこそ、やりがいもある。

 

 

「全員、突っ込むぞ!」

 

『『了解!』』

 

その言葉と共に最大まで加速を掛け、既に見えた敵陣へと突っ込む。

 

『敵兵力、戦車六、車両二十、歩兵六十!』

 

「先に車両から潰すぞ!20mmを叩き込め!」

 

不規則に動き、敵戦車がこちらに狙いを定められないようにしながら敵陣にガトリングを叩き込む。

元は攻撃ヘリに積む代物を軽く装甲で覆っただけの車両に対して使っているのだ。数秒で車両は"スクラップ"に早変わりする。

 

「肉薄して、敵戦車側面に一撃を加える!俺は中央の戦車に向かう!他は頼む!」

 

『じゃあこっちは左側をやる!横っ腹に叩き込んでやる!』

 

『俺は右側だな!行くぞ!』

 

肉薄してくるこちらに対して敵戦車の主砲が火を吹く。

しかし高速で不規則移動をしてくるこちらには当たらない。それを分かっているからだろう。着弾地点が爆発したところを見るに装填していたのは榴弾と見える。

 

しかし、榴弾の至近弾の衝撃ごときでは

 

「この高機動強化装甲ユニットが、やられるかよ!」

 

敵が次弾を装填している間に側面へ回りこみ、ロケットランチャーの一撃を食らわせる。

一撃で戦車を無力化できる対戦車ミサイルに搭載されたコンピュータの分を更に炸薬に当てている分、威力は例え背面に叩き込まなくても充分に戦車を破壊できる。側面に叩き込むと同時、戦車上部の搭乗口から火柱が上がる。

 

「敵戦車一両撃破!」

 

『全員が一両を、だな!次は背面に叩き込むぞ!』

 

「分かってるわ!」

 

まだ近くにはそれぞれ一両の戦車が残っている。自陣に向けて主砲を向けるわけにも行かないのか、戦車から車長と思われる人物が銃座に取り付いている。

しかし、12.7mmごときの弾丸で、こちらの装甲を貫くことは出来ない。

 

「甘い!」

 

20mmガトリング砲で素早く車長をひき肉に変え、戦車背部のエンジンに最後のロケット弾を叩き込む。

大きく爆発した後、中で弾薬庫にも誘爆を起こし、大きく砲塔が持ち上がり地面へ転がる。

他の奴らも上手く戦車を撃破したことが、モニタ越しに表示された。

 

「全戦車の無力化を確認!後は取るに足らない相手だけだ!20mmでとことん狩り尽くすぞ!」

 

『『了解!』』

 

既に敵の防御陣形はばらばらになり、統率も一時失っている。

しかし、ロケット弾はともかく20mmの弾薬はまだある程度ある。さほど多くは無いとはいえ、使わない義理はない。

 

車両を中心に輪形陣をとっていた六名の敵兵を車両ごと蜂の巣にする。

そこで、ミサイルアラートが鳴る。

戦闘速度にまで落としているのだ、今から加速しても恐らくは間に合わない。

 

「クソッ!」

 

そう叫びながらミサイルに向けてシールドを構える。

ミサイルはシールドに着弾し、それを木っ端微塵に吹き飛ばす。

それでも本体に損害は無いのは一重にシールドそのものが優秀だったからだ。

 

『大丈夫か?!』

 

『状態は?!』

 

「盾をやられたが、問題ない!対戦車ミサイルどころか戦車のAPでも耐えられると謳っているシールドなだけあるよ!吹き飛んだがな!」

 

『肝が冷える、気をつけろよ』

 

「応よ!」

 

そう返し、残弾をチェックする。

残り三十発。流石にこれ以上は限界か。

 

「全員、離脱するぞ!余った弾は敵にプレゼントしてやれ!」

 

そう指示を出し、残りの弾を敵兵に叩き込み、元来た方向へと加速していく。

 

『残弾ゼロ!さっさと離れよう!』

 

『大漁だったな!案外やれるもんだ』

 

「俺たちだから、かもな!」

 

『言ってろ!』

 

そう笑いながら返してくれたが、事実敵陣は既に半壊している。最早彼らに碌な継戦能力はないだろう。この後は後続が処理してくれる。作戦は完全に成功だった。

引き換えていくこちらとすれ違いに、二機のコブラが頭上を通過していく。

 

「ぼろぼろの敵ごときに態々ご苦労なことだ。安全にスコア稼げるだけ楽だよな」

 

『だが、俺たちが英雄なのには変わりない。違うか?』

 

「全くだ」

 

『こら、二人とも。帰還するまでが作戦だぞ』

 

「分かったっての。気は抜かないさ」

 

燃料は残り四割を切っている。さすが燃費の悪い兵器なだけ有るが、何とか自陣へ帰還できそうだ。

 

作戦を無事に遂行できた達成感に身を包みながら、高速で道路を駆けていった。

 




と、いうことでまず一話目です。
兵器の成り立ちとかはまた作中で描写する予定です。というか余り細かい事は後で決めます。

今作は本来は現在投稿中の『魔法科高校と"調整者"』が一定の割合で完結したところで投稿する予定でしたが、どうも頭の中に押さえておくだけでは忘れてしまうだろうし、だからと言ってメモで貯めておくのももったいないかと思い投稿しました。
もちろん現在のメインはそちらになりますので、こちらはどの道更新速度はそちらが完結するまで遅れます。そのところを悪しからず、お願い致します。

また、上記と同様の理由で感想等への返信も遅れるかもしれません。出来るだけ返すつもりではいますが、ご理解いただけると幸いです。
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