パワード・アサルト~使い捨て兵士達の賛美歌~   作:ヤーンスポナー

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設定忘れそうなので再度こちらにちょろっと投稿。


あちらの方の更新をこちらの更新にかまけて怠ることはありません。更新を怠る時はどちらも更新できない時です。

とりあえず一話目は説明回。会話形式で世界観を説明する練習もかねて。


第一話~訓練場の新米兵士~

テントの下にホワイトボードが置いてあり、そこに授業の内容が書かれている。

 

きちんとした教室でも一通りは教わるのだ。そんな中青空教室の如くテントの下に鉄パイプを並べ、野外で授業を受けているかと言うと、それが簡単な"おさらい"であり、尚且つ"この授業が終わったら実地訓練に入る"からだ。

 

「それでは、ここでもう一度この高機動強化装甲ユニットの成り立ちについて、誰かに聞いてみよう。答えられる奴はいるか?」

 

そう教官が並べられたパイプ椅子に座る生徒達を見回す。その中で、一人が立ち上がる。

 

「はい。元々高機動強化装甲ユニットは、"誰でも簡単に、かつ最高の戦果を出す"為に国の技術の粋を集めた、個人に与えられる武装としては最も高価な兵器です。これが開発される背景にあるのは、日本における"人的資源の問題"が根幹にあります」

 

その答えに対し、教官が満足げに頷く。

 

「正解だ。もう少し詳しく解説しよう。この兵器が作られた理由を把握することで、わが国の状況も把握できるはずだ。そうすれば、どのように諸君らが戦うべきかも、自然と分かる」

 

そう言って、教官はペンを取りホワイトボードに文字を書く。

 

「事の発端は日中間の外交関係が決定的に悪化し、開戦が時間の問題とされた頃だ。首脳部が中国の侵略に対する防衛戦をシュミレートした結果、ある問題が浮き彫りになった。これはさっきの答えである"人的資源の問題"がそれなんだが、もう少し詳しく答えられる奴は?」

 

その言葉に一人が勢いよく返事を返し、立ち上がる。

 

「専門的な人材の不足です。具体的に言うと、強行偵察を実行可能な能力を持つ兵士や攻撃ヘリなどを扱うパイロットやガンナー。また、空中では戦闘機や対艦攻撃機を扱うパイロットなどが質はともかく量は中国より少なく、複数個所にそれらを集中展開された場合先に日本のそういった兵士達が不足する事態に陥る可能性がある、という物です」

 

「正解だ。これらの解決手段としてパイロットの育成の強化、募兵の強化など様々な案が挙がった。しかし、これらは確実性が無い。それに、即席でそれらの人材は確保できるものでもない。だからこそ、この兵器が作られたのだ」

 

そう言って教官は高機動強化装甲ユニットの概略図にメモを重ねていく。

 

「この高機動強化装甲ユニットの具体的コンセプトは既存の強行偵察部隊、攻撃ヘリなどで出来ることを"一兵士"で実行可能に出来るようにすることだ。諸君らがこの兵器を駆ることによって本来使うべき強行偵察部隊、攻撃ヘリ、対地攻撃機などを温存する意図がある。残念なことに、君達一人一人の命よりそれらの部隊の兵士の命の方が価値は高い」

 

はっきりとそう言いきり、しかしそれを否定するように話を続ける。

 

「ただし、それは決して好き勝手に死んで良いと言う訳ではない。諸君らでも簡単に扱える強力な兵器を作り出すのには、先ほど述べられた通り考えられないほど高額な費用が掛かっている。それらをいかに"より長く"使い続けられるかに、日本の命運は掛かっている。それを忘れることのないように」

 

その言葉に、生徒の全員が頷く。

その様子を見た後、教師は蛇足を続けた。

 

「なおこの兵器を作られた問題の根幹は決して陸自に限った話ではない。先ほど述べた通り、航空自衛隊でも似たような問題を抱えている。それらの問題に対してこの兵器は見事な解決策となった。諸君らも知ってのとおり、この兵器は陸自だけで使っているのではない」

 

そこでホワイトボードの文字を半分だけ消し、そこに兵器の系列を書いていく。

 

「我々が使っている高機動強化装甲ユニットは"陸上強襲型"だ。陸自では他に機甲部隊に歩兵が足並みを揃えられる程度の機動力の為にこの"陸上強襲型"から武装、及び機動力を低下させた代わりに装甲を増やした"陸上歩兵型"が配備されている。また、航空自衛隊では本体そのものの装甲を減らした変わりに逆に出力を上昇させ、海上で"ホバー移動"に似たようなことを出来るようにした"海上型"に外部取り付け型の武装・ブースターユニットを取り付けた"海上雷撃装備型"を対艦攻撃機の変わりに使用し、その分のパイロットを制空権確保のために割り当てている。この兵器はそれほど扱いやすく、かつ活用法も多岐に渡る。そのことも覚えておけ。さて、何か質問は?」

 

 

質問が何もない事を確認し、教官は頷く。

 

「よし、ではいよいよ実地訓練に入る!諸君らはまだこの兵器に始めて乗るひよっこに過ぎない。しかし、この兵器は若い諸君らにとっては実に扱いやすい。自分のイメージの通りに動かすことが出来るからな。恐らくは半年で戦えるようになり、一年で最前線に立てるだけの腕前に成長するだろう。しかし、そのためにもまず最初に基礎を培うことが重要だ。まず各員はそれぞれの高機動強化装甲ユニットを装着しろ。武装は全て模擬弾にしてあるから少々物足りないかもしれないが、まず最初に重要なことを教えてやる」

 

 

全員がユニットを装着し終えたところで、今度は無線から教官が全員に呼びかける。

 

『その高機動強化装甲ユニットは戦場を選ばない。トラックが一両あれば後はコンテナの中に必要な物さえ揃えれば一機をそのまま運用できる。しかし、その時に問題が出てくるのが"加速の稼ぎ方"だ』

 

そう言って教官はパソコンからデータを送る。生徒達が装着している高機動強化装甲ユニットのモニタには、ロープを装着されたユニットが表示される。

 

『素の為にもこの兵器は古典的な方法を採用している。具体的には機体の各所にロープを装着し、一定の割合で加速が完了するまでソレを保持、その間にブースターを吹かせるんだ。加速が充分に稼げた段階でロープを切り離し、出撃時点から戦闘速度の状態で移動することができる。日本の陸上で防衛を担う場合、まずこれを完璧に習得する必要がある。難しいことは無い。ある程度のことはコンピュータが補助してくれる。ただ、諸君らは加速する感覚に慣れなければならない。加速にビビッて減速を掛けるような者はこの兵器を扱えるかどうかも微妙だからな。では、最初の課題を開始する。そのロープを用い戦闘速度まで掛け、切り離された後は500m先のフラッグまで戦闘陣形を維持したまま移動することだ。諸君らのチームワークに期待してこそだ。一発で成功させてみろ』

 

無線から生徒達の勢いよい返事を全て聞き終えた教官は、開始の指示を出した。

 

 

『では、開始!』

 

 

その言葉と共にロープでつながれたユニットがブースターから火を吹き、ある程度進んだ後ロープにより停止する。

ぶれながらもその場に留まる間、加速は充分なほど上がる

 

『切り離しまで五秒!四、三、二、・・・今!』

 

その言葉と共にロープが切り離され、勢いよく全ての高機動強化装甲ユニットが飛び出していく。

中央の兵士達が加速を掛け、それに合わせて他の兵士達が陣形を組んで行く。

ぎこちなくはある物のしっかりした陣形を組み、そしてそのままフラッグまで到達した。

 

 

『よし、そのまま一回戦闘速度にまで落とし、フラッグの周りを周回。次の指示を聞け』

 

 

教官が指示を出し、その通りに生徒達が動いていく。

まだ完璧とはいえない。しかし、この兵器は日ごろアニメなどに触れてきた"若い世代"の方が上手く扱える。

いずれは彼らも、日本を守る一人前の兵士になるだろう。

 

そこまで育て上げるのが、教官の役目。

 

 

その熱い熱意を胸に秘めながら、教官は次の指示を出した。




感想等は今作の場合一話投稿した毎に返信していく予定。よって魔法科のSSの方より大幅に遅れます。ご理解いただければ幸いです。
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