そのトイレが作られるまでの過程を著したものです
何?突然すぎて引く?
引いてもらっても構わない、そういうこといってもオイラの元へやってくるのだから
理由は単純かつ明確
それは
「オイラがトイレだからさ!」
それは田舎にあるとある一軒家。木造建築であり日本最古に近い家
だがこの家には不思議なことがある。それは・・・
「オイラは洋式なのさ!」
なぜだかその家のトイレは和式ではなく洋式であった。
〇〇様式の方ではない、ヨーロッパ。つまり西洋式、俗に言う洋式だ
なぜ私が洋式 というか和風の家、木造建築の家に洋式の私がいるかって?
簡単さ、それは単なる大工さんと主人の気持ちさ
1950年、それは戦争が終わりまだ世界が混乱中のさなか日本では復興作業が進められていた。
この「中村」という村はあまり戦争の被害を受けなかった。理由は簡単だ。軍人や人があまり出はいりすることがない秘境なのだ。秘境といっても軍人に対して卑怯なことはしていない。至って普通or優しい人ばかりの村だ。この中村という村名もただ村長が中村という村名を気に入ったらしく皆から適当なのでは?と指摘はあったもののそれを笑顔で無視しそう名付けた。みなも最初は近所に住んでいる中村さんの名前を使って言葉遊びやちょっかいをしていた。だがその中村さんが死亡した1956年その日から中村さんにちょっかいやらいじめをすることはなくなった。そのせいなのか、この村は戦争から被害を逃れた。これも中村さんのおかげなのでは?と村人は中村さんを次第に嫌われ者から神様とまでに崇められた。遠くから来ようにもその道は厳しく山、谷、川、天候により行く手をはばむものばかり、だが村の中は至って平和で緑も多く、空気も美味しい。ただ周りがひどいだけだ。これも中村さんが死亡してからだという。そんな中とある民家に生まれた子(太郎)が二十歳になり成人を迎えた時、太郎は大工になろうと決意。これが伝説の始まりであった。
太郎はおやじさんの会話力と大工の腕を学び、実践するたび周りの人からの評判は良かった。
「あんたんとこの息子さんえらーもんで~」
「ホントホント!こりゃあたまげた~」
「あっはっはっはっは」
おやじさんは顏がいかついが中身は優しくどんな人にも親切に接することで有名なのだ。そのおやじさんも奥さん方に褒められてつい顏が歪んでしまう。可愛いところがあったもんだ
その頃太郎は評判のおかげでおやじさんから「一人で家一軒建ててみろ」といわれそれを承諾
その日から太郎の建築がはじまった。
昔はチラシや本があまり普及していなかった時代。しかもこの村ではそのような技術を持つ者はいなかった。田舎だけに
そのせいかこの村では石や木に文字を石やお米でかくことになっていた。太郎はまず平たい板に設計図を書くことから始めた。まず何を作るのか、簡単だ。それは支柱や土台だ。シチューではないぞ
緑が多いおかげで木材には困らない、だがその分ほかの材料が足りない。少し離れた場所まで採りに行かねばならない。体力には自信があった太郎は早速材料調達をしにいくことにした。
ピッケルにリュック、弁当1日分も持って出発した。弁当はおっかさんが作ってくれたおむすぎにたくあん、そして大好きな麦茶を背負っている。服装はシャツに短パンだけという至ってシンプルであった。太郎はただ無駄なものを持ったり背負ったりしない主義なのだ
村を離れ少ししたら緑色に輝く森の入り口がやってきた。太郎はまず深呼吸をした、息を整え目を凝らす。敵はいないようだ。そして太郎は歩き出した。
森の中は意外と明るかった、もう東京の時間でいうと7時くらいだというのに。太郎は体力と建築士の腕はあるが植物や動物に関する知識は豆粒ほどであった。これが俗にいう豆知識というやつだ。料理や家事はおっかさんから聞いているため野宿や生活には困らない。家もおとっつぁんからの知識があるためこれも大丈夫。ただ動物図鑑や昆虫図鑑、植物図鑑がない村で生まれた太郎。知識は少ないが建築士としての仕事の第一歩なのだ、知っている限りのことは全部活かしたいし材料も良い質のものを選びたい、そう思い森に来たのだ。
歩いていると5分ほどで木の多く生えているところに着いた。まずのこぎりを片手に滑らせていく。
ギーコーギーコーギーコーという音をたてて木を切っていく。とりあえず3本切った。
そして肩で持ち運ぶ、それを繰り返して村へ戻ろうとした。
しかしその時にはもう夜になっていた。太郎はこう見えてさみしがりや。だから木を抱き枕のようにして野宿することにしたのだ。
グーグーグー
太郎のいびきは鼻腔共鳴をしていてよく響くのだ、なので森で寝ている鳥や動物が逃げていく足音が夜の空を覆っていた。
「もう朝か」
目覚めたのは日本時間でいうと正午に値する。
豪快にあくびをし、丸太をどけ立ち上がった。そしてあたりを見回す
「よし、敵はいないな」
そして荷物の準備をする。次にまた深呼吸をする。初めと終わりには深呼吸をするというこれまた不思議なことをするのが太郎であった。
村へ戻ってきた、すると自分の家の周りに人だかりができていた。その時はただ自分の家で何か起きたのではということより何かの紹介や市場なのではと思っていた。
太郎は一応走って家に行ってみた。すると・・・
「おやじ・・・」
そうおやじさんが倒れていたのだ。
「おやじ!おやじ!!このクソおやじ!!!」
何度呼んでも返事がない、そこへ村一番の腕を持つ医者がきた
「どうですか?」
そして返ってきた言葉に太郎は言葉を失った
「これは、ただの居眠りですね・・・」
「・・・」
返す言葉もございませんとはこのことだった。口から出ていた唾液はただの涎だったのだ、白目向いてるのはそういえば昔からだった。なぜか寝る時おやじさんは毎回白目なのだ、だから母だけはそれをわかっていてあまり驚かなくなったが息子の太郎はそれを知らなかった。あいにく母は出かけていた。たぶん近所でやってるゴミ捨て場に捨ててある服のバーゲンにでも行っているのだろう。本当あきれてしまう
そして今日初めて白目むいた状態で寝る姿を見るのは初めてなみなにとって衝撃的な言葉だったのだ。
普段はあまり縁側や外に近いところで寝ないはずのおやじがここで寝ているのは少し謎だった。だが何もなくて良かった。ホッとした太郎は丸太を起き仕事に取り掛かろうとおやじさんを起こす
「なんだ~?おっ!太郎じゃねーか~なんだ?その丸太はよ~」
「とってきたんだ!家作るために」
少し眠たそうに目をこすりながらおやじさんは言った
「これはすぐそこらで手に入る丸太じゃねーか~こんなんじゃもろい家ができちまうぞ?」
「えっ・・・?」
がっかりだった。確かに少しは思っていた。こんな近くで取れた木じゃ硬くて丈夫なおやじの作った家みたくになるわけないと、だが少し妥協もしてみたかった。太郎は考えていたんだ、良い木じゃなくていい、ただ丈夫な家ができればいいと。
「しかも丸太3つか~ちと難しいんじゃねぇか?」
「頑張ります!俺・・・やります!」
太郎の目は本気だった。おやじさんもそれを認めてくれた。これぞ一目惚れってやつだ。その時目で伝えるのがこんなに辛いのだと太郎は知らなかった。
その日から家づくりがスタートした。
まず丸太を切ることから始めた。おやじさんはただ見ているだけであった、その顏はいつも以上に真剣な目つきでまるで鬼の仮面をかぶっているようだった。
中略
家づくりは丸3日続いた。そしてついに完成した。
おやじさんは少し眠りかけた頭をぶんぶんと横に振り目を覚まさせる。
そして今まで自分が寝ていたのかというような頭でその出来た家を見る
目から鱗というがおやじさんは目から行水ならぬ目から涙を流していた。
その涙は太陽の光を浴びて虹色に光っていた。それほどおやじさんは感動したのだろう。
男の涙はあまり見ることができない、特に歳をとるともっとだ。
完成したとき太郎はおやじさんが起きたのも見計らって睡眠に入った
朝 目覚めた時おやじさんが太郎の目の前に座っていた。
ニコリと笑顔でこちらに目をやっていた。
「おつかれさん」
少し寝ぼけながらも笑顔でペコリと頭を下げそのまま倒れてしまった。
おやじさんは太郎に布団をかぶせてやりました。
トイレというものは日常の中で必ず見る・使うものである。
もし誤字・脱字がありましたらトイレの水にでも・・・いえ、教えていただけると嬉しいです!