ということで13話です。
今、猛烈に悩んでいることがあります。
けさの朝食、パンにしようか、ご飯にしようか………………
ではなくて。いえ、それも迷っているんですが、一番悩んでいるのは、執筆スピードなんです。
今は一話辺り5000字を越えるような構成にしてるんですが(今回は8029字!)、これだとかなり執筆スピードが遅くなってしまって………
一話ごとに妥協しないように、作品の完成度を尻切れにしないようにしてるんですが、如何せんおっそいもので………
決まったらご報告します。ではどうぞ
赫子を撃った後にしっかりと着地する。
前は怖かったけど、ネオさん達の
喜ぶべきか、哀しむべきか。
(今はとにかく)
雑念を振り払って、爆発炎上した《渦潮》のアジトに乗り込んだ。
これをわたしがやったなんて、あんまり考えたくはないけど、そんなことを考えていたらまた雑念に囚われそうだったのでやめた。
ここからは、気を抜いてはいけない。
みんなに迷惑をかけるわけにはいかない。
一番に乗り込んでいったネオさんの後に続いて、わたしも走り込んだ。
立ち込める煙と、燃え上がる炎の中、わたしは手当たり次第にグルグルマスクの喰種に“ツタ”を突き刺していく。
先がクルクルと巻かれて槍のようになっているわたしの鱗赫は、回転をかけることで易々と敵の眉間に穴を開けることができた。
「………ケホッ」
周りから聞こえる悲鳴を聞く限り、戦況はわたしたちに傾いているようだった。
(よし………)
と、油断していたのがよくなかった。
「一名ご案内ー」
突如右手背後から聞こえてきた呟きに、バッと振り向くと。
煙のせいで悪くなっていた視界に、天井から吊された紐をひくグルグルマスクの男の姿があった。
ガタンッ
「っっ!!?」
突如、身を襲った浮遊感に対応できず。
わたしは、《渦潮》のアジトに作られていた、暗い
「………!?」
耳に届いた不審な音に、アリスの息を飲む声が重なって、俺は思わず音のした方向を見る。
そこには、床に開いた穴と、天井から吊された紐があった。
まさか。
(してやられた…………っ)
俺の攻撃が止まったスキにと赫子を出してきた《渦潮》の喰種を屠り、人一人分くらいの穴に駆け寄る。
だが、その一瞬が命取りだった。
グニュグニュという音とともに、床坑は見事に塞がった。
「まさか、24区の………!?」
同じくこの事態に寄ってきたネオが、驚きとともに呟く。
「いや、24区でもここまで早い再生は出来ないはずだ。おそらく、このことを見越した特別製の罠だ」
「ちっ────」
ネオが間髪入れずに彼女の尾赫を振るい始める。
赫者の盾さえ砕いたネオの赫子が、トゲで床を抉り、その勢いで穴を開けようとするが、床の常識外の再生力の前に、その努力は水泡に帰した。
おそらく、正攻法でしかアリス達の後を追うことはできない。
そうとなれば、やることは一つだ。
「落ち着け」
自分でも驚くほど低い声がでる。
ネオが俺の言葉に破壊行為を止める。
「《渦潮》のボスがいねぇ。今の仕掛けでアリスと一緒のところに行ったはずだ」
「…………」
俺の言葉の意図するところを察したらしい、ネオはその瞳に獰猛な光をともす。
「邪魔するやつらはは全員死刑。これは命令だ。今すぐ始めろ」
「死ーね死ね死ね死ね死ね死ねー♪死ーね死ね死ね死ね死ね死ねー♪」
ドガガガガガッッ
剣山のような鈍色の羽赫が広げられ、わたしに向けて放たれた。
それらを、右に跳んで避け、追撃は前進してかわした。
(…………一体、どれく)
「…………ッ」
ガギギギガガッッ
少し気を逸らした瞬間、頭を集中的に狙って赫子を撃ってくる。
わたしは、攻撃してくるこの男に向けていた足を左側に動かして走った。
頭はほとんどの生物に共通する弱点。本能的にそこに向いている攻撃には過剰な反応をしてしまう。
(次から次へと………!)
そして。
「あんれー?キミ、強いねー?」
過剰な反応、無駄な攻撃のいなしは、大きく、致命的な隙をうんでしまう。
相手は喰種の跳躍力を生かして、一足で跳んで来た。
右足の跳び蹴り。
間合いを詰められる。
『
武術を修めていた、というネオさんとの特訓がフラッシュバックする。
『間合いは絶えず流動する。相手の間合い、自分の間合いをしっかり認識し、変化する位置関係を支配し、自らの意のままに操れ』
敵は、わたしの赫子の間合いでジャンプした。
『相手が赫子を扱う者でしたら、その間合いを十分に把握し、相手の
相手の身体能力を利用しろ。
相手の意表をつきなさい』
「………!」
わたしは足を止め、この戦いで初めて出した鱗赫を五本出して、別々の方向から攻撃することで応じた。
わたしの赫子は細い分、素早く動かして攻撃に入れる。
襲いかかってくる渦巻きマスクの喰種を串刺しにできる。
相手は空中なんだ。大きな方向転換は出来ない。
(これで……!)
そう、油断していた。
「なーんて、ね」
渦巻きマスクは、わたしに一度も見せてこなかった新たな赫子を腰辺りから出してきた。
グニュグニュ ブチャ
気味の悪い音を地下の空洞に響かせながら、ブチブチブチと肉を食い破り、《渦潮》のボスの
相手はそのまま、わたしの赫子目掛けて自らの尾赫を振るった。
ブンッッ
尾赫に相性の悪いわたしの鱗赫は一瞬でなぎ払われ、
ベキャ
尾赫がわたしの体を打ち。
(い─────)
ドガッッと音がして、わたしはビル壁に叩きつけられた。
背中から大きな衝撃がきて、肺から空気が押し出され、痛みで意識が飛びかける。
「ぁ……………い″っ」
それを、内頬を噛むことで強制的につなぎとめた。
敵の前で、意識を飛ばすなんて、一番避けなくてはいけないミス。
なんとか意識はつなぎとめたものの、続く
「ゴホッ………」
衝撃に押し出されるようして、口から血が出てくる。思っていたより重傷だったようで。
「んー、これ、端から見たら年端のいかないいたいけな少女に酷い暴行加えてる危険なおっさんの図じゃね?」
相手の妄言に返す余裕などなく、わたしはグラグラとする頭で全身の状態を確かめること専念する。
咄嗟に右腕で尾赫をガードをしたけれど、その程度で防げるような衝撃ではなかった。
右腕は肩から骨が砕けていて、腕の皮膚はところどころが衝撃のせいで破けて出血していた。
腕を貫通した衝撃は、その後の、壁との情熱的な抱擁とコンボして、あばら骨をバキバキにしてくれていた。
ネオさんの
(でも、四肢欠損はなし)
現状は、
体に穴があいているということもない。
さっきの相手の言葉を聞く限り、手加減されていたのかもしれない。
上半身は結構なダメージを負ったけど、下半身はほとんど無事だった。
大きな隙を晒しているわたしの機動力を奪ってこないのは、わたしをまだ幼いと見て侮っているからだろうか。
「あ!キミが今考えていることを当ててあげよう!」
突然、グルグルマスクの男が上機嫌に口を開いた。
「『自分がどうしてその程度のケガで済んでるのか分からない、マル』でしょ?」
相変わらず、人をバカにしたような口調。
ソーマさんとどこか似ていて、何かが決定的に違っていた。
「俺、こうしてあるてーどのグールどもを集めて喰い場を『管理』したりしてたわけじゃん?
そーいうことしてるとさ、俺らの住んでる8区に来やがった余所者が好き勝手やってるっつう情報もすぐに手にはいるわけじゃん」
こちらのことなどお構いなく、ベラベラとしゃべり続ける。
赫子につけられた傷はなかなか回復しない。
ただ殴られるだけでも、それで負った怪我は深刻なダメージを喰種に与える。
わたしの怪我は相当深刻で、なにかお肉を食べないと、2、3時間すれば死んでしまっているだろう。
「で、そいつらのこと───つまりお前らね?───を調べてみたら、なんとビックリあの《paradox》の生き残りの幹部どもが、ちょっくらお痛したやつを片っ端から粛正して回ってるっつうわけよ!
流石の俺もビビったね。
なんせ、《paradox》っつったら、隣の国で国ぶっ壊すわ、SSSレートのグール何匹もぶっ殺すわ、挙げ句の果てにゃ、十三区で
……………確かに、みんなの頭は少しネジが飛んでるかもしれない。
でも、みんなが隣の国でそんな危険なことしてたなんて聞いてなかった。
「そんなヤツらに目ぇつけられたら、さすがの俺らも好き勝手できない訳よ。
んで、予想外もいいところ、短気なてめぇらが今さっき俺らのアジトにカチコミしてきたっつうわけ」
グルグルマスクは、そこで一旦言葉を区切ると、マスクの穴から覗く赫眼をギョロリとこちらに向け、こう続けてきた。
「だがな、別にてめぇらを潰す手立てが無いわけでもないんだな、これが。
《paradox》の奴らは、キモいくれぇの仲間意識があっからな。十三区のときも、イカレた思想でノコノコと知り合い助けに出て行って、見事に壊滅ってわけだよ!
ギャハハハハハハッッ!滑稽過ぎんだろぉ、おい!?」
その言葉に、無性に怒りがわいてきた。
「てめぇらのどいつかを人質にとって、
仲間が人質とあっちゃあ、あいつらは罠と分かってても来るんだよ。
《paradox》のやつらのお涙ちょーだいな話は隣国の件ですっかり有名だからなぁ!
いやぁ、ちょうどてめぇくらいの弱っちいガキが混ざってるなんてなぁ、嬉しすぎる誤算だったぜ?
『ヨロイ』とか『ペインター』とかはガチでやべぇし、かと言って『黒薔薇』なんてむしろ見たら死ぬくらいには覚悟してたんだぜ?
『トーレ』は当然ないとすりゃ、この作戦もダメなんじゃね?とか諦めていたところに、キミの登場ってわけなんだよ!
あいつらも
マッジありがとう!ガチで感謝してるわ!ギャハハハハハハッッ!」
舐められてる。馬鹿にされている。
わたしのことをそう侮辱するのは構わない。
わたしが弱いことは事実だから。
それを知ってて、敢えてあの人達はわたしを作戦に参加させてくれている。
『実戦がなによりの経験だ。
実戦を積めば積むほど強くなれるのです』
『アリスは俺らの妹だからな!』
『置いていくという選択肢はないんだよ、諦めてくれ』
『お前は俺らの仲間だろ。なら来いよ。俺らを信じろ。お前を信じてやっからさ』
脳裏に焼き付いた言葉が蘇る。
わたしは赦せなかった。みんなをバカにするこいつの言葉が。命の尊さに差を付けて、
命の大切さを平気で踏みにじるこいつらが、こいつのことが、
わたしの大切な仲間の命を奪おうとしているこいつが、
わたしの愛に唾を吐きかけるかのようなこの人が
ぶち殺したいほどに、憎い。
「そんじゃま、ひとまずキミの赫胞くり抜いて、さっさと行こうか。
もうすぐここもバレるだろうしね。
24区の『とある場所』に、キミを招待しよう!きっと感動で涙が止まらなくなるような劇が観られるぜ?」
ギンは、歓喜の余韻に浸っていた。
《paradox》のヤツらが仕掛けてきたのが今夜だったことは想定外だったが、ヤツらを上手く嵌める手段が転がり込んできてくれたのだ。
もともと、《paradox》のメンバーの誰かを拉致しなければ勝利はないという事実に、半ば諦観の念を抱いていた。
部下たちには決して言えなかったが、俺もここまでか、という気持ちで一杯だった。
元々、行動原理がよくわからない、極めて危険で好戦的な喰種集団として有名な《paradox》が日本に来ていたと言う事実に驚いてはいたが、自分達には関わりのないことだと高をくくっていた。
ギンも8区の喰種達のリーダー格と言えど、所詮はレートSの喰種。そんな自分の率いる《渦潮》が、まさか彼らに目を付けられるとは思いもしなかったのだ。
彼らが《二律背反》と日本風に名称を変えて8区で暴れまわり、ギン達に目を付けたと知ったときには、全身の血が抜けて、その場に崩れ落ちようかというほどの絶望感に支配された。
『黒薔薇』は、捜査官達の前で駆逐レートSSSの赫者を惨殺し、その戦闘力を世間に知らしめた化け物である。
《paradox》随一の勇名を誇る彼女の噂は、一喰種集団の長として知らないはずがなかった。
《paradox》に目を付けられるということは、この化け物に首を狙われるということに等しい。
つまり、死んだ。
それが、このような形で救われるとは。
《paradox》の行動原理は理解不能であるとされているが、唯一分かっているのは、彼らが異常なまでに仲間に固執していると言うことだった。
ソレがリーダーたる『トーレ』のカリスマ性のなす業なのか、それとも別の要因があるのか。
詳しいことはわからなかったが、圧倒的な戦力を誇る《paradox》に対抗する唯一の策として、それが有用なことであり、かつもししくじれば、その瞬間に死が確定するという、とてつもない博打にでるしかギンには残っていなかったのである。
ヤツらは死ぬまで仲間の命を諦めない。
そのことは、《paradox》が親しくしていたらしい《天狗》の面々を救うために、対《天狗》用の過去最大級の駆逐作戦に出っ張って、双方に甚大な被害を出したことからよく分かる。
そこを突くことしか、
無謀でしかなかった今回の作戦を、成功させてくれた一番の要因は、ヤツらが何故かこんないたいけな少女を戦いに参加させていたことだ。
今回に限っては、自分の力ではなくキミのおかげだ、と、目の前で力無く倒れる少女に、ギンは心中感謝でいっぱいだった。
「さぁて、キミの赫子は見たところ鱗赫だから?」
自分の尾赫とは相性がいい。
なんてついているのだろうか。
「感謝を表して、一思いに抉りとることにするよ」
せめてもの感謝に、彼女を苦しませないようにしようと、ギンは太くて逞しい自らの尾赫を振り上げた。
そして、ふと気がついた。
自分の赫子から、いつの間にか、大きなトゲがいくつも生えていることに。
いや、ソレはまるで、自分の赫子からでてきた、花の蕾のような。
「─────はっ!?」
未知の事態に、ギンは動揺した。
「────その一瞬が」
ぞっとするほど近いところで、自分かなぶって下していたはずの少女の声が聞こえ、ギンは恐怖に襲われ、自らの後ろを振り返らずに咄嗟の裏拳を放った。
しかし。
「命取りなのです、よ?」
パキン
何かが割れるような、軽い音がして。
バァァンッッ
大火力の花が、開花した。
「ア、ギャァァァァァォォォッッ!?!?」
ギンは、尾赫を爆ぜ飛ばされたその一瞬で少女に肉薄され、
突然復帰して、形勢逆転を果たしたアリスの身には、彼女をすっぽりと覆ってしまうほどたくさんの赫子が蠢いている。
白いマスクの隙間から、白い衣の袖口から、黒いツタが何かを求めているかのようにグニャグニャと動き、暴れていた。
最初は、両膝を砕いて、機動力を奪った。
次に、腰下を抉って尾赫を封じた。
そこからは、アリスの独壇場であった。
指先から肘へ突き刺しては引き抜き、ふくらはぎを満遍なく突き刺しては引き抜き、あばら骨を砕かれた分、砕くことができるように脇腹に突き刺しては引き抜き、突き刺しては引き抜き、突き刺しては引き抜き。
グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ
ドブッドブッ
ベチャベチャベチャベチャベチャベチャ
先端を渦状にした槍が、渦の流れを止めるかのように、惨憺たる光景を生み出していく。
「ギアァァァアアッッ、ゴ、オオオォォッッ!!」
魂を傷つけるかのような、地獄の痛みに獣のように吼えるギン。
そんな彼に、死んでしまわないように、と急所をわざと外して、ギンの体を蜂の巣にしていた
「─────あなたはただでは殺さないわ」
およそ十代の少女には出せると思えないほどの暗い声で、ギンの耳元で囁いた。
「あなたが奪ってきた命は、全部わたしが引き受けますから。
あなたの犯してきた罪は、全部わたしが赦してさしあげますから」
肘先をもぎ取り、膝下を引き抜き、肩の骨を砕いて、腰を二つ折りにし、背骨を捻って、耳を引きちぎり、
「ぅ、ぁ…………」
もはや意識の飛びかけた、死にかけの
「だから、喜んで?
ほら、笑ってくださいね?」
両手で彼の顔を掴み、血だらけの頬をぐにゃりと歪め、
「ふふ、笑ってくれた」
「わたしは、あなたを愛しているから。
わたしは、あなたの奪ってきた命を愛しているから。
わたしは、あなたがいるこの世界をすべて愛しているから。
わたしは、あなたの命を大切にしてあげられますから。
だから、あなたも喜んでくれるのですよね?
あなたは自分の死を喜んで受け入れられる。安心してわたしに食べられることができる。安寧の死を享受できる。
わたしは悲しいけど、あなたを殺します。不安でしょうがないけど、あなたを食べます。生きているだけで咎を得てしまう辛い世界を、あなたの分も生きていきます。
おめでとう、ありがとう、ごめんなさい────」
既に、少し前にその命の
「─────いただきます」
グチャグチャグチャグチャ ベチャベチャ
パキン ボリ
ボリバリボリボリ ヌチッ プチンッ ムグムグ─…─…──……──────
暗い地下道に、
だが、その音の発生源となっている
マスクを外したその顔に、空虚の色を
(お前は、食べる時は
アリスを助けようと、罠に通じる道をそれほど時間もかけずに見つけ出したソーマ達は、《渦潮》のボスと見られる男の肉を喰らう彼女を発見したのだった。
喰種の暗視力が事細かに、遠くの惨状をソーマに伝える。
渦状の模様が描かれたマスクが破壊されて散乱しており、血の海の横には、汚れないようにという考えからか、彼女のマスクが大切そうに置かれていた。
(仮にも敵はSレートだった。アリスの実力じゃあ、絶対に殺せなかったはずだ)
それが今、こうしてアリスの血肉へと変わっていっている。
アリスでない喰種が殺したと考えられなくもない。
その笑顔が意味するのは、罪悪感か、それとも。
(これで、良かったのか)
いつも迷ってしまう。
仲間に引き入れた者達は、何かしら心やスネに傷のある連中ばかりだった。
そいつらが少しでも救われればいいと、戦う理由を与え、本当なら一人でやるべきだろう馬鹿馬鹿しいほどに危険なことをさせ、死に追いやってしまう。
(俺のやろうとしていることは、正しいのだろうか)
いつも迷ってしまう。
敵対するもの同士を許容できる世界を造ろうと、自分達に敵対するものを潰しに戦いを挑む。
矛盾を受け入れるなんてことは、
とりあえず、アリスを褒めてやらなくちゃな。
葛藤を振り切り、ソーマは後ろに信頼できる仲間達を引き連れて、今も夢中で肉の血を啜るアリスに駆け寄っていった。
「アリス!大丈夫か!?」
「……?あ、ソーマさん!」
ソーマの声に首を動かし、彼らの姿を認めたアリスが満面の笑みで立ち上がった。
「怪我は?ごめんなさい、お前を一人でこんな危険な目に遭わせてしまった」
「大丈夫ですよ、ネオさんっ」
普段はスパルタなネオの見せる優しさに、アリスは嬉しそうに返事をした。
「そうか、なら良かったのです」
「それにしても、こいつ、お前が
「はい!」
「…………そうか、凄いな!強くなったな、アリス」
「エヘヘ…………」
ソーマ達に褒められて、少し恥ずかしそうに笑うアリスは、彼らのよく知る少女だった。
いかがでしたでしょうか?
おや?アリスのようすが………