ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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どうも、皆さんお久しぶり! いやあ、やっと受験が終わりました。もうね、死にそうでした。

第一志望が中々受からず、最終日までもつれ込みました。

受験中もちまちま書いていて、一応後二つストックがあるんですが、また少し空くかもしれません。そこはご了承を。


今回から原作二巻です!


第二章
何が起きてるやら……


 明晰夢と言うものを知っているだろうか? 寝ている最中に見る夢を、コレは夢だと認識してしまう事を言う。

 

 俺はこの明晰夢を良く見る 。基本的に見る内容は同じで、大体月に十数回見る。

 

 内容は正直、見ていて良いものじゃ無い。出切ることならば、見たくないが本音だ。

 

 だが、今見ている夢は違った。何時ものーー紅蓮の炎が燃えている夢では無かった。

 

 それは、二人の幼い子供が遊ぶ夢だった。

 

 二人の子供は何処までも広がる黄金色の光が舞う、不思議な場所を楽しそうに駆け回っていた。

 

 片方は顔に影が掛かっており、よく見えないが、女の子なのは何とか分かる。もう片方は紅髪を肩より少し浮くくらいで切り揃えた男の子だった。

 

 二人の楽しそうな姿を見ていると、こっちまで何だか楽しくなってくる。

 

 そして、楽しいと同時に――悲しい。この光景を見ていると、堪らなく、悲しい。

 

 何だこれは? どうしてこんなにも悲しい。別に、この夢は何か悲しいモノでは無い。分野で言えば微笑ましいモノだ。

 

 なのに何で、何でこんなに悲しいんだよ。訳が分からない。

 

 俺が自分の正体不明の感情に戸惑っていると、夢の方にも変化が起きていた。

 

『どう   ? すごいでしょ。ここは父様と母様と僕しか知らない秘密の場所なんだ』

 

『うん! 私もこんな綺麗な場所があるなんて知らなかったわ。   はとっても素敵な場所を知っているのね』

 

 名前が聞こえない。他の言葉は聞き取れるのに、名前だけ切り取られたみたいに聞こえない。

 

 まるで――まるで、意図的に切り取られたみたいな。

 

 そこまで考えて俺は頭を振る。

 

 何考えているんだ俺は。コレは俺の夢だぞ。そんな事、ある訳が無いのに。

 

『そう言えばここ、何て言うの? 何か、名前があるの?』

 

『うーん、僕も父様に聞いて見たんだけど、名前無いんだって。ただ、〈金色の園〉とか適当な感じに母様が名前をつけていたなぁ』

 

 うん、確かにそれは少し適当だな少年。でも何だかカッコいいぜ。

 

『そうかな? 〈金色の園〉……良いんじゃ無いかしら? 私は好きよ』

 

 どうやら女の子の方も俺と同じ意見のようだ。

 

 しっかし、〈金色の園〉、か。どっかで聞いたことあるような無いような……。

 

『でも、良かったの?』

 

『? 何がさ』

 

『此処って貴方の家族だけの秘密の場所なんでしょ? それを私が知ったりして怒られないかしら……?』

 

 少女が心配そうに言うが、少年の方は笑うだけだ。

 

『なーんだ、そんな事? 大丈夫だよ。いざって時は、僕が父様達を説得するからさ』

 

『ホント?』

 

 それでも少女はまだ心配そうだったが、少年の方が少女に小指を差し出した。

 

『じゃあ、指切りしよ! そうすれば、大丈夫でしょ?』

 

『……うん!』

 

 少年の言葉にやっと安心したのか少女は笑みを浮かべた。

 

 そして、()は少女が差し出した指に自分の指を近づけるのだった。

 

******

 

「……頭が痛い」

 

 朝、俺こと兵藤夏蓮は何とも言えない頭の痛みを抱えながら起きた。

 

「ゔー何だこれ……こんな目覚めが悪い日なんて初めてだぞ」

 

 俺は机に置いてあるミネラルウォーターが入ったペットボトルを取り、キャップを開けて一口飲んだ。

 

「……何の夢見てたんだっけ俺?」

 

 首を傾げながら俺は呟いた。

 

 結構重要な内容だった気がしてしょうがないんだが……。

 

 そう、俺の昔の夢。

 

 俺こと、兵藤夏蓮には数年前より以前の記憶が無い。俺にとっての最初の記憶は土砂降りの雨の中で、母様に抱きしめられて倒れている記憶だ。

 

 俺と母様はどうやら何らかの事故に巻き込まれたらしく、その時の事故が原因で記憶が無くなってしまったというのだ。

 

 まあ、記憶が無いと言っても完全に無いとは言いづらいが。事実、俺は母様の事を母親とは認識していたんだし。

 

 そもそも、その時自体が大分幼かったから記憶が無いのも頷けるけど、それでも俺は自分が誰なのかを知りたい。それは、俺がずっと抱いている望みだ。

 

 俺は何処で生まれたのか? 親父は誰なのか?

 

 ……俺は誰なのか?

 

 ……何か、朝っぱらから辛気くさいこと考えているな俺。

 

 くそ! 何かモヤモヤしてくるぜ。

 

「はあ……少し走ってくるか」

 

 時間を見れば、現在午前四時。後二時間ぐらいは余裕がある。

 

 気分転換に走って、筋トレでもしますか。

 

「……ん? 筋トレ?」

 

 はて、何か忘れているような気が……何だっけ?

 

 えーと、えーと。確か……ああっ!

 

「そうだよ、今日はリアスとの約束の日だ」

 

 思い出しならば善は急げだ。

 

 俺は急いで着替えて隣で未だに眠りこけて居るであろう一誠の部屋に向かったのだった。

 

******

 

「九百七十八、九百七十九、九百八十……」

 

 朝日が眩しい公園。

 

 俺は、公園の中にある木の太い枝に片腕で掴まり懸垂をしていた。

 

 更に直ぐ側では岩を背負いながら一誠が腕立てをやっていた。

 

「ほら、頑張りなさい。後たったの百回」

 

「うっス! ぐおお……」

 

「おうおう、一誠頑張るなあ。ま、体壊すなよ」

 

「おうよ……ぐへえ!」

 

 あ、倒れた。まあ、死んでは居ないだろう。

 

 現在俺たち兄弟はリアス監修の元、トレーニングに励んでいた。

 

 リアス曰く「私の下僕が弱いなんて許されないわ。悪魔だって日々の鍛錬がモノを言うのよ」らしい。

 

 ちなみに内容は20キロマラソンの後に100本以上のダッシュ。筋肉が温まっている内に各部位の筋トレが主なものだ。

 

 俺はまだしも、最初は一誠のヤツは死んでいた。文字通り死に体だ。

 

 が、慣れと言う者は怖い者だ。今ではちゃんと一誠もちゃんと出されたメニューをこなしている。

 

 ちなみに俺は最初の一日で慣れた。時間が余ったら自主トレだ。

 

「ほらイッセー、頑張りなさい。夏蓮はもう、自主トレ終わりそうよ」

 

「くう、同じ時間に初めて何で一時間以上も先に終わるんだよ……」

 

「日々の鍛錬と言うものだよ一誠。お前もその内早く終わるようになってくる、さ!」

 

 よーし、千回終わり! 俺は木の枝から手を離し、地面に着地する。

 

「うひゃあ! 終わった~」

 

 どうやら一誠も終わったようだな。結構結構、大分早くなってきたな。

 

「お疲れさん、こなせるようになってきたな」

 

「まあな……はあ、疲れたー」

 

 と、一誠が地べたに座り込んで天を仰いでいると、

 

「イッセーさーん、部長さーん! カレンさーん! おはようござい………はぅっ!?」

 

「……朝から大丈夫かおい」

 

 公園の入り口で何ともベタな転び方をしたアーシア嬢がいた。

 

******

 

 どうやらアーシア嬢は俺たちのトレーニングを見に来たようだ。

 

 彼女も悪魔になったから俺たちと同じようにトレーニングをするらしい。

 

 ……どう見ても運動なんてした事が無いような体してるけど大丈夫か?

 

 で、現在俺たちは……。

 

「――というわけで、お願いできないでしょうか?」

 

 何故か俺と一誠の家で、アーシア嬢のホームステイについて話し合っていた。

 

 いやいや待て待て。何がどうなってどういう風になってこうなる?

 

 確か現在アーシア嬢は旧校舎にある一室を借りて生活しているらしい。だが、何時までもそこに居るわけにもいかない。

 

 そこで、リアスはアーシア嬢を俺たちの家に住まわせようとしているのだ。

 

 ……いや、だから何で?

 

 リアスとか朱乃とか小猫ちゃん――名前を呼ぶ権利をもらった――の家にでも住まわせて貰えば良いじゃん。何で俺等の家?

 

「あ、あのリアスさん? 我が家には大変とんでもない性欲丸出しの息子が居りまして……女の子のホームステイは……」

 

 見ろ、義父さんも同じ意見のようだ。

 

 そう、我が家の最大の懸念は我が愚弟こと兵藤一誠の事だ。

 

 アーシア嬢は世辞抜きで美少女だ。そんな彼女と一誠が一つ屋根の下で暮らす。

 

 ……とんでもないことになるな、うん。

 

 しかし、リアスは微笑むだけだ。

 

「ご安心ください、お父様……」

 

 それからあること無いこと我が家の親にリアスが吹き込んだところ……

 

「アーシアさん! どうか息子を見捨てないで上げてください!! こいつにとってこれが最初で最後のチャンスかもしれないんだ!!!」

 

「そんなお父様、イッセーさんは私の大切な存在で、見捨てるなんてありえません!」

 

「うぅ……。孫の顔は夏蓮はまだしも、一誠の方はもうとっくに諦めてたはずなのに……。まさかこんなバカでエロい息子に奇跡が起こるなんて…」

 

 見事に懐柔されたなオイ。そういや、以前に一誠の将来について真面目に相談されたな……。

 

 一誠の方は一誠の方で、何にも言えないのかげんなりとしているだけだった。

 

 と言うか、もうアーシア嬢がここに住むこと決定しちゃっているな。まあ、良いけど。

 

 何か両親も両親でアーシア嬢を一誠の花嫁みたいにしているけど……本人も満更では無いみたいだな。

 

「花嫁、か」

 

 そんな大はしゃぎする両親を尻目に、リアスが少し寂しそうに笑っていたのが気になった。

 

******

 

「戻ったぜ~」

 

「あらあら、お疲れ様です」

 

 仕事を終わらせて部室に帰ってみると、朱乃が笑顔で迎えてくれた。

 

 現在時間は深夜。俺たちオカルト研究部は悪魔としての仕事をこなしていた。

 

 俺が肩を回しながらソファーに座ると、朱乃が紅茶を淹れたカップをくれた。

 

「おっ、サンキュー」

 

「いえいえ、ちょうど、お茶を淹れたところですから。砂糖は一つあればよろしいですよね?」

 

「ああ。ありがとう」

 

 俺は砂糖を入れてから紅茶を飲んだ……うん、おいしい。

 

「朱乃が淹れる紅茶はやっぱおいしいな」

 

「あらあら、ありがとうございます」

 

 朱乃は嬉しそうに笑った。相変わらず、良い笑顔しているぜ。

 

「お疲れ様です。どうでした、今回の依頼は?」

 

 そして、いつものイケメンスマイルで話しかけて来たのは祐斗だった。

 

「どうもこうもねえよ。社会人になったばかりのお兄さんに延々と仕事の愚痴聞かされたぞ。上司がウザイだの、仕事が多すぎるだの……聞くのも飽きてくるわ」

 

「それはまた……」

 

「あらあら……」

 

 話を聞いた祐斗と朱乃が苦笑いを浮かべている。

 

「……でも、それも悪魔としての仕事」

 

「おう……」

 

 黙々と和菓子を食べる小猫ちゃんの的確な指摘。確かにその通りだ。

 

 なお、愚痴を聞いて今回俺が貰った対価は図書カード八千円分。まあ、今度新しい本でも買いに行くか。

 

「先輩、部長に報告は?」

 

「あっ、やべ」

 

 祐斗の言葉に俺は慌てた。

 

 いけないいけない。先にリアスに報告してからのんびりしないとな。こういう事に関してはリアスは厳しい。

 

 善は急げと、俺はリアスが座っている奥のソファーに向かった。

 

「リアス、今日は仕事終わった……リアス?」

 

 何だ? 遠い所を見ている感じだな? つか、こっち見てないぞ?

 

「おいリアス、リアス!」

 

 少し強めに呼んでみると、ハッと我に返ったようにリアスがこっちを見た。

 

「え、あ、夏蓮……?」

 

「どうしたよ、珍しい。契約終わったから報告しようと思ったんだが……」

 

「ああ、ごめんなさい。少しボンヤリしていたわ」

 

「疲れているのか?」

 

「そうじゃないわ。本当にごめんなさいね」

 

「なら良いが……」

 

 疲れている訳では無さそうだな。どちらかと言えば、悩みを抱えているんだろう。ここ最近、物憂げに溜め息を付いているし。

 

 まあ、貴族には貴族の悩みがあるんだろう。()()俺では悩みを聞いても何か出来るとも思えん。

 

 ん? 俺は其処まで考えて一旦思考止めた。

 

 今俺、今の俺って考えた? 何で今なんだ?

 

 じゃあ何か。何時の俺なら良いんだっていうんだ。

 

 ……やめよう。何か最近、泥沼に嵌まっているな。考えたって意味ないんだろうし。別の事考えよう別の事。

 

「そういや一誠とアーシア嬢は? まだチラシ配り中か?」

 

「ええ、もう少しで帰ってくると思いますよ」

 

 俺の質問に祐斗が答える。

 

 先日の一件で悪魔となったアーシア嬢。

 

 彼女もリアスの下僕悪魔となったからには、人間との契約を取らなければならない。

 

 その為、俺や一誠もやったチラシ配りをやる事になったのだが、一誠がアーシア嬢の事が心配らしく、

 

「俺がしばらくアーシアに付きます!」

 

 とか言って、アーシア嬢のチラシ配りを手伝っている。

 

「ま、アーシア嬢はまだこの町の土地勘に慣れていないし、ちょうど良かったかもな」

 

「そうですね。アーシアさんもイッセー君のことを信頼しきっていますし」

 

「さしずめ、囚われのお姫様を助け出しに来た勇者様みたいなもんだからな」

 

「……でも悪魔」

 

 俺の冗談に小猫ちゃんが鋭い指摘をする。

 

「ま、そうだがな……けど、心の中では勇者で良いんじゃね?」

 

「そうですわね」

 

 俺の言葉に朱乃が頷く。

 

「勇者、ね……」

 

「リアス?」

 

 まーたボンヤリしている。何なんだ?

 

「いいえ、何でも無いわ」

 

 そう言って笑うリアスの顔は、やはり、どこか寂しそうだった。

 

******

 

「あー良い湯だった」

 

 俺は生乾きの髪を振るいながらベットに飛び込んだ。

 

 悪魔稼業が終わり、家に戻った俺たち。

 

 年長順でどうぞと言う事で、二人より先に風呂を頂いた。今は一誠が入っているはずだ。

 

「最近、何か変だな……」

 

 天井を見上げならぽつりと呟く。

 

 悪魔に転生してからだろうか、最近奇妙な物ばかり見る。

 

 それが何か意味することなのか、もしくは唯の夢なのか。

 

「……ん?」

 

 俺が物思いに耽っていると、突如として床が光り出す。

 

「な、何だ……?」

 

 ベットから身を起こし、油断無く見ていると、光は魔方陣になった。

 

 てかコレ、グレモリーの紋章じゃん。てことは、グレモリー眷属の誰か?

 

 誰かと思っていると、魔方陣の上に人が現れた。そいつは、

 

「……リアス?」

 

 其処に居たのはリアスだった。何やら酷く思い詰めた顔をしている。

 

「どうした、リアス? 何かあったのか?」

 

 俺がベットから降りて、リアスに問いかけるも、リアスは黙ったままだ。

 

「リアス?」

 

「――夏蓮」

 

 俺が訝しんでいると、リアスがようやく口を開いた。

 

「おう、何だ?」

 

「夏蓮……私を抱いて」

 

「……は?」

 

 えーと何を言っているんだこいつ?

 

「だから、私の処女貰ってと言っているのよ」

 

 …………ナンデスト?




いかがでしょうか? 感想待ってます。

久しぶりなんで、上手く書けているかどうか不安です。
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