ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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最近、全然執筆が進まない……。


ネタは凄く浮かんでいるんですが、それを文章にするのがどうしても出来なくて。



取り敢えず、これからも頑張っていきたいと思います。


始めよう

 ――レーティングゲーム

 

 『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を持った、上級悪魔達が自分を王として、自分達の駒同士を競わせて戦わせるチェスを模したゲームのことである。

 

 大戦が終了し、大きな戦争が無くなった上級悪魔達が戦闘経験を積むために考案した実戦形式の物で、悪魔業界ではかなり人気らしい。

 

 今ではゲームの戦績そのものが爵位や地位に繋がるようだ。

 

*******

 

「ゲームは一週間後、か……」

 

 俺は机に座りながら、呟いた。

 

 あれから色々とあった。

 

 まず、グレイフィアさんがレーティングゲームを提案したのだ。

 

 通常、レーティングゲームに参加できるのは、成熟した悪魔だけで、リアスのようにまだ未成年の悪魔では参加する事は出来ない。

 

 だが、何事にも例外がある。

 

 今回のようにお家同士のいがみ合いや、身内の争いならば非公式のゲームを開催することが出来るのだ。

 

 それを聞いたときはリアスは相当憤っていたが……。

 

 まあ、普段から好戦的な部分があるリアスだったので、この話を受けることにした。

 

 ただ、問題なのが、ライザーは既にゲームの経験もあり、勝ち星の方が多いことだ。

 

 経験ありと経験なしとでは雲泥の差がある。何せ、やり方を熟知をしているヤツとしていないヤツではしているヤツの方が圧倒的に有利だからだ。

 

 しかも、それだけでなく、戦力差も大きい。

 

 ライザーのヤツは駒はフルメンバーで全員揃っているのだ。

 

 それに対し、こちらは七人。一人当たり約二人を倒さなきゃならない計算だ。

 

 というか、俺やリアスはともかくとして、イッセーや特にアーシア嬢なんてまともに戦えるわけが無い。

 

 

「……一週間で何とか出来るかどうか……」

 

 本来なら、ゲームは直ぐにでも開催されるはずだったのだが、ライザーが一週間に期限を延ばしたのだ。

 

 まず、最初に一誠のヤツがライザーに突っかかったのだ。

 

 理由としてはまあ、何と言うか……うん。

 

 ライザーの下僕全員可愛い女子だったのを見て、一誠が嫉妬したとしか言いようが無いな、うん。

 

 で、その後ライザーが一誠を挑発して、それに乗った一誠が挑発し返したりして、結局の所、神 器(セイクリッド・ギア)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を発動し、ライザーに殴りかかろうとしたのだ。

 

 当然、タダで殴られるわけ無く、ライザーの下僕の一人のミラという棍棒を持った少女が対処しようとしたが、間一髪俺が介入して事なきを得たが……。

 

 それを見たライザーが何を面白がったのか、俺たちに一週間の猶予期間を与えたのだ。

 

 ……まあ、完全に舐めているな。初めから勝負に勝てると思っている。

 

 確かに、戦力差はありすぎる。ぶっちゃけ、勝てる見込みはほぼ無い。

 

 だが、絶対に負けるとはあり得ない。

 

 お師匠様が言ったように『勝負はやってみないと分からない』。ならば、一週間で出来ること全てをやらないと……。

 

 

 一先ず、一誠を鍛えよう。他のメンバーは前々から実戦経験は豊富だろうし、アーシア嬢は回復役に徹すればいい。

 

 よし、早速明日から鍛えよう!

 

 そう意気込んで、俺は風呂に入るべく部屋を出た。

 

「あら、夏蓮ちょうど良かったわ」

 

 階段を降りると同時に義母さんが声を掛ける。

 

「どうしたのさ?」

 

「今、アーシアちゃんがお風呂に入っているんだけど、タオルを持っていくのを忘れちゃっていて。悪いんだけど、持っていってくれない?」

 

 何と、今はアーシア嬢が風呂に入っているのか。危ないところだったぜ、危うく変なハプニングに巻き込まれる……って。

 

「何で俺なんだよ。一誠ならともかく、アーシア嬢が入っている状況じゃマズイだろう」

 

「大丈夫よ、あの子まだ入ったばっかりだから偶然ばったり遭遇なんて無いから」

 

「いや、だから義母さんが行けば良いじゃ無いか」

 

「私、急いでやらなきゃいけない事があって……って、こんな所で油を売っている暇はなかったわ。じゃあ、お願いね」

 

 そう言って俺にバスタオルを押しつけて二階にあがる義母さん。

 

「あ、ちょ……」

 

 止めようとするがそれよりも先に階段を上って行き、姿が見えなくなった。

 

「……何かデジャブ感があるな」

 

 確か学校でもこんな事が……。まあ、良いか。

 

 そう思い、俺は風呂場への扉を開く。

 

「アーシア嬢、タオル此処に置いて、おく、から……」

 

 扉を開けたその先には、浴室のドアは開けられていて、更にその付近には一誠とアーシア嬢が向かい合っていた。

 

 ――全裸で。

 

 

 

 一瞬、その光景に目を奪われるが、はっ、と我に返りそして……。

 

 ――察した。

 

 そうか、一誠、お前もう。

 

「えっと兄貴……?」

 

「あー、一誠? その、すまん。まさか、此処でやるとは……」

 

「いや、だから」

 

 何か言おうとしている一誠を手で制する。

 

「分かっている。俺も高校生男子だ。それに、お前が人並み外れた性欲なのもよく知っている」

 

「ちょ……!」

 

「だが、一つだけ年長者として、兄貴として言わせて貰う」

 

 気分を落ち着かせるために一旦深呼吸をすると、言った。

 

「――避妊だけはちゃんとしろよ? 学生の内に子供はきついだろうし」

 

「言い訳をさせてください!!」

 

******

 

「で、風呂に入ろうとしたら、アーシア嬢がいて、そのまま硬直していたところを俺が入ってきた……そんな感じ?」

 

「そう、そんな感じ」

 

 あれから、一誠の必死の叫びに耳を貸した俺は、自分の部屋で一誠の説明を聞いていた。

 

「ほんとかねぇ……普段のお前を知る俺からすれば、全然信用できないんだけど」

 

「いやいや、ホントだって! 信じてくれよ」

 

 必死に自分の無実を主張する一誠だが、こういう事に関しては犯罪者並みに信用が無い野郎だ。どう信じろと?

 

「はあ……一誠はこう言っているけど、どうなのアーシア嬢?」

 

 俺は一誠の隣に座っているアーシア嬢に聞いてみる。

 

「は、はい。イッセーさんのおっしゃる通りです。……その、私がイッセーさんにお背中をお流ししようと思いまして……日本では、裸の付き合いというのがあると聞いて……」

 

 ……ナンデスト?

 

「一誠、やっぱお前……」

 

「違う! 何か、クラスのヤツがアーシアに変な事吹き込んだんだ!」

 

 必死に言い繕う一誠だが、俺は疑念の視線を隠さない。

 

 何せこいつには前科が色々ありすぎる。御陰で俺がどれだけ各方面に頭を下げたか……。

 

 自分の事を慕ってくれている女の子を自分好みに教育して、あんな事やこんな事を……。正に光源氏!

 

 さて、ちょっと制裁を加えてやるか……。前に女性関係で色々あったから多目に見てやっていたが……。

 

「よーし、一誠その場を動くか。ちょっとじご……あの世を見て貰うから」

 

「いやいや、言い直せていないぜ兄貴!?」

 

「なーに、俺たち悪魔なんだから行くところは冥界だ。問題無い」

 

「問題大ありだよ! 俺の話聞いてくれよ!」

 

「残念だな一誠……お前の話を信じるなんて基本的に不可能!」

 

「俺ってそんなに信用無い!?」

 

 何を今更。普段の言動を見なさい。

 

 一誠のあたふためく姿を見ながら、一歩に一誠に近づくと、

 

「ま、待ってください!」

 

 アーシア嬢が一誠を庇うように前に出る。

 

「何をしているアーシア嬢」

 

「イ、イッセーさんの言っていることは本当です! わ、私がイッセーさんに裸の付き合いというのをお願いしたんです!」

 

 ……ふっ。

 

「まあ、分かっていたけど」

 

「分かっていたのかよ!?」

 

「ははは、当たり前じゃないか。お前にそんな度胸があるとは思えないし。まあ、あれだ、嫉妬というやつだ」

 

「何が嫉妬だ! 部長といい仲だって二年にまで広がっているぞ! 最近は朱乃さんとも仲良いし! そこんところどうなんだよ!」

 

 あ? 何いってんだこいつ?

 

「お前こそ何言ってんだ。リアスと朱乃はまあ、確かに親友だが、別にお前が思っているような事は無いぞ」

 

「嘘つけ! こないだなんて一緒に裸で寝ていた癖に!」

 

 なっ……ここであのことを言うか!

 

「ちょ、おま、あれは俺の治療の為だ! 決してやましいことは無い!」

 

 無いよな? 本当に何にも無かったよな……?

 

 今更のように心配になってくる俺。

 

 何か、リアスなら何かやりかけないような雰囲気がある。こないだだって処女を貰って欲しいなんて夜這いしに来たほどだ。あり得ない話では、ない。

 

 

 ……やばい、何か怖くなってきた。

 

 俺の沈黙を肯定と受け取ったのか、一誠が更にまくし立てる。

 

「やっぱり何かあったんだな! 同じ紅髪だからか!? 顔なのか!? 何で兄貴ばっかりに良い目があるだ! 俺にも少しくらい分けてくれよ!」

 

 何を分けろっていうだこいつは!

 

「ええい、お前はいい加減にしろ! 大体、お前がモテないのはいつものことだろうが!」

 

「な……!? 言ってはならないことを!」

 

 何が言ってならないことだ。普段から盗撮、覗き。その他数ある変態行為をやっているヤツがそもそも女子に良い感情を持たれるわけは無いだろうに。

 

 というか、その変態行為が無くなれば、モテる……いや、エロが無くなれば、一誠は一誠が無くなるか。うん、エロが無い一誠なんてむしろ気持ち悪くなるかもな。

 

「これ以上は兄貴といえど許さん!」

 

 一誠の性格について考えていたら、何やら一誠が指を俺に向けて指しながら言ってきた。

 

「ほお、許さんと? ならどうする。殴るか? 喧嘩するか? 今まで一度だって俺に勝てたことない癖に」

 

 小さい頃から身体能力が高かった俺は地元では負けたことが一度も無かった。当然、一誠にも負けたことは無い。

 

「何なら、神 器(セイクリッド・ギア)を使っても良いぜ?」

 

「な、舐めんな! 今の俺は悪魔! 兄貴にだってそうそう負けないぜ!」

 

「はっはっ、何いってんだか……俺だって悪魔だろうが!」

 

 結局、アーシア嬢の必死の止めが入るまで殴り合いをしていた俺たち兄弟だったのだが、喧嘩というより、一方的に俺が一誠をボコボコにしてしまったわけだが、途中からなんで殴っているのか、お互いに分からなくなっていたが……。まあ、そこは俺たち兄弟なわけだがな。

 

******

 

「山の空気は何でこんなにおいしいのかねえ」

 

 澄んだ空気の中、周りの緑を見渡しながら俺は呟いた。

 

「それは勿論、緑が溢れているからでしょ?」

 

 隣を歩いていたリアスがそう返した。

 

「まあ、確かにそうなんだが……」

 

「何よ、煮え切らないわね」

 

 リアスが訝しげに俺を見てくる。

 

「いやあ、まあ色々あるわけだよ」

 

「ふーん」

 

 リアスはよく分からないという感じだが、実を言うと俺もよく分かっていない。

 

「ぜえ、ぜえ……」

 

 後ろから荒い息が聞こえた。

 

 後ろを振り向くと、大きなバックを背負った一誠がフルマラソンを走りきった後のように疲れ切った顔をして、歩いていた。

 

「だらしねえぞ一誠。もう少し気張れや。祐斗や小猫ちゃんも全然疲れていないんだから。つうか、小猫ちゃんに至ってはお前の倍以上持ってるぞ」

 

「そりゃあ、分かってるけど、てか、何で、兄貴はそんな、余裕そうなん、だよ?」

 

 息を切らせながら聞いてくる一誠。

 

「そりゃ、まあ普段から鍛えていたからな。それくらい知ってるだろう?」

 

 まあ、実際は少し裏技も使っているんだが……。

 

「くそおおおお! 負けてたまるかあ!」

 

 ちょっと目を離したら、何かを感じたのか、一誠は叫び声を上げながら、坂道を駆け上がっていった。

 

 てか、そんな風に走ったら、更にバテるぞ。……言わないけど。

 

 さて、何故俺たちが現在、大きな荷物を持って、山の中を歩いているのか? それは今朝にまで時間が遡る。

 

 一誠とアホみたいな喧嘩をした次の日。リアスが家に尋ねてきたのだ。

 

「今から修行に行くから支度しなさい」

 

 と、言ってきたのだ。

 

 まあ、反対する理由も無く、俺や一誠、アーシア嬢は一週間分の荷造りをして、リアスと共に出発した。

 

 義父さんや義母さんにはまあ、いつもの如く、リアスが色々していたが……。

 

 途中で朱乃達に合流した俺たちは、転移魔方陣で今登っている山の麓までジャンプした。

 

 で、そこでリアスから大量の荷物を渡されたのだ。

 

「コレを持って、山の頂上にある別荘まで行くわよ」

 

 との事だ。

 

 前衛組――つまり、俺、一誠、祐斗、小猫ちゃんの四人で荷物を分担し、運ぶことになった。

 

 唯、『戦車』である小猫ちゃんは俺や一誠より四、五倍はありそうな荷物を表情一つ変えずに黙々と背負って歩いていた。

 

「というか、これ何入ってんだよ」

 

「調理器具とか、メインになってるかしら。別荘はしばらく使っていなかったから、色々と補充しておかないとね」

 

 成る程。それと同時に俺たちの修行か。

 

 まあ、悪くない。こういうのは筋力アップに一番良い。一週間でどこまでいけるか分からないが、そこはリアスに任せよう。悪魔としては、リアスに任せた方が良いだろうし。

 

 それから少しして、俺たちは豪華な別荘の前にたどり着いた。

 

「さて、着替えたら早速修行を始めるわよ」

 

 性急だな。ま、時間も殆ど無いし、当然か。

 

「じゃあ、祐斗。夏蓮と一誠を連れて着替えに行って。私達も直ぐに行くから」

 

「分かりました。じゃあ、先輩、イッセー君こっちです」

 

 玄関で別れた俺たちは一階の一室でジャージに着替えた。

 

 

 

 さあ、修行を始めよう




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