ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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ゴールデンウイークが終わり、大学生の祝日は終わりました。悲しいですねえ。


こないだ友人とカラオケに行って、初めてちゃんと歌ったんですが、友人のアドバイスを受けて歌ってみたところ、段々とおもろしくなってきました。また行きたいです


守ってやる

「リアス?」

 

「あら、夏蓮もう起きたの?」

 

 屋敷内を探索していたら、リビングでリアスを発見した。

 

 リアスはネグリジェ姿で、眼鏡を掛けていた。前に一緒に勉強していた時に集中できるからと、かけていたから、多分これも伊達眼鏡だろう。

 

「まあな。つか、お前は何やってんだ?」

 

 机の方に目を向けると、様々な紙や本が散らばって置いてあった。俺はその内の一枚を手に取ってみた。

 

 こいつは……

 

「フォーメション? レーティングゲーム用か?」

 

「ええ。と言っても焼け石に水でしょうけどね」

 

「あ……?」

 

 焼け石に水って、こんなに必死にゲームについて学ぼうとしてんのに……。そりゃあ、こんな短期間ではつけ刃になるだろうけど、何もやらないよりはマシな気もするけど。

 

 俺の沈黙をどう受け取ったのか、リアスは苦笑する。

 

「別にこの資料が全く役に立たないわけでは無いのよ? 通常の上級悪魔ならこれでそれなりの対策が出来るわ」

 

「通常……つまり、ライザー相手ならそれが役に立たないと?」

 

「……ええ。ライザー、つまりフェニックス」

 

 フェニックス。不死鳥。文字通り、不死身の炎の鳥の事だ。

 

 流す涙はいかなる傷も癒し、その血を飲めば不老不死になるとも言われている。

 

 通常、聖獣の方が広く知られているが、悪魔として七十二柱の序列三十七として侯爵としての地位を持つフェニックスもまた、存在する。

 

 その力は聖獣のフェニックスとほぼ変わらず、不死身の炎の鳥。

 

「実際、ライザーの実力はあんなヤツだけど本物よ? ゲームの戦績は八勝二敗。この二敗は懇意にしている相手側のお家への配慮ですもの。つまり、実質全勝」

 

「まさに無敵か」

 

 うめく様に呟く俺。

 

 実際、漫画とかではよくあることだが、実際に聞くとなるとそうとう厄介なことだ。

 

 何せ不死身だ。どんなに攻撃しても倒れない。聞くだけで恐ろしくなってくるな。

 

 黙り込む俺を見てリアスが言う。

 

「別に、倒せないわけだはないのよ?」

 

「え? いや、だって不死身だって……」

 

「不死身といえど、完璧ではない。方法は二つあるわ。まずは神クラスの攻撃を当てる事。これなら、フェニックスの肉体と精神を一気に消し去ることができるわ。次に兎に角攻撃を当て続けて相手の精神を圧し折る。このどちらかが出来ればライザーを倒せるわ」

 

 二つの攻略法か……。

 

 前者の神クラスの攻撃はぶっちゃけどの程度か分からないが。一悪魔の俺たちではまだまだダメだろう。俺たち悪魔風に言えば、魔王クラスって事だろう。つか、無理だな。

 

 となると、出来るのは後者か……。ライザーのやつ、なんか苦労を経験したことが無いようなお坊ちゃんタイプだからな。案外そっちで行けるかな。

 

 ……いや、案外、神クラスの攻撃行けるか……? 何せ、こっちにはあいつがいるしな。

 

 そこまで考えて、俺はふと前に感じていた疑問を思い出した。

 

「なあ、リアス。お前、なんでこの結婚をそこまで拒絶するんだ?」

 

 これがずっと俺が疑問に感じていたことだ。

 

 普通、貴族社会ってのはその特権と引き換えに個人の自由というのが極端に無くなってしまう。

 

 結婚もその一つだ。貴族社会の中で生きてきたリアスがその事を知らないとは思えない。それに、リアスはそういう事はちゃんと責任を持って臨むヤツだと俺は思っている。

 

「お前がそんな無責任なヤツとは俺は思わない。――お前は、そんなヤツとは思わない」

 

「……私ってそんな風に見える?」

 

 苦笑しながら言うリアス。

 

「別に。()()は別として、だ。お前はそういう事はちゃんとするヤツだよ」

 

 ――本人の個人的な意思なんかは除いて、だけどな――

 

 そう心の中で付け足しながら肩を竦める俺。

 

 じっと俺を見つめるリアスだが、やがて諦めたようにため息をつき、話し始めた。

 

「そうね、普通なら、私はここでちゃんと結婚の話を受け入れて大人しくライザーとの結婚を素直に受け入れるべきなのでしょうね。……でも」

 

「でも?」

 

 一旦、言葉を切り、窓の方を向くリアス。その眼差しはどこか遠くを見るようだった。

 

「どうしても結婚……恋だけは私にとって譲れないものなの」

 

 ……譲れないもの。

 

「確かに、私はグレモリーの娘として、次期当主として生きてきたわ。それを苦に思った事は無いし、これからも思うことは多分無いわね……でもね、それでは、みんなグレモリーという家を通して私を見るわ。私個人の事を見てくれるヒトなんて同じグレモリーの家の家族ぐらいだわ。他の悪魔たちのほとんどは、私をグレモリー家を通じて見てくるわ」

 

 ……個人として見られない辛さ、か。

 

 ――うわー赤鬼だー――

 

 ――逃げろー赤鬼が来たぞ――

 

「……分からなくもないな、それ」

 

「え?」

 

「いや、なんでも無い。……それで? そんなお前個人を見おうともしないヤツとか結婚したくない。お前事を、お前自身をちゃんと見てくれるヒトと結婚したい。そういうわけなんだな?」

 

「まあ、それもあるけど……」

 

 どこか歯切れが悪く言うリアス。なんだ、まだあるのか?

 

「その、私ね、えっと……」

 

 頬を赤らめて、何やら恥ずかしそうにもじもじしているリアス。

 

 なんだよ……なんか、普段と違って可愛いな。普段は綺麗とか、凛々しいとかの方が似合う感じだったんだが。

 

 てか、リアスも女の子なんだからこっちの方が素か。

 

 恥ずかしがっているが、意を決したようにこちらを見るリアス。

 

「じ、実はね夏蓮」

 

「おう……」

 

「私……小さいころにある約束をしたの……」

 

「約束?」

 

「ええ……将来、好きあったヒトと絶対に結婚する。そういう約束よ」

 

 …………はい?

 

 思わず、絶句する俺。

 

 その様子を見たリアスが何か勘違いしたのか、あたふたし始めた。

 

「あ、やっぱり、変よね? こんな年になってもそんな約束を守ろうとしているなんて」

 

「いや、別に、内容自体はそんな悪い事じゃないさ。俺が驚いたのは、小さいころの約束をずっと守ろうとしているお前の義理さだよ」

 

  正直、驚く。何せ、小さいころの約束なんて半分冗談みたいなのが多いだろう。それを律儀に守っているんだから、リアスの性格の良さがわかる。

 

「義理さ、ねえ」

 

 どこか寂しそうにつぶやくリアス。

 

「私ね、夏蓮。小さいころの記憶が全く無いの」

 

「え……」

 

 突然のカミングアウトに俺は言葉を失う。

 

 記憶が無いって……俺と同じ……。

 

 動揺する俺を他所に、リアスは話を続ける。

 

「人間界で言うと……そうね、小学校の頃からはあるんだけど、それ以前の記憶が全くと言っていいほど無いの」

 

「それは……普通なんじゃないのか? 俺だって、そんぐらい前の記憶は全然……」

 

「ううん。私、記憶力は良い方なの。実際、昔のことは結構覚えているのよ? でも、幼いころの記憶だけが無い」

 

 俺と同じ……? いや、俺の場合は何か事故に巻き込まれてその影響だし、全然違うか。

 

「何だか、家族も何か隠しているような感じなの」

 

 膝を抱きかかえながら言うリアス。その表情は不安そうだ。

 

「毎年のように撮っている写真の中でも、私が小さいころの写真は殆ど残ってないの。最近のと比べても本当に。お父様もお兄様も、意図的にその話を避けている節があるわ」

 

 それは……きな臭いな。完全に何かあるとしか言いようがない。

 

 あれ、でも……。

 

「なら、約束は? 幼いころの記憶はないって」

 

「その事だけは覚えているの。尤も、約束した相手の顔は思い出せないんだけどね」

 

 寂しそうに言うリアス。

 

「私はその子と本当に仲が良かった。どこに行くのも一緒。一緒に居ない時間の方が少ないくらい。それぐらい仲が良かった」

 

 本当にうれしそうに語るリアス。

 

 ほんの少し、本当に少しだけ、そのリアスの幼馴染に嫉妬の念を覚えてしまう気がした。

 

「それでね、約束したの。『好きあったヒトと絶対に結婚する』って。だから、私は私が好きになったヒトと結婚する。絶対に」

 

「……すごいな、リアスは」

 

 リアスの決意を聞いた俺は、気づいたらそんな風に言っていた。

 

「え……?」

 

「そうやって小さいころからのうろ覚えな約束をずっと覚えているなんて……ほんと、すごいよ」

 

「夏蓮……」

 

 ほんと、すげえよ。それに比べて俺は……。

 

 だから、だからこそ……。

 

「リアス」

 

 とある決意をした俺はリアスに近づく。

 

「か、夏蓮……?」

 

 訝しげに俺を見るリアス。

 

 リアスの目の前まで行くと、しゃがみ込みリアスを見つめる。

 

 そして、リアスの手を取る。

 

「ちょ、夏蓮!?」

 

 突然のことに驚いたのか、リアスは頬をあからめる。

 

 ちょっとリアスには悪いが、俺だってこれから恥ずかしいセリフいうんだから、勘弁してほしい。

 

「リアス、俺はお前の事は全然知らないと思う。実際、二年とちょっとの付き合いだしな」

 

「う、うん」

 

「けど、お前が全部の物事にいつだって真剣で、手を抜かない。そんな奴だ。ほんと、尊敬している」

 

「そ、そう? ありがとう」

 

「他にも、色んないいところを俺は知ってる。だからこそ、俺はそんなお前が好きだ」

 

「え……」

 

 一瞬キョトンとしたリアスだが、

 

「え、ええええええ!?」

 

 驚くが、俺はそれに構わず話を進める。

 

「だから、世界中の誰もがお前の夢を否定しても、俺は否定しない。誰かがお前の夢を奪おうとするなら、俺が全力でそれを阻止してやる」

 

「夏蓮……」

 

「約束だ。俺がお前の夢、全力で叶えるのを手伝ってやる」

 

 リアスの目を見て俺はしっかりと言った。

 

「…………」

 

 顔を俯かせて黙るリアス。髪に隠れてその表情は見えない。

 

 ……あれ、もしかしなくても失敗した? 失敗したか?

 

 慌てる俺だが、ふと、腕に水滴が落ちてくるのに気が付いた。

 

「え……」

 

 俺が上を向くと、

 

「…………」

 

 呆然とした表情でリアスが泣いていた。

 

 って、なんで!? え、いや、なんで!?

 

 突然の事に混乱してしまう俺。いや、だってなんで泣くの!? あれ、俺やっぱ変な事言っちまったか!?

 

「ど、どうしたリアス? なんか俺変な事言ったか……?」

 

 焦りながら聞く俺。

 

 しかし、リアスは首を振る。

 

「違うの……私嬉しくて……。笑われるんじゃないかと思って」

 

「リアス……」

 

「家族には言えるわけなかったし。朱乃にもずっと言えなかった……」

 

「え……」

 

 そうなの!? 女王(クイーン)の朱乃にも言ってないということは、俺が初めてか!?

 

「だから……ありがとう夏蓮。私の夢を否定しなくて」

 

 

 そういってほほ笑むリアス。

 

 

 

 ――俺はこの時、柄にもなく、リアスの笑顔が美しいと思った。

 

 あの日自らに誓った制約を思わず忘れそうになってしまうほどに。

 

 ……だけど、それはいけない。

 

 

 

 ――それは、決して赦されないのだから…………。

 

******

 

「そういやあさ、ちょっとお前さんに相談があるんだ」

 

「何かしら?」

 

 あの後、妙にすっきりしたリアスが紅茶を淹れてくれて、現在で二人でお茶会なんてのをやっている。正直自分でもなんでこうなったかよく分からないが。

 

「一誠についてだ」

 

「イッセー? イッセーがどうかしたの?」

 

「ああ……ちょっとな」

 

 俺が口ごもっていると、リアス何か納得したのか「ああ……」と声を出した。

 

「イッセーの自信についてね?」

 

「……ああ」

 

 ここ数日くらいからだろうか。ふと一誠の方を見ると、普段のあいつにしては珍しい顔をして落ち込んでいるのだ。

 

 眷属のみんなと一緒に居るときは、普段通りなのだが、一人になっているところを見るとため息をついている姿をよく見かけた。

 

 初めは原因は分からなかったが、直ぐに気が付いた。

 

「ぶっちゃけた話、あいつには戦闘的なスキルの殆どが壊滅的だ。剣術然り、魔力然りだ」

 

「本当にぶっちゃけたわね……」

 

 リアスが苦笑しながら言う。

 

「事実だ。こと戦闘に関してはそういう妥協は命取りなっちまう。だったら、どんなに残酷でも事実を受け止めねえとな」

 

「そうね……」

 

「けどまあ、格闘のセンスはちったあ、あるし、何よりもあいつにはあれがある」

 

「……赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

 

 神をも殺すことができる十三の神滅具(ロンギヌス)の一つ。

 

 その能力は十秒毎に所有者の力を倍増していくまさしく破格の能力だ。

 

「だが、どんな能力(チカラ)を有していても、弱点てのができちまう」

 

「……ええ」

 

 リアスも分かっているんだろう。一誠の大きな欠点に。

 

 だが、

 

「一誠の欠点埋めるために今回の修行でああいう鍛え方だったんだろ?」

 

「あら、気づいていたの」

 

「初めはまだな。けど、格闘と体力向上を中心にやっていたら何となくな」

 

 一誠の現段階での強さはそれなりに行けると思う。しかし、

 

「一誠自身はそれに気づいていない。あいつ、自分には才能が無いんだって、落ち込んでいるんだろうしな」

 

「……自信をつけさせてあげたいの?」

 

「ああ。確かにあいつには才能が無いかもしれんが、それを補ってやまないもんがあいつにはある。それを気づかせるために、ってなんだよ」

 

 俺が自分の意見を言っていると、リアスが微笑ましそうにこちらを見つめていた。

 

「いえ、何だか、普段は一誠の事ぼろくそに言っているけど、こういうところを見ていると、やっぱり弟思いの良いお兄ちゃんね」

 

「な……!」

 

 自分でも、顔が赤くなってくるのが分かる。

 

「だ、誰が……あいつの事を! あんな馬鹿でアホで変態で、どうしようもないくらいスケベで、変態で……」

 

「変態を二回言ってるわよ」

 

 い、いかん……何を言ってもダメな気がしてくるぜ。

 

 こうして、しばらくリアスにいじられる俺だった。




いかがでしょうか?

今回は、ちょっと書いててこれで良いかな? と思いました。

リアスの過去話をオリジナル的に書いてみたんですが、やっぱりオリジナルを考えるのは難しいですね。大本は頭にあるのに、それを肉付けするのがもう……。

これからのオリジナルな部分を文章にするのが大変に思えてきました。

最後に感想まっています。
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