ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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目標の千台まであと少し! 頑張っていきたいです!

最近、いろんな小説のネタが浮かびすぎて、どれが書きたいのか分からなくなってくるんですよね……。

ストライクザブラッドも書きたいし、聖闘士星矢も書きたいし、ddの別のも書いてみたいし、一次創作も書きたい!!


はじまりだ

 部室に着くと、既に俺たち以外全員集合していた。

 

 みな制服を着て、各々がゲーム開始を静かに待っていた。

 

 祐斗は手甲を装備し、脛当ても付けていた。剣を鞘から抜き、状態を確認している。

 

 小猫ちゃんは格闘家が付けるオープンフィンガーグローブ付けており、静かに待っていた。小柄な彼女が付けると、インパクトがあるな。

 

 リアスと朱乃は、椅子に座って優雅に紅茶を飲んでいた。ゲームは今回が初めてだってのに、随分と余裕がある感じだ。いや、そういう風に意識してんのかな?

 

 何となく話かけづらいので、俺もソファーに座って、目を閉じて時間を待つ。

 

 最早、やることは全てやった。後は、奴らを倒すだけだ。

 

 不死鳥の心を圧し折るのは俺では無理かもしれんが、一誠がいる。リアスがいる。朱乃や他の眷属がいる。

 

 なら、負ける道理は無い――!

 

 そして、開始十分前になり、魔方陣からメイド服を着たグレイフィアさんが姿を現した。

 

「皆さん、準備はお済みになられましたか? 開始10分前です」

 

 その言葉に全員、そちらに意識を向ける。

 

「開始時間になりましたら、ココの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこではどんなに派手な事をしても構いません。使い捨ての空間なので思う存分にどうぞ」

 

 リアスに聞いていた通りか。最初はてっきり冥界でやると思ってたんだけどな。スタジアムみたいなところで。やっぱり、悪魔たちに人間の常識は通じないか。ゲーム用に使い捨ての異空間を作るなんてな。

 

「また……」

 

 一旦、口を閉じてこちら――俺の方を見てくるグレイフィアさん。その眼差しはこちらを探るような目だ。

 

 何なんだ……俺、何かあの人の機嫌損ねるような事したかな? 会ったのはこれでまだ三回目だぜ? いくら仕事の時は厳しいからって、これは無いぜ、って。

 

 そこまで考えて、俺はふと思う。

 

 ――仕事の時?

 

 なんか、最近、自分でも変な事を考えている気がするな。どうなってんだ?

 

 俺が自分の頭に首をひねってると、グレイフィアさんが話を再開していた。

 

「また、今回の『レーティングゲーム』は両家の皆さまも他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になります」

 

 ま、当然か。これはグレモリー家とフェニックス家の婚約を賭けた一戦なんだからな。

 

「さらに魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなきように」

 

 ……え? ちょっと待ってくれ。なんで非公式のレーティングゲームに魔王様が見物しに来るんだよ? そんなにこのゲームって注目されてんの?

 

 だが、そんな俺の疑問は次のリアスの言葉が解消してくれた。

 

「お兄様が?……そう、お兄様が直接見られるのね」

 

 新たな驚きを残して。

 

 って、ちょっと待てや。

 

「なあ、リアス、俺の聞き間違いか? 今、ルシファー様の事をお兄様と呼んだか?」

 

「ええ、呼んだわ」

 

 ふむ、どうやら俺の聞き間違いじゃないようだ。いやあ、良かった。

 

 ……えー。

 

「ぶ、部長のお兄さんって魔王なんですか!?」

 

 一誠も驚いたのか、大きな声を上げる。俺も同感だ。マジかよ。

 

「あ、あれ? でも『ルシファー』だよな? でも、部長の所は『グレモリー』だし……」

 

 一誠が新たな疑問を言う。

 

 そう、そこが俺にも分からん。家名が違うのに兄? 養子か何かか?

 

「部長の苗字とルシファー様の苗字が違うのには理由があるんだ」

 

 混乱している俺たちを見かね、祐斗が話をしてくれた。

 

 祐斗の話によると、先代の四大魔王が死んだ際、悪魔の中でも最も強い四人にその名が受け継がれたそうだ。つまり、昔は家名だったのが、今ではどちらかと言うと、役職名の役割が強いようだ。

 

 選ばれた四人の新たな魔王様も先代と比べても遜色無いほどの強さを持っているので、現在、三大勢力の均衡は守られているそうだ。

 

 サーゼクス・ルシファー。『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』の異名を持ち、四大魔王の中でも最強と名高いヒトらしい。

 

 なるほどな。本来家を継ぐはずだったお兄さんが魔王となって家を出てしまったので、妹であるリアスがその役割を担うことになったのか……。やっぱり、複雑な関係にあるんだな……。

 

「そろそろお時間です。皆さま、魔法陣の方へ。なお、1度あちらへ移動しますと終了するまで魔法陣での転移は不可能となります」

 

 グレイフィアさんが時計を見て、こちらに言う。

 

 いよいよか……。何だか興奮してくるぜ。

 

 俺たちは魔方陣の上に立ち、転送が始まるのを待つ。

 

 やがて、転移用の魔方陣が光だし、俺たちは光に包まれる。

 

 眩しさに目を閉じ、次に目を開けた時、俺たちがいた場所は……

 

「――部室?」

 

 駒王学園旧校舎オカルト研究部部室だった。

 

 うん、俺たちが普段使っているオカルト研究部部室そのものだ。

 

 一瞬転送失敗かと思うが、直ぐにそれが違うと思い出す。

 

『皆さま。この度グレモリー家、フェニックス家のレーティングゲームの審判役を担う事になりました、グレモリー家の使用人、グレイフィアでございます』

 

 それを裏付けるように校内放送でグレイフィアさんの声が響く。

 

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名の下、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。さて、今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様が通う学び舎駒王学園のレプリカを異空間にご用意いたしました』

 

 やっぱりか。リアスとお茶会をしたあの時、レーティングゲームについて少しだが、色々と分かったことがある。

 

 まず、ゲームのフィールドはそういう専門家の悪魔が用意した異空間で行う。

 

 先ほどのグレイフィアさんの言葉通り、あの山を消し飛ばした一誠の攻撃並みの実力を持つ上級悪魔たちが闊歩するのだ。とても頑丈なのだろう。

 

 さらに、その異空間を専門家である悪魔が用意するわけだが、これは、ゲームによって毎回違うのが作られるそうだ。今回は駒王学園のレプリカをそっくりそのまま作り上げたんだろう。さっき見たが、部室にある傷が本物と全く同じところを見ると、内装まで完全再現だろう。どんだけ無駄に悪魔の技術力は高いんだろうな。

 

『転移された場所が本陣となります。リアス様の本陣は旧校舎のオカルト研究部部室。ライザー様の本陣は新校舎生徒会室。両陣営の兵士(ポーン)は相手本陣に侵入することでプロモーションが可能となります』

 

 相手本陣への潜入か。本陣に入ってしまえば、俺と一誠は(キング)以外の駒に昇格出来るが、同時に相手側の兵士(ポーン)も気を付けなければならない。

 

『では、ゲームスタートです』

 

 さあ、ついに始まったレーティングゲーム。俺は当初漫画よろしくすぐさま総力戦となるかと思ったが、実際はそうでもないらしい。

 

「さて、と。じゃあ、まずは陣地の防御を固めましょうか。祐斗、小猫。二人は森にトラップを仕掛けてきて頂戴。朱乃は二人が戻ったら、ここら辺一体に幻術を掛けて頂戴」

 

 リアスの言葉に三人は返事を返す。

 

「な、なんか、イメージしてたのと違うな」

 

 俺の隣で一誠がそんなことを言う。

 

「ま、気持ちは分からんでもない。このレーティングゲーム、通常はかなりの長期的な部分が多いようだな。そのまま数日を戦い続けるなんてのもあるらしい。まあ、短期決戦のもあるらしいが」

 

 これもリアスの受け売りだ。事前に聞いておいて良かったかもな。

 

 さて、リアスの指示を受け、三人が部室を出ていった後、リアスが俺たちの方を向く。

 

「さて、夏蓮、イッセー。こっちに来て」

 

「ん、俺たちは何をやれば良いんだ?」

 

「やると言うよりは、私が貴方たちにやるといった方が良いかしらね」

 

 ? どういう事だ?

 

 疑問に思いながらもリアスの前に行く俺と一誠。

 

 リアスは俺たちの前に立つと手のひらを俺たちの胸に当てる。

 

 何を、と思った次の瞬間、体の奥から何か大きな力が噴き出るのを感じた。

 

 横を見れば、一誠も何かを感じたのか、目を見開いている。

 

「どう? 二人とも何か感じた?」

 

 俺たちから手のひらを話したリアスがそう聞いてくる。

 

「ああ。これは一体……」

 

「貴方たちの駒に施されていた封印を少し解いたの」

 

「封印?」

 

「ええ。一誠は兵士(ポーン)の駒七つ。夏蓮の兵士(ポーン)の駒は少し特別なものを使っていたから、転生した直後では体に簡単には馴染まなかったのよ。だから封印を施して少し時間を置いたの」

 

「成程ねえ。力が湧いてくる感じだ」

 

「夏蓮、これで貴方の魔力の不安定さも少しは収まるはずよ。でも、根本的な解決にはなっていないから、これのゲームが終わったら一度、専門家に見てもらいましょう」

 

「専門家って……そんなに重要なことなのか?」

 

 意外なほど重要な話になってきたので、少し驚く。

 

「当然よ。今日明日どうこうなるわけじゃないと思うけど、長期的に見ればやっぱり今のあなたの状態は変だわ。本当は、ゲームが始まる前に見てもらいたかったんだけど……」

 

 申し訳なさそうに言うリアス。たく、お前の所為じゃないのに。

 

「仕方ないさ。修行に専念しないといけなかったんだからな。複数の事を同時にやろうなんてのは結構難しいことだからな――今はこのゲームを勝つことを考えようぜ」

 

「夏蓮……」

 

 じっと見つめ合う俺たち。

 

「……なんか、合宿が終わってからあの二人すっげー仲良くなったよな」

 

「はい。なんかこう、距離感が短くなったと言いますか……」

 

「ああ、分かる分かる。なんか家族以上の関係って言うか……なんか羨ましい!」

 

 後ろで何やら騒いでいるが放っておこう。

 

「そうね……勝ちに行くわよ、このゲーム」

 

「ああ」

 

 そうさ、このゲームには勝つ。そして、リアスの夢も叶えてやる!

 

******

 

「じゃあ、行ってきます!」

 

「一誠、気を付けろよ。小猫ちゃん、もしもの時は一誠のサポート頼むぜ」

 

 コクリ、とうなずく小猫ちゃん。

 

 現在、俺とリアスは体育館に行こうとしている一誠と小猫ちゃんを見送りをしていた。

 

 まず最初の作戦は、一誠と小猫ちゃんが一足先にフィールドの中間地点にある体育館に向かい、そこにいるであろうライザーの眷属と戦闘。その後朱乃の準備が終わり次第、眷属を撃破。

 

 祐斗はこちらの本陣に来るであろう敵の迎撃。アーシア嬢はリアスと一緒に部室で待機。で、俺はと言うと、

 

「俺も待機で良かったのか?」

 

 ソファーに座りながら俺は聞く。

 

 一応、二人の警護という事だが、正直俺も一誠たちと一緒に討って出たほうが良かった気がするが……。

 

「良いのよ。イッセーや小猫の所は二人いれば十分。祐斗も兵士(ポーン)相手なら遅れを取ることはまずないわ。……ただ、絶対とは言えないから最終防衛線としてあなたを残したのよ」

 

「防衛線って……俺は一番弱い兵士(ポーン)だぜ?」

 

「あら、あなたは私たちが守れないほど弱いのかしら?」

 

「まさか。すくなとも二人はちゃんと守れるよ」

 

「なら良いじゃない」

 

 お互いに笑いあう俺たち。

 

 そんな俺たちを見て、アーシア嬢が目を丸くする。

 

「やっぱりお二人とも、本当に仲良くなりましたね」

 

『そんな事無いさ(わ)』

 

 ハモル俺たち。

 

「……やっぱり仲良くなってますね」

 

 苦笑いを浮かべるアーシア嬢。

 

 うーむ。そんなに仲良くなっているかな? 自分ではよく分からんな。

 

 リアスの方を見るが、こちらは微笑んでいるだけだ。

 

 仕方ない、やることも無いし、戦況を確認するかな?

 

 俺は事前に渡され、耳に付けた通信機から音を拾う。

 

 今はおそらく一誠と小猫ちゃんが敵の眷属と戦っているだろう。さて、ちゃんと勝っているかな?

 

 俺は通信機から聞こえてくる一誠たちの声を聴く。

 

『くらえ! 俺の必殺技! 洋服崩壊(ドレス・ブレイク)ッ!』

 

 洋服崩壊(ドレス・ブレイク)? 何だそりゃ?

 

 俺が一誠の必殺技の名前に訝しんでいると、また新しい声が聞こえていた。

 

『キャアアアアアアアア!?』

 

 女性の悲鳴が。

 

 え、なに? 一誠のヤツ何をしたんだ?

 

 俺が混乱していると、一誠の高笑いが聞こえてきた。

 

『アハハハハハ! どうだ、見たか! これが俺の技だ! その名も『洋服崩壊』! 俺は脳内で女の子の服を消し飛ばすイメージだけを延々と、延々と妄想し続けたんだよ! 魔力の才能を、全て女の子を裸にする為だけに使ったんだ!』

 

 ………………。

 

 …………。

 

 ……えー。

 

「どうしたの夏蓮? 急に顔を覆って俯いてしまって」

 

「いや、ちょっと世の理不尽さを嘆いていてな」

 

「はい?」

 

 いや、本当にあいつは何を考えているんだ!? そんなしょーもない事に少ない才能を費やすなんて! せめて近距離の目くらましにとかに魔力を撃つとかそんなにすれば良かったのに! 初めて聞いたよそんな技!

 

 俺が一誠のふざけた技に嘆いていると、リアスの方に連絡が来たようだ。

 

「朱乃? そう、準備が出来たのね。分かったわ」

 

 お、どうやら朱乃からのようだな。

 

「イッセー、小猫? もう良いわ。朱乃の準備が整ったから体育館から出なさい」

 

 その言葉を受けた二人が体育館から出たであろう次の瞬間、体育館の方から轟音が響き渡った。

 

 体育館の方を見れば、巨大な雷の柱がそびえ立っていた。

 

 うは、あんなデカいの撃てるのか。怖いねえ。

 

 あまりの威力に若干思わず身震いするが、雷の柱はすぐに消える。

 

『ライザー様の兵士三名、戦車一名、リタイアです』

 

 柱が消えた直後、グレイフィアさんのアナウンスが響き渡る。

 

 てか、四人もいたのか。二人ともよく凌ぎきったな。ま、それだけ強くなったって事か。

 

 今回のリアスの作戦は体育館を囮にしてライザーの眷属を倒すというものだ。

 

 体育館はこのフィールドの中間地点に位置するため、先に占拠できたものが有利になるのは間違い。ただ、占拠を維持するのもかなり面倒な部分がある。メンバーがフルに揃っていない俺たちでは到底無理だ。

 

 だったら、その体育館を利用して相手ごと吹き飛ばしてやろうというのが、リアスの作戦だ。

 

 そして、その作戦は見事に成功したと言っていい。こちらは誰も脱落せずに戦車と兵士を合わせて四人倒したんだからな。

 

 幸先の良いスタートに 内心喜んだ次の瞬間の事だった。

 

 突如、体育館の方で再び爆発音が聞こえたのだ。

 

「何!?」

 

「分からん! ただ、こちらのアクションでは無い事は確かだ!」

 

 目をこらし、体育館の方を見る。すると、空に誰かが浮かんでいる。

 

 一瞬、朱乃かと思ったが、身に纏うオーラの色が違う。

 

 あいつは……。

 

 俺が空に浮かぶ者の正体に気づいた次の瞬間、アナウンスが再び流れた。

 

『リアス様の戦車一名、リタイアです』

 

 




いかがでしょうか? 感想待ってます。

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