ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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今回は生徒会長こと、ソーナさんとのお話です。相変わらず、上手く書けませんが、よんでいってください。




気まずいね……

 ふむ、この状況、どうしたものか……。

 

 現在俺は部室にて悩んでいた。というか、悩み事しか出来なかった。ある種の現実逃避と言ってもいい。

 

 他の奴らだってこの状況を見たら恐れを成してしまうだろう。

 

「……うふふふ」

 

 俺に腕を絡ませて一緒に座るリアス。その表情は兎に角嬉しそうだ。

 

「……」

 

 向かい側に座る我が駒王学園生徒会長支取蒼那は無言で紅茶を飲んでいる。

 

 が、今はその無言が怖い。普段と同様な無表情、というよりクールな面差しだが、何故かこちらを見る目が迫力あって怖い。

 

「……えい」

 

 この状況の打破をどうしたら良いか悩む俺に、新たな爆弾が投下される。

 

 リアスに抱き付かれている腕に柔らかい感触が。

 

 え、ちょ、リアスさん? 胸当ててます? 当ててるよね!?

 

「っ……!」

 

 ミシリと、蒼那が持つティーカップの取っ手部分が嫌な音を立てる。

 

 心なしか、蒼那の背後に何やらオーラらしきものが……。

 

「……リアス、少しくっつき過ぎじゃないかしら。年頃の男女が真昼間からそんな風にするのは感心しないわ」

 

 いや、一言言わせてほしい。これは俺は意思じゃない! 意思じゃないよ!

 

「あらソーナ、これは主と下僕のスキンシップよ。それのどこか問題があるのかしら」

 

「大有りです。いくら主従関係にあるとはいえ、節度というものがあるでしょうに」

 

 蒼那は生徒会長として実に模範的な事を言う。

 

「ホントは羨ましいんじゃないのソーナ?」

 

「なっ……」

 

 が、ここはリアスの方が一枚上手だった。と言うより、何がそんなに羨ましいんだ?

 

 一瞬の動揺を見せた後、蒼那は直ぐに落ち着きを取り戻し、改めて紅茶を飲もうとし、

 

「な、な、な、何を言って……」

 

「紅茶零れるわよソーナ」

 

 めっちゃ動揺していた。それはもう体が震えて、その震えがカップにまで伝わるほどだ。

 

 あーもー面倒くせ。マジでどうするか。

 

 つか、こいつら以外にも面倒な事があるんだよなあ。

 

 ちらりと、俺は未だに動揺を続ける蒼那の隣を見る。

 

「ちくしょう……」

 

 そこにはまるで親の仇を見るかのような目で俺を睨み付ける後輩がいた。

 

 別に怖くは無いが、それでも面倒なものだ。

 

「はあ……」

 

 ため息を付いて天井を見上げる。

 

 ほんと、どうしてこうなったよ?

 

******

 

 時間は三十分ほど前に戻る。

 

 他の部員がまだ揃っておらず、俺たち三年だけの部室でのんびりしていた時だ。

 

「失礼します」

 

 ノックと共に二人の生徒が入ってきた。

 

「蒼那?」

 

 入ってきたのは黒髪を肩辺りで切り揃え、眼鏡を掛けた理知的な雰囲気を持つ我が校の生徒会長支取蒼那だった。

 

 もう一人の男子生徒は確か最近生徒会入りをした書記の、えと、二年だったかな。名前までは思い出せないな。

 

 しかし、何で生徒会がこんな旧校舎まで……?

 

 俺が疑問に思っていると、リアスが笑みを浮かべて蒼那の元に歩み寄っていった。

 

「いらっしゃいソーナ。少し早かったわね」

 

「ええ、仕事が早く片付いたので、どうせならと」

 

 話から察するに、リアスが呼んだみたいだな。で、蒼那が少し早く着いたと。

 

「ごめんなさいね。他の子はまだ来ていないのよ。紅茶でも飲んで待っていてくれる?」

 

「気遣いは無用ですよ。こちらが早く来すぎたのですから」

 

 一旦、口を閉じると、蒼那はこちらを見る。

 

「お久しぶりです夏蓮君。元気そうですね」

 

「ああ、久しぶりだな蒼那。今日はまだ何でここに?」

 

 俺の疑問に朱乃が答える。

 

「今日は夏蓮君も含めた新人悪魔たちの顔合わせですわ」

 

 ……ん? 新人悪魔? 顔合わせ。顔合わせ、そしてここにいる蒼那。まさか……。

 

 唖然と蒼那を見る俺。

 

 そんな俺に、蒼那は少し口元に笑みを浮かべながら言う。

 

「改めまして、上級悪魔シトリー家次期当主ソーナ・シトリーです。よろしく夏蓮君」

 

 マジか……学園のアイドルに続き、生徒会長まで悪魔とは……悪魔に支配されてるじゃんここ!

 

 聞けば、表の運営はシトリー家が、裏の運営はグレモリー家がやるという共同運営でこの学園は成り立っているらしい。

 

 はあ、この学園に三年通っているが、流石にこれは予想していなかったな。

 

 てか、この様子だと、生徒会メンバーも……。

 

「まだ全員揃ってはいませんが、夏蓮君、この子は私新しい眷属匙元士郎です。貴方と同じ兵士(ポーン)で同じ時期に悪魔になったので仲良くしてあげてください」

 

 自分の隣に立っている男子生徒を手で指しながらそう言う。

 

 なーる。そういう事なら問題ないな。

 

 俺はソファーから立ち上がり、男子――匙君に近づく。

 

 そして、彼の前まで来ると手を差し出す。

 

「初めましてだな。君と同じ兵士(ポーン)の兵頭夏蓮だ。新人同士、仲良くしてくれ」

 

 俺は笑顔で挨拶。

 

「…………」

 

 が、匙君はじいっと俺の事を見詰め……いや、これは睨んでいるかな。特に何もしてこない。

 

 あれー? 俺何かしたかな。いや、初対面だから何もしていない筈だが……。

 

「……サジ?」

 

「っ……」

 

 訝し蒼那基もといソーナの声に、匙君ははっと我に返ると、手を差し出してきた。

 

「……どうも、生徒会書記、匙元士郎です。先輩とは同じ兵士(ポーン)なのでよろしくお願いします」

 

 何故だろうか。丁寧な挨拶なのにめっちゃ平坦の声音だなー。

 

 俺、ホントこの子に何かしたかな。

 

 そして、握手する俺の手に圧力がかかってきた。

 

 匙君が力を籠めて握ってきた。

 

 お、結構力強いな。良いぜ、返してやる。

 

 俺も思いっきり力を籠めて握り返してやる。

 

「え、ちょちょ! 痛い痛い! 痛いっす! 骨がミシミシ言ってる! 骨がああああ!」

 

 が、力を籠めすぎたか匙君が悲鳴を上げて俺から手を放そうとする。

 

「サジ、何をしているのですか。夏蓮君に失礼でしょうが」

 

「ええ!? 俺が悪いんですか!」

 

 手を放そうとしながら匙君が仰天する。

 

 まあ、君から始めたことだし。

 

 とはいえ、流石にこれ以上やると匙君の手が少々面倒な事になるだろうから、この辺にしておこう。

 

 俺は匙君の手を放す。

 

 匙君はしゃがみ込んで握られていた方の手をもう片方の手で押さえる。

 

「大丈夫だよな。まだ繋がっているよな?」

 

 随分と失礼だな。普通に力入れただけだぜ? それをまるで魔物にでも噛み付かれたかのような……。

 

「ごめんなさい夏蓮君。うちの子が迷惑をかけたようで」

 

 ソーナが申し訳なさそうに言う。

 

 それを見た匙君が涙目でソーナを見る。

 

「会長! やられたの俺っすよ!」

 

「貴方が先にやったのでしょうが」

 

 匙君の訴えにもソーナは冷たい。

 

 しかし、ここまでいくと少し悪い気がするな。

 

「ソーナ、余り匙君を怒ってあげるな。ついついやり過ぎたのは俺だし、別に俺は痛くも無かったからな」

 

 何とかフォローしようとするも、匙君はショックを受けた顔をしている。

 

「痛く無い……割とガチに力を入れたのに……」

 

 ガクリ、と項垂れる匙君。あれ、可笑しいな。ちゃんとフォローしたつもりだったんだが……。

 

 項垂れる匙君と慌てる俺を見たリアスとソーナは揃ってため息を付くのだった。

 

 因みに朱乃はニコニコと笑っており、小猫はいつも通り無表情で黙々と菓子を食っているのだった。

 

 

 

 で、話は冒頭に戻る。

 

 この後、まだ来ていない一誠たちが来るまで紅茶でも飲んで待とうと言う事になったのだが、ここで問題が発生した。

 

 当初、俺はリアスたちから離れた椅子に座ろうとしたのだが、リアスが俺を引っ張って隣に座らせたのだ。

 

 その時点でもうソーナの目が鋭くなり始めた。

 

 それだけならこれで終わりだが、残念なことにまだ終わりじゃない。

 

 紅茶を飲みながら談笑? していると、突如リアスが何か思いついたように俺と腕を組んできたのだ。

 

 

「そもそも、夏蓮君、貴方は何故このオカルト研究部に入っているのかしら?」

 

 漸く落ち着いたらしいソーナが紅茶のカップを置いて聞いてくる。

 

「何故って……リアスの眷属になったから?」

 

 つうかそれしかないんだが……。

 

 しかし……。

 

「成程、私の頼みは聞かなかったのにリアスの頼みは聞いたんですね」

 

「うぐっ!」

 

 胸に刺さった! 思いっきり!

 

 そう、これが俺がソーナに会いたくない最大の理由なのだ。

 

 前々からリアスやソーナにオカルト研究部か、生徒会に入るように打診を受けていたのだが、部活動をする気の無い俺は、それら全てを断っていたのだ。

 

 が、今年になって俺が瀕死の重傷を負い、そこからリアスの眷属として転生したことで、俺はオカルト研究部に入部したのだ。

 

 とまあ、こんな事があり、俺は今でもソーナに会うのが若干気まずいんのだが……。

 

「ソーナ、そんな夏蓮を責めては駄目よ。折角助かって、私の下僕になったのだから、ちゃんと私の部に入らないと」

 

「あら、死んだわけでも無いのによく転生させようと思いましたね。聞きましたよ、いくら腹部を堕天使の槍で貫かれたとはいえ、その程度なら貴方でも治療は直ぐに出来たのでは?」

 

「緊急事態だったのよ。彼の弟のイッセーも堕天使の槍で傷を負っていたの。知っているでしょ?」

 

「ええ、存じています。ですが、夏蓮君に対し態々悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使用する必要性はあったのかしら?」

 

「……どういう意味かしら?」

 

「いえいえ、べつにあなたが自分の欲の為に使ったなんて私は考えていませんよ?」

 

「あら、悪魔は欲望を好むのよ? 何か問題あって?」

 

『…………』

 

 やばい、どうしよう。本気でこの部屋から出たい。なにこれ。なんでこの二人の間めっちゃ殺伐としてんの? 二人って親友同士じゃないの? 何でこんな笑顔で毒を吐きあっているの?

 

 俺が二人の応酬にげんなりとしていると、朱乃が近づいてきた。

 

 そして、俺の耳元に顔を近づけると、小声で話し始めた。

 

「うふふふ、お二人は前々から貴方を自分の所属するところに入れようとお互い争っていたのですわ」

 

 それは知っていたけど、つか争ってたの?

 

「結局、勝ったのは部長。おかげで部長はソーナ会長に勝ち誇っているのですわ」

 

 あーだからこんな感じなのね。納得したわ。

 

 いや、待て待て、そもそもだ。なんでこの二人が俺を巡って争ってんだよ。そこが分からん。

 

 俺は別段、勉強は普通だし(それもリアスが勉強を見てくれているわけで)、運動はまあ、トップだったな。

 

 顔は自分ではよくわからん。『あいつ』が言うには結構イケているらしいけど。

 

 後、誇れるものと言えばこの紅髪ぐらいだしなー。

 

「あらあら、本当に分かっていないのですね」

 

 朱乃が困ったような顔をする。

 

「……でもまあ、そこも含めて全部良いんですけどね」

 

「ん? 何か言ったか?」

 

「いーえ、何も」

 

 しっかし、ほんとこの状況どうしようかな。このままだと埒が明かない。

 

 『女の喧嘩には口出しするな』とお師匠様に良く言われていたけど、これは正にその言葉が良く当て嵌まるよな。

 

 が、お師匠様分かってください。

 

 男には、危険だと分かっていてもやらないといけないことが、あるんです!

 

「おい二人ともいい加減その辺に……」

 

 

『夏蓮(君)黙っていて!』

 

「あ、はいすみません」

 

 終わった。もう終わったよ。

 

 ふ、よくよく考えたら無理な話じゃないか。学園トップスリーに入る美少女たちが喧嘩しているのに、ただの悪魔の俺がこの二人の喧嘩を止める事なんて。

 

「……情けない」

 

「ぐは……」

 

 痛いよ! さっきのソーナの言葉とはまた別に小猫ちゃんの言葉が突き刺さったよ! 

 

 う、うるせえやい! 無理なものは無理なんだらかしょうがないだろう!

 

 お師匠様、やっぱり女の喧嘩に男の俺が介入するべきじゃなかったな……すっげえ怖いわ。

 

 

 結局、一誠たちが来るまで二人のにらみ合いは続くのであった。




いかがでしょうか? 感想、意見待っています。

いよいよFateのアニメがスタート。二週連続で一時間スペシャル。ワクワクですね。

今期のアニメも中々目が離せません。
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