何とか終わったので取り敢えず、二週間更新しなかった埋め合わせで今投稿いたします。
二週間も放置してぶっちゃけあまりいい出来ではありません。酷いなおいと思うかもしれません。感想欄にその旨を書く場合はオブラートに包んでお願いします。自分、心強くないので。
次の日、サーゼクス兄さんとグレイフィアさんは家を後にした。
今回の会談の為、町の中を色々と回るそうだ。
で、俺たちグレモリー眷属はと言うと……。
「意外と過ごしやすいな」
プールサイドに広げたシーツに寝そべり、空を仰ぎ見ながら俺は一人ごちる。
現在俺たちは学園のプールにいる。理由はプール掃除だ。
生徒会からプール掃除を請け負う代わりに一番最初にプールを使う事を許可してもらったそうだ。
で、掃除も終わり俺たちはのんびりとプールを満喫しているのだ。
いやー、こういう所でのんびり過ごすのも悪くない。
「ねえカレン。私の水着どう?」
泳ぐのも良いけど、俺はこうやってのんびり寝転びながら昼寝するのが好きだな。
「私のもどうですか、カレン?」
…………。
「ねえ、二人とも」
「なに?」
「どうしたのですか?」
「……その水着は何?」
とうとう見逃せず二人を見る。
リアスは赤い水着。自身の髪と同じで良く似あっている。
対称的に朱乃の水着は白。こちらも良く似合っている。
……水着の面積は非常に少なく無かったら似合っていると素直に言えたのだが。
「何その水着!? 面積少なくない?」
耐え切れず叫ぶ。
そんな俺とは対称的に二人は平然としている。
「そうかしら。このぐらい普通だと思うのだけど」
「そうですわね」
ええい、自分の肉体に誇りを持っているタイプだなこの二人。
「そうだぜ兄貴! 最高だって褒めないと!」
一誠は一誠で鼻血を出しながら声高らかに叫んでいる。
可笑しいな俺の感性が変なのか? 後一誠、そんなに鼻血を出していたら危ないぞ。
「で、どう? 似合う?」
ぐいっと身を乗り出して聞いてくるリアス。
朱乃も同じ様に乗り出してくる。
「うっ……」
鏡を見なくても自分の顔が赤くなっているのが分かる。
ここに答えなくては男として駄目だ! お師匠様もそう言うに決まっている!
「に、似合っているぞ二人とも……」
取り敢えずそう返しておく。他になんて言えばいいかぶっちゃけ良く分からない。
その言葉に二人は嬉しそうな顔をする。
「ああ、そうだカレン。頼みがあるんだけど……」
******
「そうそう、そうやって足を動かして」
「……はい」
プールの中、俺は小猫ちゃんの手を持ちながら彼女の泳ぎの練習をしていた。アーシアは一誠が担当している。
「しっかし小猫ちゃんが泳げなかったとはな」
リアスの頼みで小猫ちゃんの泳ぎの練習を手伝っていたのだが、中学とかの水泳の授業とかどうしていたんだろ。
「……先輩は普通に泳げるんですか?」
バタ足を続けながら聞いてくる小猫ちゃん。小猫ちゃんは普通にスクール水着を着ている。胸元には「こねこ」と書かれている。
「ああ、水泳の授業とか知り合いと海に行ったときにアドバイスを聞いていたら何か普通に出来たよ」
コツさえ掴めば泳ぎなんて案外楽にいけるものだ。
「まあ、大丈夫さ。小猫ちゃんは水の抵抗力が小さいだろう……しぃっ!?」
な、があ……両手首が、両手首がああぁぁぁ!?
「……何です?」
ジト目でこちらを見てくる小猫ちゃん。
「こ、小猫ちゃん……? 手首握り過ぎじゃない?」
「……何のことです?」
あれー可笑しいな。何か俺悪い事したかな。
取り敢えず25メートルを泳ぎきる小猫ちゃん。
「よし、良いんじゃない? この調子で泳いで行こう」
「……はい」
ただ、一回休憩しようって事でプールから上がる小猫ちゃん。俺はそのままプールに入っている。
「どう、泳いでみて?」
「……先輩って教えるの上手いですね」
「そう? 自分ではよくわからないけど」
基本的に指導を受けたことしかないし、妹弟子のあいつにも特に指導したって感じがしなかったし。
「はい、若干直感的にですけど、凄い分かりやすいですし」
「それ褒めている?」
最近の事を話しながら俺たちは雑談を続ける。
「……カレン先輩は本当の家族についてどれくらい覚えていますか?」
「突然どうした」
本当に突然だよ。
ジッとこちらを見てくる小猫ちゃん。ちゃんと答えないと駄目っぽいな。
「……前にも言ったけど殆ど覚えていないな。リアスの事はちゃんと覚えていたんだけどなあ」
「そうですか……」
「何で急に?」
「いえ……本当の家族を突然思い出したのはどんな感じなのかと思って……」
ふむ……まあ良いけど。
「そうだな……あまり実感が湧かないのが正直な所かな」
「やっぱり昔すぎるからですか……?」
「まあな」
実際のところ半分本当で半分嘘だ。
あの雨の日を境で俺の記憶は酷く曖昧だ。その所為で自分の記憶だと実感が湧いてこない。
冥界に戻ったらもう少し変化があるだろうか。
「けどまあ、思い出せて良かったと思うな」
「……そうですか」
それっきり黙りこくる小猫ちゃん。
そしてお互いに黙ってしまう。
「……練習再開しようか」
「……はい」
******
「うーん、中々疲れましたねえ」
シートに寝ころびながら俺は伸びをする。
あの後練習を続けて何とか泳げるようになった小猫ちゃん。
結構、筋は良かったからな。小猫ちゃんは直ぐに覚えていった。
「お疲れ様、カレン」
俺の隣に座りながらそう言うリアス。
「ありがとう、小猫の練習に付き合ってくれて」
「構わないさ。後輩の面倒を見るのも先輩の務めってな」
「ふふ」
少し微笑むとリアスはとんでもない提案をしてくる。
「じゃあ今度は私の体にオイルを塗ってくれないかしら?」
「……え?」
思わず耳を疑う。
しかし、リアスは構わず上の水着を脱ぐ。
「ごふっ!」
思わずむせる。
「じゃ、お願いね」
小瓶を俺に渡してくるリアス。
え、えー。
小瓶とリアスを交互に見る俺。
「はあ……」
こうなっては仕方ないかな。
小瓶の蓋を外し、中身を手に取り出す俺。
手に伸ばし、リアスの背中に塗り始める。
「ん……」
うーん、やった事はあるにはあるが、昔すぎてあまり覚えていないんだよなあー。気づいたらあいつが覗き込んでたわけだし。
取り敢えず、余り力を入れ過ぎないようにやってみるか……。
ヌルヌルとしながらも、リアスの体温を感じながら俺は塗っていく。
「あら……上手ね」
「そうか?」
「ええ、手慣れている感じ……誰かにやったことあるのかしら?」
ズルっ! 手が滑る。
「……はは、まさかそんな事あるわけないじゃないか」
「声が上ずっているわよ」
あれ!?
「そういえば、あの夜の続き、まだしてなかったわよね? すっかり忘れてたわ」
「い、何時の夜だ?」
聞きようによっては誤解されるようだが、俺たちの間には何もない。
「あの日、私が処女を貰ってほしいと言った日よ」
「あ、あー」
あの日か。まだライザーとの婚約があって、それを破談にするためにリアスがあれこれやっていた時の。
「うっ……!」
そして同時に思い出す。そうだ、あの時!
「私がいながら誰と付き合っていたのかしら?」
顔をこちらに向けてニッコリと笑うリアス。
だが、俺には分かる。あれは悪魔の笑み。あの日と同等、いやそれ以上の――!
「いや、まあ、その……」
「目を泳がせずにまっすぐこちらを見なさい」
「はい」
有無言わせない口調。俺は屈した。
くっ。逃げ場無し。そうすれば……。
「――あらあら、何をしていますの?」
突然の声と背中に感じる柔らかい感触。
「朱乃!?」
リアスの声で、後ろに朱乃がいるのが分かる。
……あれ? もしかしなくても、朱乃、俺に寄りかかっている? この柔らかい感触は……!
「うふふ、リアスにオイルを塗ってあげているんですか? でしたら私にもお願いできますか?」
「はいぃ!?」
後ろを向く。
っ、朱乃の顔がドアップで目の前に――!
ほんのり頬を染めながら朱乃は言う。
「リアスが良いのだから、私も構わないでしょ?」
「い、いや……」
うおぉ……朱乃って本当に顔が整っているから不味い。
「どうです?」
「うっ……」
目をあちこちに回す。
だが、次の瞬間、後ろから肌で感じるほどの怒気が漂ってきた。
「――朱乃? 何をしているの?」
恐る恐る再び振り向けばリアスが仁王立ちしてこちらを睨み付けている。
大事な所は髪に隠れているが、目に困る状況だ。
「朱乃、カレンに何をちょっかい出しているの? カレンは私のものよ」
へいリアス、俺はお前のものでは無いぜ。
「あら、ちょっかいだなんて……ただ私もカレン君と仲良くしたいのですよ」
ピクリと眉を動かすリアス。
「へえ……そうやって体を密着するのが仲良くする事なの?」
体の端々から魔力を出し始めているリアス。
いやいや、これ不味くね? 何か洒落にならなくね?
「あらあら、怖いですわ。ねえカレン? こんなこわーい従姉妹さんなんて放っておいて、私と一緒に楽しく過ごしませんか?」
ギュッと俺を抱きしめる朱乃。
その光景を見て思いっきりギリッと歯を噛みしめるリアス。
「朱乃……調子乗るのも大概にしなさい。カレンに手を出そうとするなんて天地が許しても私が許さないわ」
「天地だなんて……表現が古いのでは?」
一瞬、二人の間に火花が散ったように見える。
「お、おい二人とも! その辺にしておけよ!」
これ以上は流石に不味い。このままだと、厄介ごとが起こるとしか思えん!
何とか止めようと説得を試みる。
「いやよ」
「断りますわ」
だがしかし! 失敗した。
「いや何で!?」
「カレン、これは女の戦いよ。貴方が口を出していい問題では無いわ」
「あらあら、言いますわね部長」
気づけば朱乃も魔力のオーラを迸らせ始めていた。
立ち上がり、両者対峙する。
「……」
「……」
無言の一幕。そして、
「このっ!」
「っ!」
お互いに魔力の塊をぶつけ合う。
「って! ちょ!」
二人の間に立っていた俺は慌てて横にそれる。
魔力がぶつかり合い、滅びと雷が当たりに飛び散る。
「前々からそうなのよ! 朱乃は私のものにちょっかいを出してばっかり!」
「良いじゃありませんか! 少しぐらい私に貸してくれても!」
「良くないわ! カレンは私のものよ! 絶対にあげないわ!」
「全くケチなヒトですね!」
何ともよく分からない言葉の応酬を繰り広げながら魔力をバカスカ撃ちあっている二人。
その余波でプールがどんどん破壊されていっている。
「どうすんのよこれ」
俺を完全に置いてけぼりでやっている。正直もうここから離れたい。
「……カレン先輩」
「ん? おお、小猫ちゃん」
どうするか思案していると、避難してきたのであろう小猫ちゃんが近づいてきた。
「二人を止めてください」
「えー」
思わず声が出る。多分嫌そうな顔をしているだろう。
「何で俺が」
「……先輩が原因でしょ?」
否定できないのが辛い。
「だから責任取って止めてください。このままじゃプールが完全に壊れます」
「確かに……」
悪魔の力があればプールぐらい直ぐに直せるだろうが、それはそれとしてソーナ会長から小言が来そうだ。多分何故か俺に対して。
「けどなあ……」
チラリと二人の方を見る。
両者、力量は殆ど互角だから均衡状態だが、お互いに力が強いから多分ほんの少しの差で崩れると思う。
そうなると今よりもっとめんどくさい事になるだろう。
で、そんな中に入らないといけないとかものすっごく嫌だなあ。
「はあ……」
いつまでもうようよしている俺にイラついたのか急に小猫ちゃんが俺を持ち上げた。
「へ? 小猫ちゃん?」
「……さっさと行ってください」
その言葉と同時に、俺の体が宙に浮かぶ。
投げられた、と判断するよりも先に俺は二人の間に飛んでいった。
「え、ちょ、ひでえええええええ!」