ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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執筆が進まない。頭に構想は浮かんでいるのにそれを文章に出来ないこのジレンマ何でしょうかね? 他の方は普段どんな風に書いているのやら。


第五話

 強烈な登場をしたセラフォルー様だが、その後ソーナとの鬼ごっこに出かけてどっか行ってしまった。

 

 まあ、あんな癖の強い姉がいたら、辟易するわな。

 

 朱乃が言うには、四大魔王は全員、あんな癖の強い自由人らしい。その所為か、四大魔王の家族は全員真面目な性格をしているとか。

 

 あのまともそうなサーゼクス兄さんもシスコンっぷりを発揮していた。

 

 しっかし、リーアか。懐かしいな。昔はそんな感じであいつも呼ばれていたな。てか、今でもそんな風に呼ばれているのかな。

 

 で、今は……。

 

「はっはははは! 見てくださいウチのリアスとカレンが先生に指されて答えているところです」

 

「おおっ!」

 

 絶賛恥辱タイムだぜ☆

 

 ……キャラが一瞬ブレたな。

 

 取り敢えずつまみを口にする。そうでもしないとやっていけない。

 

「ううっ……」

 

 隣でリアスが頭を抱えている。どんだけ恥ずかしがっているんだよ。

 

 現在、家にはサーゼクス兄さんと叔父上が義父さん達と一緒にプチ宴会をしていた。

 

 授業参観で会って何か意気投合したらしい。で、家に招いて授業参観での感想を言い合っていた。

 

 この時間帯、親にとっては楽しい時間なのだろうが子供にとっては恥ずかしいというか、顔から火がでる状況だ。

 

 リアスが一番恥ずかしがっているかな。こういうのは一番嫌なんだろう。

 

 アーシアなんかも撮られているが、そこまで恥ずかしがっているようには見えない。元々こんな経験も無いから良く分かっていないのであろう。

 

 てか、一誠が全然映っていないのだが。ほぼアーシアばっかりだぞ、義父さーん。

 

「はあ……」

 

 椅子から立ち上がる。

 

「どこに行くの?」

 

 隣で頭を抱えていたリアスが聞いてくる。

 

「部屋。ここにいたら疲れるからな」

 

「なら私も行くわ。ここにいたら恥ずかしくて死んでしまうわ」

 

 そこまで言うか……まあ、分からなくもないが。

 

 親たちに悟られない様にこっそりとリビングを抜け出る俺たち。途中で一誠が助けを求めるような視線を送っていたが無視だ無視。

 

 何とか部屋に辿り着き、床に座り込む。

 

「ふぃ~」

 

 ベットの縁に背中を預けて天井を仰ぎ見る。

 

「ホント、ウチの家族はどうなっているのかしら……」

 

 ベットに寝ころびながらため息を付くリアス。

 

「家族が好きなんだろ? 良い事じゃないか」

 

「それはそうなんだけどね……貴方のご両親はどうだったのかしら?」

 

「ん?」

 

 唐突にリアスが聞いてきた。

 

「レオン叔父様と、日月叔母様。どんな人だったの? 日月叔母様は分かるでしょ」

 

「あー」

 

 確かに、親父殿はあまり覚えていないが、母様はどうだろうか。

 

 母様――朝凪日月。白龍皇が『世界のバグ』などと評していたが、そこら辺は知らん。

 

「どんなって……あのヒトは、いっつも笑顔だったな」

 

「笑顔?」

 

「ああ。笑顔を絶やさない、何つうか、そこにいるだけで周囲を明るくさせるヒト、だったな」

 

 事実、あのヒトと一緒に暮らしている間は貧乏でも、全然苦しくは無かった。

 

 あのヒトがいれば、どんな事でも、周りの奴らに嫌われていても大丈夫だった。

 

 どんな事が起きても良いと、そう思っていた。

 

「……ま、そんなヒトだったけど、破天荒なヒトでもあったな」

 

「破天荒って?」

 

「何て言ったら良いんだろうな……兎に角、ヒトを振り回して色んな事をするんだよ。それも自分がやりたいことに」

 

 印象的なのは日が上る前にたたき起こされて「魚釣りに行くわよ!」と言われたことだろうか。

 

 唖然としている内にホイホイと準備されて半ば担がれるように連れていかれたのは印象深い。

 

 結局、魚は釣れたには釣れたが、殆ど小さなものばっかりで、正直、腹は満たされなかった。

 

「そんなことがあったの……」

 

 リアスは半ば引き気味に言う。

 

「ああいう、強引な所は俺は受け継いでいないなあ。だとすると、俺って全部親父似なのかな」

 

「どうかしらね。叔父様の事は全然知らないから何とも言えないけど、貴方は叔母様の性格受け継いでいるんじゃないからしら?」

 

「あ? 俺のどこが母様に似てるんだよ」

 

 クスリ、と笑うとリアスは面白そうに言う。

 

「これはお兄様から聞いたのだけど、叔母様、刀剣収集の異常な趣味を持っていたそうよ。それこそ、聖剣、魔剣問わずにね」

 

 ……刀剣収集。確かに俺も刃物とか好きだけど、そうか、俺の趣味は母様から受け継がれたんだな。

 

「叔母様が収集したコレクション、何個か行方不明になったらしいけど、ちゃんと保管してあるから多分、貴方に受け継いで欲しいと思っているわよお兄様も、お父様も」

 

「俺に、ねえ」

 

 母様が集めた刀剣には大変興味があるけど、もれなく他の面倒そうなモノまで付いてきそうな気がするな。

 

「そういや、サーゼクス兄さんが言っていたっけ。親父の領土を正式に受け継いでほしいって」

 

 詳しい話は冥界にまた戻った時にすると言っていたが、親父や母様の遺産を託すと。

 

「あら、何時の間にそんな話を?」

 

「こないだサーゼクス兄さんと一緒に寝たとき。触り程度だったけどな」

 

 それ以上に、サーゼクス兄さんは俺の今までの話を聞きたがっていたから、殆ど話していたのは俺だったな。

 

「良かったわね、それは」

 

「まあね」

 

 その分厄介な事もあるかもだけど。

 

「……ねえ、カレン」

 

「ん?」

 

 気づけば、リアスの腕が俺の首に回る。そのままギュッと俺を抱きしめるようにする。

 

「私の事好き?」

 

「唐突に何だ」

 

「良いから」

 

 有無言わせないその口調に俺はげんなりする。

 

 これは答えないと離さないな。頑固なものだ。

 

 昔からそうだな。ちゃんと答えないと直ぐに不機嫌になるんだから。

 

「好きだよ」

 

 ため息を付きたいのをぐっと堪えて言う。

 

「世界で一番?」

 

「え」

 

 なに、そんな重い話だったのこれ?

 

「どうなの?」

 

「え、えーと」

 

 や、やばい。何を答えても駄目な気がする。どうする。どうすれば――!

 

「リアス、カレン良いかな」

 

 サーゼクス兄さんがノックをしてくる。

 

 ナイス! サーゼクス兄さん!

 

「ああ、どうぞ!」

 

「ちょ……」

 

 リアスが何か言おうとする前にサーゼクス兄さんが入ってくる。

 

「おや、お邪魔だったかな?」

 

 俺たちの様子を見てサーゼクス兄さんが聞いてくる。

 

「いえいえ、大丈夫ですよ」

 

 リアスの腕をやんわりと離して俺は立ち上がる。

 

「…………」

 

 リアスは不満そうな顔を隠さなかったが兄の前だろう。直ぐにいつもの表情になってベットから立ち上がる。

 

「それでお兄様、どうかなされたのですか?」

 

「ああ、昼間の話の続きだ」

 

 昼間……そういや、サーゼクス兄さんに呼ばれてリアスのヤツどっかに行っていたな。

 

「お前のもう一人の『僧侶(ビショップ)』についてだ」

 

 ……マジか。アーシア以外のもう一人のリアスの『僧侶(ビショップ)』。俺や一誠達がいまだに会ったことのない奴について。

 

 いよいよ、その知られざるベールが明らかになるのか!? 

 

「お前の実力も大分付いてきた。そろそろ()の封印を解いても良いだろう」

 

 ふむふむ、彼、という事は、もう一人の『僧侶(ビショップ)』は男か。……ん?

 

「封印って?」

 

 穏やかな言葉じゃないな。そんな危険な奴なのか?

 

「あの子は能力――神 器(セイクリッド・ギア)が特殊で、制御が出来ていないの。だから、基本的に旧校舎の一室から出てはいけないのよ」

 

 リアスが説明する。

 

 成程。そんなこともあるんだな。

 

「大公アガレス家や他の上級悪魔たちなども了承した。問題ない。明日にでも行くと良い」

 

「分かりましたわお兄様」

 

 明日か。どんな奴かねえ。同性が増えるってのも悪くない。今男子は俺と一誠と祐斗の三人だけだからな。ここで女が増えたら男が少なくなってくる。

 

 や、別に肩身が狭いとかいうわけじゃないんだけどな。やっぱり同性の友人は欲しいもんだし。

 

 ……まあ、何事もなく終わるはずはないだろうけど。

 

******

 

「ここか?」

 

「ええ」

 

 翌日。授業も終わり俺たちオカルト研究部は旧校舎のある一室の前にいた。

 

 ドアには厳重に符などが大量に貼られており夜中などに来れば心霊スポットに見えるそうだ。

 

「さて、と」

 

 リアスはドアの前に立つと、符をどんどん剥がしていく。

 

 やがて、すべて剥がし終えるとリアスはドアを開ける。

 

 すると、

 

『イヤアアアアアアアア!?』

 

 叫び声が響き渡る。

 

 なんぞ? 新参組が首を傾げている間、前々からいる面子はため息をつくや、苦笑いをしている。

 

 先にリアスと朱乃が入って、俺たちが後から入る。

 

 中は実に女の子の部屋、といった感じだ。趣味の良い装飾が施されており小奇麗な感じだ。ただ、カーテンは完全に閉めきられているから結構薄暗いな。

 

 さてさて、件の『僧侶(ビショップ)』はどこにいるのやら……。

 

 辺りを見渡す。

 

 ……いた。

 

 奥にある棺桶の近くで震え縮こまっている子が。

 

 金髪――と言ってもアーシアの金髪とは少し違う感じかな。赤い瞳に目じりに涙を浮かべて可愛らしい顔に見事にマッチしていた。

 

 そんな可愛らしい女子の制服を着た金髪美少女がいた。

 

 ……え、美少女? いや、これは……。

 

「い、一体何の騒ぎですかあああああああ!? というか、誰ですか後ろのヒトたちいいいいぃぃぃぃ!?」

 

 いや、ビビり過ぎだろ。見知らぬやつがいるだけでここまでビックリするか普通。

 

「久しぶりね。今日は貴方の封印が解除されたから外にいつでも出られるようになったのよ」

 

「は、はいいいいぃぃぃぃ!?」

 

 いや、どうやら知り合いでもビビるらしい。リアスが話しかけてもビビっているし。

 

「あらあら、そんなに驚かなくても良いですのよ。もう外に出ても良いから、一緒に出ましょ?」

 

 朱乃が優しくそういう風に言ってくるのだが、

 

「い、いやでうううぅぅぅ!! 僕お部屋の中が良い!!」

 

 すげえ引きこもりだ。ここまで拒否るか普通。

 

「うわぁ、美少女でもちょっときついな、これは」

 

 隣の一誠も困惑している。

 

 あーやっぱり気づいていないか。

 

「一誠、こいつ男だ」

 

「……は?」

 

 一誠が何言ってるの? みたいな顔で俺を見てくる。

 

「いや、だからこの金髪美少女は実は男だよ」

 

「いやいや! こんな美少女だよ!? あるわけないじゃん!」

 

 まだ信じられないと言った顔をしているが、残念ながらこれが真実だ。

 

「カレンの言う通りよ、この子は男の子よ」

 

 ほら、リアスも言っているじゃん。

 

「うっそだああああああ! こんな可愛いんだよ! 女子の制服だって着てるんだよ!?」

 

「女装趣味があるのですわ」

 

 朱乃が補足するように説明する。

 

「何でだよ! 何で男のくせに女子の制服着てんだよ!」

 

 一誠のまさに魂の叫びに『僧侶(ビショップ)』君は口を尖らせて言う。

 

「だ、だって女の子の服の方が可愛いんだもん」

 

 もん、もんって……。

 

「何だそりゃああああああ!」

 

 一誠が四肢を地面に付き、絶望を表す。

 

「……人の夢と書いて儚い」

 

 小猫ちゃんの痛烈なツッコミ! 一誠は更なる追い打ちを喰らう!

 

「さて、新しい子も増えてきたことだし、紹介するわ。先ず『兵士(ポーン)』のカレンと一誠。二人は義兄弟よ。貴方と同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア。それと『騎士(ナイト)』のゼノヴィアよ」

 

 紹介された順であいさつしていく。

 

「ね、一緒に外に出ましょ。もうここに居なくて良いのよ」

 

 リアスが優しく話しかけるも、

 

「い、嫌ですうううぅぅぅ! ここから出たくありません!」

 

 わお、重症。

 

 とはいえ、このままでは埒が明かないのも事実。

 

「なあ、お前、そんなに外に出るのが嫌なのか?」

 

 近くに来て、しゃがみ込み目線を合わせる。

 

「へ、あれ、何で部長と同じ髪の色?」

 

 俺とリアスの顔を交互にマジマジと見る『僧侶(ビショップ)』君。

 

 取り敢えず、手を伸ばしてみる。

 

「ひいっ!」

 

 あら、怯えさせちゃったかな? そう思った瞬間、意識が一瞬ぶれる。

 

「っ!」

 

 だが、直ぐに収まる。

 

「おい、今何か……!?」

 

 後ろを見て、思わず息を呑む。

 

 ――他の面子が固まっている。

 

 固まっていると言うより、『停まっている』いると表現したほうが良いだろうか。全く微動だにしていない。

 

 どういう事だ。

 

「え、何で停まって……」

 

 声がした方を見たら、『僧侶(ビショップ)』君が呆然とこちらを見ていた。

 

 今の言動。そして、この状況。まさか……。

 

「……停めたのか、時間を?」

 

 思わず出た言葉は正しかったようだ。『僧侶(ビショップ)』君はビクッと震えた。

 

 それと同時に他のヤツの時が動く。

 

「え、え?」

 

 一誠やアーシア、ゼノヴィアは突然の事に戸惑っているが、他の者は「またか」なんて反応をしていた。

 

停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)。視界に写した物を停止させる能力を持つ神 器(セイクリッド・ギア)です」

 

 朱乃の補足説明に俺は自分の考えに確信を持つ。

 

 半ば勘で言ったのに当たったものだ。

 

 リアスが宥めるように彼を抱きしめる。

 

「この子の名前はギャスパー・ヴラディ。駒王学園一年生よ。転生前は吸血鬼と人間のハーフだったわ」

 

 やれやれ。この眷属はクセの強いやつが多いようで。

 

 




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