ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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遅れて済みません。親から受験勉強に入れとうるさく言われ、あんまりパソコンを使えない多騎雄大です。

恐らくコレから土日ぐらいしか使える日が無いので、必然的に更新は日曜日ぐらいになると思われます。どうかご理解の方をよろしくお願いします。


学園のアイドルがいる場所じゃ無いよな……

 どうしてこうなった。

 

 そう、思わず口に出してしまいそうな程、俺は現在の状況に困惑していた。

 

 リアス嬢と俺が全裸でベットの中で一緒に寝たこと? それもある。

 

 その光景を義母さんや一誠に見られたこと? 勿論それもある。

 

 朝ご飯を一緒に食べたこと? それも、だ。

 

 その際に、リアス嬢が怪しげな術をした事? それも気になる。

 

 ……いい加減、現実から目を背けるのは止めようか。お師匠様も「現実をちゃんと受け止めて、逃げないこと」とか言っていたしな。うん。

 

「ふふっ」

 

「くうぅ……何で兄貴ばっかりこんな良い目に」

 

 何で一緒に学校に登校中のリアス嬢からは腕を組まれて、その光景を後ろから付いてくる一誠が涙ながらに睨み付けているんだ……!

 

 と言うより、既に周りに駒王学園の生徒達が遠巻きに俺等のことみているんだが! 携帯で写真や動画を撮ったりしてアップしているみたいだし! やばいよ、何か俺とリアス嬢がやっぱり付き合っていたんだ。朝から見せつけているし! 何て言っている奴らもいる。

 

 ああ……リアス嬢はリアス嬢で何か妙に嬉しそうだし。

 

 ……もう、どうなるんだ俺。これでもう駒王学園では男友達出来なさそうなんだが……。

 

「なあ、リアス嬢」

 

「何、夏蓮君」

 

「そろそろ手、離してくれない? もう手遅れだと思うけど……それでもさ」

 

「あら、駄目よ」

 

「何で!?」

 

 拒否るとは……!

 

「だって、女性をエスコートするのが、紳士の務めでしょ?」

 

 全く持ってその通りなんだが、俺は別に紳士では無いし、そもそも、そう言う状況では無い筈だ! 断じて!

 

 て、リアス嬢に言っても聞いてくれないだろう。と言うか、リアス嬢に口で勝てる自身が全然無いし……。ああ。もう、どうとでもなれ。諦めも肝心だとお師匠様も言ってたしな。

 

 ……それは今は置いておこう。最も重要な、問題は別のところにある。

 

 昨夜の事だ。俺は間違いなく刺された。あの光の槍で。コレは間違いない。しかも、出た血は完全に致死量を超えていたはずだ。

 

 にも関わらず、俺は生きており、傷も全く無い。血色も中々良い。

 

 リアス嬢が何かしたとしか思えない。しかし、肝心のリアス嬢は、

 

「放課後にちゃんと話すからもう少し待っていて。ね?」

 

 と言われたので、仕方なく待つ身である。

 

 さて、今は一誠をどうにかするか。残りの変態二人と何かしそうな気がするし……。

 

******

 

 放課後。いよいよである。

 

「さて、行くわよ」

 

 そう言って、リアス嬢は手招きする。それに俺はならうように歩く。

 

「な、リアスさんと兵藤夏蓮が……!?」

 

「朝の一件もそうだけど……やっぱりあの二人付き合っているのか?」

 

「くそう、同じ紅髪めが……」

 

 ……もう、修正無理だな。リアス嬢はリアス嬢で全然否定しないし。

 

「――あらあら。凄い噂になっていますね」

 

「む……」

 

 突如、後ろから聞こえてくる声。振り向くと其処には、黒髪ポニーテールという今では滅多にお目にかかれない髪型を持っている美少女がそこに居た。

 

「朱乃嬢」

 

 姫島朱乃。俺やリアス嬢と同じ駒王学園三年生で、二大お姉様の片割れ。

 

 リアス嬢は”洋”のイメージを持っているとするならば、朱乃嬢は”和”のイメージと言うのがふさわしいだろう。正に、大和撫子という言葉が合う者の一人だろう。

 

 

 俺は直に見たことは無いが、この町にある神社でアルバイトをしているとのことだ。

 

 そんな朱乃嬢だが、俺にとっては友人関係にあたる。

 

 元々、リアス嬢を仲介して仲良くなったのだが、これまた良い友人関係を結ぶことが出来た。その御陰で、また男子との距離が離れてしまったのは悲しきことなのか。それとも友人が出来たことで喜ばしい事なのか、解釈に困るが……。

 

 まあ、今は置いておこう。それよりも、何で朱乃嬢が此処にいるかだ。

 

「どうした朱乃嬢。何か用か?」

 

「いえ、用というか」

 

「朱乃も関係者よ」

 

 横からのリアス嬢の言葉に、俺は思わず瞠目する。

 

 ……おいおい、二大お姉様のどちらもが、あんなトンでもファンタジーに関わりを持っているのか。もう、何が出ても驚かない気がするよ。というか、まさかとは思うけど……。

 

「さて、行きましょうか。夏蓮君、私の根城に案内するわ」

 

「きわめて了解、と」

 

 

******

 

 駒王学園の校舎裏側に、少し前まで使われていた旧校舎がる。

 

 現在は使われておらず、その割には取り壊しも一向に行われる気配が無いなど、学園の生徒達には学園七不思議で通っている不思議な場所だ。

 

 現在は俺は、その旧校舎の廊下を歩いていた。

 

 建物内は、窓は一枚も割れて折らず、ホコリもあまり見られない。よく清掃されている。

 

 確かオカルト研究部だったな。成る程、此処なら雰囲気もあって良いかもな。でも、ヒトが居るとは知らなかったぜ。

 

「ここよ」

 

 そうリアス嬢が指さすドアには「オカルト研究部」というプレートが付いていた。

 

 ……よくよく考えれば、こんな所に部室があるとは知らなかったな。まるで秘密のサークルみたいだ。

 

 リアス嬢が部室のドアを開けて中に入って行き、朱乃嬢もそれに続く。

 

 かくいう俺も、遅れないように二人の後ろから付いていく。

 

 中に入ると、俺は驚きを隠せなかった。

 

 まず室内の天井、壁、床に至るまであらゆる、魔方陣というヤツか? それが入り乱れるように書かれていた。

 

 ……コレじゃオカルト研究部というよりは黒魔術研究部といった方が良いじゃ無いのか?

 

 魔方陣の他にはソファがいくつか。後はデスクもいくつか置いてある。

 

「ん?」

 

 入ったときには気がつかなかったが、ソファの一つに先客が一人いた。

 

 小柄な少女が無表情なまま、黙々と羊羹を食べていた。

 

 こちらに気がついたらしく、視線を向けてきた。

 

「あら、小猫。来ていたのね。こちらが兵藤夏蓮君」

 

「……どうも」

 

 そう言って、少女――小猫ちゃんがぺこりと会釈していた。

 

「こんにちは」

 

 そう言って、俺も手を軽く振って挨拶を返す。

 

 てか、この子、一年生の塔城小猫ちゃんか。

 

 駒王学園一年生で、容姿は下手をしたら小学生と間違われても仕方ないぐらいだ。

 

 一部の特殊性癖を持つ者達からは、かなりの人気を誇っていたはずだ。

 

 ……(みどり)より下手したら幼い容姿だからな。ちょっと驚きだな。

 

「あれ、そういうや一誠は」

 

 ここに来るまで失念していたが、一誠も関係者だったはずだ。あいつは良いのか?

 

「彼の方なら別の使いを送ったわ。もうすぐ来るはずよ」

 

「成る程」

 

 俺が納得していると、リアス嬢が部屋の奥に行く。そしててええええ!?

 

「ちょ、リアス嬢? 何やっての?」

 

 何やらリアス嬢が部屋の奥にあるシャワーカーテンの中に入って服を脱ぎ始めた!? 何コレ!? え、どういう状況!?

 

 俺が混乱している内に、シャワーカーテンの中から水が流れる音が聞こえ始めた。

 

「何って、シャワーを浴びているのよ」

 

「いや、それは分かるけど。何で今浴びてんの!? 男である俺が居るんだよ!?」

 

 もしかして俺って男として認識されてない!? それはそれでやだな……。

 

「あんまり私はそういうの気にしないわ。それに、昨日貴方の治療で浴びれなかったの。これぐらい許してくれない?」

 

 ぐう……! そう言われると俺からすれば何も言い返せない……!

 

「はあ、分かったよ。分かったよ」

 

 お手上げといった感じに両手を挙げて、俺はソファに座り込む。

 

 そんな俺を「あらあら」とわらいながら、朱乃嬢は見てくる。

 

 俺はそれを無視し、なるべくシャワーの音を聞かないように意志を集中させようとする。

 

「…………」

 

 前言撤回、出来なかった。

 

「……えと、何かな、塔城ちゃん」

 

 意志を集中させようとした俺の方を、塔城ちゃんが羊羹を食べる手を止めてジッと見てくるのだ。

 

 無表情のまま見てくるので尚居心地が悪い。

 

「……貴方が、兵藤夏蓮先輩ですよね?」

 

「え、ああ、そうだけど」

 

 さっきリアス嬢が俺の事紹介した筈なんだが……。

 

「……リアス部長が、先輩のこと話していましたので」

 

「リアス嬢が?」

 

 それは驚きだ。リアス嬢が俺の事後輩に話していたとは……。

 

「……一日五回は先輩の事――」

 

「ちょっと、小猫! 其処から先は言わなくて良いわ!」

 

 塔城ちゃんの言葉を遮るように奥からリアス嬢が叫んでくる。

 

 な、何だ? リアス嬢俺の事なんて言ってんだ? すんごく気になる。

 

「塔城ちゃん。リアス嬢、俺の事なんて言っているの?」

 

「それは……」

 

「小猫~?」

 

「……部長が怒るのでこれ以上は言えません」

 

 ちっ、残念だぜ。聞いてみたい気がしたんだが……まあ、今度リアス嬢が居ないときにでも聞いてみるか……。

 

「しっかし、この部屋凄いな。少なくとも学園生活を送る少女達が青春を送る場所では無いと思うぞ」

 

「うっふふふ。私達にとってコレが良いんですよ」

 

 そう言いながら、いつの間にか淹れたのか朱乃嬢が紅茶を持ってきてくれて、俺の前の机に置いてくれた。

 

「おう、ありがとうな」

 

「いえいえ。砂糖は要りますか?」

 

「ああ。お願い」

 

 此処だけの話、俺はどうも紅茶を直で飲むことが出来ない。砂糖をそこそこ入れる事で、ようやく飲める。

 

 ……その事をリアス嬢に知られたときは子供みたいね、何て言われて笑われたな……。

 

 朱乃嬢から貰った砂糖を入れて、俺は紅茶を口にする。

 

「いかがですか?」

 

「うん、おいしいよ」

 

 世辞抜きで、本当においしい。

 

「あらあら、それは嬉しいですわ」

 

 本当に嬉しそうに、笑う朱乃嬢。

 

「……私だって紅茶はおいしく淹れられるわよ」

 

「ん? 何か言ったか、リアス嬢?」

 

「何でも無いわよ!」

 

 うお、何だ急に。朱乃嬢の紅茶を褒めただけだぞ?

 

 その後、一誠達が来るまで、俺は若干の居心地が悪さを感じながら、紅茶を飲んでいるのだった。




いかがでしょうか? 今回は朱乃と子猫の登場で、ちょうど区切りが良いので、此処までです。

次回は説明回です。
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