ハイスクールD×D もう一人の紅髪   作:多騎雄大

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こないだ魔力量をランク分けしてみたら? という意見を貰ったのですが、中々難しいです。

 原作だとやたら滅多にインフレな存在が多すぎますし……。オカルト研究部のみでやろうかな?


契約、挑戦だ!

 光が止み、目を開けた場所は……

 

「……女の子の部屋?」

 

 内装はかわいらしく、ぬいぐるみもかなりある。

 

 以前見た翠の部屋よりも可愛らしくなっているな……。

 

 まあ、翠がシンプルすぎるんだよな。あれは間違いなく。

 

「あ、あの〜」

 

「ん?」

 

 声? 何処からだ? この声の主が依頼者か。

 

「あ、あの〜」

 

 もう一度俺を呼ぶ声。

 

 いや、声は聞こえんだけど、どこだよ。

 

 辺りを見渡してみるが、依頼主らしき人物の姿が見えない。

 

「貴方が悪魔様ですか〜」

 

「はい、グレモリーの者ですが……失礼ですが何処ですか?」

 

「え、え〜と……」

 

 何やら煮え切らないご様子だが、どういう事だよ? 声は聞こえんだが……。

 

 つうか、何で姿を見せん? 悪魔である俺を呼んだんだよな。

 

 うーん、何処だ? 声は下の方から聞こえるから下か……えー。

 

 下の方を見たら、思わず引いた。そりゃあもう引いた。

 

 どうしよう。こんな経験始めてだな。つうか、人間だった頃にも無かったけどな。うん。

 

 まさか、悪魔を呼んだ本人らしき人間の声が中々豪華そうなベットの下から聞こえてくるなんてな!!

 

 何これ!? 意味わからないよ!! 初めての依頼でこんな依頼主なの!? しかも声から察するに女の子だよね!? どうしようリアス。マニュアルが初っ端から役に立ちそうにないのですが!

 

「……あのーいい加減そこから出てきてもらえるますかね?」

 

 ベッドの近くにしゃがみ込んでそう言う。

 

「へうっ!? な、何で私の居場所が分かったんですか!?」

 

「いや分かるよ!!」

 

 この子何!? 頭がオツムな子じゃねえの!? もうメンドくさいな!!

 

「ええい!! いいから出て来い!」

 

 ベッドの下に手を突っ込む。どうやら直ぐ近くに居たらしく、手らしき物を簡単に掴めた。

 

 細いな。少女なのは間違いないみたいだな。

 

「な、何するんですかー!?……ま、まさか私の魂を食べる気……!?」

 

「食べるかっ! 良いから出て来い! これじゃ契約の前に話が出来ん!」

 

 余り力を強めずに引っ張る。大した抵抗も受けず、声の主を引っ張り出せた。

 

「なっ……」

 

 引っ張り出した相手の姿を見て俺は思わず呆気に取られた。

 

 服装はネグリジェ。髪は茶色が掛かった黒髪をセミロングにしている。

 

 顔立ちも結構整っている。大人になれば、美人と呼ばれるんじゃないかと思う。

 

 が、俺が一番驚いたのはそこじゃ無い。

 

「――小さっ!」

 

 ――背が低い事だ。

 

「なっ、小さい言うなっ! 私はもう中学三年だ!」

 

「え、嘘!?」

 

 マジか! ぶっちゃけ小学五年生かと思った。最近の子は身長も伸びないのか……。

 

「ああっ! 今、身長伸びない可哀想な奴とか思ったでしょ!?」

 

「そこまで思ってねえよ!」

 

 どんだけ身長にコンプレックス持ってんだよ! このままいくとめんどくさい事になりそうだな。さっさと契約に進むか。

 

「取り敢えず君の小さい背は置いておいて」

 

「だから小さい言うな!!」

 

 あ、失言。

 

「ご、ごめんごめん。大丈夫だよ。君、まだ中三なんだろ? まだコレから伸びるよ」

 

「……ホントですか?」

 

 良かった、収まってきたようだ。

 

「ホントホント。さっきはひどいこと言って悪かったな」

 

「……いえ、初対面のヒトに対して私も悪かったです」

 

 この子がどうやら聞き分けが良い様だ。

 

 さてさて。初契約の相手がこんなんで俺は大丈夫かねえ?……とても不安だ。やばい。

 

******

 

「で、何であんなところに隠れてたの?」

 

 クッションを座布団代わりにして床に座って目の前の少女に聞いた。

 

「そ、その〜チラシを読んで冗談半分で悪魔様を呼んだら……」

 

「実際に俺が来てビビったと」

 

「はい」

 

 少し恥ずかしそうに俯く少女。

 

 成る程。それにしたって、ベットの下に隠れるのは如何かと思うが……。まあ、パニクればそういう行動をとってしまうのかな。

 

「じゃあ、誤って呼んだって事? それなら俺は帰るけど……」

 

 初の契約で残念だが、本人に契約の意思が無いんじゃしょうがないか……。

 

 けれど、俺の言葉を聞いた少女が慌て始める。

 

「い、いえ! 折角来て頂いたのですから、是非とも契約してくださいっ!」

 

「え、良いの?」

 

「はい!」

 

 勢いよく頷く少女。

 

 おおっ! 初めてでいきなり失敗するかと思ったが、良かった。

 

「では、改めまして。グレモリー家の悪魔、兵藤夏蓮です」

 

「コレはご丁寧に。篠崎真理子と言います。よろしくお願いします」

 

 お互い向かい合っての挨拶。

 

 この部屋見て思ったけどこの子、上流階級か? 挨拶も丁寧だし。

 

 因みに俺は今は亡き母様に教わった。色んな場面で役に立っている。

 

「さて、悪魔を呼んだということで、願いがあるんだろ?」

 

「はい、そうですね……」

 

 数秒思案して少女、真理子は何かを決意したような顔をする。

 

 そして、願い事を言った。

 

「では――背を伸ばしてください」

 

 ……うーん。ひどく真剣な声で言っているのは分かるんだが。

 

「一応調べてみるけど……」

 

 俺はリアスから貰った端末を使って調べてみるが――

 

「うわっコレは……」

 

「え、何て出たんですか?」

 

「えーと、身長が伸びた次の日に学校に登校する際に事故に遭って死にます。勿論君が」

 

「死んじゃうんですか! 私!?」

 

「登校してクラスメイトに会う瞬間だな。因みに会う瞬間だから、クラスメイトは君の身長が伸びたことに気づいていない」

 

「そ、そんな……」

 

 ガーン、と背景文字に現れそうなぐらいショックを受ける真理子。……ドンマイ。

 

「ううっ、クラスのみんなに背が伸びたと自慢する間もなく死んじゃうなんて……」

 

「まあ、この願いはダメでも他の願いをすれば良いだろ?」

 

 リアス曰く、人の魂は同価値では無いというのが悪魔の格言らしいが、彼女に言うのは酷な話だろうな。

 

「そうですね……特に無いんですよね」

 

 無いのかよ。欲無いなこの娘。

 

 うーんどうしたものか。このままだと契約破談になりそうだ。

 

 もし、そうなったら、リアスに何て言われるか……。

 

 俺の脳裏に迫力ある笑みを浮かべるリアスの顔が浮かび上がる。

 

 ……不味いな。どうにかしないと、何を命令されるか分からん!

 

「ほ、本当に他にはないのか? 何か欲しいのがあるとか」

 

「欲しいものは大抵手に入りますし……」

 

 リッチだなこの娘! 羨ましいよ!

 

「あ、強いて言うなら……」

 

「何?」

 

 頼むよ。契約は取りたい。

 

「何か超常現象を起こしてください。悪魔ならそういう事出来ますよね?」

 

「…………」

 

 真理子の何か期待するような目に、俺は思わず目を逸らしてしまった。

 

 どうしよう。悪魔に成り立てで何も出来ないなんて、言えない。

 

 この子の! 翠みたいな純情そうなこの子の瞳! 裏切れないいいいいい!!

 

 ええい! 落ち着け兵藤夏蓮! 考えろ。考えるんだ! 

 

 手品? 残念ながら一発芸も出来ない。

 

 超人的肉体? 超常現象では無いだろう。

 

 悪魔の羽を出す? 最終手段。

 

 くそ! どうする? 俺に出来ることと言えば……あ。

 

 アレだ! アレがあるじゃないか。

 

 そこまで考えて俺はあることを思い出した。

 

 そうだよ。悪魔の超常現象とは言い難いが、アレも十分、人間からしてみれば超常現象だろうよ。

 

「よし」

 

 そうと決まれば善は急げだ。

 

 ばっ、と俺は右手を突き出し、素早く神  器(セイクリッド・ギア)灼 輝 の 龍 刃(グロリオ・ドラゴ・エッジ)』を展開する。

 

「どう? コレぐらいなら出せるよ?」

 

 これで満足してくれるかな。否、してくれないと俺が困る。

 

 内心ドキドキな俺は真理子の様子を伺う。

 

「――うわあ、凄いです! 何ですか今の? コレ、本物ですか? コスプレアイテムみたいですけど」

 

 ……良かった。めっちゃ食いついてくれた。なお、コスプレアイテムというのは若干同意しておこう。

 

「ああ。危ないから刀身には触らないでくれよ? 結構危ないから」

 

 一度、部室のある旧校舎の周りに生えている木の一本で試し斬りをしたのだが……。

 

 一発でぶった斬れた。それはもう見事に。

 

 思わず斬った本人である俺が唖然としてしまった。

 

 それ以来、俺は滅多に神  器(セイクリッド・ギア)を出さないようにしている。

 

 切れ味が半端ないからだ。鞘が付いているならまだしも、抜き身の状態だ。危なくて出そうにも出せん。

 

「とても綺麗ですね。装飾も無駄がありません。それでいて、武器としての役割を見失っていませんし」

 

「分かるの?」

 

 珍しいな。というか、普通の人間が刀剣類を詳しく知っているわけ無いしな。

 

 俺が聞くと真理子は少し照れ臭そうに頭をかいた。

 

「父が貿易会社のそこそこ高い地位におりまして、趣味で刀剣類を収集しているんです。それで私も少し好きに」

 

 へえー。父親が貿易商なのか。それで刀剣類を。……海外の物を集めているんだよな?

 

「成る程。俺も結構刀剣類には興味があるんだよな。いつか自分の物が欲しいし」

 

 お師匠様が色々と教えてくれたからな。御陰で結構詳しくなった。大人になったら刀の一本でも欲しいモンだ。

 

 俺がそう言うと、真理子はパアッと顔を輝かせた。

 

「本当ですか!? うわあ、こんな趣味が合う人なんで他にはいないと思っていましたから嬉しいです」

 

 とてもはしゃいでいるな。まあ、この世代に刀剣類で話が盛り上がる何て全く持って想像できんしな。というか、俺の世代にもいるとは思えん。

 

 俺もこの出会いには感謝だ。同じ趣味にあうヒトなんて滅多に会えないしな。

 

「俺もだ。今日は色々と語り合おうぜ」

 

「はい!」

 

 それから俺と真理子は夜が更けるのも気にせずに色々と話し込んだ。

 

 いやあ、熱中した。あれほど話し込んだのは、美咲と話した以来かな?

 

 なお、ちゃんと契約して対価は貰った。

 

 彼女が個人的に持っている小刀を貰った。ちゃんと届けを出した物らしい。

 

 流石にこんな事だけしかしてないで貰うのは気が引けたのだが、

 

「こんなに楽しい時間をくれたお礼です」

 

 と言うのでそれならば、と頂いた。

 

 真剣を手に持つのは随分久しぶりだった。というか、家におけん。うっかり義母さん等に見つかったら偉い騒ぎだ。

 

 なので、小刀は部室に置くことにした。

 

 あんなに”洋”のイメージが強い部室に”和”の小刀が合うとは思わんかった

 

 今度はちゃんとした事をやってやらないとな。

 

 

******

 

「――とまあ、こんな感じで俺の初契約は終了しましたとさ」

 

「そう、ご苦労様ね、夏蓮」

 

 次の日、部室にて俺は初契約についてリアスに報告していた。

 

 聞いているリアスも満足そうに頷いてた。

 

「さて、問題はこっちね」

 

 そう言って難しそうにチラシを見るリアス。

 

「しっかし、一誠も中々面白い才を持ってるな。悪魔内では結構珍しいんだっけ?」

 

「ええ、だからこそ困っているのよ。前代未聞だからね」

 

 リアスが悩んでいる理由は、一誠の初契約にある。

 

 魔方陣による転移が叶わず、チャリで依頼者宅まで向かったところ、何とか到着。契約に挑戦。

 

 が、一晩中、一誠が愛読しているドラグ・ソボールを語り合っていて、契約取りは失敗に終わってしまった。

 

 普通、そこまでなら契約失敗でリアスからお咎めが来ても良いが――彼女は注意するだけで終わるだろうが――別の問題があった。

 

 依頼が終わってから契約者に魔方陣が書かれているチラシににアンケートを書いて貰うのだ。

 

 ちなみに、真理子にも書いて貰い、なかなかの高評価を貰った。

 

 で、一誠はと言うと……

 

「……『楽しかった。こんなに楽しかったのは初めてです。イッセーくんとはまた会いたいです。次は良い契約をしたいです』……べた褒めだな」

 

「ええ。だからこそ困っているのよ」

 

 契約破談してこんなにアンケートで言われるのは始めらしい。

 

「まあ、此処は敢えて褒めるのが良いじゃ無いか? 意外性ナンバーワンの悪魔って事で人気になるかも知れないし」

 

「それもそうね。……ふふっ、おもしろい子ね」

 

「まあな。……アレで変態が抜ければ良い奴なんだが」

 

 ソファに座って、天井を見上げながら深々と溜め息を付く。

 

「イッセーはずっとあんな感じなの?」

 

「まあ、熱血漢と努力家はずっと変わらんが、あの変態具合は昔はあんな感じじゃ無かった気がするんだが」

 

 何時だったかな? あいつがあんな感じになったのは。

 

 俺が初めてであったときはああいう風じゃ無かったと思うが……。

 

 うーん。何分小さすぎるからな、覚えていない。

 

「ま、その部分は追々何とかしよう。……そういや一誠はまだ来てないのか?」

 

「ええ。コレから来ると思うわ」

 

「あんまり怒ってやらないでくれよ? ああ見えて結構打たれ弱いし」

 

「あら、心配?」

 

「そりゃあな。あんな変態だが、義弟だしな」

 

 ……あいつには昔、心が折れそうだったときに助けられた。その借りも返せていない。

 

「夏蓮……変態、変態言い過ぎじゃない?」

 

「変態なのは間違い無いから良いんだよ」

 

 そこは多分コレからも変わらんだろうよ。




感想待っています。

今回は急いで書き上げたから結構変な部分もあるかもしれません
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