ジョセフ達が帰った後
寿司屋『星屑』は本日の営業を終了する。
そして居酒屋『紫炎』の暖簾に付け替える。
寿司屋としては10時までしかやらない。
承太郎と花京院はまだ高校生だ。
ポルナレフも明日の仕込みがあるので、一度二階に上がり発注を行う。
3人も欠けた状態では店が回らなくなってしまうので、2人だけで居酒屋をやると決めたのだ。
この時間の客層は昼の時とは違う。
昼間の客は寿司を食べに来るが、夜の客はジョセフに相談事の相手をして貰ったり、アブドゥルと話し込んだりするために来るのだ。
ドアが開き、居酒屋『紫炎』として今日初めての客が来る。
「お、いらっしゃい」
「どうぞ、こちらへ……ってダービー達か」
「ふふっ……また来てしまいました」
「フム、元気そうで何よりだよ。アブドゥル」
入ってきたのはダービー兄弟。
寿司屋ではなく居酒屋の方の常連だ。
兄はマジック講師として働く傍パチプロとしても活動しており、弟はプロゲーマーとして世界中の大会で荒稼ぎしている。
二人は話を楽しむ為にここによく通っている。
「何にする?コービー君」
「ダービーですよ。私は『コーラ』を」
「なんじゃ、アルコールは要らんのか。弟の方は?」
「私は『シンデレラ』を」
「二人ともアルコールは要らんのか」
「あぁ、明日は講義があるのでね」
「私は元々あまり飲めませんから……」
ジョセフはコーラの瓶の蓋を取り、氷を入れたグラスの中に注ぐ。
そして色々なフルーツを切り刻みミキサーに入れてジュースを作る。
「何か食べるのかな?」
「『生ハムのチーズ巻』あるかな?」
「丁度一人前だけあるな」
「では私はそれを頂こう」
「私は『柿の種』にしましょうか」
「承知した」
柿の種の袋を開けて小皿に入れる。
生ハムを1枚ずつ、計5枚丸める。スライスチーズの上に一つずつ置き、それも丸める。
爪楊枝を横から刺し、七輪の網の上に並べる。
最後に焦げ過ぎないようにバーナーで炙っていく。
途中で七味をかけると良い香りがしてくる。
「ん〜香ばしい香りだ。流石はアブドゥル。15年も厨房に立っているだけのことはあるな」
「からかうなよダービー(兄)これぐらいなら誰にでもできるさ」
「いやいや、実際かなりの腕ですよアブドゥル。普通はチーズを溶かしてしまったり、焦げて黒くなってしまったりしますからね」
「アブドゥルは火の扱いに関してはかなりのものじゃからのう。いい仲間を持ったものじゃよ」
「ははっ、照れますな」
アブドゥルは少し照れ臭そうにしながら品をダービー兄弟達の前に出す。
ダービー達はそれを取り、口に運ぶ。そして自分達の選んだ飲み物を口に含む。
「旨い……コーラの甘味の後に来る七味の辛味。口の中を激しく掻き回してくれるようだ」
「やはり『シンデレラ』はこうでなくては。この独特な味わい。私好みの味ですよ」
ふぅ