寿司屋『星屑』   作:冴え渡る

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この作品の承太郎は承太郎じゃないです。


もっとチキンな何かです。


不貞腐れる若大将

 

 

 

 

朝、俺の1日は珈琲(コーヒー)を飲む事から始まる。

 

 

 

毎日の仕事の為には、自分の体にカフェインを摂取する事が重要だ。

眠たそうな顔をした職人が握る寿司など、食べる気にもならない。

 

職人はいつでも、キリッとした顔でないといけない。

 

 

拘ったメーカーで入れる必要なんてない。

インスタントの手頃な物でいい。

 

要は淹れ方なのだ。

 

お湯を入れる時、タイミングさえ合えば何も問題ない。

温度にも気を使った方がいい。

 

そうして淹れる珈琲(コーヒー)は格別だ。

 

 

 

……………今日も珈琲(コーヒー)が美味い。

 

 

「じゃねーよバカ野郎!」

 

「…………今珈琲(コーヒー)を飲んでいる。邪魔するな」

 

「とっとと職場に来いや!」

 

「ふざけるな…………!今日で10日目だぞ!1日ぐらい休ませろ!」

 

「仕方ねぇだろ!ジョセフさんが腰やっちまったんだから!」

 

 

そう。

 

俺こと承太郎はジジイのぎっくり腰のせいで、10日間連続で働いているのだ。

 

友人とゴルフに行った時にやったそうだ。

これだけでもふざけた話だが、俺が働きたくない理由はもう一つある。

 

ジジイが病院で言ったのだ。

 

 

『承太郎に店は任せる。なーに心配ないさ、なんとかなる』

 

 

 

なんとかなる根拠はなんだ。

 

自慢ではないが………俺は握ることしかできない。

 

仕込みはおろか、レジ打ちや物運びも満足に出来ないのだ。

いきなり店長代理を任されてもムリに決まってる。

 

ポルナレフやアブドゥル、花京院でもできる。

 

何故俺なんだ…………。

 

 

「お前がやれ」

 

「誰が仕込みやるんだよ!」

 

「俺が」

 

「無理だろ!」

 

「アブ」

 

「他にやることがある!」

 

「花」

 

「レジがいなくなるだろうが!」

 

「それはお前が」

 

「店長いなくなるだろうがぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」

 

「いきなり怒るなよ………珈琲でも飲んで、話でもしようや」

 

「もう仕込みやってんだよ!」

 

「頑張れよ」

 

「お前はどうすんだぁぁぁぁぁぁぁぁあ⁉︎」

 

 

ポルナレフがさっきから騒がしい。

 

大体何で他の人間を雇わない?

 

普通ここまで繁盛してるならバイトの一人や二人、入れてもなんら不思議は無いんだが………。

 

 

「とにかく俺は休む」

 

「どうしても………休むんだな?」

 

「うっとおしいぜ!俺は今日は働かねぇ!」

 

「………お前の意思は理解した。確かにジョセフさんの代わりを10日間も務めるのは精神的にも体力的にも辛い物があるだろう………。」

 

「だろ?だったら」

 

 

 

 

 

 

「お前は今日は有給を使って休め。それ以外は認めん」

 

 

 

 

 

「⁉︎」

 

「別におかしい話じゃ無いぜ?仕事を個人の都合で休むんだ………お前の残り3日しかない今年の有給休暇。それを使って休むんだな。」

 

 

「この………外道がッ!」

 

「嫌なら来るんだな?ふん、俺はもう行くぜ」

 

 

そう言うとポルナレフは、職場に戻ってしまった。

 

 

「……………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日

 

カウンターで寿司を握る若大将の顔が怒りに歪んでいたそうな。

 




モーニングセットって美味しいよね。


朝はパンパパン、パンだパン♪



目玉焼きとベーコンがジャスティス。
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