もし、楠幸村に義弟がいたら   作:官命鳩

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咲夜の容姿がまだハッキリと浮かびせん。


今回姉さんは出番がありません。

月曜日。

 

僕は約束どおりPSPにモン狩を入れて持ってきた。

 

PSPもソフトも自腹で買った。

 

店員が僕にやたらとピンク色のPSPを勧めてきたり、ヤンキーやチャラ男にナンパされたりして色々大変だった。

 

夜空先輩、小鷹先輩、星奈先輩もちゃんと持ってきていた。

 

「操作は予習してあるな?」

 

「ああ」

 

「はい」

 

夜空先輩の問いに僕と小鷹先輩は頷く。

 

「ふん。忙しかったけど仕方ないからちょっとだけ試しに遊んであげたわ。流行ってるだけあって、割とよくできているわね。まあ所詮はゲームなんてお子様のお遊びだけどね」

 

「星奈先輩はツンデレを貫くなら貫いてくださいよ」

 

相変わらず微妙に素直じゃないことを言う星奈先輩にため息をする僕。

 

「それじゃさっそく始めるぞ」

 

夜空先輩が言って僕達はそれぞれのPSPを起動させた。

 

「誰がホストになるの?」

 

星奈先輩が言う。

 

「ランクが高い奴でいいんじゃないか?」

 

小鷹先輩が言うと夜空先輩も「そうだな」と頷き僕もつられて頷く。

 

このゲームはホストとなる一人のプレイヤーがクエスト(『○○というモンスターを倒せ』とか『○○というアイテムを取ってこい』みたいな、細かい目的のようなもの)を受注し、それを通信しているみんなで挑戦することができる。

 

クエストをたくさんクリアするほどハンターのランクが上がり、受けられるクエストも増えていく。

 

ランクが上がると登場する高難易度のクエストほどいいアイテムが手に入りやすいので、それが受注できるプレイヤーをホストにする方がいい。

 

「咲夜と小鷹と肉のランクは?」

 

前から思ってたけど肉って……。

 

絶対悪口の類に入ると思うんですけど夜空先輩。

 

「俺は1」

 

「僕も同じです」

 

家でかじる程度にやったけどあまり上達する事はできなかった。

 

それ以前にこのゲームは一人でプレイするとかなり難しくてクエストがクリアできなかった。

 

ちなみに、最高ランクは5で、そのランクになってできるクエストは一人ではまずクリアできないような難しさになっているものばかりらしい。

 

「ふっ、私は3だ」

 

夜空先輩が自慢げに言った。

 

このゲームは序盤から登場する敵も多くてしかも集団で襲ってくることが多いので、一人プレイで3まで上げるのはかなり大変だ。自慢したくなる気持ちも理解できる。

 

「あたしは5」

 

髪をかき上げながらさらりと、しかも微妙に得意げに言った。

 

「「「5!?」」」

 

僕達は驚愕する。

 

「あたしにかかればこんなゲームなんてちょろいものよ。ゲームまで天才的だなんてあたしってどこまで完璧なのかしら」

 

「そう言ってどうせ徹夜でやったとかってオチじゃないんですか?それにいつもよりメイクの色も濃いですし……」

 

「ち、違うからね!。へ、変な事言わないでよ咲夜ちゃん!」

 

怪しい……。

 

「はいはい……ってどうしたんですか夜空先輩」

 

夜空先輩を見ると星奈先輩を鋭い目付きで睨んでいた。

 

「うるさい黙れ死ね生肉女こんがり肉になって死ね」

 

相変わらず自分の凄さを誇示したがる星奈先輩と、呼吸するように暴言を吐く夜空先輩。

 

ちなみにこんがり肉はモン狩に登場するアイテムで、こんがり肉は食べると体力が回復するが生肉は食べるとお腹を壊す。

 

「……星奈さっき『ちょっとだけ試しに遊んだ』とか言ってなかったか?どんだけやりこんでるんだよ」

 

「べ、べつにやりこんでなんかないわよ!」

 

小鷹先輩に言われて少し頬を赤くして否定する星奈先輩だったが、どう考えても嘘としか思えなかった。

 

クエストによっては一時間くらいかかる長いものもあるので、たとえノーミスで全てのクエストをクリアしていってもランク5まで上げるには数十時間はかかる計算になる。

 

「ちょっと、プレイ時間見せろ肉」

 

ひょいっと夜空先輩が星奈先輩を奪い取った。

 

「あ、ちょっと!勝手に見るな!」

 

「プレイ時間53時間……だと……!?」

 

夜空先輩がギョッとした顔をした。

 

「しかもなんか知らないアイテムいっぱい持ってるし!装備も可愛いし!生焼け肉のくせに生意気だ!」

 

星奈先輩のPSPを投げる。

 

「なにすんのよ馬鹿!~~~~っ!?」

 

星奈先輩はどうにかキャッチはしたものの、

 

ごっ。

 

鈍い音が聞こえた。

 

星奈先輩がテーベルに脛をぶつけた音であった。

 

目に涙を浮かべて痛そうにうずくまる星奈先輩。

 

さすがに悪いと思ったのか星奈先輩に夜空先輩がハンカチを渡したーーと思いきや、夜空先輩はいきなり星奈先輩の顔をハンカチでごしごし擦り始めた。

 

「ちょっ、やめろ馬鹿キツネ!」

 

……数秒後、夜空先輩が顔を拭くのをやめたあと、よろよろと立ち上がる星奈。

 

その目元には濃いクマがあった。

 

夜空先輩がメイクを拭ったので隠れていたクマが見えるようになってしまったのだ。

 

「お前さては、金曜うちに帰ってから土日の間ずっとコレをやってたのだろう」

 

「う……」

 

夜空先輩の指摘に星奈先輩が呻いた。

 

「……(僕の予想当たっちゃったな……)」

 

あまりにも予想通りすぎて声を押し殺して少し笑ってしまった。

 

「ふーん……たかがゲーム、ねぇ……」

 

ジト目の夜空先輩に星奈先輩は顔を赤くする。

 

「し、獅子はたかがモンスター狩りに全力を注ぐのよ!キツネには分からないでしょうけどね!」

 

あ、開き直った。

 

「とにかくあたしがホストってことでいいわね!まずは肩慣らしでランク3の手頃なクエスト受けとくからさっさと準備しなさい!」

 

「ふん、気に入らないが私は大人だからたかがゲームごときに夢中になっちゃったお子様に合わせてやろう」

 

ちくちく嫌味を言いつつ夜空は先輩は自分のPSPの操作を始めた。

 

僕も自分のPSPを星奈先輩のPSPに接続する。

 

 

それにしても、

 

「……(星奈先輩はなんやかんや言いつつも真面目に部活動に取り込んでるよな~)……」

 

そう思うと星奈先輩が微笑ましく思えてしまう。

 

僕は星奈先輩を見て口が綻んでしまうのであった。

 

 

一方で、

 

(落ち着け羽瀬川小鷹、こいつは男なんだ、男なんだ……!)

 

 

(くっ!?、……鼻血が……)

 

 

(咲夜ちゃん~~~♥。………じゅるり)

 

 

三人はすでに手遅れであることを咲夜は知らない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラ崩壊ごめんなさい
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