幸村はアニメでも可愛いかったです。
幸村は僕の嫁であるからして異論は認めない!。
ようやく着替えを終えてシャワーのところへと移動する。
プールの方を見ると、やたら広かった。
混雑している印象はまったくなくて、客たちは広々としたプールの中をそれぞれ思い思いに遊んだり泳ぎ回ったりしている。
近くに見取り図があったので見てみると、プールは主に波のプール、流れるプール、普通の25メートルプール、50メートルプールの四つで、他にはウォータースライダーや飛び込み台などもある。
泳ぎの練習をするとしたら25メートルプールだろう。
星奈先輩がくるまでぼーっとしていると、
「小鷹、咲夜ちゃん」
横から声を掛けられて振り向くと、着替えを終えた星奈先輩が出てきたところだった。
花柄の派手なビキニで、スタイルの良い星奈先輩に似合っていた。
ついついすらりとした白い脚や豊満な胸の谷間に目がいってしまうのは男の性である。
だって男の子だもん!。
星奈先輩を凝視してしまった自分が恥ずかしくなってしまい星奈先輩から目を逸らす僕。
星奈先輩は場内を一瞥し、
「ふーん、けっこうよさげなところじゃない」
「ああ。すいてるからのびのび泳げそうだな」
「そうね。潰れる前に来れてよかったわ」
さらりと星奈が言った。
「潰れる?」
「えっ?」
「経営状態ガタガタだもん。この施設」
「そうなのか?」
「意外です」
「当たり前じゃない。この規模の施設で黒字を出そうと思ったら市民だけじゃなくて少なくても隣の件からも常に人が集まるようにしないと駄目なんだけど、場所が悪すぎるからね」
「そういや、なんでこんな場所に建てたんだ?」
「~もともと……」
「すみません。飲み物買ってきますね」
そう言って僕は先輩たちの元から離れ売店へと向かった。
売店にたどり着くと焼きそばや飲み物などがあった。
僕はとりあえず人数分の飲み物を袋に詰めて売店を後にした。
先輩達がいる場所に向かっている途中に、
「おい、姉ちゃん!」
後ろから声を掛けられたので後ろを振り向くと、
「これは上玉だなァ、ギャハハ!」
「いい尻してるな……ハァハァ」
「…………………」
髪を金髪に染めているチャラ男三人組だった。
……どうやらナンパされてしまったようだ。
確かに今の格好だと水着は女性用を着用してるし仕方ないかもしれない。
しかもこいつらに男だと知られると変態呼ばわりされる始末になる……最悪だ。
姉さんに何も言わずにプールに来たのが原因だったのかな……。
とりあえず僕はこの場を逃れるため、
「あ、あの待ってる人がいるので失礼します!」
と言って立ち去ろうとしたが。
がしっ!
「嬢ちゃん~俺らと遊ぼうぜ」
と下種な笑みを浮かべながら僕の腕を掴んできた。
チャラ男の手は手汗でベトベトしていて気色悪い。
「さ、触るんじゃねえええええ!!!」
ごきっ!
僕はチャラ男の腕の関節を逆に曲げた。
男の手が僕の腕から離れたその隙に先輩たちのところへ走る。
後ろから、
「うぎゃああああ!!!」
と悲鳴が上がったが僕は何も聞こえなかった。
小鷹視点。
咲夜が飲み物を買いに行ったのでさっきの話の続きをしていた。
「もともとこの施設団体で建造される予定じゃなくて、このあたり一帯を開発するための大きな計画の一部だったのよ。でも色んな事情が重なって、開通するはずだったトンネルとか整備されるはずだった道路とか周囲に建てられるはずだった集合住宅とかショッピングモールが軒並に途中で駄目になって、完成にこぎつけたのは竜宮ランドだけだったのよ。料金が安いから市内からは一応客が集まってるけど、見てのとおりとても施設の立派さに見合った集客数じゃないわ。かといって市民の利用者だけで財産がとれるくらいに料金高くしたら誰も来なくなるし。だからあと数年のうちには確実に潰れるだろうってわけ」
「世知辛い話だな。竜宮なんつうドリームな名前なのに。つーか星奈、なんでそんなに詳しいんだ?」
「前に市長がパパと愛に来たときに話してたのよ」
「パパ……学園の理事長か」
「そう」
「そういやまだ理事長と一度も会ったことないけど、やっぱり挨拶しに行った方がいいのかな……」
「はあ?」
星奈が頓狂な声を送った。
「な、なんであんたがうちのパパに挨拶するのよ!?まさかあんたあ、あたしとつ、つつつ、付き合ってるつもりとかじゃないわよね!?今日のこれがまさかデ……デート、とかいうものだと思ってるわけ!?」
顔を真っ赤にして言う星奈に、
「俺はそれでもかまわないぜ」
と冗談を言ってみた。
本音は星奈がどのような反応するのかなという知的好奇心なのだが。
「…………………」
星奈の顔はさらに真っ赤になって固まってしまった。
「おーい、星奈?」
声を掛けても返事がない。
てっきり俺は「小鷹、冗談はやめてよね~」と軽い反応をすると思っていたのだが……。
「…………………」
星奈は顔を真っ赤に染めたまま体が震えている。
これって……まさか!
「星奈、あれは冗談だ!悪かった!」
俺は怒っているのかもしれないと思ったので謝罪をした。
女性って怒らせると怖いから。
すると星奈は、
「ふ、ふん!。次からは気をつけなさいよ、今回はあたしに免じて許してあげるわ」
「お、おう」
「それでどうしてあんたがうちのパパに挨拶するのよ?」
「俺の父親がお前の父さんと昔からの友達でおれがこの学園に編入するときにいろいろ便宜をはかってもらったらしいから、挨拶に行こうかと思ってる」
「そ、それならそうと先に言いなさいよ!。小鷹が変な事言うから勘違いしたじゃない……」
「俺がからかったのは悪かったって」
「……ていうか、あんたのパパがうちのパパと昔からの友達だって本当?」
「本人が言ってたから本当だろ」
「ふーん……うちのパパ、娘のあたしが言うのもアレだけどかなり気難しいタイプでプライベート付き合う友達とかほとんどいないっぽいんだけど……あんたのパパがねえ……どんな人なの?」
「一言で言えば……陽気なおっさん、かなあ」
「小鷹とは真逆ね」
「うるせえよ。そういう星奈の人格は父親似みたいだな」
「甘いわね。あたしのママ高慢すぎて友達がぜんぜんいないわ。あたしはママ似ね。見た目も性格も」
「……自分が高慢って自覚はあったのか……」
「完璧な人間が偉そうに振る舞って何が悪いの?だって実際に偉いのよ。なぜなら完璧だから。パーフェクトだから」
「死ねばいいのに星奈先輩」
不意に横から咲夜の声が聞こえた。
「ただいま戻りました先輩方。それと星奈先輩死んでください」
「ひどくない!?」
「小鷹先輩飲み物をどうぞ」
「おう、ありがとな」
俺は咲夜から飲み物を受け取った。
「咲夜ちゃん私は?」
「どうぞ」
袋から飲み物を取り出し投げた。
「お、おっとっと。投げないでよ咲夜ちゃん!」
少し涙目になりながら抗議する星奈。
「とりあえず入りましょう小鷹先輩」
星奈を無視する咲夜。
「ひどいよ~咲夜ちゃん!」
星奈が哀れだった。
ィェァァァァァァァァァーーーーーーー!!!!