オリ主転生 ~NARUTOの世界で生きて行こう!~ 作:永井俊介
一瞬、世界がひっくり返ったのかと思った。だけど、実際には俺が宙を舞っていた。体中が痛い。学校の屋上が見える。そこから下を見下ろして、呆然としている友人が見える。そこで、何が起きたのかを思い出せた。
昼休み、小学校低学年辺りから仲の良かった友人に呼び出された。何なのか全く分からずに屋上へ行くと、相手は非常に苛立っていた。何でも、俺の噂が流れていて、それを本気にしていた様だ。実際にない噂で、何も聞かずに適当に相槌を打っていると、その友人がぶち切れて俺を突き飛ばした。体制が整ってなかった事と、相手の力が強かった事で俺は低い鉄柵から逆さに落ちた。幸い、まだ意識はあるがもうすぐ死ぬだろう。
特に何も思わず、視線を屋上の友人に向ける。まるで気を失った様に鉄柵に凭れた友人は、そのまま力が抜けた様に倒れる。上半身が徐々に外側へ動き、鉄柵が外れて、友人まで落ちてくる。鉄柵と一緒に落ちてくる友人を見て、思った事は、最悪だ···。だけだった。
友人がすぐ隣に落ちて、鉄柵が俺の胸に突き刺さる。薄れる意識の中で、せめて友人には助かってほしいと願った。
友人が俺に言った噂話。俺が、一人の女子生徒と付き合っていると言う話。それを聞いて、自分には関係ないと思っていた。実際、関係ない。だけど···いや、だからこそ、反論したい。
――俺が誰かと付き合う訳ないだろ? だって、お前みたいな馬鹿な奴が居るんだから。他の奴まで見てられるかよ。この、馬鹿加奈。
音にもならない様な声で、言い返す。そして、隣から小さく「ゴメン、葵」と返ってくる。どちらも、他の人には聞こえない様な小さな声だけど、お互いに分かったなら、それで良い。誤解も解けたし、このままなら、死んでも良いかな。
瞼を閉じていく。救急車の音や、人のざわめく音が次第に遠ざかる。最後に、昔みたいに手を繋ぎたい。と、思った。何故か分からないが、繋ぎたい。会えるのもこれが最後だからだろうか? それでも良い。
閉じていた瞼を持ち上げ、掠れる視界で加奈の手を捜す。手を見付け、今出来る最速で手を握ろうとするが、手が動かない。それでも少しずつ動かす。が、とうとう力尽き、動けなくなった。
「···ここは?」
何も無い空間。黒いだけの、何も見えない空間。そこに、丸い光が生まれ、それが徐々に広がっていく。俺の体を包み込めそうな程大きくなった光を見詰める。すると、その光は人の形に変わっていき、一瞬眩く輝いた。
反射的に瞑った目を開き、人型の光があった部分を見る。と、そこには長い黒髪の美女が。いや、黒髪かと思ったが違う。毛先に向かうにつれて色が失われ、最後には白くなっている。不思議な髪の色だ。
「どーっも! 貴方が本日死んでしまった最初の方です! どうでしたか? 死んでみた感想はっ! まあ、そんな事は聞いて無いです! 今日、この度、あの場で死んだ柊葵さんと斎藤加奈さんは、二人の神によって転生させて頂きますね! 私が柊さん、もう一人の暇人女神が斎藤さんです! さてさて、何処の世界に転生しましょうか! そうですね! ルーレットで決めましょう!」
女は早口で纏めると、ポンッと煙を起こし、中からルーレットが現れる。どんな手品だ? と思いつつ眺めていると女は「ルーレット開始ぃ! イエーイッ!」と叫んでルーレットを開始した。そして、決まった場所は、
「えぇっと、NARUTOと言う世界ですね。私としてはワンピースや銀魂やドラゴンボールが良いのですが、まあ決まった事ですし。では、頑張ってくださーい!」
そう言う女の声を最後に意識が飛んだ。
頑張りますので宜しくお願いします。