力無き少年のソードアート・オンライン   作:Aruki

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AS6話目です!!

カリン「......」(ピナ抱きしめ)

シリカ「......えと、どうしたんですか?」

カリン「......ない」

シリカ「へ?」

カリン「なんで......今回、私、出番ないのよーー!!」(ピナ締め付け)

シリカ「あー......」

カリン「なんでよ!? 私一応AS皆勤賞だったのに!!」

シリカ「皆勤賞って......それなにか違うくないですか? それに良いんじゃないですか? たまにはお休みってことで」

カリン「それでも! ヤマトが出てて私が出てないのは微妙に納得いかない」(ピナに顔を埋める)

シリカ「(う~ん、これはどうなんだろう? またカリンさんのツンデレさんが顔を出してるのかな? 一緒に出たかった、みたいな。まぁ、でも)」

シリカ「でも、いいじゃないですか......私なんて、初登場以来出番ないんですから......」

カリン「.......なんか、ごめんなさい。ワガママ言ってました」(ピナを返しつつ)

シリカ「いえ、別にいいですよ。あははは......はぁ」

カリン「......なんかテンション下がっちゃったけれど、本編どうぞ」(やっぱりピナを返さない)


AS6話目 藍髪少年の諸刃の剣

 女性にプレゼントして喜ばれるものはなにか?

 そのある意味簡単な問い、そしてある意味に置いて究極な問いに、天然系藍髪少年は答えを用意はできなかったが、それに近いものは思い付いていた。

 それがヤマトがエギルに調査を頼んでいた今回のクエスト《森緑の宝物》だ。

 頼んでいた内容はそこまで変わったことではなく、報酬に『あるもの』が貰えるクエストを探してくれ、と頼んでいた。

 その『あるもの』こそが、ヤマトが唯一思い付いた、プレゼントの内容だったからだ。

 そしてそのクエストが見つかり、今ヤマトはそのクエストを受けるためにある街に来ている......のだが、本人のテンションはローで固定されてしまったかのように低かった。しかも小さくとだがブツブツなにか言っているので、すれ違うプレイヤーたちには鬱病を本気で心配されるほどだ。

 だが、それもヤマトの心境を考えれば仕方がないことだと思う。

 

「はぁ......ま、カリンから頼まれたんだから、ある意味これが恩返しにもなるし、別にいいんだけどね......」

 

 それでも、ヤマトは見てしまった。

 エギルの店で、《ケモ手》なるものを、本気で欲しそうにしていたカリンを。そしてエギルから《ケモ手》を貰えそうになって、心底嬉しそうだったカリンを。

 ......こちとら何を贈れば喜んでもらえるのかを一週間ほど本気で悩んでいたと言うのに。それがあんなに簡単に喜ぶだなんて......と、ヤマトからすれば今すぐにでもやさぐれたい気持ちでいっぱいだったのだ。

 エギル、許すまじ。

 まぁ、とにかくだ。ヤマトは1度息をついては自分のペースを取り戻そうとする。

 

(僕は感謝の気持ちとかを示したいんだから、他のことにまで気を回す必要はなし。面倒だし、疲れるだけだしね)

 

 そう考えると、ヤマトはなんとなくとだが視界がいつも通りの広さにまで戻った気がした。周りのことが気になるまででもなく、適当に視覚の情報として脳に入ってくるような広さだ。

 うん、これぐらいがやっぱりちょうどいい。そう考えながら街を歩いていると、プレイヤーたちの会話がこれまた適当に耳に入ってくる。

 

「なぁ聞いたか? 《聖人》の話」

 

「あぁ、また人助けしたらしいな。本当、攻略組なのによくやるよな。俺たちからすればありがたい話だけどさ」

 

「そうかぁ? 俺としてはどうにもいけすかねぇよ。こうやって俺たちに『いい人』って思わせたがってるというか、偽善者っぽいじゃん。そんなヒーローでもあるまいし」

 

 どこからか聞こえてきた話にヤマトは少し興味を引かれた。

 

(......へー、そんなに誰かを助けてる人がいるんだ)

 

 ヤマトもそういった場面に出くわすことは多い。

 その度にヤマトも人助けをしているものだから、カリンによく言われているのだ。『ヒーロー願望でもあるの?』と。

 そういうわけではない。単純に困っている人を見たら黙って見過ごすと言うことをしたくないだけだ。

 そのことをヤマトがカリンに言うと。それはそれでため息をつかれてしまうが、それが本心なのだ。ヤマト自身もその《聖人》という人も、偽善者だろうがなんだろうが、同じことをしている人がいるというのは少し嬉しいものだ。

 あれ? でも最近はあまりそのことカリンに聞かれなくなったな......とヤマトが首をかしげているうちにも聞こえてくる会話は進んでいく。

 

「まー、そういうとこは確かにあるけどな......あっ、じゃあさあれなんてどうよ?」

 

「あれ?」

 

「ほら、同じ人助けしてるけど、名前とか全然上がらないってプレイヤー」

 

「あぁ、《薙刀の男》の話か」

 

「え、俺は《刀の男》って聞いてるけど」

 

(......あぁ、僕のことか)

 

 続けて聞こえてきた声に反応してしまう。

 薙刀、刀。そんな珍しい装備に共通しているプレイヤーなんていくらこの世界でもほとんどいないだろう。

 しかも人助けをして名前も名乗らないと来ている。そんなプレイヤー、ヤマトしかいないだろう。

 といっても別にヤマトが名乗らない理由というのは特にない。カリンの時と同じで、助けたらそこで満足してしまうからだ。

 そうやって考えると、シリカと出会ったときにヤマトが名乗ったのは、かなり稀なケースだった。

 

(それにしても、本当にカリンの言う通り、意外と噂になってるなぁ)

 

 カリンから最近、ヤマトのことが色々なところで噂になっている、という話はヤマトも聞いていたが、まさかこんな日常会話に出てくるほどとは思っていなかった。

 噂への対策として、ヤマトも街中では装備を外して歩くなどして、噂の本人ということをなんとか隠しているが、これはもう顔ばれも時間の問題な気がする。

 そしてヤマトは、自慢ではないが、必要最低限には自分の実力も把握している。正直言って、その辺の攻略組相手ならそこそこ苦戦せずに勝てると自負していた。実際それは間違っていない。

 顔ばれから攻略組にも存在が知れて、興味本意の声かけや面倒な勧誘......あぁ、考えるだけでも面倒くさい。

 ヤマトは結局のところ、よくも悪くもマイペースなのだ。それを誰かどうでもいい人に乱されるのはとてつもなく嫌だ。

 かと言って、じゃあもう一人攻略に出ることを止めるのか、と聞かれれば、それはそれで自分のペースが崩れるので嫌だ。

 ソロで攻略に出てなにか新発見があった時には、カリンを通してちゃんと攻略組の皆さんにも情報提供しているので、それで勘弁してもらえないだろうか、そう考える今日この頃である。エギルには勿体無いと言われてしまったけれど。

 そんないつも通りの考えで、とりあえず自分の正体がばれた時の言い訳を纏めたヤマト。が、少し考えに耽ってしまっていたせいで注意力散漫になっていたのか前方から歩いてきたプレイヤーにぶつかってしまった。

 

「あ、と、すいません」

 

「いや、こちらこそ」

 

 互いに簡単に謝ってそのまま素通りする。実際この世界でも誰かと街中でぶつかるということはある。なのでこれぐらいでどうこうということはない。

 そう、普通なら。

 ぶつかった相手が、ちょっとした用事で最前線から降りてきていた攻略組プレイヤー。それもあの《黒の剣士》に洞察力が攻略組で2位とまで言われたあの青い甲冑を身に纏った男でなければだが。

 それを知らずーーいや、気付いてももう手遅れだがーーヤマトはそのまま街中を歩いていってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日新しく知ったが、この世界は案外優しい人が多いらしい。

 ヤマトはクエストを受けて、今は森の中にいるのだが、この森に入る際に近くを通ったプレイヤーに声をかけられたのだ。

 クエストでその森に入るのなら、気を付けた方がいい、と。

 どうもヤマトが受けたクエスト《森緑の宝物》では、最近新しいルートが見つかったらしく、そちらは危険かもしれない、とのことだった。

 しかもそれはソロでクエストを受けると発生するかもしれないルート、とのこと。それでヤマトに声をかけてくれたらしい。

 ただ、ヤマトが受けたのは、普通に報酬目当てだ。別にその新しく見つかった別ルートというのには興味は欠片もない。ならばクエスト主に言われた条件を素直にこなしていけばその別ルートとやらとは無縁のままで終わるはずだ。

 そのことを声をかけてくれたプレイヤーに言って、今に至る。

 ......そういえば、声をかけてくれたあのプレイヤー。ローブを被ってたなぁ。それになんだか昔のカリンみたいだったような。

 一瞬脳裏をそんな思考が掠めたが、ヤマトは特に気にすることもなく森を行く。ポップしてきたmobを背に背負った薙刀で切り伏せながら。

 その謎のプレイヤーが、自分の頼みでそのクエストを受けているプレイヤーたちの帰りと報告を待っているとある情報屋だということは、もちろんヤマトは知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 mobの討伐はそれほど時間がかからずに達成できた。

 というのも、そもそもの話。この森は最前線でもなければ、なにか特別なエリアというわけでもないのだ。そんな場所のmobならば、ヤマトの相手になるわけもない。

 しかもこの森のポップスピードは、普通よりも少し早いぶん、テンポよくmobを狩ることができ、予定よりも早く討伐数に到達できた。

 そんなこんなで、来るときはテンション下がりっぱなしだったヤマトも気分をよくしていた。

 これでクエスト主の元に戻れば、報酬であるアイテムを貰えるのだ。確かにカリンに喜ばれるのかは分からないが、それでもいくらかテンションが上がるのも無理はないというものだった。

 帰りはこの気分をさらに上げるためにも刀に装備を変えようかなーっとヤマトが考えていると。

 

「......ん?」

 

 一瞬、違和感が襲った。

 日常のなんでもない風景(この世界自体が異常ではあるけれど)に、突如異物が紛れ込んできた。そんな妙な感覚。

 なにか変わったことはないかと視界を探っていると、それはすぐに見つかった。

 前方30メートルほど。草木で見えにくいが、そこに違和感の正体があった。

 プレイヤーだ。

 いや、ただ他のプレイヤーを見つけたというだけならこの世界どこにいてもありうる普通のことなのだが、今回はそれにもう一つある要因があった。

 前方を歩くプレイヤー。そのプレイヤーが妙にフラフラと歩いていたのだ。

 街中で大勢のプレイヤーが歩いていてフラフラ、ならまだ分かる。だが、圏外で、しかもソロのプレイヤーがフラフラと歩いているなんて言うのは異常だ。

 まずフラフラと歩いているなんてこと自体もおかしな話だし、現実的な話をすれば、あんな歩き方をしているところをmobに襲われては、咄嗟に反応できない可能性ある。

 とすると、なにか理由があってそんな歩き方になってしまっているということだ。

 大丈夫か声をかけようとヤマトが駆け出そうとした瞬間、ドサリと音をたてて前方のプレイヤーが倒れた。

 

「うわ、本当に大丈夫かな......」

 

 これはただ事ではないと思い、ヤマトは今度こそ駆け出す。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「うっ......すまない、腹が......」

 

「お腹?」

 

 倒れているプレイヤーは男だった。そして装備も短剣に軽装備で固めていて、その装備品を見るに下の層から上がってきた感じだった。

 そのプレイヤーが先程からずっと押さえている腹を覗きこむ。

 そこはにはこれといっておかしなところはなかった。何かが刺さっているわけでもなく、何かエフェクトが出ているわけでもない。

 なにもおかしなところがない。その確認をした後にヤマトの思考に浮かんできたのは、この森に入る時に言われたことだ。

 《森緑の宝物》のクエストには他のルートが出てきていて、それはソロプレイで入ることができる。

 そしてーーなにか危険があるかもしれない。

 倒れているプレイヤーの周りに他のプレイヤーの姿はない。つまりはソロ。

 ならば、今このプレイヤーに起こっている謎の腹痛が別ルートの危険な何か、ということか。

 とにかく、このままではいけないと考え、ヤマトは腹から視線を外してプレイヤーの顔を見て今までの経緯とこれからの相談をしようとした。

 ーーおそらく、それがいけなかったのだろう。

 

 

 

 

 突如、ヤマトの体が動かなくなった。

 

 

 

 

 

「......え?」

 

 体の制御が効かず、その場でたたらを踏み倒れてしまう。

 ヤマトが自分のHPバーを見ると、そこには心なし最近よく見るようになった麻痺のデバフのアイコンが。

 一体何が。いや、それよりもお腹を抱えていたプレイヤーは無事なのか? 周りから少しでも情報を得ようと目を動かすと、先程まで倒れていた件のプレイヤーが、なんともないように立ち上がっていた。

 そしてそのプレイヤーの右手にあるのは、いつの間に握られていたのか短剣が。

 

「くはは......っ」

 

 ヤマトを見下ろして汚く笑う男。そしてどこに隠れていたのかとつい聞きたくなるほど、どこからか出てきた他のプレイヤーたち。そのほとんどのプレイヤーのカーソルがオレンジーーつまり犯罪者プレイヤー。

 それらの条件から導き出される答えは。

 

「なんで......」

 

「はははっ!! まさか本当にこんなバカな方法で引っかかるプレイヤーがいるなんてな!! いや、こんな方法だから逆に引っかかるのかもなぁ」

 

 倒れていたプレイヤーが笑うのに合わせるように、他のオレンジプレイヤーたちも笑う。

 それぞれヤマトを嘲笑い、見下し、バカだと笑っていた。

 その光景を見て、ヤマトはもう一度呟く。なんで? と。

 自分達が仕掛けた罠にヤマトがはまって気分をよくしているのか、倒れていたプレイヤーはペラペラと話し出す。

 

「あんたが近寄ってきたときにバレないように短剣を抜いてたんだよ。で、あとは麻痺毒を塗ってあった短剣で攻撃したんだよ。相当強い毒だからな、すぐには抜けないぜ?」

 

「そうじゃなくて......」

 

「あぁ? ......あぁ、他の連中のことなら草むらに隠れてたんだよ。こちとら殺人ギルドやってるからな。《隠密》スキルぐらいは持ってるっつの」

 

 なるほど。だから先程周りを確認したとき何もいなかったのに今こんなにいるのか。

 ヤマトはそのことについては納得した。

 が、ヤマトが先程から聞いていることはそんなこと(、、、、、)ではない。

 

 

 

 

「そうじゃなくて......君、お腹大丈夫(、、、)なの?」

 

 

 

 

「......は?」

 

 一瞬、場に静寂が訪れた。

 だが、次の瞬間にはオレンジプレイヤーたちの下卑た笑いで包まれた。

 

「おま、バカじゃねぇの!? いや、ほんとに。ここまで来ると逆にすげぇよ!!」

 

「こんなバカ、この世界、いや、リアルでも見たことねぇ!!」

 

「本当にいるんだな、こういうお人好し!!」

 

 オレンジプレイヤーたちがヤマトのことを嘲笑するなか、ヤマト本人だけはこれ以上ないぐらいの安心感に包まれていた。

 ーーよかった。さっきまでの腹痛は演技だったのか。

 ヤマトは先ほどまで、本気で倒れていたプレイヤーを心配していた。それこそ、リアルの方の体に何か変化が起こって、それがこちら側で何かしらの悪影響として出ているのではないかと。

 だが、それは全てヤマトの早とちりで、騙されていたのはヤマトだけ。誰も苦しんでなんかいなかった。

 

(......よかった)

 

 ヤマトは本当に心からそう思っていた。

 ......信じられるだろうか? 今しがた騙された相手、それも自分を殺そうとしている相手の体が無事で、それをよかったと、心から喜んでいるのだ。

 おかしい、いや、もはや異常だ。

 普通の人間なら、激怒して掴みかかっているか、軽蔑や怒りの視線を相手に向けている。

 だが、ヤマトは違う。

 ヤマトは、こんな時でも相手を心配してしまう人間なのだ。

 ある意味、根っこからの善性。ある意味、異常者。

 だが、それがヤマトだ。

 仮に今この場にカリンがいたのなら、激怒しながらも、ヤマトなら仕方がないと評していただろう。

 そしてヤマトは、相手の無事を確認して初めて、自分のことを考え始める。

 体を動かそうとするが、相も変わらず麻痺していて動かない。

 相手は.......8人。まだ隠れている可能性もあるから断定はできないが。

 光があまり入ってこず、視界が悪いせいで装備品の細かいところまでは分からないが、この人数相手ではいくらヤマトであろうと一方的にタコ殴りにされればこの世からおさらばしてしまう。

 

「さーって、お話も終わったし、そろそろ楽しい残虐タイムといこうと思うんだが......アイテムと金を全部置いていけば、許してやるかもよ?」

 

「いやー、お金ならともかく、アイテムはちょっと......。僕結構今の装備気に入ってるから」

 

「あそう」

 

 今の会話でヤマトに完全に興味をなくしたと言わんばかりに、オレンジプレイヤーたちはヤマトを囲う。

 各々の手には、剣やら槌やら棍やら他多数。正直、絶体絶命だった。

 それでもヤマトはマイペースに思考する。

 

(......うーん、前みたいに他の打開策があるわけでもない。それにさすがに......)

 

 チラリ、とヤマトは自分を囲っている輪の外を見る。

 そこには先程から一言も話してない唯一のオレンジプレイヤーがいた。

 もしかしたら、あのプレイヤーはリーダー各なのかもしれない。ヤマトの目から見ても、組織をまとめる人が持っている風格がある。ローブを纏っているせいで性別も装備もなにもかも分からないが、これは分かる。

 

(あの人多分かなり強い。そんな人とも戦わないといけないかもなのに、もう『奥の手』とか言ってる場合じゃないよねー......しょうがないか)

 

 ヤマトは軽く息をつく。

 それに合わせたわけではないと思うが、オレンジプレイヤーたちが一斉に武器を振り上げた。

 対して、ヤマトは右拳を握りしめるだけ。ただ、その握りしめ方が少し変わっていた。

 親指から順に手のひらに向けて折り、握りしめるような形だ。

 そしてオレンジプレイヤーたちは嬉々とした表情で、楽しそうに、だが無情に、各々の武器をーー振り下ろした。

 ズドンッッッ!!! とすさまじい音が森の中に鳴り響く。

 その一撃ではHP全損にはならないと言えど、確実に危ない状態に陥ってしまうような一撃。

 それはいくらヤマトでも例外ではなく、冗談抜きで戦意喪失してしまうだろう。

 

 

 

 

 そんな一撃をーーヤマトは上空から「うわー、当たらないでよかったー」と、その場ににつかわない声を出しつつ見ていた。

 

 

 

 

 一瞬、その場にいたヤマト以外のプレイヤーの思考に空白が生じる。

 ヤマトが行った行動は、それほど珍しいものではない。ただ包囲状態から脱出するために、上空に跳んだ。それだけだ。

 だが、ヤマトは麻痺で動けないはずという前提条件と、そもそも動くことができても今のタイミングでは回避が間に合うはずがないという条件が、オレンジプレイヤーたちの思考能力を一瞬奪ったのだ。

 そして、その一瞬はヤマトからすれば美味しいものにほかならない。

 ヤマトは背負っている薙刀を空中で抜き、体が自然落下する勢いも乗せながら右手で半円状に大きく振るった。

 遠心力をフルに使い、しかも予期せぬ方向からの攻撃だったからだろうか。オレンジプレイヤーたちはヤマトの薙刀になぎ払われるようにして後方に飛ばされていた。

 ヤマトは何人か吹き飛ばしたことで幾分広くなった地に着地し、まだ立っているオレンジプレイヤーたちに薙刀の切っ先を向けた。

 

「それで。君たちは何が目的で僕を攻撃してきたのかな? アイテム? お金? それとも......殺人目的?」

 

 ヤマトは相手の真意を見極めようとと問う。

 それに対して、ヤマトが立っている、そして自分達に武器を向けてきている、その事実がようやく情報として脳に到達したオレンジプレイヤーたちは、驚きはしたが、怯えはしなかった。

 麻痺に関しては、ヤマトはなにかアイテムを使って麻痺から抜け出したのだろう、それならばこれからはそのアイテムを気を付ければいいと考えた。確かにそれが一般的だ。

 自分達の攻撃を回避したのは、どこかに自分達の攻撃には穴があり、そこをつかれたのだろう、だとしてもなにも問題ない、この人数差なのだからと考えた。確かにそれが常識的だ。

 だからオレンジプレイヤーたちは怯えなかった。そして今までと同じようにヤマトに言い返す。

 

「はっ! んなもん、今までの会話通りだよ! 俺たちが欲しいのは......その全部だよ!!」

 

 だから、怯えずにオレンジプレイヤーたちはヤマトに再び襲いかかった。

 ......自分達が考えていることは、これ以上ないぐらいに検討違いで、最悪と言っても差し支えない悪手だということに気づかず。

 

「そっか......じゃあ、時間もあまりないし、初めから飛ばしていく、よっ!!」

 

 ヤマトも相手に向かって駆け出す。

 ヤマト1人に対して敵は8人。しかも後ろにはまだ1人控えている。

 このまま衝突すれば、後に待っているのはオレンジプレイヤーたちによる蹂躙。仮に逃げようと思っても人数差からして無理だろう。

 この場にいる誰もがそう思っていた。そう、ヤマト以外は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先ほどヤマトが行ったこと。それは肉体強化系のスキルを発動しただけだ。

 《ソードアート・オンライン》という世界には、多くのスキルが存在するが、その中にはもちろん、自分、もしくはパーティーのステータスを上昇させるものも存在する。

 ただこれはどのプレイヤーーー例えばどこかの自己否定無力少年ーーもほとんど当然のように使っているものだ。さほど珍しいものではないし、実際それほど効果があるものでもない。せいぜい一つのステータスの数値が僅かに上昇する程度だ。

 それ故に、そういったステータス変化系のスキルは、ソードスキルと比べてスキルモーションが小さかったり、簡単なものが多い。

 今回のヤマトの件で言えば、『右手を親指から順に握りこむ』というのがそれに当たる。

 ただ、ヤマトが使ったスキルーー《ツーエジッドソード》の場合はそれだけでは終わらなかった。

 このスキルにはある特異性がある。それはーー

 

 

 

 

 ーー使用者のステータス全てが1.5倍に底上げされ、なおかつ状態異常全て無効、というとんでも効果だ。

 

 

 

 

 

 ガキィィインッッ!!! と、すさまじい音を上げて、ヤマトはオレンジプレイヤーの一人を弾き飛ばした。

 普段のヤマトの筋力値ならば、せいぜい攻撃を受けた相手の体が少し浮いて後退するぐらいだが、今は《ツーエジッドソード》を発動している。攻撃を受け止めた相手は文字通り気にぶつかるまで吹き飛ばされた。

 続けてヤマトを狙って左右から攻撃を仕掛けてくる。右からは斬り下げ、左からは斬り上げだ。

 いつもよりも何倍も体が軽く感じるヤマトは薙刀を自分のへそ辺りで真横に向けて、そこから扇風機のように回転させることで、相手の攻撃を薙刀の刃と持ち手で絡めとるようにして弾く。

 そうして相手の体勢を崩したところでヤマトは一歩踏み込み奥に控えている数人も巻き込める位置に移動し、薙刀範囲攻撃スキル《回旋》で相手をまとめて吹き飛ばす。

 《回旋》は一撃目は体を引き絞って横一閃に斬り、さらにそこから振り切った薙刀の勢いを殺さずに頭の上を通すようにしてさらに一撃範囲攻撃をするスキルだ。

 元々長いリーチを持つ薙刀での範囲攻撃。薙刀そのものが両手剣等に比べて軽いぶん攻撃力には少し不満が残るが、攻撃範囲はかなりのものを誇る。

 しかも今のヤマトならその攻撃力もカバーできる。

 ヤマトの攻撃を受けた敵のHPは、ほとんどがレッドゾーンに突入していた。

 そうしてヤマトを囲む敵はあと2人。

 ここまでが戦闘開始から約10秒。その10秒でヤマトは8人中6人を戦闘不能に追い込んだのだ。

 普通なら、これほどまでの戦闘力の差を見せられた者は戦意喪失し、撤退するのがベターだ。

 実際、ヤマトもそれを狙い、彼我の力量差から判断して、ある程度手加減して攻撃していた。

 ......だが。

 

(......え?)

 

 ヤマトの予想は外れる。

 ヤマトを囲んでいた残りの2人が、一瞬迷った後に、ヤマトに再び襲いかかってきたのだ。

 疑問に思いつつも、ヤマトは相手に臆することなく先ほどまでと同じように薙刀を振るうーーのを直前で辛うじて止め、咄嗟に膝をついて姿勢を低くした。

 直後、先ほどまでヤマトの頭があった場所を後ろから(、、、、)振るわれた棍が通過する。

 ヤマトは棍の出どころを確認して今度こそ驚く。

 棍を振るったオレンジプレイヤー。それはヤマトが先ほど吹き飛ばしたプレイヤーだったからだ。

 

(おかしい......削りきらないまでも、かなりHPを削ったはずなのに、ここまで迷いなく攻撃してくるなんて......)

 

 さらに相手の後方を見ると、吹き飛ばされたオレンジプレイヤーが各々《回復結晶》を使ってHPを回復しているのが見えた。

 確かにそれなら、ヤマトの攻撃をもう一撃ぐらい受けてもHPが全損することはないのだから思いきり攻撃ができるのも分からなくはない。

 だが、問題はそこではない。

 もっと単純な話。どうしてそこまでしてヤマトを襲うのか、だ。

 確かに相手の狙いはヤマトからアイテムを奪ったり、ヤマトを殺したり、ということなのかもしれないが、それは自分達の命を天秤にかけてまで行わなければならないことなのだろうか?

 ヤマトは思考の海にはまりそうになるが、思考を無理矢理切る。

 今大事なのはそこじゃない。

 そこでヤマトの表情に、初めて焦りの色が出始めた。

 

(『時間内』に無力化できるか......?)

 

 考えつつ、ヤマトは前方2人の敵の足を斬りつけ、1人の足の切断に成功した。

 部位破壊は《回復結晶》では治すことができない。これならばほぼ確実に戦闘能力を削ることができる。

 それも移動、攻撃、回避、全ての要である足を切断することができれば無力化したも同然だ。

 これでまず1人。

 次にヤマトは、今の攻撃で空いたスペースに飛び込み、背後からの追撃をかわす。そしてすぐさま体勢を立て直して反転し、追撃してきた敵に《蛇電》を叩き込む。

 そこでまた1人の武器を持っている右腕の部位破壊に成功した。

 全力で攻略組をやってでもいなければ、普段と逆の手で武器を持って戦闘を続けることは難しいだろう。

 これで2人。

 

「っ......く」

 

 しかしまだ終わらない。《蛇電》を使ったことで数瞬の硬直に囚われたヤマトに曲刀を持った男が肉薄し、そのまま曲刀を真横に振るう。

 ヤマトは硬直から抜け出したが、これはかわせないと判断し、せめてダメージが少なくなるよう左腕で受ける。

 曲刀の男は自分の攻撃が通ったことに喜び顔を歪ませるが、すぐにその表情は驚愕の色で固まり、体勢を崩す。

 ヤマトに斬りかかるために踏み出していた足をヤマトに踏まれていた。

 それに気づかず体を動かそうとしたせいで、動きを阻害されてしまったのだ。

 その瞬間を見逃さず、ヤマトは右手で短く持ち直した薙刀で相手が曲刀を持つ右手の手首を切り落とした。

 これで3人。

 ヤマトが曲刀の男を脇へ放り捨てると、続けて曲刀の男の背後から片手剣の男が迫ってくる。しかも右手に持つ片手剣はすでにライトエフェクトを纏っている。

 だが、ヤマトはその男になにか対処しようとは思わなかった。後方へ2歩分ほど跳んで後退しただけだ。

 ただし、短く持っていた薙刀の柄の部分、つまり石突きを背後に向ける形で、だ。

 そうすることで背後からヤマトを斬りつけようとしていた1人のオレンジプレイヤー右脇に、薙刀の石突きを突き刺した。そうすることで、背後のオレンジプレイヤーが振り上げているクロウを下ろせなくしたのだ。

 

「はぁぁぁぁああ!!」

 

 さらにそこからヤマトは空いていた左手も薙刀の支えに使い、自分の右脇に薙刀の柄を挟むことで、そのまま薙刀を横に大きく振った。

 するとーー背後にいたプレイヤーは薙刀に引っ掛かったまま付いてきて、次の瞬間にはヤマトにソードスキルを発動していた片手剣の男に右側から激突した。

 そしてヤマトは、3メートルほど吹っ飛び重なって倒れている2人に接近し、2人の右足を切断した。

 これで5人。残りは3人。

 それを確認して、ヤマトは次のターゲットに目星をつけ、一気に肉薄するーー

 

 

 

 ーーガクンッッ!! と、今までの体の軽さが嘘のように、一気に体が重くなった。

 

 

 

 

 まるで背後から人に飛び付かれて、そのまま抱きつかれているような、そんな突然の体の重さだ。

 

(まずっ......もう『時間切れ』......!?)

 

 考えている間にも、さらに体が重くなっていく感覚が増していく。

 しかも、背後から再びオレンジプレイヤーが切りかかってくる。短剣を持った男。最初にヤマトを騙した男だ。

 それに先ほどまでと同じよう、完璧な対処をしようとするヤマトだが、体が重く、思うように動かない。

 結局、薙刀を両手で持って盾のようにして短剣の攻撃を防ぐことしかできない。

 ギリギリと薙刀の柄の部分と短剣の刃の部分でのつばぜり合いになるが、みるみるうちにヤマトが押されていく。

 先ほどまでなら、いとも簡単に押し返していただろう相手に、だ。

『時間切れ』。

 これが、《ツーエジッドソード》のもう一つの効果だ。

 《ツーエジッドソード》は確かに強力な、いや、強力すぎるスキルだが、それ故にデメリットも多分にある。

 1つ目は、今もヤマトが言った通り、『時間』だ。

 このスキルは他のステータス変化系のスキルと比べて、持続時間が異様に短い。普通なら10分程度続くものが、《ツーエジッドソード》は最大で3分程度だ。

 このスキルは、発動時のスキルモーションの『時間のかけ具合』で、発動時間も変わるのだ。

 時間を長くかければ、それだけ長く発動できる。逆に短ければ、短時間しか発動できない、ということだ。

 そして2つ目。それはスキルが終了後のステータス変化だ。

 このスキルは切れたとき、元のステータス値に戻るのではなく、元のステータス値の半分まで下がってしまうのだ。

 もちろん、このステータス変化も時間が経てば元に戻るが、その時間がネックだ。

 約30分。スキルが切れてから元のステータス値に戻るまで、約30分の時間を要する。

 ......これほどのデメリットが付いて回るスキルなど、他にはないだろう。それだけに発動中は無敵に近い力を得ることになるが、切れたときには下手をすると最弱レベルにまで落とされてしまう。

 そしてそのデメリットは、今ヤマトにこれ以上ないほどに重くのし掛かる。

 

(これ以上はマズイっ)

 

 このままつばぜり合いを続ければ押しきられると判断したヤマトは、支えにしていた右手と左手のうち、左手を薙刀から離す。

 そうすることで拮抗していた薙刀と短剣の力関係が崩れ、短剣の男は前につんのめるように体勢を崩す。

 ヤマトは一歩前に出て短剣の男の背後をとり、背後からは足を斬ろうとするが、体が上手く動かない。

 頭で思い描いている体の動きと、実際の動きに齟齬が生まれているせいだ。

 結果、ヤマトの追撃は、石突きで短剣の男の背中を突くことしかできなかった。

 先ほどまでと比べれば、まさに雲泥の差。目も当てられないほどにヤマトの動きが悪くなっている。

 だがそれでも、こんな状態でもまだとどめをさされていないのは、ヤマトの技術がずば抜けているからに他ならない。普通なら先ほどの背後からの短剣の一撃で勝負が決している。

 

(1人1人相手にするならまだなんとかなるけど、一気に攻められたら......)

 

 そうなってしまっては、もうヤマトに対処法は残っていない。

 だからなんとかして一対一の状況を作り出せるよう立ち回ろうとヤマトはするが。

 

「......残りの3人は右からは囲むようにしてソードスキルを使え!」

 

(なんて嫌なタイミングで......!!)

 

 今の今まで後方で待機していた男が命令すると、残りの3人はそれに応じて動きを変える。どうやらあの男がリーダーということで間違いはないようだ。

 だが、そんなことが分かったところで今のヤマトには関係ない。

 関係ないような、状況を作り出されてしまった。

 ヤマトの抵抗もむなしく、ヤマトは簡単に包囲されてしまう。人数は違うが、ほとんど戦闘開始直後と同じような構図だ。

 包囲された状態で一瞬場が固まる。まるでヤマトの最期の瞬間を最高のタイミングで演出しようとしているかのように。

 しかもいくらか時間が経ったことで、ヤマトに戦闘能力を削削られたが行動可能なオレンジプレイヤーたちも起き上がって、ヤマトを囲っている3人の外側からさらに囲んできた。

 絶体絶命。

 今のヤマトの状況は、もうそうとしか言いようがなかった。

 ヤマトにできることはもうない。あとはなぶり殺しにされる未来しか待っていない。

 ヤマト自身は諦めていなかったが、そういう問題ではないのだ。1+1が常に2であるように、もう粘りようがない。詰みなのだ。

 そして、ヤマトを囲っている3人の各々の武器がライトエフェクトを纏い始める。

 対してヤマトもソードスキルを発動して対抗しようとするが、1対3だ。明らかに手数が足りない。

 遂にヤマトと囲っている3人のソードスキルが発動する。ヤマトに、『死』が迫ってくる。

 そんな時になっても、ヤマトは恐怖はあまり感じていなかった。

 諦めではない。こんなことになったもとの原因ーー自分が道に倒れているプレイヤーに声をかけたことは、後悔していなかったからだ。

 結果的には確かに騙されたが、もしもあの腹痛が仮に本物で、倒れていたプレイヤーがmobにでも襲われて死ぬようなことにならずに良かった、そう思ったからだ。

 自分はなにも間違えていない。ならばなにも悔いることはない。今を全力で生きればいいだけだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁっぁぁぁああああ!!!」

 

 ヤマトが咆哮する。まるで自分の中にある力を最期の一滴までも絞り尽くそうとするように。

 ヤマトとオレンジプレイヤーたちが激突する、ヤマトが『死』に追い付かれる。

 

 

 

 ーーしかし、ここで物語は途切れず、『合流』した。

 

 

 

「つあああぁぁぁぁぁああ!!」

 

 ドンッッッッ!!!! と凄まじい音を上げて、ヤマトを包囲していた3人の中の1人目掛けて、外から何かが吹っ飛んできた。

 そのオレンジプレイヤーはなす術もなく『それ』に激突され、その勢いのまま、包囲していた隣のオレンジプレイヤーをも巻き込んで吹っ飛ぶ。

 突然の介入にヤマトは一瞬思考停止しそうになったが、なんとか踏ん張り、自分を囲っている残りの1人に対してソードスキルをぶつけて、相手の攻撃を相殺する。

 残りのオレンジプレイヤーから僅かに距離を取りーー本当はもっと距離を取りたいが、さらに外側を囲まれているせいで離れられないーー、『それ』を改めて見る。

『それ』は、少しよろけながらも地面に着地し、ヤマトの方を向いてくる。

『それ』はプレイヤーだった。顔は......少し暗くて完全には見えないが、どことなく、雰囲気は悪い感じがしなかった。

 右手に持っているのは朱色で幅の広い片手剣。先ほどオレンジプレイヤーを吹き飛ばしたのは《体術》スキルかなにかだろうか?

 そして『それは』ーーコウキは周りを確認して、ヤマトを指差しながら妙におどおどしたように言う。

 

 

 

「えっと......この人が襲われてるってこと......なんだよな?」

 

 

 

 その声に、かなりの割合で後悔と焦りの成分が含まれているように感じたのは、ヤマトだけではないと思う。

 ......これが、ある物語と、ある物語の、初めての合流だった。

 物語は、まだまだ終わらない。

 

 




はい、ヤマトの無双?と表と裏の主人公の出会い回でした。

......もう、文字数を削ることは諦めようかなぁ、と思っている今日この頃です。
でも冗長になっているところはあるからそうも言ってられないことは分かっているのですが、どうしても長くなりがちですねぇ。

そしてヤマトのスキルでしたが......これはさすがに無理があったかなぁ、とも思いましたね。
それでも止められなかった。書いててすごい楽しかったです。
こういったスキルのメリットデメリットのバランスがすごく難しいです。ラインの線引きが上手くいかないというか。

さて、次回はコウキくんも本格的に絡みます。本編かASかは......どうしよう?
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