力無き少年のソードアート・オンライン   作:Aruki

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五話目です!
元々、文の書き方は下手なのですが、最近さらに迷走気味です。
他の方の作品を読んだりして勉強させてもらったりはしていますが....どうにこうにも。
もっと多くの人にも楽しんでもらえるよう精進あるのみです!


5話目 目標

 俺たちは今、《はじまりの街》から二つ目の街に移動中だった。

 先ほどまでは初日にも行った草原を歩いていたが、今歩いているのは背の丈が少し低めの林道だ。

 と言っても、分かれ道は今まで歩いていても二つしかなかったので、いきなり道に迷うということはなさそうだ。(まぁ、林の中を突っ切ろうとしたら話は別だが、フィールドに出て初日でそんな命知らずなことはしない)

 

「意外と退屈だねぇ」

 

 ミウが欠伸をしながら言う。

 本当なら少しでも油断すれば比喩なしに命を落とすこのデスゲーム。ミウの言動は呑気すぎると思われてしまうかもしれないが、ミウがそう思っても仕方がないのだ。

 

「ふっ」

 

 ミウが片手剣単発スキル《バーチカル》で猪を斬り倒す。

 別に、mobがポップしないわけではない。

 むしろ街近くの草原に比べればポップ率もスピードも高い。

 だが、今のようにポップした瞬間にミウがーーーたまに俺もーーー倒してしまうのだ。

 昨日十分分かってたつもりなんだけど、本当にミウは強い。ぶっちゃけ強すぎて俺の出番ないッス。

 でも、門を出るときはちょっと怖じ気づいたりもしたけど、フィールドに出ると意外と大丈夫だったな。

 あのときミウが緊張した雰囲気を壊してくれたことや、そもそも一人じゃないことが大きいのだろう。これはミウに感謝だ。

 

「お疲れ様」

 

 

「ありがと...でも、これでお疲れ様って言われてもね」

 

 確かに、ミウなら全然疲れてないだろうな。

 ミウはすぐに緊張感を緩めると、大きく伸びをした。相変わらず動作一つ一つが爽やか少年だ。

 そう思った瞬間にミウに視線を向けられる。え、さすがに心の中で言ったことまで咎められるのはちょっと...

 俺は思考がばれたかと思っても冷や汗をかいたが、どうやらミウが気になったことは別だったようだ。

 

「そういえば、コウキって意外とステータス高いよね」

 

 一瞬ものすごく失礼なことを聞かれた気がしたが、すぐに勘違いだと気づく。

 ミウは聞いた話によるとこのゲームが始まってからずっと戦い続けているのに、街にいた俺がミウのペースに付いていけていることに疑問を感じたのだろう。

 

「俺も今日朝戦ってみて気づいたんだけど、なんか夜の方がmob強くて経験値も多いみたいなんだよね」

 

 ミウは基本的に日中フィールドに出ているみたいだから、朝と比べて短い夜でもミウと同程度の経験値を稼げたのだ。

 まぁ、それでも今のように実力差が出ているのは、やはりミウの方が長い時間戦っているのと....才能だろうなぁ。

 でも、そうやって考えると昨日の夜、ミウに助けてもらえたのは本当に運が良かったんだと思う。

 街の中では漫才で流してしまったが、もしもミウが食料を買うために戻ってきていなかったら...いや、この考えは生産的ではない。やめよう。

 思考を切り替えるためにも、他に気になったことをミウに聞く。

 

「ミウ、今レベルは?」

 

「私? 私は今4だよ。コウキは?」

 

「俺は3」

 

 ミウに答えつつウィンドウを開く。

 そこから操作して見るのはフレンドリスト。

 そこに記された名前は二つ。一つはパーティーを組んだときに自動登録されたミウ。そしてもう一つは...ヨウト。

 そこからさらに操作してヨウトの欄を開く。

 

「...なぁ、ミウ」

 

「ん?」

 

「ミウの最終的な目標って、先に行ったプレイヤーたちに追い付くこと...つまり最前線で戦うことでいいんだよな?」

 

「うん、リアルに帰ることだから、結果的にはそうなるかな?」

 

「そっか...」

 

 あの時、かなり早めに街を出ていったヨウトはおそらく最前線にいるだろう。そのヨウトのレベルを基準にするならば...

 本当にあいつは、いつも俺の前に行ってるよな。

 ....こんなことじゃ、ダメだよな。

 

「どうしたの?」

 

 しまった、一人で考え込んでしまったようだ。

 

「...ヨウト、俺の友達がさ、多分前線にいるんだけど、そいつが今レベル5なんだ」

 

「つまり、今のペースだと前線に入れないかもってことだね」

 

 ミウに頷く。

 正直な話、別に急ぐ必要はない。おそらく急がなくても前線の人たちの後を追うように攻略していけば、俺はともかくミウはいつか前線に加われるだろう。

 だが、それではダメなのだ。

 俺の目標は守りたいものを守り抜くこと。

 それはつまり、場合によっては攻略の最前線でも誰かを守ることになるかもしれないということだ。

 そのためには、実力でプレイヤーの中でトップクラスにならなくてはならない。

 そしてそれは、昨夜の話からミウにも同じことが言える。

 ミウを見る。

 

「....?」

 

 話が見えない、というように小首を傾げていた。

 ....ミウは一度俺を助けてくれている。人を守るというのはこんなにすごいことなんだ。

 改めてミウのすごさが分かる。同時に、俺ではどれだけ頑張ってもできないような気がしてくる。

 ...それでも、もう諦めないって決めたんだ。

 

「よし!」

 

 俺は両頬を叩く。

 元々、俺が誰かを守れるようになるということ自体ハードルが高いんだ。だったら目標だってハードルを高くしなくてどうする?

 俺は、強くならないと。もう大事なものを失ったりしないように。

 

「ミウ。理由はどうあれ俺もミウも強くなりたいと思ってる。それでいいか?」

 

「....うん」

 

 ミウが今までと声のトーンを変えて頷く。どうやらミウとしてもそこは重要なポイントのようだ。

 俺はそれに気をよくして話を続ける。

 

「どこまで強くなればいいのかは分からないけど、とりあえず、一層のボス攻略に参加する、ってことで.....いいかな?」

 

 途中までは少しテンションが上がってヨウトと話すときのように話していたが、途中から我に帰る。

 なんで俺が仕切るみたいな話し方になってんだろう? これはいくらなんでも偉そうだ。

 そんな思いから言葉尻が自信なさげになってしまったが、ミウは特に気にしていないようだ。俺の言葉に迷うことなく頷いてくれた。

 もっともっと強く....

 俺はそんな思いのもと、ポップしてきたmobに剣を抜いてむ向かっていった。

 

 

 

 

 それから夜になるまで攻略を続けた結果、第2の街《トロイ》に到着した。もちろん先ほどの話のもと、もっと強くなるためにも出来る限りmobを倒してきた。

 

「つ、着いた...」

 

 だが、それとは別の要因で俺は軽い疲労困憊状態になっていた。

 なんか、すっごい遠回りしたような気がする...

 

「ごめんね」

 

 ミウが申し訳なさそうに言ってくる。

 またミウが《はじまりの街》の時のようにミウ専用のパッシブスキル、方向音痴を発揮したーー訳ではない。

 ここまで来る途中、一人のプレイヤーが大量のmobに襲われていたのだ。

 それをミウが助けようとし、俺も賛成ーーーー自分の前の状況と被りまくったーーーー結果、予想以上に時間を取られてしまった、ということだ。

 だが、今も言ったように今回のことは俺も賛成したことだ。ミウが落ち込む理由はどこにもないし、襲われていたプレイヤーも助けられた。まさに万々歳だ。

 

「ミウは何も悪いことしてないだろ? むしろ誇ってもいいんじゃないか?」

 

「そ、そうかな...」

 

 ミウは目を逸らして自分の少し跳ねた髪を弄っていた。

 これは...照れてる?

 この一日、ミウの行動を一つ一つ見ていたが、相変わらずミウの行動にはいまいちよく分からない部分があった。

 別に俺の考えが一般常識の全て、とかのたまうつもりはないが、それでもミウの行動は少し理解が難しい。

 それは《はじまりの街》でもフィールドでもだ。

 特にそれが顕著だったのは、やはりミウと初めてあったときのNPCを気遣う素振りだろう。

 あの行動は今のところ最も理解できない。

 .....まぁ、ミウと俺では性別も(多分)年齢も違うのだから思考が違って当たり前と言われればそうなのだが。

 ていうか、女子の思考をトレースしようとしてるって、端からみればただの変態だよなぁ。

 

「そういえば、今日の宿どうする?」

 

「あ、そっか。この街には自分の部屋ないもんなぁ」

 

 《はじまりの街》にはプレイヤー一人一人に自分の部屋が用意されていた。部屋によって大きさ、仕様は様々だったが、《はじまりの街》があれだけ巨大な理由は間違いなくプレイヤーたちの部屋のせいだろう。

 もちろん、他の街に行けば《はじまりの街》に戻らない限り自分の部屋は使えないわけで...

 

「うーん...どこにあるか二手に別れて聞いて回ってみる?」

 

「そうだな」

 

 闇雲に探し回るよりはそちらの方が効率的なのでミウの案を採用する。

 ...とりあえず、ミウは絶対に視界から外さないように注意しておこうと心に誓いながら。

 

 

 

 

 その後、無事に宿を見つけた俺たちは夕食を摂っていた。

 不思議なことに、ゲームの中でも腹は減る。茅場さんは「これはゲームであっても、遊びではない」って言ってたけど、この辺りにもその言葉が含まれているのだろう。

 俺の前にはこの街限定の猪丼なるものが、ミウの前にはミートスパゲッティが置いてある。

 最初は猪丼と聞いて、この辺りにポップしまくっているあの猪のことだろうかと少し敬遠していたが、店員のNPCにすごい勢いで推されてしまい注文してしまったのだ。

 で、恐る恐る食べてみたら、これが案外旨い。牛丼の少し肉が硬いバージョンといった感じだ。

 

「わっ、これ美味しい!」

 

 ミウも食べているものは違えど、同じ感想のようだ。顔を綻ばせている。

 《はじまりの街》の時もそうだったけど、本当に美味しそうに食べるよなぁ。見ているこっちもつられて笑顔になりそうだ。

 ...あ、そうだ

 

「ミウ、明日受けてみたいクエストあるんだけど、いい?」

 

「うん、いいよー。どんなクエスト?」

 

「なんか猪から羊を守れっていう内容らしいよ」

 

 先ほどミウと別行動中にNPCからたまたま聞いたのだ。

 このゲームも他のゲーム同様に、NPCや他のプレイヤーとの会話で多くの情報が入手できるようになっているようだ。

 ミウにNPCから聞いた情報を話していく。クエストの起動時間、受注方法、その他...

 その中で、報酬についてだけは話さなかった。

 もちろん、報酬についてもそれっぽいものは聞いていたが、今言ってしまうとつまらないのでやめておく。

 

「ポップするmobもこの辺のよりも少し強いらしいから、連携とか試すのもちょうどいいし」

 

「じゃあ、今日は早く帰って寝ないとね。ご馳走さまでした」

 

「え、食うのはやっ!?」

 

 確か今の今まで俺と話していたはずのミウは、いつの間にか自分の分を食べきっていた。

 本当、ミウはよく分からない。

 

 

 その後宿屋でお金も浮くから同じ部屋でいいとか言い出したミウを言いくるめるのに苦労したのは、また別の話。

 

 

 

 

 神様というのは、本当に性格が悪いんだと思う。

 ミウが猪4匹相手に完全に圧倒しているのを見ながらなんとなしにそう思った。

 

「はぁっ!」

 

 ミウが猪の一匹に止めをさす。

 この辺りの猪は一撃で倒れるようなことはなく、むしろそのお陰でソードスキルや、連携の練習ができていた。

 よって草原の時とは違ってミウも動き回るわけだが....やはりすごい。それも圧倒的なほどに。

 ミウに向かっていった猪はすれ違いざまにほぼ100パーセントカウンターを、猪が身を固めて防御にはいれば防御の穴をすかさず付く。

 多対一になったらすぐさま上手く立ち回り一対一の状況を作り出す、といったように、その都度その都度の判断能力とそれを用意に実行する運動能力がすさまじく高い。

 今も、ミウに向かって三匹の猪が突進したが、ミウは少し早めに出ていた一匹の猪を剣の腹で横からぶっ叩き猪の重心をずらすことでで反対側にいた猪に体をぶつけさせた。

 猪二匹が行動不能になっているうちに、ミウは残りの一匹と正面から戦っていた。

 その動作は一瞬のこと。俺ならばやろうと意識しても間違いなく猪に轢かれている。ミウはそれを戦闘中さも当然のようにやってのけている。

 はは...本当実力差が大きすぎて悲しくなってくる。

 俺も負けじと自分に向かってきた猪を剣で受け止め、逆に押し返す。

 猪の体勢が崩れたところに《バーチカル》を放ち、猪の腹を切り裂いた。

 猪のHPバーを削りきり、猪が倒れたところでクエストクリア条件の撃破数を越えた。

 それをミウと確認すると、俺たちは依頼主のもとに戻りクエストクリアの経験値と目的の報酬を貰った。

 

「《羊のクリーム》....?」

 

 結局今のままでミウには報酬の内容を伝えていなかった。

 聞いていなかったものが貰えたせいか、小首を傾げているミウに、クリームを出してみるよう促す。

 出てきたのは小瓶に入った、少し黄色がかっているクリームだ。

 

「わぁっ!」

 

 実物を見た瞬間、ミウは目を輝かせた。

 このクエストのもうひとつの報酬は羊から採れる乳で作ったカスタードクリームなのだ。

 ミウは早速クリームを少し手に垂らし、舐めると

 

「うんぅ~」

 

 頬に手を当てて満面の笑顔になっていた。

 やっぱり、《はじまりの街》でも思ったが、ミウは甘いもの、それも特にスイーツ系が大好物のようだ。

 そのことから、昨日このクエストを聞いたときに、これはいい、と思ってチャレンジしたのだ。

 ま、ちょっと予想以上の喜びようだったけど、喜んでくれてなによーーーー

 

「コウキっ、ありがと!」

 

「...え?」

 

 予想していなかったタイミングでお礼を言われて間抜けな声が漏れてしまった。

 あれ? もしかして、ばれてた?

 

「だって、宿探すとき少し別行動はしたけど、私も聞いて回ってたしね」

 

 うぐっ、そりゃそうか。

 《トロイ》は《はじまりの街》と比べてかなり小さい。むしろ聞いていない方がおかしいかもしれない。

 確かにミウから目を離さないようにはしていたけど、さすがにミウが話している内容までは聞き取れなかった。

 ミウがクリームを貰ったときに驚いていたのは、クエストの存在は知っていたけど、どのクエストかまでは知らなかったからだそうだ。

 やっぱ、こういうサプライズってのは俺の柄じゃなかったか...

 慣れないことをしてしまった、と軽く後悔していると、でも、とミウが付け加える。

 

「聞いたときはやりたいって思ったけど、コウキに悪いし諦めてたんだ」

 

 だからありがとってことか。

 ...ま、まぁ、ばれてたけど結果オーライってことでいいのか?

 うん、きっとそうだ。そうに違いない。

 

「あ、コウキ。まだ時間って大丈夫かな?」

 

「まぁ、クエスト見越して早めに出たし問題ないけど...なんで?」

 

「じゃあさ...」

 

 この時、ミウの提案を断ればよかったと後になって思うことになる。

 俺は《始まりの街》で知っていたはずなのに。ミウの甘いもの好きの度合いを。

 

「もう一回やってもいい?」

 

 

 

 

 俺は、ミウの甘いもの好きを舐めていた。

 結局あの後、計6回も同じクエストにチャレンジすることになったのだ。

 しかもクリアして報酬を貰う度にミウが幸せそうに笑うのだから性質が悪い。

『相手が幸せそうになったら、自分も嬉しい』ミウが前に言ったことだが、この考え方も大変だなぁ、と思いつつミウの笑顔に負けてチャレンジしまくったわけだ。

 もっと自分の意思を強くもとうと心に誓った日でした...

 

 

 

 

 




か、書き終わった....
やばい、本当に迷走してる。
こういうのってもっとキャラの軸をしっかりさせて書いた方がいいのか、それとも話の作り方が悪いのか....

あー、文才がほしいよぉ。
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