力無き少年のソードアート・オンライン   作:Aruki

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44話目です!

アスナ「それで? コウキ君は大丈夫なの?」

ヨウト「......多分、な。コウキも戦闘中に一回、目ぇ覚ましたらしいし。でも、今危ないのはどっちかと言えば.....」

アスナ「......えぇ。今はミウさんの方が怖いわね......。コウキ君が目を覚ませば大丈夫なのだろうけど、それまでに何をしだすか分からないわね」

ヨウト「会話がほとんど成立しないほどに取り乱すなんてな」

アスナ「......二人のこと、頼んだわよ?」

ヨウト「あぁ。そこは安心してくれ......と、そう言えば」

アスナ「なに?」

ヨウト「アスナ、こういう時はコウキのこと君付けで呼ぶんだな」

アスナ「なっ......」

ヨウト「いやいや、アスナが好きなのはキリトだって知ってるって。ただコウキたちのこと本当に心配してくれてるんだなって、嬉しくなってな」

アスナ「~~~~っ!! 違います! 心配はしていますけど、他意はありません!! と、とにかく、二人が大丈夫になったら詳しく話を聞かせていたただきますから!!」

ヨウト「おう、伝えとくよ」

アスナ「......じゃあ、失礼します」



44話目 高崎家

 ーーーー9年前。

 

 空は秋晴れ、吹いている風もさすがはスポーツの秋。寒すぎず暑すぎず、心地良い。

 そんな体が動かしたくなってくる季節。とある公園には一つの家族がいた。

 身長が180手前ほどの、活発そうで体つきの良い男性は、スタート前の陸上選手のようにクラウチングスタートの体勢を取っている。おそらく父親だろう。

 身長が110あるかないかほどの、これもまた活発そうで、だが体つきは身長相応の男の子は、父親の隣で両足を肩幅程度に開いて半身をとり、いつでも動けるような体勢を取っている。おそらく息子だ。

 そして最後の一人。唯一の女性は身長が少し低く、150程度。髪は背中の中程まであって雰囲気は二人に比べてとても落ち着いている。位置は二人から少し離れていて、二人のことを苦笑いしながら見ていた。おそらく母親だろう。

 

「じゃあ、いくわよー」

 

「「おう!!」

 

 母親の声に、男二人が応える。

 母親は、首に下げていたホイッスルを仕方なさそうに口に加えると、一瞬間をおいて、強く吹いた。

 ピーーーー!! と甲高い音が響く。それとほぼ同時に男二人の体が動き出した。

 ほんの一瞬だけ先頭に躍り出たのは、息子の方だ。若さゆえの反応速度か、はたまたこの頃から人のことをよく『見ていた』のか。ホイッスルのタイミングと寸分たがわずに走り始めたからだ。

 だが、父親と息子。大人と子供。そこにはどうしても超えられない、運動量、筋肉量、瞬発力の差がある。息子が一瞬だけ先頭を走った後、すぐさま父親が息子を抜き去り、残りの数十メートルを独走状態で走り抜けていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、勝った勝った」

 

「うぅ......」

 

 数分後、100メートル競争を終えた二人と母親は仲良くビニールシートに座って昼食をとっていた。

 今日は親子三人、ピクニックに来たのだ。

 母親はランチボックスを開けながら、小さくため息をつく。

 

「だから言ったの。『光輝』がお父さんに勝つのはさすが無理だって」

 

「だってぇ......」

 

 息子ーーーー光輝は両足をビニールシートに投げ出して俯く。

 今回の勝負の発端は、彼の父親ーーーー高崎秀輝(たかさきひでき)に昼食のおかずである、ハンバーグをコウキがねだったことだった。

 光輝の大好物、ハンバーグ。それは光輝だけの好物ではなく、秀輝の好物でもあった。

 そして秀輝は、人生の厳しさを6歳の息子にも教えちゃう系の親だった。

 そのことから始まったのが、100メートル競争。

 勝った方が負けた方のハンバーグを一つ貰える。そういうルールだ。

 そして負けたのはーー言わずもがな。

 母親である彩花(さやか)が本当にいいの? という目をしつつ光輝のハンバーグを秀輝に渡していた。

 

「お父さん。もう少し光輝に手加減してあげてよ」

 

「いやいや、男の勝負で手加減をすることは、なによりも失礼なことだからな......お、俺今良いこと言ったよな? 家訓にしないか?」

 

「そんな子供を全力で泣かしに行くような家訓はゴミ箱行きです」

 

「ガーンっ!!」

 

 効果音を口で言うという少し懐かしい反応をする秀輝のことは放っておいて、彩花は光輝に言う。

 

「光輝、お母さんのハンバーグあげようか?」

 

 彩佳の提案に光輝は一瞬表情を明るくしたが、すぐさま俯いてしまう。

 

「いい......おとうさんが、おなさけは男へのぶじょくだって、いってたから」

 

「.......」

 

「ひぃっ!? 母さんそんな目で見ないでマジで体に穴が開く!!」

 

「今度そういうこと光輝に勝手に教えたら、晩御飯稲穂と大豆だけにする......」

 

「原材料!?」

 

 その後も彩花はハンバーグを渡そうとするが、光輝は頑なに受け取ろうとはしない。

 本当にお父さんの晩御飯を最底辺まで変えてしまおうか、と彩花が考えていると。

 

「光輝」

 

 秀輝が光輝に声をかけた。

 光輝は半泣きで秀輝を見上げる。

 

「にらめっこしようか」

 

「にらめっこ......?」

 

「あぁ、賭けるのは......そうだな。母さん手作りのデザートなんてどうだ?」

 

 あ、と声を上げそうになるのを彩花は堪えた。

 また食べ物を賭けた勝負をしたことにーーではなく。勝負方法がにらめっこだったことに対して。

 光輝は最初渋っていたが、秀輝に「負けるのが怖いんだー」と挑発されると簡単に乗ってしまった。

 あっぷっぷー、の掛け声と共に二人とも変な顔をする。

 互いにただ変な顔をして睨みあっているという、改めて考えるとすごい勝負は、数分の静寂の末決した。

 最初に表情を動かしてしまったのはーーーー秀輝だった。

 直後、光輝の歓声があがる。

 

「やったーーーー、おとうさんにかったーーーー!!」

 

「たはは......駄目だな。やっぱり光輝強いわ。さすが俺の自慢の息子だ」

 

 その場に立ち上がってピョンピョン跳ぶ光輝の頭を、優しく撫でる秀輝。

 光輝も秀輝の言葉を真似して「じまんのむすこー」と声をあげている......また変な言葉を覚えてしまいそうだ。

 終いにはビニールシートを出て走り回り出した光輝に注意をかけながら、彩花は小さくため息をついて秀輝のデザートを光輝の皿の上に移す。

 

「......手加減は、なんでしたっけ?」

 

「いやいや。光輝はにらめっこ本当に強いぞ? 母さんもやってみろって」

 

「いい......でも、デザート渡すなら最初からハンバーグ取らなくてもいいじゃない」

 

「うーん、それは光輝が可愛すぎるのと、母さんの料理が美味しすぎるのが悪いかなあ」

 

「.......デレませんよ?」

 

「あ、今のちょっとときめいたんだ。そういうとこ彩花可愛いよなぁ」

 

 突然、しかも久しぶりに下の名前で呼ばれて、顔を一気に赤くする彩花。

 もう一緒になって数年経つのに、かなり初々しい。

 彩花は秀輝の流れに乗らないように首を大きく振る。

 

「それに言うじゃん。親は可愛い子を谷から突き落とすって」

 

「少し間違ってるし、その後自分で救援に行くのなら最初から突き落とさないで」

 

「はっはっは」

 

 笑って誤魔化そうとしている秀輝を彩花はジト目で見るが、その際、大切なことは見落とさなかった。

 秀輝が笑いながら、自分のハンバーグを光輝の皿にこっそりと移したことを。

 彩花が秀輝のことを大好きになった理由の一つの、不器用な優しさを。

 ......お父さんが一番甘いじゃない。その言葉は秋風の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 その後、光輝がハンバーグが戻ってきていたことに再びテンションをあげたりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高崎さん家は仲がいい。というのはご近所でもとても有名だ。

 例えば父子は性格もすごく似ていてことある毎に一緒に遊び回っている。祭りの際には似た者親子がテンションを上げすぎて補導されかける、ということが毎回のように起こっている。

 母子は、子供が少し体の弱い母親のことを頑張って手伝おうと、買い物はもちろん、回覧板回しまで母親に着いていって何か力になろうとしている。母親も普段はクール系なのに、息子の前では表情が緩み、近所の男を悶えさせていたりする。

 夫妻は......割りと仲が悪く見える。なにかあれば夫が馬鹿なことをして、妻がため息をついているし、町中でケンカしているのも少なくない。

 ただ、それはそう見える、というだけで、この二人は互いのことを質問すると、顔を赤らめて互いの好きなところを言ってのける。初々しすぎてからかえないと近所から苦情があがるほどだ。

 そんなこんなで、この家族はとにかく仲がいい。誰もが羨ましがる幸せな家庭だ。

 ただ......その日だけは、少し例外な日だった。

 

 

 

 

「ただいま!」

 

「あ......お父さん。おかえりなさい」

 

「おう、それで、光輝は......?」

 

「それが......」

 

 その日は、とある平日だった。

 光輝は保育園に通っている6才だ。その評判はこの家族の評判同様にかなり良く、いつも明るい子で、誰にでも優しく、少し競争癖がある元気はつらつな子、という感じだった。

 ついこの間、保育園の先生にも誉められたばかりだった。

 ......だった、のだが。

 今日、彩花のもとに保育園から電話があった。

 その内容は、光輝が友達の子とケンカをしてしまったとのこと。

 彩花がさらに話を聞くと、最初に手を出したのは相手の子で、そこからちょっとした殴りあいになってしまったらしい。

 ただ、その結果怪我をしてしまったのは相手の子で、その子の親が怒り心頭。とのことだった。

 そのことを彩花は秀輝に説明する。

 

「それで......今日は私通院の日だったから。すぐには動けなくて。代わりに(ひなた)くんのお母さんに向かいに行ってもらって」

 

「陽くん......あぁ、佐藤さん家か。光輝と仲がいい」

 

 コクり、と彩花は頷いた。

 それに対して、秀輝は小さく唸る。

 正直な話、秀輝は親バカだ。

 自分の子も含めた50人の子供の中から「どの子が一番可愛い?」と聞かれれば「うちの子に決まってるでしょう? 寝ぼけているんですか?」と素で返す親だ。

 だが同時に、6才の頃から子供に世の中の厳しさを教えようとする親だ。

 だからこそ今回の出来事では、ただ光輝の味方をする、というわけにはいかない。

 確かに相手の子にもなにか悪い点はあったのだろう。

 だが、相手の子に怪我をさせてしまったのはいけないことだし、いくら後からでも手を出してしまったのもいけないことだ。

 そのことをどうやって光輝に伝えるべきか秀輝は考える。

 と、その時、目の前で彩花が申し訳なさそうに顔を伏せているのに気がついた。

 

「どうした?」

 

「その......ごめんなさい」

 

「なにが?」

 

「だって、私......こういう時、なにもできないから......」

 

 彩花は、元々感情という分野について弱い。

 彩花は良いところ出身の、所謂お嬢様だ。頭もかなりいい。

 ただ、秀輝と出会うまでは親の敷いたレールの上だけを走らされていたことから、感情を育てる時間が短かった。(ちなみにその親は秀輝が殴り飛ばして説教した結果、心を入れ換えて彩花に謝り、今は光輝のとても優しいおじちゃんおばあちゃんになっている)

 だから、誰かの感情を理解するというのがとても苦手なのだ。

 だが、秀輝からすれば、そんなことは関係ない。

 秀輝は彩花の頭に手をのせる。

 

「ばーか。そうじゃないよ。今、彩花は光輝のためになにができるか、必死に考えてる。その時点で、彩花は光輝のためになってるんだよ」

 

「......秀輝さん」

 

「だから、そんな泣きそうな顔するなって。な?」

 

「......はい」

 

 うんうん。と秀輝は彩花の頭を何度も叩く。

 やっぱり、うちの嫁は可愛いなぁ。そういった瞬間に手を弾かれてしまったが。

 うし、と秀輝は呟く。

 

「光輝ー!! 階段の所に隠れてるのは見えてるから、こっちこーい!!」

 

 秀輝が声を張り上げた瞬間、ドゴッ! と何かにぶつかるような音が聞こえ、続けて「いたぁ......」と子供の声がした。

 本人は隠れているつもりだったのかもしれないが、秀輝には見えていたのだ。先ほどから光輝の頭が階段の壁からチラッチラッと。

 おそらく、今日病院に行ったという彩花のことが気にかかっていたのだろう。

 そしい恐る恐るといった風に顔を出す。

 

(うーん、やっぱ怒られるとか考えちゃってんのかなー......よし)

 

 光輝が今何を考えているのか。それを秀輝は分かってあげられなかったが、それでも何か大人たちは怒っていて、悪いのは自分ということになっている、ということは光輝も分かっているらしい。

 ただ、秀輝は光輝にガミガミ怒りたいわけではないので、光輝に怯えてもらっていては困る。

 だから秀輝は、いつものように明るく笑った。

 

「晩御飯の後、一緒にゲームやらないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光輝は、これでもかとばかりに楽しんでいた。

 

「やった、しかえしマス! おとうさんからお金をもらいまーす!!」

 

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁあ!!?? せっかく所持金一位だったのにぃぃぃいいい!!」

 

 晩御飯を終え、彩花も含めて3人で始めたゲームはすごろくゲームだった。

 盤の上にルーレットがあって、プレイヤーがゲーム用のお金で競いあったりする、あの誰でも一回はしたことがあるすごろくだ。

 

「おかあさん見て見て!! こんなにいっぱいになったよっ!!」

 

「すごいわね......お母さんなんて全然増えなくて、あ、私の番ね。えいっ......6マス進む......あっ、100万円増えた」

 

「おかあさんすごいっ!!」

 

 自分のお金が増えたら喜んで、誰かのお金が増えたら喜んで。とにかく光輝は楽しんでいた。

 この家族は普段こうして家族3人で遊ぶ、ということは意外と少ない。

 光輝と秀輝が遊ぶと、大体が体を動かすものになってしまって体が弱い彩花が参加できなくなるし、光輝と彩花が遊ぶと、料理や縫い物といった細かなものになってしまって、繊細という言葉と縁遠い秀輝が蚊帳の外になってしまう。

 だから、光輝は今がすごく楽しかった。

 右にはいつも自分を笑わせてくれるおとうさんがいる。

 左にはいつも優しく笑ってくれるおかあさんがいる。

 そんな大好きな二人と遊べているのだ。楽しくないはずがなかった。

 

「な、なぁ光輝? ちょっとだけ。ほんのちょーっとだけでいいから、お金貸してくれないか? お父さんもう払えなくなっちゃって......」

 

「なんで自分の息子にお金を借りてるの。ダメな大人のお手本になってる。光輝貸しちゃダメ」

 

「うーん、でも......おとうさんこまってるし。少しなら......」

 

「わぁー!! 光輝ありがとー!! さすが自慢の息子、愛してるぜーへぶ!?」

 

 秀輝が感極まって光輝に抱きつこうと飛びかかるが、すんでの所で彩花が光輝を抱き締めてしまい、目標を失った秀輝は床に突っ伏した。

 

「な、なんで邪魔をするんだ母さん!?」

 

「......いつもいつも。秀......お父さんだけ光輝と抱きついたりしててずるい。私も光輝を抱き締めたいのに」

 

 ギューッと、本当に擬音が見えそうになるくらいに光輝のことを彩花は抱き締める。その表情は普段の無表情とはかけ離れた嬉しそうなものになっている。

 秀輝が拗ねながらも、「ま、母さんは寂しがり屋さんだからな!」とか言った瞬間に睨まれて謝っていたが、そんな普通の日常も、光輝にとっては本当に楽しかった。

 光輝にとって幸せな空間。大好きな人たち。これさえあれば他にはなにもいらない。心の底からそう思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「......なぁ、光輝」

 

 ゲームも終盤。光輝が体を揺らしながらゲームを楽しんでいると、不意に秀輝が口を開いた。

 

「ん? なあに? あ、もうお金はかせないよ? おかあさんにおこられちゃう」

 

 光輝は困ったように言うが、その表情はやはり笑顔で秀輝の反応を楽しんでいる。

 だが、秀輝が声に出したのは、光輝が楽しみにしていることとは真逆のものだった。

 

「どうして、友達を叩いたりしたんだ?」

 

 瞬間、光輝の笑顔が固まった。

 そして次に浮かんだのは、不機嫌な色。

 こんなに楽しいのになんでそんなこと言うの? という不満、これから怒られるの? という恐怖。そんなものがごちゃ混ぜになった表情。

 少年が9年後の......いや、せめて3年後の少年ならばもう少し表情を隠せたのかもしれないが、今の光輝にそれを求めるのは酷というものだ。

 だから光輝は、声をわずかに震わせる。

 

「......だって、あいつが......けったから」

 

「なにを?」

 

 秀輝が聞き返すと、光輝はズボンのポケットを探りあるものを取り出す。

 それは、数日前家族全員で行ったピクニックの時に、彩花が小枝や木の実で3人分作った小さな人形だった。

 

「見せたら、おんなのこみたいって言って......それで、たたいてきて......にんぎょうおとしちゃって......けられて、止めてって言ったのに、そしたらたたいてきて......」

 

「......なるほどな」

 

 秀輝は光輝におきた出来事を頭のなかで再生する。

 この年の頃の子は、本当に難しいと思う。

 相手が本当に嫌がっているのか、自分が悪いことをしているのか。つまり善悪の判断がまだあまりつかないから、加減ができない。

 だからこそこういった出来事を繰り返すことで成長していくのだろうが......

 秀輝は細く息をはき、少しだけ頬を緩める。

 嬉しかったのだ。

 光輝は同い年の子と比べると、しっかり話せる方だ。それは分かっていたが泣きそうになっている今の状態でもちゃんと自分におこった出来事を説明できる。自分の息子の成長が嬉しかった。

 そして、光輝が自分達との思い出を、幼いながらも本当に大事なものとして扱っていてくれている、そのことが嬉しかった。

 彩花も秀輝と同じ気持ちになったのか、目をつむりながらも嬉しそうに微笑んでいる。

 ......それでも、伝えなければいけないことはある。

 秀輝はできる限り光輝に分かってもらえるよう、言葉を選びながら話す。

 

「いいか光輝? 光輝も嫌なことがあったのは父さんも分かった。けどな? それでも、誰かを叩いたり、怪我をさせちゃダメなんだ」

 

「......なんで? だってあいつ、おかあさんが作ってくれたにんぎょうけったんだよ!? だいじなのに! おとうさんとおかあさんとおんなじなのに!!」

 

 光輝はついに両目から涙をこぼし始める。

 それを見て秀輝も声を止めてしまいそうになる。が、それでは意味がないと自分に言い聞かせる。

 

「それでもダメなんだ。自分に痛いことや、辛いことをされても、誰かを傷つけるのは、いけないことだ」

 

「......っ」

 

「だから、今度叩いちゃった子に謝りにいこう? そして、その時に相手からも光輝に謝ってもらおう? それでおあいこーーーー」

 

「わかんないよっっっ!!」

 

 秀輝の言葉を遮るようにして叫んだら光輝の声が、家のなかに響いた。

 座っていたイスから降りた光輝は、もう涙が止まらなくなってしまっているようで、呼吸も荒く、感情が荒ぶってしまっている。

 

「あんなに、やなかんじになったのにっ、おこっちゃいけないなんてやだよ!! なんでいけないの!? もうやなのはやだよ!!」

 

「あ、おい、光輝!!」

 

 言うと、光輝は秀輝の制止の声も聞かずにダイニングから飛び出して、そのまま二階にある自分の部屋に向かって駆け上がってしまった。

 そして、先程まで暖かい幸せのに包まれていたはずのダイニングには、ただただ冷たい静寂が訪れた。

 しばらくして、秀輝がため息をつく。

 

「しまったなぁ......日に日に光輝も成長してることは知ってたけど、あんなに早いものなのか......」

 

 別にバカにしているわけではないが、少し前の光輝ならなにか楽しいことをさせて心を穏やかにしてやれば秀輝たちの言葉を真っ直ぐに受け止めてくれた。

 だから今回もそれでいけるのではないかと思っていたのだが......光輝は、自分が思うよりももっと早い速度で成長していた。

 そのことに今更ながらに気づいて、自分もまだまだだと秀輝はもう一度ため息をつこうとするが、それは彩花が人差し指を秀樹の口許に寄せたことで止められた。

 彩花は静かに首を振る。

 

「光輝が成長してくれたのは、私たちにとってとても嬉しいこと。ため息なんかついちゃダメ」

 

「......あぁ、そりゃそうだ。さすが母さん。良いこと言う」

 

「家訓にする?」

 

「んー、どっちかって言うと今日の名言! って感じかな」

 

「分かった」

 

 彩花はおもむろにメモ帳を取りだし、そこに「今日の名言!」と書き出した......秀輝も適当に言っただけなのだが、どうやら本当に書いていくらしい。

 そんな自分の妻の天然な行動に秀輝は苦笑いを隠せなかったが、彩花は「でも」と言葉を続ける。

 

「今日のことは、確かに失敗だと思う。私と、お父さんの」

 

「そうだな」

 

「だから反省はする。それで、それを次に生かす。失敗して、子供の成長に喜んで、反省して、また挑戦して、子供と一緒に成長していく。それが親の役目だと思うし、楽しみでもあると思う。そうやって家族は作られて、ずっと続いていく......んだと思う」

 

「......そうだな。それも今日の名言! に書いておいてくれるか?」

 

「分かった。今日私二つ目」

 

 ブイ、とピースを向けてくる彩花に秀輝は小さく笑った。

 本当に、彩花の言う通りだと思った。

 今ここで言いたいことが伝わらなかったとしても、まだまだこれから、少しずつ伝えていけばいい。今日0点を取ってしまったのなら、明日は1点以上を取ればいい。そうやって少しずつ教えていって、いつか100点を取ればいい。同時に自分達も成長していく。

 自分達には、まだまだ長い時間があるんだから。これからも、続いていくんだから。

 秀輝は、明日また頑張るか! と気合いを入れ直し、とりあえず彩花と一緒にゲームの片付けを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 光輝は、とにかく不機嫌だった。

 自分の部屋の隅っこで小さくなっていた光輝は、不機嫌さを表すかのように鼻をすする。

 ......率直に言えば、光輝だって悪いことをしたという自覚はあった。

 誰かを傷つけるのは悪いこと。それは光輝も分かっているが、それでも我慢ができなかった。

 

「......」

 

 小さな手で握っていた人形を見る。

 光輝にとって、この人形は『繋がり』そのものだった。

 光輝の家族は仲がいい、ということは光輝も知っている。だが、それを踏まえた上で、この3人共通の人形を持っていることで、絆のようなものがよりいっそう強くなる。そんな気がしたのだ。

 だからこそ、光輝はこの人形を彩花にもらえた時嬉しかった。

 だからこそ、光輝はこの人形を酷く扱われた時我慢できなかった。

 そのことを秀輝なら分かってくれると思っていたのに、返ってきたのは光輝が悪いという言葉。

 幼い光輝の心からすれば、裏切られたも同然だった。

 もちろん秀輝たちにそんな意図は一切ないが、それでも言葉の受け取り側である光輝はそう受け取っていた。

 

「......うにゅ」

 

 光輝のまぶたが徐々に下がってきた。もう子供は寝る時間だ。

 晩御飯も食べた。お風呂にももう入った。トイレももう行った。歯磨きは......まだだった。

 怒られるかな? と光輝は一瞬不安になったが、先程の会話を思い出して知ったものかと首を振った。

 もう寝てしまおうと考えて、風を入れるために開けていた窓を閉める。

 そしていつも通り鍵を閉めようとするーーが、その瞬間手が止まった。

 鍵をちゃんと閉めろよ。そう言っていたのは誰だったろうか?

 浮かんできたのは、先程ケンカしたばかりの父親の顔。

 歯磨きのことも含め、光輝のなかに小さな反抗心が沸き起こる。

 言う通りになんかなってやるもんかとばかりに光輝は鍵には触れず、照明のスイッチを切る(照明を切ることも秀輝に教わったのだが、それは思い付かなかったらしい)

 そしてベットにダイブ。掛け布団を思いきり被る。

 

(あんなにやなこと、がまんしたくない......)

 

 明日になっても謝ったりしない、と決意を新たに光輝は目を閉じて寝ようとする。

 ......が、ここでいつもなら聞こえてくる声が聞こえない。

 いつもは、光輝が布団に入ると秀輝と彩花が一緒に「おやすみ」と言ってくれるのだが、今日はそれがない。

 当然だ、今光輝は絶賛ケンカ中なのだから。

 

「......うぅ」

 

 ......やっぱり、明日謝ろうかな? と光輝は頭の片隅で考えながら、その日は頑張って眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、『その時』は唐突に来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(.......ん?)

 

 よい子も悪い子も寝静まった時間。

 光輝は体の違和感に気づいて目が覚めた。

 トイレに行きたくなったのだ。

 目を開けても待っているのは暗闇......というわけではなく、照明の常夜灯の光が淡く部屋を照らしている。

 早くトイレに行って戻ってこよう。そう考えて光輝は体を起こす。

 光輝は寝起きということもあって、体の動きも頭の回転も極めて鈍い。

 だから、一瞬反応が遅れた。

 

 

 

 

 ーー自分の部屋に、誰かもう一人いることに。

 

 

 

 

 秀輝か彩花かとも思ったが、シルエットが二人のものと被らないことに気がつく。

 

「えっ、だれーー」

 

 ドスンッ!!

 光輝が小さな困惑の声を上げた瞬間、謎の人物は光輝の肩を掴んで強引に押し倒した。

 急にかけられた強い力に光輝の呼吸が一瞬止まる。

 え、誰? なんで。え? どうして......

 そして次に襲ってきたのは、自分の知らない人が自分の部屋にいることへの、そして自分が大の大人に暴力を振るわれていることへの恐怖だ。

 こわいこわいこわいこわい!! おとうさん! おかあさん!!

 のどが干上がって、体が小刻みに震え出す。

 視界も、ぐるぐると回り始めてしまう。

 

「や、やだーーーーうぐぅ!?」

 

 恐怖のあまり大声をあげようとする、が、今度は口を押さえられてしまった。

 肩。口の二ヶ所を押さえられてしまってうまく動くことができない光輝は、自分の体の自由がどんどん奪われていってしまうような気がして、さらに恐怖が増していく。

 そしてついに光輝は四肢をとにかくメチャクチャに暴れさせて拘束を逃れようとする。

 しかしそれら全ての行動は、ただ謎の人物を逆上させる材料になるだけだ。

 暴れようとする光輝を、謎の人物は光輝の腹に拳を振り下ろすことで黙らせる。

 

「あ、ぐぅ......!」

 

「いいか? 黙ってろ。そうしたら怖い思いなんかしなくてすむからよ」

 

 光輝は涙をにじませてうずくまる。

 謎の人物は細身の男で、なぜか妙に目の焦点が合っていない。

 そして男が着ているジャケットが一瞬翻った瞬間、光輝はジャケットの裏側にあるナイフが見えた。

 恐怖や痛み、あらゆる負の感覚に襲われている幼い光輝でも、これだけはなんとなく分かった。

 このままだと、なにかとても大変なことになってしまうと。

 そんなのは嫌だから、痛いのも怖いのももう嫌だから、光輝は震える体に鞭を打つ。

 

「つっ!? てっめぇ!!」

 

 大声を上げるためにも口を押さえてくる男の手を思いきり噛んだ。

 そして大きく息を吸い込む、が、再び声を出す前に妨害を受ける。

 髮を鷲掴みにされ、ベットに叩きつけられたのだ。

 ベットの脇に、抜けてしまった光輝の髪の毛が舞い落ちる。

 

「なにしてんだよ、てめぇ......いいぜ、分かったよ。お前から切ってやる......!!」

 

 男は懐から抜き出したナイフを光輝の細い右腕に当てる。

 急に感じた冷たく固い感覚に、光輝の体の動きが止まる。

 

「ははっ......どこから切って欲しい? 腕か? 足か? それとも胸を切り開く? いっそ一思いに......のどか?」

 

「......っっ!!」

 

 光輝は必死に首を振るが、それに対して男は狂喜の笑みを浮かべるだけだ。

 どこを最初に切るのか決めたのか、ナイフを大きく振り上げた。

 

(おとうさん、おかあさん......たすけて!!)

 

 しかし、その声は音にはならない。

 助けを求める声は、男の手で潰されてしまう。

 そして光輝を殺そうとする凶刃は、無情にも男の笑い声と共に振り下ろされた。

 

「......え?」

 

 

 

 

 

 ーーーーすんでの所で割って入った、秀輝の背中に。

 

 

 

 

 瞬間、光輝の視界を赤い液体が舞い、光輝の顔にもいくつか付着する。

 続いて光輝が得た情報は、音ーー先ほどの男が、上げた呻き声だった。

 秀輝が強引に裏拳で男を吹っ飛ばしたのだ。

 そして、秀輝は脂汗を至るところに滲ませながらも、光輝に笑いかける。

 

「大丈夫だったか、光輝? ごめんな、来るのが遅れて」

 

「お、とうさん......!」

 

 光輝の両目から、再び涙がこぼれ始める。

 だが今流している涙は、とても暖かいものだ。

 光輝が泣いているのを見て、秀輝が光輝の頭を撫でる。大丈夫、大丈夫、と何度も言い聞かせるように。

 おかげで光輝は少しずつ気持ちを落ち着かせることができたが、再びそれが乱れる。

 秀輝の顔が苦痛に歪んだからだ。

 

「いいところだったのに、邪魔してんじゃねえよぉ!! 全員切って切って、切り刻んでやらぁぁぁぁあああ!!」

 

 男はまだナイフを隠し持っていたらしく、秀輝の背中や足、肩を何度も何度も切り刻んでいく。

 それでも秀輝は光輝のことだけは守るため、光輝を腕の中に隠す。

 光輝に笑顔を向けることも止めなかった。

 部屋のなかに、秀輝の血が飛び散っていく。

 そうして疲れたのか、男の斬撃が少し緩んだ。

 秀輝はそこを見逃さなかった。

 激痛を堪えながらも秀輝は勢いよく体を反転させ男に向き直ると、男が持っているナイフを右手で鷲掴んだ。

 そして自分の体重をかけるようにして男と共にベットから転げ落ちる。

 とにかく、光輝から距離をとらせようと思ったのだ。

 そのまま秀輝と男は床で転がり、殴りあい、もみ合いーーーー不意に、物音が途絶えた。

 光輝は体を震わせながらも、秀輝のことが心配になり、ベットの下を見た。

 そこには......全身血まみれになりながらも、なんとか光輝に笑いかけている秀輝と、気絶しているのか動かなくなった男が倒れていた。

 よく見れば、男の胸にはもう一本のナイフが刺さっている。もみ合っているうちに刺さってしまったのだろう。

 

「おとうさん......」

 

「......ん、ちょっと、だけ、待ってくれ......」

 

 秀輝は光輝の呼び掛けに答えると、ほふく前進のように腕だけを使って移動しようとする、が、力を込めたはずの腕に力が入らないのかその場にまた倒れてしまった。

 秀輝は一瞬何か考えるような表情をすると、再び光輝に笑いかけてきた。

 その笑顔は、光輝が今まで見てきた秀輝のどの笑顔よりも暖かく、優しいものだ。

 

「ごめんな、光輝......ちょっと、こっちに......来てくれないか?」

 

「う、うん......」

 

 光輝は秀輝に従い、ベットから降りて秀輝のもとに寄る。

 すると、秀輝は急に辛そうな顔をして咳き込んだ。

 ......秀輝の口から、赤い液体が塊になって飛び出る。

 それを見た瞬間、光輝はなにかがまずいと思った。

 生物としての直感か、幼いながらもその現象のことを理解しているのかは分からないが、光輝の背筋を一気に冷たいものが駆け巡ったのだ。

 それを秀輝も悟ったのか、光輝に声をかけた。

 

「光輝、大丈夫だったか......?」

 

「うん......お、おとう、さんは......」

 

「うーん......父さんは、ちょーーっとだけ、疲れた、かな?」

 

 あはは、と秀輝は明るく笑うが、光輝の不安はどこにも消え去ってくれない。

 その時になって、光輝は床が妙に生暖かいことに気がついた。

 床に触れている自分の手を見てみると......真っ赤に染まっていた。

 光輝がその意味を察するより一瞬早く、部屋のなかを冷たい風が舞った。光輝が寝る前には閉まっていたはずの窓が、開いていたのだ。

 

(......ぼくが)

 

 6才、というのは、物事の判断が少しずつついてくる年頃だ。

 だから、光輝は多くのことに気がつく。

 気がついてしまう。

 

(ぼくが、かぎをしめなかったから? ぼくが、いたから? ぼくのせいで、おとうさんは......)

 

 幼い少年の心を、黒く、暗く、重い絶望が覆い尽くす。

 さっきまで、確かに楽しいいつもの日常だったはずなのに。

 そんなものは、もうどこかに行ってしまった。

 気がつけば、秀輝の顔からは生気がどんどん抜けていってしまっている。

 そんな中、秀輝は口を開いた。

 

「なぁ、光輝......?」

 

「な、なに!?」

 

 なぜかは分からない。

 それでも、光輝は秀輝の言葉を一字一句聞き逃してはいけないような気がした。

 

「いいか......? さっき父さんは、誰かを叩いちゃいけないって、言ったな......?」

 

「うん......」

 

「でもな、ちょっとだけ、特別な時はあるんだ......」

 

 秀輝が大きく息を吸う。

 再び、秀輝の口から赤いものが飛び出る。

 

「それはな......大切な人が、傷つけられた時と......大切な人を、守る時だ......」

 

「たいせつなひと......?」

 

 コクり、と秀輝は頷く。

 気のせいか、声も段々と小さくなっている。

 

「そんな時だけは......我慢なんていらない、ガツーンと、かましてやれ......それだけ忘れなけりゃ、光輝、お前は、最高の男になれる......から」

 

 どこからか、サイレンの音が聞こえてくる。

 秀輝は、その音に負けないよう、力強く、最期(、、)の教えを口にした。

 

 

 

 

「だから......誰かのために頑張れる、優しい子に......なれるよう......頑張れっ......!」

 

 

 

 

 言うと、秀輝はゆっくりと、目を閉じた。

 それでも、笑顔だけは絶やさない。

 そんな秀輝を見て、なんでもいいから光輝は声をかける。それしか、できないから。

 

「ねぇ......おとうさん、おきてよ......ひとりに、しないでよ......っ。そうだ、ぼくまだ、ゲームのときのことあやまってないよ......っ? おとうさん言ってたよ? わるいことをしたらあやまりなさいって、ぼく、まだあやまってない......! おとうさんに、あやまってないよ!! おきてよぉ......おきてよぉ......!!」

 

 光輝は、必死にのどを震わせる。

 心が絶望しきってしまわないように。

 まだある、小さな希望を、暖かさを、失ってしまわないように。

 

「......っ」

 

 それが伝わったのか、秀輝はゆっくり、本当にゆっくりと、腕を持ち上げーー光輝の頭に乗せた。

 そして。

 

「......ご、めん......な......」

 

 ......そう言って、今度こそ完全に力が抜けた。

 腕から力が抜け、べちゃ、と音をあげて秀輝の腕が落ちた。

 

「おとうさん......おとうさん......おとうさんっっっ!!!!」

 

 少年の声が部屋のなかに木霊するなか、サイレンの音がどんどん近づいてくる。

 それでも、少年の声が聞こえなくなることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ......その後すぐ、警察と救急隊員は篠崎家に到着した。

 大人たちは、夫婦の部屋だと思われる場所で小さく丸まっている女性を発見した。

 話によると、警察と救急車だけ呼んでこの部屋に隠れていろと夫に言われたらしい。

 そして、現場である子供部屋。

 そこでは男二人が床に倒れている中、誰の血かも分からなくなったような状態で、血まみれで泣き叫んでいる子供が発見されたという......

 

 




はい、過去回でした!

......うーん、ちょっと想定よりも長くなっちゃいましたねぇ。
そして感動系、シリアス系はやっぱり雰囲気が難しいですね。ギャグはいくらでもできるのですが......

コウキの過去はこれで全て明かされた!! ......というわけでは実はありません。まだちょっとだけ続きがあります。今回の過去回の後日談みたいなものですね。
コウキにはまだ転落してもらいます。コウキがここまで捻くれた子になっちゃった理由には、今回の話ではまだ足りませんしね!


次回は話した通り、過去回2話目です。今回みたいにずっと過去サイドにはなりません。
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