力無き少年のソードアート・オンライン   作:Aruki

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六話目です!
先日、初めて感想をもらえました!
あまりの感動に気付いたら涙ぐんでいました!
やはり感想を貰えるとモチベーションが全然違いますね、他の作者の方々がどうしてあんなに早く投稿できるのかが少し分かった気がしました。
これからもご指摘ご感想あればどんどん書いてもらえると嬉しいです!

それではどうぞ!


6話目 プレイヤーとNPC

 《トロイ》についてから、数日が数日が過ぎた。

 俺たちはまずこのゲームに慣れるためにも、どんどん進んでいくのではなく周りを調査して、かつ、経験値も貯めていこうということになっていた。

 お陰で大分この世界にも慣れてきたし、経験値も稼げた。

 そして、ミウのことも少し分かってきた。

 とりあえず少しは身構えずとも話せる程度には。

 今は《トロイ》から少し北に進んだ森にいる。

 木々が光を侵入させないほど生い茂っている、というほどではないが、《トロイ》に行くまでの林道に比べればかなり木は多い。

 これで木の陰から急に襲われでもしたら少々辛いのだが...

 

「...出てこね~」

 

 そのポップ率が異常なほど低い。

 出てきたとしても一匹ずつで、二人で集中攻撃してしまえばすぐに終わる。

 別に絶体絶命のピンチに陥りたい、とかそんな自殺願望はないが、かといってここまで張り合いがないのもどうかと思う。

 《はじまりの街》付近の連続ポップといい、妙にバランスが悪く感じる。

 

「なんだろ、あれ」

 

 俺と同じく暇そうにしていたミウが左の方を指差す。

 木が邪魔をして見えずらいが、あれは...

 

「....家、いや、村かな?」

 

 そこには、5~7軒ほどの民家があった。

 お金持ちの芸能人が持っていそうな別荘で、家全てが綺麗な木でできていた。

 ...どんなゲームでも、この手のフィールドの中にポツンとある村なにかしら重要性があることが多い、と、思う。

 俺があまりゲームやったことがないから確証はないけど。

 その旨をミウに伝える。

 

「確かに、何かのクエストとかはありそうだよね」

 

「どうする?」

 

「私も気になるし、休憩がてら行こうよ」

 

「了解」

 

 周りを見回してもその村に続く道はなさそうだったので、仕方なく木々の間をすり抜けていく。

 木の根本には丈の長い草もあったので、隠れていたmobが飛び出してきたらどうしよう、と少し不安になったが、そんなことはなかった。

 そして無事に村にはいるが...

 

「誰もいないね」

 

「うーん、足跡かあるし、誰かはいそうなんだけどな」

 

 ということは、家の中か?

 まぁ、これだけ家があればどの家にも誰もいないということはないだろう。

 何軒かノックして回ると、どの家も返事はあった。ただ、どの家も門前払いという感じで取り合ってはくれない。

 これは無駄足になったか? とミウと少し不安になってきたとき、5軒目をノックすると、今までと違う反応が返ってきた。

 

「....どちらさまですか?」

 

「えっと、旅の者です。少しお話を聞きたいのですが...」

 

 俺が少し慌て気味に答えると、ゆっくりと扉が開いた。

 中から出てきたのは、どこか疲れた雰囲気を纏った女性だった。

 

「旅のお方、何もありませんが、上がっていかれません?」

 

「はい、失礼します」

 

 そう答えたのはミウだ。

 迷う素振りを一切見せなかったので、少し驚いた。

 

「ごめんね、なんか困ってるみたいだったから...」

 

「全然。俺もちょっと気になったし」

 

 家の中に入ると、中は外から見たよりも少し大きく感じた。

 家具やものが少ないせいかもしれない。

 特に目を引いたのは、中央に配置されているテーブルの少し右側の天井から吊るされているカーテンだ。

 別にそれだけなら何も違和感はないのだが、この家はトイレやバスを除けば基本的にワンルームのようだ。

 それを部屋の大部分が使えなくなるようにカーテンを引いているのが少し気になった。

 

「水でいいかしら?」

 

 女性がそう言った瞬間、女性の頭上にポン、と軽い電子音を鳴らして金色のクエスチョンマークが出現した。

 クエスト発生の証しだ。羊のクエストの時は依頼主の頭上に最初からマークが出ていたから、今回の場合は起動式のクエストなのか?

 起動条件は話し掛けて家に上がるってところか。

 

「はい、お願いします」

 

 ミウがそう答えると、先ほどとは違う音が鳴って女性が話し出した。クエストを受注できたらしい。

 ...この辺りでは最近、謎の熱病が流行っているらしく、女性の娘も病気にかかってしまった。市販の薬では全く役に立たず、この熱を抑えるにはこの森に出現する植物系mob《リトルネペント》を倒すとドロップするアイテム《リトルネペントの胚珠》を煎じて作った薬を飲ませなければならない。

 そのアイテムを納品してほしい、という内容だった。

 どうやらカーテンでしきられた向こう側で件の娘さんが寝込んでいるらしい。

 話を聞いている間、ミウの顔を盗み見ると女性の娘を心配しているのか、かなり表情が暗くなっていた。

 これはそういう設定なんだから気にしなくていいんじゃ...

 

「頼んでもいいかしら?」

 

「任せてください!!」

 

 ミウに声をかけようとしたが、女性の質問にミウが答えたこともあったのでタイミングを逸してしまった。

 その際のミウの余裕のない表情が、妙に印象的だった。

 

 

 

 

 《リトルネペント》は夜にしかポップしないらしく、俺たちはそれまでフィールドに出てmobを狩り、経験値を貯めてすごした。

 その間もミウはどこか思い詰めた表情をしていた。

 俺もそれとなく声をかけてみたのだが、なんでもない、としか返されなかった。

 そして夜。

 

「うわぁ」

 

 つい、そんな声が出てしまった。

 だって日中はあんなにポップしてなかったのに夜になった途端、ポップしまくってるし...

 件の《リトルネペント》は、胴体が膨らみ、腕はツル状、足は植物の根のような形状、頭は全て口になっている。頭のてっぺんには双葉のようなものが生えていた。

 そんな姿をしているmobが見渡す限りそこら中にいるのだ。そりゃ声だって出るだろう。

 

「この中から《花つき》を探すのか....」

 

 《花つき》とは、通常のネペントの中に稀にポップする頭部の双葉が花になっているものを指す。

 しかし、そのポップ率が1%以下という鬼畜設定だ。しかも、《リトルネペントの胚珠》は《花つき》しかドロップしない。

 その上《花つき》のポップ率を上げるためには、通常のネペントを倒しまくるしかない。

 序盤のクエストでは最も性格が悪いクエストだ。

 ーーーー以上、聞き込み調べ。

 ...これ、下手したら夜明けまでに終わらないんじゃ。

 

「行こう! コウキ!」

 

 言うやいなや、ミウはmobに向かって飛び出した。

 やっぱりおかしい。戦闘だからというのを差し引いても、ミウの雰囲気が固すぎる。

 依頼主の話を聞いてからずっとだ。どうしてあそこまで思い詰めているんだ?

 娘さんに同情したから? 俺も可哀想だとは思うが、必死になるほどではない。

 俺は雑念を振り払うように頭を振る。これは今考えても仕方ない。

 

「きしゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

 ネペントもこちらに気付いたらしく、こちらに向かってツルを鞭のように使って頭上に降り下ろしてくる。

 俺はそれを剣の腹で受け、流すように弾いた。

 これぐらいの動作は、ミウと数日間一緒にいれば自然とできるようになる。

 俺は受け流した勢いをそのままに体を回転させ、《ホリゾンタル》をネペントの胴に放った。

 その一撃でHPを半分ほど削られたネペントは、お返しとばかりに高い身長を生かして上から噛みつき攻撃をしかけてきたが、俺はギリギリソードスキルの硬直から抜けた。

 そこから俺は体をネペントから離すのではなく、さらに一歩ネペントに近づく。

 

「はぁっ!」

 

 片手剣単発スキル《スラント》を屈んできたペネントの首に叩き込み、相手のHPを削りきる。

 うしっ! ソードスキル3つ目成功!

 これはミウと猪狩りをしながら練習していたソードスキルで、威力は少し低いが、スキルの起こりが他のものよりもかなり早い。

 しかもスキル発動後の硬直も極めて短いので、今のように敵の数が多いときなどに使いやすいスキルだ。

 一瞬できた隙の間にミウの方を見ると、もう2匹目を倒していた。

 ...すごい、けど。

 

 

 ーーなんでそんなに思い詰めて戦ってるんだよ。

 

 

 別に戦闘中なのだから必死になって当たり前だ。集中もする。

 だが、今のミウからは鬼気迫るような思いを感じる。

 まるで...

 

「しゃぁああ!!」

 

「くそっ!」

 

 もう少し考えさせろよ!

 体当たりを仕掛けてきたネペントに対し、反応が遅れてしまいかわすことは諦める。

 代わりにネペントの体当たりに合わせるように、正面から《バーチカル》で切りつける。

 

「ぐぅっ!」

 

 が、思ったよりも威力が高く、攻撃の余波で俺のHPも減少した。

 だが俺の攻撃もクリティカルが入ったらしく、一撃でネペントを葬った。

 どうもネペントは攻撃力は高いが、防御力は低いらしい。

 俺は先程の攻撃でよろけた足を無理やり押さえ込み、ミウの方へ駆け寄る。

 

「大丈夫か?」

 

「もちろん!」

 

 こちらにガッツポーズを作って微笑みつつミウが答える。

 俺は体力のことじゃなくて、心の方を聞いたつもりだったんだけど...まぁ、とにかくだ。

 

「ここからはスイッチ方式で片付けるぞ」

 

 ネペントは攻撃力以外はそれほど脅威ではない。なら攻撃を食らわないように戦うのがベスト。

 ミウも同じ考えに達したのか、すぐさま返事を返してくれた。

 そして、また一匹ネペントがツルを振り回して接近してきたが、ミウが剣でツルを弾き、俺がすれ違いざまに二回切りつけ、ネペントが怯んでいる間にミウが止めの一撃を放った。

 やはり、こちらの方が効率がいい。

 ネペントはその大きな体躯のせいで、一ヶ所に集まろうとしても互いが互いの動きを制限してしまうので一度に襲ってきても自由に動ける限度は3匹程度。それならば今のようにミウと固まって戦った方が対応しやすい。

 さぁて、あとは死なないよう必死に生き延びて、《花つき》が出てくるのを待って他のネペントを狩るだけだ。

 

 

 

 

「来た!」

 

 戦闘開始から約3時間。そろそろ連続しての集中力も底をつきかけてきたとき、ミウの声が響いた。

 ミウが向いている方に俺も視線を向ける。

 そこには、待ちに待った頭に花を生やしたネペント。

 俺は思わず声を上げそうになるが、それを何とか抑える。声に反応してmobが寄ってくることもあるからだ。

 これ以上mobと戦うのは勘弁したい。

 《花つき》も他のネペント同様、俺たちに気付くとすぐさま突進してきた。

 ...よし。《花つき》だけは他のネペントと違ってすごく速い、何てことはなさそうだ。

 俺ははやる気持ちを抑えつつ、《花つき》が降り下ろしてきたツルに相対するように《スラント》を打ち付ける。

 切断まではいかなかったが、跳ね上げるのは完璧!

 

「スイッチ!」

 

 ミウが俺の後方から飛び出し、《花つき》の懐に入るーー瞬間。

 《花つき》の胴体が一気に膨れ上がったかと思うと、口から何かの液体を至近距離にいるミウ目掛けて飛ばしてきたのだ。

 

「ミウ!」

 

 まだこんな攻撃方法があったのか!

 ミウのすぐ目の前まで液体が迫るが、ミウは液体の着弾地点を的確に読み取り、体をひねり、膝を落とすことで自分の体に当たる液体を最小限に抑えた。

 ミウがかわした液体はそのまま地面に着弾し、そしてその土をドロリと溶かしてしまった。

 危ない、さすがに喰らったら一撃で死ぬ、なんて攻撃ではないと思うけれど、あれは喰らわないほうがいいな...

 俺が冷や汗を拭っていると、ミウは液体をかわした体勢から一気に《花つき》に接近した。

 

「このぉ!!」

 

 そして、剣に青いライトエフェクトを纏わると、高速で左上から切りつけ、その勢いのまま右上に切り上げた。

 《バーチカル・アーク》高速でVの字を描くように切りつける二連撃。同じ名前を持つ《バーチカル》の上位派生だ。

 ミウ、確かに練習してたけど、まさか実戦でいきなり使うなんて。

 でも、確かにネペントを一撃で葬ろうと思えば《バーチカル》などでは威力が足りない。

 ミウが右にピッと剣を振ったのを合図にするように、《花つき》が爆散した。

 が、ここで喜んではいけない。問題なのは《花つき》がアイテムをドロップするかしないかだ。

 《花つき》を倒したことにより、俺とミウの目の前には経験値とドロップアイテムが表示される。

 《リトルネペントの胚珠》は..................あった!!

 

「やったーーーーーー!!」

 

 

 ミウが両手を挙げてジャンプした。

 すごい喜びよう...

 まぁ、確かにポップ率は1%以下とまで言われてたし、嬉しい気持ちはすごく分かる。

 だが、ミウの喜びかたは、俺が感じている喜びとは別物のような感じがあった。

 その事を少し怪訝に思っていると、ミウに手を取られた...て、え?

 

「早く届けよう!」

 

「え、ちょ、待ったミウ! 周り周りぃぃぃいい!!」

 

 ミウはネペントの群れの中を、俺の手を握りながら一気に走っていった。

 

 

 

 

 ネペントの真横を高速で通り抜けるという新感覚アトラクションを楽しんだーーのは、俺だけかもしれないがーー俺たちは、依頼主の家に戻ってきていた。

 そしてミウが鬼気迫る勢いで《リトルネペントの胚珠》を納品する。

 

「あぁ! これで娘は助かります。ありがとうございます、ありがとうございます!!」

 

 女性は目尻に涙をためながら言うと、すぐさま《リトルネペントの胚珠》を鍋の中に入れ、ゆっくりとかき混ぜ始めた。

 

「....これで、もう大丈夫なんだよね?」

 

 家に来てからずっと押し黙っていたミウが静かに聞いてくる。

 

「娘さんか? まぁ、これでクエストクリアになれば大丈夫なはずだけど....」

 

 まただ。

 ミウのよく分からない部分。

 ミウがこのゲームに感情移入しているとしても、ミウの反応や行動には不可解な部分がある。

 今だって、別に娘さんが治らなかったとしてもミウにデメリットはないはずなのだ。

 確かに、あれだけ頑張って取ってきたアイテムで治らないというのは少々ショックではあるが、それでもこのクエストは進んでいくのだから攻略は進む。悲しむ理由はないはずだ。

 なのに、なんで............

 それから数分後、出来上がったスープのような薬を女性はカーテンの場所まで持っていくと、シャッとカーテンを開けた。

 カーテンの向こうを見た瞬間、ミウが息を飲んだのが伝わってきた。

 そこには、5~6才ぐらいの女の子がベットに寝かされていた。

 だが、その年齢とは裏腹に体は痩せ細っていた。どうやら長い間熱に犯されていたようだ。

 

「ほら、旅のお方たちが採ってきてくださった薬よ」

 

 女性が横たわっている娘さんにスープをゆっくりと飲ませる。

 するとみるみるうちに赤らんでいた頬からは熱が引いていき、傍目から見ても元気になっていくのが分かった。

 娘さんがスープを飲み終わる頃には、ほとんど熱は引いたようで、虚ろだった目にも活力が戻っていき辛そうな雰囲気は消えていた。

 娘さんはまだ緩慢な動きではあるが、首を動かしてこちらを見てくる。

 

「お姉ちゃん、お兄ちゃん。ありがとう」

 

 娘さんがニコリと笑った。

 どうやら、もう大丈夫のようだ。

 

「よ、よかったーーー...」

 

 隣ではミウが腰を下ろして本当に安心したように息をついていた。

 そのミウの様子を見ているとネペントと戦っているときと同じ感覚に襲われた。

 そう、そのミウの様子はまるで...

 まるで、自分の家族の一大事に対する反応のようで...

 ーーーーあぁ。

 なんとなく分かった。今までミウに感じていた違和感の正体。

 ミウは、NPCも俺たちと同じ『人間』だと思っているんだ。

 だからアイテムを買いすぎても相手に悪いからと売ったりはしないし、病に倒れた人がいれば全力で何とかしようとする。そのお陰でなんとかなれば安心するんだ。

 この世界に生きている、同じ人間として。

 俺たちと同じように怒って、泣いて、苦しんで、笑うのならば、それはもう人間なんじゃないか?

 ミウは本当にすごい......そして本当に暖かいんだな。

 変なやつ、だなんて称していた自分が恥ずかしい。

 

「...謝らないとな」

 

「コウキ、何か言った?」

 

 いまだ座ったままのミウが首を傾げて聞いてくる。

 

「ミウはすごいなって話」

 

「へっ?」

 

 どういうこと? とさらに首を傾げているミウを軽く楽しみながら見ていると、どこからかファンファーレのような音楽が流れてきた。クエストクリアの証だ。

 やっと終わったか...と軽く息をついていると、

 

「あの、これぐらいしかありませんが...」

 

 女性が近づいてきて、いつの間にか両手で持っていた剣を俺たちに差し出してきた。

 それと同時に俺とミウの前にウィンドウが出現する。

 ウィンドウにはクエストクリアによる経験値とコルーーーーこの世界のお金ーーーーそれに報酬アイテムが表示されていた。

 えぇと、剣の名前は...《アニールブレード》? 片手剣みたいだけど...

 街に戻ったら見てみるか。

 いつもの俺なら多分今すぐウィンドウを開けて調べていただろう。

 だが、今はなんとなくミウの暖かさに浸っていたかった...

 

 

 

 

「ミウ、ごめん」

 

 街に戻る道中、相変わらずネペントのポップ率が半端なくて危険な森のエリアを出たところで俺は言った。

 いきなりなことにミウも疑問符を頭に浮かべていた。

 

「急にどうしたの?」

 

「えーと、まぁ。なんというか...」

 

 俺は先ほど考えていたことを、辿々しくではあるがミウに話した。

 俺の心持ちの問題なので、話さないでも別にいいとは思う。それでも、こんなに真っ直ぐこの世界で生きているミウに対して、自分だけ正直でないのはフェアじゃないと思ったのだ。

 ミウには、正直でありたい。それぐらいでしか俺はミウと同じ土俵には立てないから。

 

「あー、確かに私ってそういうところあるかも」

 

 しかしミウ本人は何でもないように言った。

 ...あれ? 正直怒られたり軽蔑されたりするかと思って、結構覚悟して言ったんだけどな。

 そんな肩透かしな気分になった俺などはおいて、ミウは続ける。

 

「でも、この世界の中だったら私みたいな考え方の方が少数派だと思うし、仕方ないんじゃないかな?」

 

 確かに、そうかもしれない。

 所詮はゲームだから。そう考えるプレイヤーも多いだろう。事実、俺が先ほどまでそうだった。

 だが、例え大勢大多数がそう考えていたとしても、それは『一般論』であって『答え』ではない。

 俺には到底考えられないすごい価値観をミウは持っているのだ。

 

「少数だろうがなんだろうが、俺はその考え方いいと思う。すごく」

 

 俺もミウのお陰で考え方を改めさせられた。

 NPCをただのデータとポリゴンの塊だと認識したままじゃなくて心からよかったと思う。

 ミウはすぐには何も答えなかったが、少しすると、

 

「....そっか」

 

 そっぽを向き、髪を弄りながらそう答えた。

 

 

 

 

 

 




この作品始まって以来初めてのガチな戦闘回でした!
戦闘シーンは会話などとは違ってどんどん映像は頭のなかに浮かぶのですが、それを文章化するのが難しいですね。
しかしSAO作品において戦闘は避けられないもの。もっと分かりやすく、かっこよく書けるようになりたいです!
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