初投稿です
文才は全くありませんが頑張ります!
「なんでお前いっつもノート持ってんの?」
明るく、クラスの中心的存在だった男の子にふと問いかけられる。
「言葉にするの、苦手だから」
暗く、無口で常に一人でノートを抱えていた少女は小さな声でそうつぶやいた
そう、それが私達のファーストコンタクト。
私、アイカが小学校六年生だったの時のかすかな記憶。
でも
今思えば、その時から私の運命の歯車は動き出してたのかもしれない。
言の葉をただ紡ぐことしかできなかった私の、ちっぽけな夢への歯車が。
-------------------------------------------------------------
四月。
桜の蕾がふくらみ、ところどころ花が開き始める中
私は高校生としての初めの日を迎えた
新設校と言う事もあり、私が今日から通う高校の「桜ノ宮高校」は真っ白な壁に覆われている。
白く輝く校舎の周りにところどころ咲く桃色の桜が印象に残る外見だった。
長い入学式を終えると自分の教室に向かい、軽い自己紹介が行われた。
始めに担任の後藤先生、それから出席番号順に生徒が自己紹介をすると言う仕組みらしい
出身中学、やりたい部活、好きな食べ物。各自が緊張したおもむきで自分について話している中、彼は現れた。
「俺の名前はユウト。あまり勉強は得意じゃないなあ。趣味はカラオケ!将来の夢は、ある人が書いた詩を俺が曲にして歌う事、かな。これからよろしくお願いしまーすっ」
少し長めの黒髪。笑う時にみせる前歯。透き通るような声。
その全てに私は吸い込まれた。
たとえるならば、モノクロだった教室にひとつのひかりが灯ったかのような感じ。
普段から前髪で表情を隠し、誰とも話さず、教室の隅で一人で過ごす自分とは正反対のような存在
ー だからなのかな。わたし、彼となら話せるかもしれない…。
変な確信が心に流れてきた。
「ある人…?」
「詩…?」
周りに耳を向けるとクラスの半分ほどの人間がそんなことをつぶやいてた。
確かに変な夢だし、不思議に思うのがふつうだった。
それを見ると彼は答えた
「俺のとって大切なことを教えてくれた人が紡いだ詩があるんだ。それをどうにかして曲にしたいんだ。その人に届くように、ね」
懐かしむような表情をする彼ーユウトにクラスメイト達は少しずつ惹かれていったんだ。
ユウトの優しさや、ひたむきさに。
それは私にとってもいえる事だった。
わたしには、たった一度の自己紹介でみんなの心をつかんだユウト君はとても眩しい光に見えた。
ー だから私も…
人と会話することで傷つくことを恐れ、数年間誰とも会話しなかった自分にもみんなの心をつかめるのかな。
そんなことを考えているうちについに私の番が回ってきた。
「アイカ。趣味は文を書くこと。よろしく。」
気が付いたら早口でたくし上げて次の人に回していた。
ーやっぱ…だめだったかぁ
自嘲的な微笑みを浮かべた私はその時気づかなかった。
ユウトの視線が自分を貫いていることに
☆☆☆
「アイカ…さんだよね?」
その日の放課後、教室を出ようとしていた私に声をかけてきたのはユウト君だった。
「…そうだけど」
「この後少し時間くれない?」
そっけなく返した言葉にユウト君は予想もしなかった返答をした。
「…ごめん、むり」
だからとっさに断ってしまった。
悪気はなかったけれど相手の驚いた表情をみるとほんの少しだけ罪悪感がわいた
お互いが無言になるなかで口を開いたのはユウト君だった。
「なら、一つだけ質問していい?」
「…なに?」
「どうして朝からずっとノート、抱えてるの?」
「言葉にするの、苦手だから。」
その時 私の中の記憶の扉が開いた
ここまで読んでいただき有難うございました。
今回は作品のキーキャラクターであるユウトとアイカの出会いのエピソードを書かせてもらいましたっ
次回からは本格的に物語が動き始める予定です。
ユウトが声をかけた理由、アイカが心を閉ざしている原因は一体…?
それではまた次回に。
感想募集中です
もっとこうした方がいいなどのアドバイスもいただけると嬉しいですっ