やはり比企谷八幡は捻くれている。   作:秋乃樹涼悟

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今回はいろはす出ません。

次回はいろはすお誕生日会にする予定です。


一色いろはは意外と仕事を頑張っている。

4月15日金曜日、つまり一色の誕生日の前日である。

この間奉仕部で祝ってやると言ってしまったために、忘れてたでは済ますことが難しい。

絶対あいつ怒るだろ、あざとくほっぺ膨らませて。

 

何気にあれ可愛いんだよな。

中学の頃の俺なら好きになって告白して振られるまである。

まあ告白してなくても振られてるけどね。

 

そして今日は一色が生徒会の仕事でここにはいない。小町には、今日は生徒会休めと言っておいたのですぐに奉仕部へ来た。マイ小町エンジェル。

雪ノ下も由比ヶ浜もいるし、ぼちぼちやりますかね。

 

さぁ、会議を始めよう。

 

 

 

「というわけで16日、明日は学校がないわけだ。だから明日の予定とか、どこでやるかとか決めたいんだが」

「お兄ちゃん、いろは先輩の誕生日知ってるんだねー。ほほぉ、小町的にポイント高いよ、お兄ちゃん」

 

なにやら小町がニヤつきながらポイント評価しているが面倒なので無視。

 

「じゃあどこでやろっか?カラオケ?」

「由比ヶ浜はすぐカラオケに行きたがるなぁ。他にないの?」

「じゃあヒッキーはなんかあるの?」

 

由比ヶ浜が怒って俺に聞いてくる。

 

「ぼっちの俺にそんなのが浮かんでくるわけないだろ」

「もはや清々しいくらいに捻くれいるわね。やはり比企谷君に聞いたのが間違っていたようね」

 

雪ノ下がいつものようにこめかみを抑えながら呆れている。

自分でも清々しいと思ったくらいだからな。はははっ!

小町と由比ヶ浜は苦笑いしてるけど。

 

「少しネットで調べてみるわ」

雪ノ下がPCを取り出し、電源を入れる。

立ち上がる前にPC用のメガネ、俺がプレゼントしたメガネをかける。

 

雪ノ下はメガネが似合う。

俺ってもしかしてメガネ好き?

由比ヶ浜がメガネかけたときもいいなって思っちゃったしなぁ。

 

一色も意外とメガネ似合うんじゃないか?

年下メガネ女子。

僕はメガネが大好きです‼︎

 

一色に不愉快です。とか言われそう。

でも若干言われたい気もする。

 

「やっぱり学生が気軽に祝うことのできる場所はあまりないようね。ほとんどがカップルなどで行くことが多いそうだし」

「じゃあやっぱりカラオケでいいんじゃない?お兄ちゃん」

「またカラオケか。でもまあ一色なら普通に喜びそうだしな」

 

今回は材木座が来ないようにしないといけない。

由比ヶ浜のときとかかなりうざかったし。

どうせまた俺が材木座担当になるのだ。それだけは嫌だ。

 

戸塚には既に予定を開けてもらっている。

それに関しては抜かりはない。

 

「じゃあじゃあ明日のためにプレゼント買いに行かないとですね」

「そうだね。今度はなにをプレゼントしようか。あっそうだ。手づくりクッキーにしようかな♪」

「由比ヶ浜さん、一色さんの誕生日が命日になってしまうわ」

「ゆきのん酷すぎ‼︎」

「まああれだ。あんまり食べ物とかだとあれだしな。カラオケでもなんか食うんだろ?だったら小物とか、そういうのにした方がいいだろ」

 

一色が死ぬかもしれないからな。

由比ヶ浜は奇跡でも起きない限り作れないだろう。

 

まあバレンタインのときにもらったクッキーは普通にうまかったけど。

 

「そういうことなら今からプレゼント買いに行きましょうか」

 

PCの電源を落としてメガネをしまう雪ノ下。

ああ、メガネが…。

 

 

 

 

奉仕部を出てみんなで電車に乗り、目的地へと向かった。

クリスマスのときにも訪れたのでだいたいの構図はわかる。

 

そういえばうざかったなぁ、戸部。

 

一色ってどんなのあげたら喜ぶのかなぁ。

この間のは既に買うもの自体は決まってたから、どんなデザインのものを買うかだけでよかったのになぁ。

 

一色のことだから俺のセンスがないとか言ってきそうだし。

 

そうこう悩んでいるうちに目的地についてしまった。

まあふらふらしてるうちになんか思いつくだろう。

 

 

「じゃあどうしよっか?クリスマスのときみたいにいったん解散する?」

「そうだな。あんまり時間ないしな。さっさと買って帰りたい」

 

うちに帰ってかまくらのお腹にもふもふしたい。

あれ結構あったかいんだよなぁ。かまくらは嫌がるけど。

というか俺を嫌がっているまである。

 

俺って人からも猫からも嫌われてるんだな…。

 

 

集合場所を決めて俺たちはいったん解散した。

 

 

 

さてと、どうしますか。

もうMAXコーヒー箱ごととかでもいいかな。

俺だったら超嬉しいんですけど。

八幡的にポイント高いよ。

 

というか食べ物とかじゃない方がいいとか自分で言ったくせにMAXコーヒーはだめか。

 

俺が悩んでいると小町がアドバイスしに来た。

なんかデジャヴ。

 

「お困りのようだね。ごみぃちゃん」

「おう小町」

「お兄ちゃんはどうするの?小町はね、万年筆にしようと思ってるの。生徒会の仕事で使ってくれたらいいなと思って」

 

確かに生徒会長に贈るものとしてはなかなかいい。

 

贈り物としは日常で使うものを選ぶのが一番無難かもしれない。

 

「使うものか…」

「いろは先輩の趣味とか知らないの?」

「…確か、お菓子作りが趣味とか言ってた気がする。バレンタインのイベントのときも手慣れてたし」

 

一色、結構エプロン姿似合ってたんだよな。

やっぱり制服エプロン最高。

一色なら腰に巻くタイプのものも似合うんじゃないかな。

 

「結衣さんは髪留めにするって。雪乃さんは腕時計にするって言ってたからかぶらないようにね」

「ああ。…小町、ちょっと付き合ってくれないか。ひとりで入ると通報されかねないからよ」

「なに買うか決まったんだね!どんなセンスなのかな。お兄ちゃんのプレゼントが楽しみですなぁ」

 

…うぜえ。

 

 

 

 

買い物を終え、集合場所でMAXコーヒーを飲みながら雪ノ下と由比ヶ浜を待つ。途中から小町と一緒に行動していたため、今は小町と一緒に待っている。

 

「それにしてもお兄ちゃんはやっぱり捻くれてるよね。めんどくさがってる割には真剣に選んでたし」

「当たり前だろ。てきとーに選んだら一色になに言われるかわかったもんじゃない」

「ふふん。いろは先輩、喜ぶと思うよ」

「だといいけどな」

 

 

ふたりでMAXコーヒーを飲んでいると由比ヶ浜がぱたぱたと走ってきた。

 

「おまたせー。あれっ?ゆきのんはまだ?」

「もう着くとは思いますから待ってましょう。結衣さん」

「ごめんなさい。少し迷ってしまって」

 

雪ノ下もプレゼントを持って集合場所に来た。

それとは別に袋がもうひとつあった。

 

「雪ノ下、一色にふたつプレゼントあげるのか?」

「もうひとつは私が欲しかったものよ。…帰る間際に猫のデザインの腕時計があってつい…」

 

だから遅れたのか、猫ノ下さん。

 

「まあ猫ノ…雪ノ下が工具とか選ばなくて良かったぞ」

「あの時はだって、プレゼントってなにを贈ったらいいのかわからなかったのよ。今は大丈夫よ」

「え?なんの話なの?」

 

由比ヶ浜がわけがわからずぽかんとしている。

アホっぽいから辞めろその顔。

 

ちょっと可愛いけど。

 

「由比ヶ浜さんの誕生日プレゼントを選んでいたときの話よ」

「こいつお前に工具あげようとしてたんだぞ」

「エプロンで良かった」

 

雪ノ下は結構抜けてるところあるからな。

 

 

一年の間に色々変わったな…

 

「それじゃあみなさん揃いましたし、帰りますか」

 

 

 

 

あと、どれだけ奉仕部にいられるのだろうか。

時々考える。

最初はいつ辞めれるのかとか考えてたな。

 

気がついたら一年たって、もう一年もしないうちに卒業して、きっと奉仕部を懐かしむのだろう。

 

 

 

 





メガネっていいですよね。
メガネ女子大好きです。
メガネは最高。

誰かメガネのいろはとか書いてくれませんかね。
挿絵とかに使いたいです。

そしてメガネいろはすを待ち受けにしたいです。


次回はお誕生日会です。
でわでわ〜

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