ルイズside
『change match hopper』
私は平賀才人がギーシュにやられればいいって思ってた。アイツはご主人様の私の命令を無視して貴族のギーシュに戦いを挑んで…痛い目を見て現実を思い知ればいいと思ってた。そしたらアイツはバッタ型のゴーレムを腰にあるベルトに乗せると一気に緑色の鎧に覆われて赤い複眼は昆虫特有の不気味さを模した姿になる。
「何だよ、あんな鎧…着けてるだけ無駄じゃないか、ギーシュのワルキューレには勝てないよ」
1人の生徒が静まり返った空気の中で口を開くと周りからも私の使い魔を嘲笑する声が聞こえる。
「フーッ…行くぜ」
そんな嘲笑よりも気になるのは才人の雰囲気だ。あのゴーレムを掴んだ瞬間一気に変わった。
「僕に大口を叩いてさぞ凄いものを出すと思ったら…話にならないね。やれ、ワルキューレ!」
腕を切られたワルキューレはさっきより早いスピードで才人に向かってくる!アイツの身のこなしは軽やかだったけど鎧を着けてるアイツは動きにくいのか動こうとしない!
ボン!
だけど私の期待を裏切るかのようにアイツはワルキューレの胸に穴を開ける。
ボン!ボン!ボン!ボン!
だけどアイツは動けないワルキューレをさら
に踏みつけて粉のようになるまで蹴った。
それを見たギーシュは顔を真っ青にしながらも余裕な態度を取ろうとする。そしてワルキューレを7体召喚した。
「な、なかなか、大したものじゃないか?だ、だけどワルキューレは後7体いるんだよ?フフフ、さ、さすがにこればかりは相手にできまい」
ギーシュはそう言うが才人の表情は仮面に隠れて見えない。
「…お前…今俺のこと笑っただろ?うん?」
だがサイトのその言葉からは怒りのような声が洩れた。
「サッ!ハアッ!」
バキッ!ボン!
アイツはワルキューレにキックのラッシュでワルキューレの体に穴を開けたり顔を蹴ったりして砕いていく。
ワルキューレの攻撃も避けたり、足で受け止めたりといなしている。
一方のギーシュはここでワルキューレがやられれば自分は死ぬという思いがあるのかワルキューレが壊されれば壊された分だけ増やしていく。
「いいよな…お前は…さぞかし甘やかされて生きてきたんだろうな、周りからは期待されて…ハア…どうせ俺なんて…」
アイツが変身したときに雰囲気が変わったのは気のせいと思ってたけどそんな事なかった…アイツは物凄い根暗になってる…。
「そ、そこまで羨ましかったら負けを認めたらどうだい?い、今なら許してやってもいいけど」
…ギーシュは本当に馬鹿だと思う。今の状況で挑発をするとどういう事になるか解ってないんだから。
「だけどな…俺は八つ当たりをして女の子を泣かすような奴にはなる気はない…!」
するとサイトはベルトの中心にある赤い部分を押す。
「ライダージャンプ!」
すると左右にあった脚が左に移動した。そのまま脚部を右に引く!
『Rider Jump』
そしてサイトは一気に上空に跳んでいった!これはフライの魔法なんかの何10倍くらい高い!
「ライダーキック!」
『Rider kick』
サイトがそう叫ぶとどこからか声が聞こえた。するとアイツの足には魔法以上のエネルギーを纏った足で一体のワルキューレを蹴った。
だが一体だけじゃ終わらなかった。足にあるバッタの足を模した何かがガシャッ!と音がするとその反動でもう一体、もう一体と撃破してやがて全てのワルキューレが粉々になった…!
「嘘…貴族に勝っちゃった…」
私は思わず唖然とするが才人はギーシュに近づく、アイツ…!
「こら、やめなさい!もうギーシュはなにもできないわ!あんたの勝ちよ!」
私がそう叫ぶとアイツはこちらを見た。
「ルイズ、お前知ってるか?決闘って決まる闘いなんだぜ?」
何こいつ当たり前の事いってるのよ…。
「だったら早く戻ってきなさい!」
「違うぜ、ルイズ。決まるって中途半端じゃダメなんだよ、極端じゃないとダメなんだよ」
そう言うとアイツはギーシュの元にゆっくりと歩みを進める!
私は急いでサイトの所へ向かう。
「あんた、やめなさい!いくらなんでも酷すぎるわ!そんな事したらあんた死刑になるわよ!解ってるの!?」
「何だ、アイツもそれを覚悟の上でやってたんだろ。もしも逆だったら殺されてたのは俺だ」
「で、でも…」
「そこどけ、ルイズ邪魔だ」
いつの間にかギーシュの元に着いてしまっていた。
「はわわわわ…!!」
ギーシュは腰を抜かして動けないでいた!
「さてと覚悟はできてるだろ?貴族さま?」
ゴキゴキ…!
才人は拳を鳴らして構えた。
「やめて!サイト、やめなさい!」
「ハアッ!」
次の瞬間サイトは本当に拳を降り下ろした。
私はあまりにも残酷な物が目の前にあると理解して目を閉じるも周りからは悲鳴が上がらない…。
私は目を恐る恐る開くと鎧を解除し寸止めでギーシュを睨み付けるサイトと恐怖のあまり失禁してしまったギーシュが写っていた。
「これが決闘だったらお前は死んでる…覚えとけこれからは弱いものを痛めつけたり、傷つけたりしたら今度こそお前を殺す!」
サイトがそう言うとギーシュは口をパクパクさせながらも首を縦に降った。
「それと、シエスタに謝ってもらおうか」
そう言うとサイトはシエスタって娘を呼ぶとメイドが現れた。
「ほ、本当に申し訳ないことをした…悪いのは僕なんだ。許してくれ」
「い、いえいえ!頭をお上げください」
こうして決闘は終わった。…アイツの事少し見直したかも知れない。
…それにカッコよかったし…。
べ、別に好きとかそう言うのじゃなくて!役に立つと思っただけ!本当よ!
ルイズside out
サイトside
あー…やっちまった。俺は干し草で項垂れていた。
「なんであんな態度とったかね…」
ついつい、やさぐれいた時期と同じしゃべり方になってしまう。それがマルチホッパーの弱点だと俺は思うんだよ。もう死にたい!うおお!恥ずかしすぎる!!
コンコン
ノックの音がするが生憎とルイズはいない。
「すいません、今ルイズは出掛けてまーす!」
「あの…才人さん私です。シエスタです」
俺は慌ててドアを開けた。
「や、やあシエスタどうしたの?」
「も、もしよろしければ少し夜風に当たりませんか?」
シエスタがそう言うと俺は二つ返事で頷いた。
~○●○~
「さっきはありがとうございました。本当に助かりました」
「いやいや、いいよ。むしろ怖かっただろ?」
「そんなことありません、才人さんが私を助けてくれましたから全然怖くありませんでした。…寧ろ、少しカッコよかったり」
「え?何だって?」
最後の部分が小さくてうまく聞き取りずらかったから俺は訪ねるとシエスタは顔を真っ赤にした。
「いえ!なんでもありません!今日は本当にありがとうございました。それじゃあ、また明日」
シエスタはそう言うと自分の部屋があると思われる建物に入っていった。
…俺は彼女の笑顔を見てまた明日も頑張ろうと思った。
その後、ご主人様への命令違反とやらでご飯抜きになったのは言うまでもない…。理不尽だ…!
書き終わりましたが…やはりホッパータイプはネガティブがなくちゃいけないと思いました。