「…きなさい!起きなさい!この犬!」
「ぎゃああああ!!!」
痛え!何だよ一体!?
股間が!俺の大事な息子が!!
「何すんだよ!」
「あんたが何回も起こしたのに起きないからよ!」
ルイズは俺の怒りの声を無視して洗濯物を放り渡す。
「起きないからって、その起こし方はあんまりだ!危うく死にかけたぞ!」
「うるさいわね!そんな下らないこと言ってる暇があればさっさと洗濯に行きなさい!」
ルイズは俺の事など露知らず、背中を押してそのまま扉を閉めた。
~○●○~
「はあっ…どうして俺はこんな所で洗い物なんてしてるんだ?つーかこの下着にヒラヒラしてて洗いにくい…」
シルクの下着を現代人の俺が手洗いで洗濯してるなんておかしな話だ。元の世界では100%洗濯物は機械だったし…。
はあー…これ終わったら昼寝するか…。
《ピピ!ピピ!》
どうした?ホッパーゼクター…ワーム!?
ホッパーゼクターのこの反応はワームじゃないか!くそ平和ボケしてた、情けない…!
「行くぞ、ホッパー!」
俺は急いでホッパーゼクトロンで現場へ向かった。
~○●○~
「グゥ…!」
「ぐわあ!?な、何なんだよ…この化け物は…」
「た、助けてくれ!!」
!ワーム!?やっぱりこの世界にもいたのかよ!?
「逃げろ!」
俺はバイクでワームを跳ねて吹っ飛ばした。
「あ、ありがとう!!」
男はそうお礼を言うと一目散に逃げた。
…ギリギリ成虫にはなってないな…。
「グゥゥッ…」
ワームは突然呻き出した!ヤバい、これは…!
「チッ、変身!」
『HENSHIN』
『change match hopper』
俺が変身すると同時にワームは脱皮を終えて成虫に成りやがった。
「グゥッ…!」
ワームは青色と赤色をしたクモ型のワームだ。
「はあっ!」
ドスッ!ガスッ!
俺はパンチとキックのコンビネーションでワームを翻弄する。
敵も俺を殴ろうと攻撃するが俺はその攻撃を紙一重でかわす。
「おらッ!」
俺はワームの腹部に蹴りを入れるとワームは家の壁を壊して転げ回る。
「決めるぜ…!」
俺がホッパーゼクターに手をかけようとした瞬間―。
「な、何!?」
後ろから黒と黄色の同種の別個体であろうワームが俺の背中を糸のようなもので捕獲する!
「グゥゥゥ…!」
クソ…!こんなところで!
ワームはお互いに俺を見るとお前がやれと言わんばかりに俺を勧める。
俺が吹っ飛ばした青色のワームは頷くと俺に向かってゆっくりと近づく…。
『まったく…平民のくせに私をずいぶんといたぶってくれたね』
ワームは残像のように人間の姿の顔を出すとそう言う。……どうやら俺をいたぶるき満々らしい…。
『今度は私たちが遊ばせてもらおうかな!』
そういい、クモ型のワームは俺に腕を振るおうとするが…甘い!
「はあっ!」
腕が使えないのなら蹴りで戦えばいいだけだ!
「よっ!おらッ!…1人相手に勝てないのか?」
糸が緩んできた!
俺は糸を切って右ストレートを決めた。
2匹のワームは転がりながら距離を取ると腰を落とした。
「クロックアップ」
『clock up』
次の瞬間、回りの時間が止まった。料理の途中で放置したせいで燃えている火も、風でなびいている草も…全て止まった…いや、遅くなったっていった方が正しいのか?
だけど、それはワームも一緒だ。ワームも俺もタキシオン粒子が駆け巡り時間流を自在行動してるのだ。
「さっ!おらっ!」
不思議な事に俺もワームもさっきより体のキレが良くなっているように感じた。
「グゥゥゥ…!」
俺はワームの攻撃をかわしたり、受け流したりする。
俺はワームの糸を避けて起死回生の膝蹴りを放った。さらにもう1体のワームにエルボーを食らわせた。
その際にビンが入っている箱にワームがぶつかり、ビンは宙に舞った。
『clock over』
クロックアップが解除されるとゆっくりと舞っていたビンは一気に勢いをつけて落ちた。
「うぅ…。痛い…お母さん…お父さん…」
!?人がどうして!?よく見たら足が壊れた瓦礫に引っ掛かっているようだ…。
急いでワームを片付けて早く子供を助けないと!
俺はホッパーゼクターの赤い核を2回押す。
するとMになっていたホッパーゼクターの脚部は右に移動した。
「ライダージャンプ!」
『Rider Jump』
これで決める!
「ライダーパンチ!」
『Rider Punch!』
俺は急降下すると右腕に溜めたタキシオンで青色のワームを殴り付けた。
ガシャン!
アンカージャッキがそう響くとさらにライダーパンチを食らわしたワームを踏み台にして別個体に裏拳でライダーパンチをくらわせた。
「グゥゥゥ!!」
「グゥゥゥ!!」
ボオオォン!
ワームは緑色の炎に包まれ爆発した。
俺は変身を解き、急いで怪我人の元へ向かった。
「おい、しっかりしろ!」
俺は瓦礫を退かせて瓦礫がない所に運ぶ。
幸いな事に傷は浅い。
「…ねぇ、あなたは神様?」
女の子は俺に問いかける。どうやら意識が朦朧としているようだ。
「いや、俺は神様じゃないよ。俺は…」
『MASKD RIDER HOPPER』だと何かしっくり来ないな…。
よし、じゃあ…。
「俺は仮面ライダー…仮面ライダーマルチホッパーだ」
「仮面…ライダー?」
女の子がそう言うと同時に何人かの人が戻ってきた。
「もう、大丈夫だな。じゃあ俺は失礼するよ」
俺はバイクに跨がる。
「待って!……また会える?」
「…」
俺は無言で頷いた。この子が会いたい気持ちは解らないでもないけどライダーがいる場所はワームがいる場所だから…なるべく会いたくない。
俺はキーを回してアクセルを噴かせた。
「ありがとう、ライダー!」
女の子の精一杯の声と共に発進して、その場を後にした。
~○●○~
この世界にもワームが…ヤツらは隕石でやって来たのか?
俺はホッパーゼクトロンを馬小屋近くに停める。
この時、俺は忘れていたんだ…大事な事に…。
「あんたぁ…洗濯物ほったらかしにしてどこに行ってたのかしら~?」
忘れていた……自称ご主人のルイズを…。
~○●○~
「さ、寒い…ひもじい…ワーム倒したのに飯なしで外で寝かすとか…只でさえ寒いのに死んじまうよ…」
結果、ルイズに滅茶苦茶怒られて罰として外で寝かせられる嵌めになった。ワームの話も信じてくれなかった。
「だけど、ワームはこの世界では活動を活発に動いていないらしい…それだけが救いかな…」
俺が知っている限りではワームに対抗できる戦力や武器を持ってるのは俺だけだ。
天道さんや加賀美さんがいない以上は俺が何とかするしかない…。
「あれ、サイトさん?」
そこに現れたのは天使、シエスタだった。
~○●○~
「うめぇ!うめぇよ!」
シエスタに案内されて来たのは厨房だった。シエスタにコック長を紹介されて残り物を食わせてもらった。
「残り物で悪いが食ってくれ、我らの剣よ!」
「我らの剣?」
「そうとも、アンタは俺たちと同じ平民なのに偉ぶった貴族に勝ったんだ。我ら平民の誇りだ」
何か、照れ臭いな…。
「まあ、俺の場合は剣じゃなくてパンチとかキック何だけど」
「貴族の奴等とは違って偉ぶらない、そこが貴族と違う良いところだ!」
まあ、この人たちは貴族に嫌な態度を取られたんだろうな…。
「にしても、このシチュー本当に上手いな。いくらでも食えちゃうぜ!」
天道さんが作ってくれた料理とはまた違った旨さがあって美味しい。
「まあ、コック長マルトーにかかればどんな料理だって絶妙な味になる、これだって魔法みたいなモンよ!」
魔法…か。
「確かに…食うことって人間の至福な時だもんな…うん、これ食ったら何か活力が沸いてきた」
「おお、良いこと言ってくれるじゃねえかよ……お前さんには俺の口吻をやろう!」
え!?オッサンのキス!?絶対に御免だ!
「わ、悪いけど…遠慮しておくわ…!」
「何て、奥ゆかしいことだ…」
それから色々あって俺は空腹を間逃れることが出来た。本当にシエスタには感謝だな。
~○●○~
空腹を満たした俺は寝床(追い出されて廊下)に向かっていると…。
「あれ?お前は……」
確か、コイツはルイズが嫌ってた生徒の…。
~回想~
それは、ギーシュと決闘する日だったな…。
ルイズに連れられて玄関を開けるとバッタリと会った。
女子生徒で褐色の肌とルイズとは真逆と言っても過言ではないプロポーションをしており、身長だって女性では結構高い。
「おはよう。ルイズ」
「おはよう。キュルケ」
ルイズが嫌そうに挨拶を返したが、キュルケと呼ばれた少女は大して気にしていないようだ。
「あなたの使い魔って、それ?」
「そうよ」
「あっはっは!ほんとに人間なのね!すごいじゃない!」
キュルケと呼ばれる生徒は俺を笑うと自分の使い魔である生物を紹介する。
「この子はサラマンダーのフレイムよ。これくらいのサラマンダーはなかなかお目にかかれないんだから」
そう言うと、キュルケはフレイムの頭を撫でる。
この時、俺はこの世界と元の世界の違いと言うものを感じた。
「…すげぇな…」
俺は素直に感心しているとトカゲは俺に近づいて頭を差し向けた。
「あら?初対面なのに懐くなんて…珍しいわね」
試しに頭を撫でると回りに纏っている炎と違い、ほんのり暖かい感じだ。
「ほら、さっさと行くわよ!」
そうして、ルイズは俺の首根っこを掴まえて引っ張っていった…。
~回想 終わり~
「お前はサラマンダーのフレイムだったな…よしよし、どうしたんだ?」
フレイムは俺の服の裾を引っ張ったので俺はフレイムに着いていった。
~
「ここに入れって?」
フレイムが頷くと俺は部屋に入った。
そこにはキュルケがいた。しかもネグリジェを着て…。
「どうかしたのか?」
「ふふ、いらっしゃい…扉を閉めて」
俺は扉を閉める。
「ようこそ、私のスイートルームへヒラガサ・イト…じゃなくてヒラガ・サイトかしら?」
イントネーションが違うな…。しかし、ルイズもそうだったけど、この世界の人たちは俺の名前のイントネーションをよく間違えるな…。
「平賀才人な、サイトでいいよ」
「解ったわ、サイト。……いけないことだとも分かっているわ。でも、私の二つ名は『微熱』松明のように燃え上がりやすいの」
「あ、ああ…そうですか…」
何だろう…俺は何かを忘れているような…。
「解らない?私、恋してるの貴方に」
恋……はあ…俺の鬱ワードだ…。
「貴方の決闘を見たわ、貴族相手に臆さずに挑み、そして勝利を納めた…。あの時の貴方、カッコ良かったわ…こうして、私の微熱は情熱に変わったの」
て言うか、前見たときは男と歩いてけどな。それと誰かが外から見ている。
「…悪いけど、客来てるぞ」
「え!?」
「キュルケ…待ち合わせの時間にこないからきてみれば…」
「スティックス! ええと、二時間後に」
「話が違う!」
スティックスと呼ばれる男子生徒はそう叫ぶがキュルケが蝋燭の火から創った火の蛇を顔面に受け姿を消した…いや、正式に言えば落ちたのか。
「今のは…」
「ただの友達よ、それより私が愛してるのは…」
「そいつは誰だ! キュルケ!!」
今度は別の生徒が現れたがキュルケの杖で落とされた…。
「とにかく、夜は短いわ。貴方との時間を無駄に過ごしたくないわ」
「あの、今度は団体客だぜ?」
「「「キュルケ!!恋人はいないんじゃなかったのか!?」」」
「マニカン、エイジャックス、ギムリン!ええと、じゃあ六時間後に」
「「「朝じゃないか!!!」」」
「…フレイム!」
キュルケはフレイムに命令すると、フレイムは火炎放射を吐き出して、三人を落とした…。
「じゃあ、俺はこの辺りで…」
「ま、待って!とにかく貴方を愛しているのよ!」
キュルケは俺の足を刈るようにして掴み…俺は不意をくらって倒れた。
「イテテ…何だよ…」
「だって…ルイズのところへ戻るんでしょ?ルイズ何かより私の方がずっと魅力的だと思うわ…」
キュルケは馬乗り状態で俺に迫ってくるが俺はこのキュルケの恋愛ごっこにうんざりしている。
「あのさ、何を思ってるのか知らねぇけど…俺は恋愛なんて…!」
俺が何かを言いかける前にドアが開いた。
「キュルケ…!」
「あら、ヴァリエール。今は取り込み中よ」
「ツェルプストー…誰の使い魔に手を出してるのよ」
「あら、しょうがないじゃない…炎と恋は止まらないのだから」
キュルケはルイズにそう訴えかけるがルイズは呆れながらため息を吐いた。
「…帰るわよ」
「待って!貴方にとっては使い魔かも知れないけど、彼だってれっきとした人間よ!恋路を邪魔するなんて横暴よ!」
確かに…恋路とかはどうでも言いとして…人間扱いくらいはして欲しいな…。
そして、キュルケは豊満な胸を俺の顔に押し当てた!…恋愛はしない誓っていたが…おっぱいは別だ…!!
「いいの?明日になると何十人の男子生徒に串刺しにされるわよ」
……それは嫌だな…て言うか、さっきの奴等以外にもたくさんいるのか…。
「ほら、帰るわよ!」
「へーい」
俺とルイズはその場を後にした。
後ろからキュルケの叫びが聞こえたような気がしたが…気のせいだろう。
~○●○~
「アンタ…何でキュルケに着いていってンのよ!!」
「いや、フレイムに連れて行かされたんだって…」
「また下手な言い訳を…」
ルイズはそう言うと引き出しから極太の棒のような物を出した…いや、あれは…!
「私、心の何処かでアンタを人間扱いしてたわ」
「嘘つけ!あれが人間を扱うって言えるのか!?」
「だけどダメね…よりによってツェルプストーに尻尾を振るなんて!」
ルイズは棒のような物を振るうとそれは床の板を少し抉った!
間違いない、あれは鞭だ!しかも滅茶苦茶太い!
「運が良いわね、こんな時に乗馬用の鞭があって!」
「いや、俺にとっては最悪だ…痛い!痛い!」
くそ…コイツ、戦士に向いてんじゃねえか?ルイズの鞭捌きに手を叩きたくなるほどだ…。別にドMって訳じゃないんだからね!
「おい、やめろ!」
俺はルイズの手首を掴んで動きを収める。
「離して!離しなさいよ!男ってみんなそう!結局はツェルプストーみたいな女に尻尾を振るのよ!」
「俺は、アイツに尻尾を振る気はない!」
「…え?」
「俺はアイツに尻尾を振る気はない、もちろんお前にも、その他の貴族にもな…俺を侮るなよ」
そうさ、俺はルイズの犬でもなければキュルケのペットになる気もない。これだけは断言したっていい。
「そ、そう…まあ、私の犬にならないのはアレだけど、今回は許してあげるわ」
………やれやれ、俺はなんも悪いことしてないのに何を許されたんだよ。
「じゃあ、俺は…」
「何処行くのよ?」
「お前が外で寝ろったんだろ?」
「今日は寒いし、ツェルプストーに何かされると大変だから部屋で寝なさい」
ルイズはそう言うとベットに潜り込んだ。
……ルイズが優しい…だと?
「お前…大丈夫か?…頭」
「どういう意味よ!やっぱり廊下で寝る?」
うわ、ヤバイヤバイこの際だから頭がおかしくなっててもいいや。
俺は廊下から乾し草を元の位置に戻して就寝した。
ホッパーゼクトロン
カブトエクステンダーやガタックエクステンダーと同様にホッパー専用のライダーマシン。
カブトやガタックのようにエクスモードはないが基本性能はライダーバイクで一番高い、他にもホッパー専用のバイク技があるらしい…。