【ハイスクールd×d】妖刀使いと魔剣使い 作:ゆーき
深夜の公園。
そこで、リアス・グレモリーの下僕である転生悪魔の木場祐斗は身構える。
目の前にいるのは赤い眼をギラギラ光らせる自分と同じぐらいの少年。
「ねえ、母さん。この子もぼくらの家族になってくれるかな?」
少年が口を開き、脇に差してある刀に問いかける。
少年の問いに対し、
『ええ、きっと。私はどんな子でも愛してあげるわ』
と、刀が答える。
誰が見てもわかる異常な光景。
「……ぼくが一番だよね?」
『当然よ。私の愛しい刀夜』
刀から刀夜と呼ばれた少年は刀を取り出して、臨戦態勢を取る。
一体何故、祐斗がこの少年とこんなことになっているのか。
事の発端は、主人である悪魔、リアス・グレモリーが治めるこの町に起こった通り魔事件だった。
始まりは一週間前。
祐斗自身も通う、高校の生徒二人が斬られたのだ。
だが、それだけではリアス・グレモリーが動くほどではない。
憤りこそすれ、ただの通り魔ならば警察に任せておけばいいのだ。
しかし、事件はそれで終わらずそれどころかネズミ講のように被害者は増えていく。
にもかかわらず、目撃者はゼロ。
あきらかに人間技ではない。
そのことから、リアス・グレモリーは、堕天使や悪魔と敵対する勢力の仕業ではないのかと考えたのだ。
そして、調査に乗り出し結果はビンゴ。
公園の見回りを担当した祐斗が刀を持つ明らかに異常な少年を発見したのだ。「ねえ、君って人間?」
祐斗の問いかけに、刀夜は不思議そうの首を傾げてから、刀に問いかけた。
「母さんぼくって人間だよね?」
『当然よ。むしろ人間以外の何に見えるというのかしらね?』
「……どうやら堕天使とかではないみたいだね」
「……君、もしかして所謂中二病ってやつ?」
刀夜にそう言われ木場は思わず笑ってしまう。
なにしろ深夜に刀を脇に差した、赤眼のまさに中二病の権化のような人間に言われたのだから。
「まあ、いいや。君もすぐに愛してあげる」
刀夜はそういって、刀を抜き祐斗に斬りかかってくる。
すぐに祐斗も魔剣を創造しそれを受けるが、一瞬反応が遅れ、肩にほんのわずかなかすり傷を負ってしまう。
それを見て刀夜ニヤリと笑う。
「これで君もぼくの家族」
だが、祐斗にはなんの変化も起きない。
『……駄目、この子たぶん人間じゃないわ』
「へ?」
『だって、私の愛を受け入れないんですもの』
「じゃあ、なんなんだろう? 斬ってみればわかるかな」
そう言い再び刀を振るう。
だが、刀が再び祐斗に振れることはなかった。
――祐斗は刀夜の剣筋をみて素直に上手いと感心した。
なにかの流派にこだわっている感じはしないが、圧倒的なまでの実践での積み重ねが感じられる。
だが、それだけである。
人として躊躇いがないというのは強みになるが、それはあくまで素人レベルでの話。
転生悪魔として技を研磨してきた祐斗と刀夜では圧倒的に差があるのだ。
刀夜は防戦一方となっていた。
そしてこのままでは自分が負けるということを感じたのか、祐斗から距離を取る。
「どうやら母さんとぼくだけじゃ斬れないみたいだね」
『あの子を出すの? 出した後が面倒よ?』
「仕方ないよ」
そう言い刀夜は空間から新たに刀を創造する。
「さあ、よろしく頼むよ。――はたもんば」
刀夜が創造した刀は、妖刀・はたもんば。
実力差を埋めるために出した、刀夜の切り札だった。