やはり俺は浮遊城にいること自体が間違っている(凍結中)   作:毛利 綾斗

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そうしてアルゴはアハトと2人きりになる

アクティベートをすませた俺は急いで街から出て情報収集をする。

 

出てきたモブを一匹残らず倒していることとボスのLAのおかげで俺のレベルは18まであと少しというところに来ていた。このレベルなら7、8層までの安全マージンは取れているだろう。

 

人間しようと思えば何でも出来るようでアクティベートをした日から4日で街から西半分を全て調べることができた。

当然この街の周辺エリアを調べまとめあげた後にだが。

 

 

確か攻略本の原案を作り終えるまでに丸一日かかったんだよな。って事は実質3日で半分調べたのかよ、俺。

 

わかったことと言えばこっち側には迷宮区は無い事、エリアボスはおらず、ボス情報は一つしか得られなかった事。あと美味しいクエストが2、3あったって事くらいだ。

 

何故そんな無茶をしたか?そんなの決まっている。

キリトやアスナからは逃げられる自信がある、でもあの鼠からは逃げ切れる気がせん。

つか逃げたところですぐ見つかりそうだし捕まった後が怖い。

まあ貢ぎ物又は賄賂と思って貰えばいい。

 

 

 

「にしても久しぶりの圏内か。西側の攻略は全部終わったしこの調子で東側の情報もさっさと集めるかな」

 

 

 

隠蔽を使って街を歩いていたのだが圏内と言う事で気が緩みすぎたようだ。言葉が出てしまい一瞬だけ隠蔽が消える。

 

 

不味い

 

 

そう思ってすぐに隠蔽をした俺は悪くないはずだ。だが実際はそれが悪手だった事に俺は気づかされる。

俺の索敵に急に走り出した二つの反応があったのだ。

おそらくこの二人はキリトとアスナだろう。

鼠に気づかれなかっただけ良かった。彼奴らだけならまだ逃げられる。

取り敢えず俺は装備していたLAのマントを取り外す。

 

これで視覚的には見つけられにくくなった。スキル面でも俺の隠密を気づける奴はまだいないだろう。

後はどうするか.........。

 

これも俺の欠点の一つだった。

熟考している間は時間の経過を忘れてしまう。

 

 

 

「キリトくん、アハトくんを見つけたわ」

 

 

 

「本当だ。アハト、ちょっと俺たちとお話ししようぜ」

 

 

 

俺の返事を聞かずにジリジリと距離を狭めてくる二人。俺は予め考えていた手に出る。

 

後ろへ全力で飛び退くとあの二人もつられて全力で飛びついてくる。俺のバックステップと奴らの前進は互角か俺が少し早いくらいだ。

後はタイミングを計って前傾姿勢になっている2人に向かって走り出すだけ。常に受け手になっている奴らでは反応できないはずだ。

 

そのまま抜ききると今度は隠蔽を解かないように細心の注意を払って街の中を疾走した。

 

 

彼奴らのカーソルは......と、さっきの場所から動いてない。

とりま、宿にでも戻るか。

 

 

 

「ヤダって言ってるダロ。オイラは売った情報で恨まれるのはイヤナンダ。サッサと帰ってクレ」

 

 

 

「何故でござる。拙者たちにはそのユニークスキルが必要でござる」

 

 

 

「金はちゃんと出すし恨まないと言ってでござるよ」

 

 

 

「「情報屋、アルゴ殿。拙者たちに『体術』を教えてもらえる場所を教えてください」」

 

 

 

俺はそのまま逃げたかった。普段の俺なら

 

彼奴らぴったりハモってんじゃん。なんなの、ホモなの。

 

と軽口を叩いて素通りしただろう。でも今一番会いたくない奴が絡まれていてそいつは俺の隠蔽を破る回数が一番多い。

 

 

うん、サッサと逃げよう。

 

 

走って逃げよと踏み出した瞬間に何かに腕を掴まれ急ブレーキをかけることになる。

 

誰かってよそよそしい、だって。俺もわかってるけど厄介ごとに巻き込まれたくないんだもん。

八幡ちょっとくらい信じてない神様に縋っていいよね?

 

 

とへんなことを考えている間に事態は悪化していく。

 

 

 

「アハト!悪いネ、オレっち今から彼とデートダカラ。じゃ」

 

 

 

そのまま引き摺られていく俺だったが後ろから小さい声で

 

 

 

「「ゲーム内でも付き合ってるとかリア充爆発しろ」」

 

 

 

と言っているのが聞こえた。最後までキャラで通しきらないのかよ。

つかマジで勘弁。リア充じゃねえしこのまま行ったら俺確実に死亡コースだ。......今から逃げればセーフだよね?

 

いや、待てよ。俺は西半分の情報はかき集めたし、今も鼠を助けたんだ。これなら軽い説教で

 

 

ガチャ

 

 

済むは.......ず...............。

って今のガチャって何?現実を見ることが怖すぎてたまらんのだが。なんか首に冷たいものが巻かれてるし......。って冷たいものが首に、まさかこれって」

 

 

 

「ハハハ。熟考したら周りを見れなくなるっていうのはやっぱりアハトの欠点だね。あと独り言を言う癖も。

ていうかアハトは首輪が似合いすぎだよ。私、ペットにしたくなってきちゃった」

 

 

 

不味い。一見鼠の話し方はいつも通りだが何処か攻撃的で上からになっている。

結構キレていらっしゃるようですね。

 

 

「鼠、これはこの階層の西半分のデータだ。だからこの首輪を外してくれ。それに俺は養って貰う気はあるが施しは受けない主義だ。ペットに成り下がるつもりはない」

 

 

「へーえ。よくこの4日間で半分も調べ上げたね。私が採点してあげるよ」

 

 

そう言った鼠は俺のまとめた紙束を一つ一つ読み進めていく。

これが編集さんに原稿を見られている作家の気持ちなのだろうか。紙をめくる音しかない、いつもの俺ならこの静けさも大歓迎なんだが妙に落ち着かない気持ちにかられてしまう。

 

 

 

「ナア、ハーちゃん。オイラのパートナーになってくれヨ」

 

 

 

重い口を開いて発された言葉に俺は驚きを隠せなかった。でも俺は敢えて

 

 

 

「仕事モードになってるぞ。

それで俺のまとめた情報はどうだったんだ。それに俺のセリフに反応してくれよ」

 

 

 

「オット、質問には答えてくれないノカ。文句無しの合格だって言いたいけど私は実際に見てないしなんとも言えないよ。ただ君の情報、見やすいし今みた限りでは満点だ」

 

 

だから今から行ってみて正確性を確かめようと思う。

 

 

そう言って立ち去ろうとする鼠。

 

 

そのまま去ってくれ。そうすれば自由だ。

てかやっぱり俺のセリフに反応してくれないんだな。

 

 

そんな俺の甘い考えは振り返って近づいてくる鼠によって壊される。

 

 

 

「消されちゃったけどもう一回フレンド登録、してくれるよね?」

 

 

 

涙目と上目づかいのコンボだった。あのあざと可愛い後輩のおかげでこういうアピールには慣れてんだよ。そう簡単には落ちないぞ。

 

 

 

「ねぇ、アハト.......お兄ちゃん?」

 

 

 

さらに追い討ちをかけてくる鼠は首をちょこんと傾げながらだった。

マジであざとい。

 

最近鼠にいもうとスキルが発動してきていた俺には効果覿面だったようだ。

送られてきたフレンド申請にYESと答えてしまう。

 

 

まあいいか、出来るだけ関わらないようにすればいいだけだし。

 

 

 

「じゃあな、鼠の。俺疲れたし寝るわ」

 

 

 

「何いってるのアハト。一緒に検証に行くに決まってるでしょ」

 

 

 

ハ?八幡何言われたのか全然分かんない。一緒に?けんしょう?何それ美味しいの?

 

 

 

「ちょっと待ってくれ。美味いクエも少し無かった。それでいいじゃねえか。なんで俺も一緒に行かなきゃなら.......」

 

 

 

「へーぇ。今からキー坊とアーちゃんを呼んでお話ししなきゃだねア・ハ・ト」

 

 

 

少し治っていた鼠の怒りが再び、いやさっきよりも強くなっているのがわかる。仕方ない俺も自分の命は大切だ。

 

 

 

「わかった、その代わり飛ばすぞ。時間は1秒も無駄にできない」

 

 

 

俺の返答に満足したようで満面の笑みで頷く鼠。それから俺たちは西半分の情報をより正確にするために走り出した。

 

 

 

 

 

「この家が最西端だ。まあ入ったところで何のイベントも起こらなかったから目標なんだろうよ」

 

 

 

「そうなんだ。中に誰か居たの?」

 

 

 

「いや、誰もいなかった。........おかしいな灯りがついてる」

 

 

 

「きっと何か必要なフラグがあったんだね。とりあえず入ってみよ」

 

 

 

俺は鼠に引っ張られながら入っていく。中には髭を生やし汚らしい布を身につけている男達で一杯だった。そんな男たちは

 

 

 

「おうおう、嬢ちゃんどうしたんだ」

 

 

 

「嬢ちゃんみたいな娘がこんなところに1人で来ちゃダメだぜ」

 

 

 

「そうだそうだ。悪い人に食べられちまうぜ」

 

 

「俺たちみたいな悪い人間にな」

 

 

 

クエストが発生したのだろう頭の上に?マークが出ている。

何かが変だ。とそんなことを思っていると男達は鼠に飛びかかっていく。流石にこの人数では鼠も逃げられないだろう。そう判断した俺は武器を抜き鼠に一番迫っていた男を斬り飛ばした。

 

 

 

「誰だてめぇ。俺たちに喧嘩売ろうってか!」

 

 

 

「悪いことは言わねぇ。その女を置い此処から去りなさもないとにいちゃん痛い目みるぜ」

 

 

 

奴らはいきなり現れた俺に驚いている。そのせいか罵声は飛んでくるが突っ込んでは来ない。そんな時に

 

 

パリーン

 

 

と音がなり、青いポリゴン片が辺りに広がった。やっぱりおかしい。でも今は気にしてられない。

 

 

今なら鼠を逃せられる。

 

 

 

「おい、鼠。俺が今から奴らの気をそらす。だからお前は逃げろ、分かったな」

 

 

 

そのまま室内で戦闘に入ったのだが狭い。

俺の得物が曲刀なのに対して敵は残り5人で全員が短剣持ちである。

 

不意打ちはもうできない。それに此処じゃ思いっきり武器も使えない。一番最悪なのは奴らが殺る事に対して何の抵抗を持っていないということだ。

俺の心を揺さぶるのはmobとは違うポリゴン片、俺のカーソルの色の変化だ。

それは奴らが人間だという証拠でもある。

 

だがこいつらはプレイヤーじゃない。ただ人の形をしたmobだ。そうとしか考えられない。頭ではそう理解している。だが思うように身体が動かない。

 

ならどうして俺のカーソルが黄色になった。

 

 

 

これでお前も犯罪者の仲間入りだ、もしかしたら初めての犯罪者かもな。

 

 

身体の内側から声が聞こえる。

 

 

 

煩い。今はこの状況を打破する策が必要なんだ。

このままかわし続けているだけじゃ俺がやられる。でも如何すれば......せめて奴らがプレイヤーじゃないと確信できれば.....。

 

 

 

イエローカーソルになったお前が何を恐れてるんだ。1人殺したらもう何人殺そうが同じ事だろ。早く残りの奴らも殺れよ。

 

 

 

煩いっつってんだろ。

考えるんだ、如何すればいい。観察するんだ。

 

 

 

何言ってんだよ。攻撃が当たりだしてるじゃねぇか。早くしないと死ぬのはお前だぞ。あんな奴らさっさと殺っちまえよ。お前なら余裕だろ。

 

 

 

その時扉が開いたと思ったら盗賊が2人、鼠を抱えた状態で入ってくる。

 

 

 

「リーダー、逃げた女捕まえやしたぜ」

 

 

 

「たく、すばしっこくて捕まえんの大変だったんすよ」

 

 

 

「すまない。お前らにしては仕事が遅いんで3人で楽しんでたのかと思ってたわ。じゃああの目の腐った男の始末に加わってくれ」

 

 

 

「「アイアイサー」」

 

 

 

リーダーと呼ばれている男は鼠を受け取り1人で悠々とくつろぎ始めた。

 

 

 

「早く来ないとこの女が如何なってもしらねぇぞ」

 

 

 

その言葉を聞き俺は考えるのを放棄した。

 

 

カチリ

 

 

頭の中で何か音がする。ただ俺は衝動のままに動く事にした。

6人のうち3人が俺を取り囲むように並ぶ。そのまま各々が邪魔をしないように攻撃を繰り出し始めた。奴らのコンビネーションは完璧だ。だからこそ俺には攻撃を当てる事はできない。少しでも広いところにゆっくりと誘導していく。そして一列に並んだ刹那、武器を抜きその勢いで一閃する。

 

 

ゴン、ゴン、ゴン

 

 

 

3つ重い物が落ちる音がする。背が低くなった3人の盗賊は崩れ落ち地面に衝突する直前にポリゴン片に変わる。

 

 

 

「野郎ぶっ殺してやる!」

 

 

 

様子見でもしていたのだろう3人が一気に襲いかかってくる。さっきの3人とは比べ物にならないくらい速い。でもただ速いだけだ。まだ目で追えるし避けることもできる。

放たれる刃を紙一重で躱し続ける。

チャンスを待つんだ。いずれチャンスはくる、勝ち急ぐな。

 

 

 

かれこれ5分はたった。少しずつだが奴らのスピードが落ちていくのを感じる。

敵の1人が痺れを切らしたのか正面から突っ込んでくる。

 

 

遅い

 

 

曲刀で脚を斬り裂いた。

これで動けないだろう。そう思って意識する敵を2人にする。時間が経つにつれ鋭くなっていく感覚が2人の動きを完全に捉える。1人には振り上げを食らわせ、振り下ろしをもう1人に食らわせる。

他の奴は継続ダメージで死ぬだろう。

 

あとは親玉だけだ。そう思った俺は一気に斬りかかる。

が奴が隠し持っていた短剣に弾かれ反対の手に持っている短剣を俺の喉目掛けて突き刺してくる。

バックステップでギリギリ避けると追い打ちと言わんばかりのボスの攻撃を曲刀で弾く。一進一退の攻防戦がつづくが俺の戦い方ではあまりにも不利で少しずつだが確実にダメージを蓄積される。

 

 

「さっきまでの勢いは如何したんだ。もう終わりか?」

 

 

一瞬、一瞬でいい。奴に一瞬の隙ができれば.......。

その瞬間周りから青いポリゴン片が飛び散る。

 

 

この一瞬を待っていた

 

 

ボスが青いポリゴン片に一瞬だけ身体の動きを止めたのを俺は見逃さなかった。

 

 

スキル《オーパル・クレセント》

 

 

今の俺が出せる最大火力の3斬撃を発動させる。こいつの難点はスキル発動までに時間がかかってしまう事で今のように相手の意識が俺から離れている時にしか使えない。まあその代わりに火力はピカイチなのだが。

 

 

 

俺の放った3連撃はボスの体に吸い込まれていき、勢いそのままに鼠に駆け寄る。アイコンを見るとイナズママークがある。どうやら麻痺らしい。よかった。微動すらしない鼠が生きていることを確信できて安心する。

俺は手持ちの解毒ポーションを口に突っ込んだ。

 

 

ボキ

 

 

身体からそんな音が聞こえた。俺はそのまま壁を破壊し、外に放り出される。

 

 

クソッタレまだ死んでなかったか。

視界に映る俺のHPバーは既に赤く染まっている。今の感じから俺の左腕は折れている。唯一の救いは痛みを感じていない事だろう。ポーションを飲んでる暇は多分ない。答えは決まってるよな、ここで奴を倒す。

 

 

壁に新しい穴を作って飛び出してきたのはHPバーのラスト一本を黄色に染めている狼だった。

 

 

『ウェアヴォルフズリーダー』

 

 

狼人間のリーダー、こいつらはやっぱり敵mobだったんだな。なら遠慮はしない、これで決める。

 

 

 

俺はmobに向かって走り出す。それに釣られたmobも俺に向かって走り出って来ている。

 

最後は至って俺らしくいく。

 

全力で加速しそのまま跳ぶ。予想外な行動に一瞬の戸惑う狼男。俺は再び姿を隠蔽し戸惑っている敵の背後を取る。流石は狼、匂いで俺が背後にいると気づいたようだが遅い、俺は奴の首に《フェル・クレセント》をブチかました。

 

 

Congratulation!

 

 

気が付くと目の前には勝利を祝福する文字が、辺りは青いポリゴン片で満たされている。

 

俺は......

 

 

 

「俺は生きているのか」

 

 

 

ほっとした拍子に意識を手放しそうになる。

まだだ、まだ鼠が。

俺はポーションを咥えゆっくりと覚束ない足取りで家の中へ向かう。

鼠は先ほどとは違い、私は生きていると主張するかのように胸の辺りが上下している。

 

 

 

「ア.....ハト、アハ........ト」

 

 

俺らしくないのは重々承知している。出会ってたった一ヶ月半の相手に此処まで感情移入するなんて馬鹿げている。そんなことわかっている、でも俺は、それでも俺はこの文字通り生死を賭けて生きている彼ら彼女らに惹かれてしまっている......気がする。自分に正直に生きなければ死んでしまうような世界で名前を呼んでもらえることにこの上なく喜びを感じてしまったんだ。

きっとさっきの戦いで高揚した気持ちがまだ落ち着いていないんだろう。雪ノ下さん、貴方が『理性の化け物』と称した俺はこんな簡単なことで感情が乱れてしまうようなガキなんですよ。

だから、今だけはこの気持ちに酔いたいんだ。

俺はアルゴの手を軽く握り

 

 

 

「俺なら此処にいる」

 

 

 

と呟いた。

もう限界だ。今度は抵抗することなく暗闇の中に意識を沈めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方たちは一体何処で何をしてたの!ゲームバランスが崩壊するところだったじゃない。

 

 

 

 

いいじゃねぇかそんな堅いこと。それより面白いものを見つけたよな◯◯◯。

 

 

 

そうじゃな、あやつ儂を使わんでもスキルの一歩手前までにしおった。

 

 

 

ヘェ〜二人が褒めるなんて珍しいね。僕も言ってくれたら一緒に行ったのに。

 

 

 

 

貴方までそっちに付くの◯◯◯?

 

 

 

 

いやいや、僕はどっちにもつかないよ。ただ見たかっただけ。

 

 

 

 

全く、ねぇ◯◯◯からも何か言ってやってよ。

 

 

 

 

エリアボスに力を与えるやり口はまあ許す。だが与えすぎだ。挑んだ者を問答無用に斬り殺すようなレベルは既にゲームバランスを崩している。今すぐお前らで消してこい。

 

 

 

 

何言ってんだよ◯◯◯。あいつなら死んだぜ。プレイヤーに殺られたよ。

 

 

 

 

そうなんじゃ。それはもう急所を突かれ続けて死んでいったのう。

 

 

 

 

そんなに精度が高かったの!もしかしたらその人が私のご主人様になるかもね。

 

 

 

 

いや、彼奴は譲らねぇよ。俺がいただく。

 

 

 

いや拙者が。

 

 

 

ほう、◯◯に此処まで言わせるとはなかなかに強いんだな。見てるぶんにはいいがあまり干渉するなよ。あとは頼んだ◯◯。

 

 

 

 

 

 

以上がメンタルヘルスプログラム試作1号が盗聴できたものである。一部は高位のアカウントによりガードされていたため穴抜けになっている模様。

 

データ保存スタート

.......10.......18......36........68.......100%

データ保存完了

バックアップ製作。データを私の奥深くに格納........終了。

これより仕事に戻ります。

次の人は.......この人は此れまで見てきた人とは違います。この人はなぜ他の人とは違うのでしょうか?この人のデータも集めましょう。

 

 

『「はーい、みなさーん。じゃあ先生は少し狩りに行ってきます。じゃあサーシャさんあとはよろしくお願いします」』

 

 

 

この場面はサーシャという女性に子供達を任せている場面ですか。

次はっと

 

 

 

『「........先輩、私頑張ってるんですよ。だから早く私を見つけてください」』

 

 

 

圏外での感情データ、こんな感情は初めてです。このデータは面白いですね。

 

移動を完了しました。

このファイルには現在4人のデータが入っています。




投稿遅くなって申し訳御座いません。9月の留学の準備やバイト、宿題に追われていたというのが原因です。


今回は新たなキャラの存在が出てきましたね。皆さんも察しているとは思いますが当分、糖分は少なめになる予定ですので次話も楽しみにしてくださいね。


アハト君が何かとチート的な存在になりつつあるこの作品ですがおかしな点、もっとこうしたほうが良いなどのご指摘も待ってます。

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