唯依ちゃん好きのIS学園記   作:ニーベルングの指輪

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授業中の◯揉み

「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

「はい!」

 

一組と二組の合同なので人数はいつもの倍。出てくる返事も妙に気合が入ってる。

「くうっ……。何かというとすぐにポンポンと人の頭を……」

「……一夏のせい一夏のせい一夏のせい……」

「唯依ちゃん、痛いから撫でてください」

「また、叩かれますよ?」

 

唯依ちゃんが撫でてくれないから未だに痛い。もしかして、打撃用の出席簿だったりしないよね?

「なんとなく何考えてるかわかるわよ……」

 

鈴ちゃんが弟くんを蹴ってるけど、多分また変なことでも考えてたんだろう。

「今日は戦闘を実演してもらおう。ちょうど活力が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。──凰!オルコット!」

「な、なぜわたくしまで!?」

 

完全なとばっちりだね、オルコットさん。でも、ちーちゃんには大体理屈は通用しないから諦めた方がいいよ。でも、こっちを折るときは理屈を使ってくるのがタチ悪い。主に物理攻撃だけど。

「専用機持ちはすぐにはじめられるからだ。いいから前に出ろ」

「だからってどうしてわたくしが……」

「一夏のせいなのになんでアタシが……」

「お前らすこしはやる気を出せ。──アイツにいいところを見せられるぞ?」

 

乙女の恋心を使うなんて姑──うまいね、ちーちゃん。まあ、俺も唯依ちゃんにいいこと見せられるんなら頑張るんだけど。

「やはりここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」

「まあ、実力の違いを見せるいい機会よね!専用機持ちの!」

 

弟くんのおかげでふたりともやる気ゲージマックスぽい。

「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」

「あわてるなバカども。対戦相手は──」

 

キィィィン……。

空から空気を裂く音が聞こえてくる。──って、山田先生!?

「ああああーっ!ど、どいてください〜っ!」

 

ふむ、今のままだと弟くんに当たらないな。ここは、さっきの憂さ晴らしも兼ねて、許せ!

「え……?冬夜兄ぃ?──って、うわ!?」

 

ドカーン!

よし、クリーンヒットだ!

弟くんは山田先生の突進を受け、数メートル吹っ飛ばされた後ゴロゴロと地面を転がった。

「ふう……。冬夜兄ぃ、何んすんだ……よ?」

 

むにゅ。

「う?」

 

先生、変態がいまーす。授業中に副担任の胸を揉んでる変態が。

「あ、あのう、織斑くん……ひゃんっ!」

 

ちょっ、教師がその声はダメだろ。

「そ、その、ですね。困ります……こんな場所で……。いえ!場所だけじゃなくてですね!私と織斑君は仮にも教師と生徒でですね!……ああでも、このまま行けば織斑先生が義姉さんってことで、それはとても魅力的な──」

 

はっ!もしかして、事故でなら胸を揉んでも許されるのでは!?現に弟くんが山田先生の胸を揉んでも問題ないみたいだし!となると、どうやって唯依ちゃんの胸を事故に見せかけて揉むかだが……。

「お前の場合は事故ではなく、計画的犯行と言うのだ。馬鹿者が」

 

ドスッ!

出席簿アタックではなく、拳骨が来るとは。ちょー痛い。

「──ハッ!?」

 

弟くんの方を見てるみると頭のあった場所をがレーザー光が貫いた。

「ホホホホホ……。残念です。外してしまいましたわ……」

 

オルコットさんが額に血管を浮かせてる。ああ、弟くんが山田先生の胸を揉みしだいたからか。

「…………」

 

続いてガシーンと鈴ちゃんの《双天牙月》の連結音がなる。

「うおおおっ!?ちょ、ちょっと待て!俺のせいじゃないだろう!あそこの顔がにやけてる人のせいだ!──っ!?」

 

迷いなく首を狙った攻撃はドンッドンッ!と短い火薬銃の音と共に軌道が変わる。

「山田先生って、あの体勢からあんな精度で撃てるんだ」

 

驚くことに山田先生は倒れたままの体勢から上体だけをわずかに起こして射撃を行っていた。普通あの体勢からだとあそこまでの精度はでないだろうな。

「…………」

 

驚いたのは弟くんだけでなく、オルコットさんと鈴ちゃんはもちろん、他の女子も唖然としたままだった。

「山田先生はああ見えて元代表候補生だからな。今くらいの射撃は造作もない」

「む、昔のことですよ。それに候補生止まりだしたし……」

 

なるほど、元代表候補生ならあの射撃も納得だ。

「さて小娘どもいつまで惚けている。さっさとはじめるぞ」

「え?あの、二対一で……?」

「いや、さすがにそれは……」

「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」

 

だろうね。雰囲気がいつもの山田先生のものじゃなくて強者の雰囲気だもの。

「では、はじめ!」

 

号令と同時にオルコットさんと鈴ちゃんが飛翔する。それを目で一度確認してから山田先生も空中へ躍り出た。

「手加減はしませんわ!」

「さっきのは本気じゃなかったしね!」

「い、行きます!」

 

オルコットさん鈴ちゃん組の先制攻撃を簡単に回避する。

「さて、今の間に……そうだな。ちょうどいい。デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみせろ」

「あっ、はい」

 

空中での戦闘を見ながら、デュノアさんがしっかりとした声で説明をはじめた。

「山田先生の使用されているISはデュノア社製『ラファール・リヴァイヴ』です。第二世代開発最後期の機体ですが、そのスペックは初期第三世代型にも劣らないもので、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴の機体です。現在配備されている量産型ISの中では最後発でありながら世界第三位のシャアを持ち、七ヶ国でライセンス生産、十二ヶ国で制式採用されています。特筆すべきはその操縦の簡易性で、それによって操縦者を選ばないことと多様性役割切り替え(マルチロール・チェンジ)を両立しています。装備によって格闘・射撃・防御といった全タイプに切り替えが可能で、参加サードパーティーが多いことでも知られています」

「ああ、いったんそこまででいい。……終わるぞ」

 

ちーちゃんの言葉通り、山田先生の射撃がオルコットさんを誘導、鈴ちゃんとぶつかったところでグレネードを投擲。爆発が起こって、二人が地面に落下した。

「くっ、うう……。まさかこのわたくしが……」

「あ、アンタねえ……何面白いように回避先読まれんてのよ……」

「り、鈴さんこそ!無駄にばかすかと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

「こっちの台詞よ!なんですぐにビットを出すのよ!しかもエネルギー切れるの早いし!」

「ぐぐぐぐっ……!」

「ぎぎぎぎっ……!」

 

ほんと、弟くんが絡むと仲悪いよね。てか、どっちの主張もそこそこあってるから余計にみっともない。専用機持ちと代表候補生のブランド株価が急降下する音が聞こえそうだ。

「さて、次は織斑と白崎の近接戦闘でも見てもらおう。形式は初撃決着だ」

 

そうくるとは思ってましたよ。

「はいはい、分かりましたよ」

 

どのみち拒否権はないので素直に『殲撃10型』を七割展開する。え?なんで、いつもみたいに五割じゃないかって?すぐにわかるよ。

「今日の機体は随分と装甲が多いんだな」

「もともと、俺の機体は全身装甲(フル・スキン)だからね」

「そうなのか?」

「うん」

「じゃあ、今までは部分展開だったってことか?」

「正確には違うけどね」

「それで、あんなに強いのかよ……」

「馬鹿共、さっさとはじめろ」

 

ちーちゃんに急かされ、破壊力重視のトップヘビー型である《77式近接戦用長刀》を装備する。

「それじゃあ、行くぜ。冬夜兄ぃ」

「かかってきなよ」

 

以前と同じように正面から突っ込んでくる弟くんを長刀で止める。ふっ、バカめ。

「前までの俺とは違うぜ!今回は正々堂々と勝たせてもらう!」

「正々堂々とか……。なら、謝っておくよ。弟くんから見たら正々堂々じゃないかもしれないし」

「どういうことだよ?」

「こういうことさっ!」

「なっ!?」

 

つばぜり合いで近くいる弟くんを胸部装甲のリアクティブアーマーを炸裂させて吹き飛ばす。そして、弟くんに一太刀入れる。

「勝負終了──織斑、無策に突っ込む癖は直せ」

「……はい」

「では、これより実習に移る」

 

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