唯依ちゃん好きのIS学園記   作:ニーベルングの指輪

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楽しい一時

夏休み、IS学園の大半の生徒は世界中からあつまっているのでその大半は帰省したりする。俺と唯依ちゃんもその例にもれず、唯依ちゃんの実家である京都へと帰ってきている。

(昔は慣れてたからどうも思わなかったけど、京都の夏はやっぱり、暑いなぁ……)

縁側でスイカを齧りながら、そんなことを考えていると、買い物に出かけていた唯依ちゃんと栴納さんが帰ってくる。

「唯依ちゃん、栴納さん、おかえりなさい」

「ただいま、冬夜さん」

「今日の夕飯は巌谷のおじさまも来るので、少し豪勢にしようと思います。楽しみにしててくださいね」

「唯依ちゃんと栴納さんの料理かぁ。すごく楽しみだよ」

 

そして、巌谷さん。今日が命日になるかもしれませんね。

まあ、唯依ちゃんは、優しくて可愛い普通の女の子なので命は大丈夫なはずですよ?

「さっきスイカを買ってきて食べてるんだけど、唯依ちゃんも食べる? 冷えてて美味しいよ」

「残念ですが、私はこれから料理の下ごしらえがあるので、後ほどいただきます」

「じゃあ、後で一緒に食べよ?」

「ええ」

 

返事をしながら唯依ちゃんは栴納さんと一緒に台所へと向かう。

さて、夕飯までの間、なにしよう。

1、唯依ちゃんのエプロン姿で和む。

2、唯依ちゃんの部屋で唯依ちゃんの匂いに包まれる。

3、ごろごろする。

(まあ、3は論外として1か2だな。どちらも捨てがたいが……今回は1だな)

そうと決まれば早速移動だ。

「冬夜? 夕飯はさっき作り始めたばかりなのでまだ時間がかかりますよ?」

「うん、知ってる。だから待ってる間はこうして唯依ちゃんのエプロン姿で和もうと思って」

「い、いつも見てるじゃないですか」

「いつも見てるのは学生寮でのエプロン唯依ちゃん。今見てるのは実家での私服エプロン唯依ちゃん。どっちも見過ごすわけにはいかないよ。あっ、写真撮っていい?」

「恥ずかしいから、だめです! ……それに、冬夜と私はずっと一緒にいるんですから、別に撮らなくても……」

 

最後の方が聞こえなかったな。なんて、言ったんだろ?

「最後の方、なんて言ったの?」

「き、気にしないでください!」

「あらあら、お二人とも仲がよろしいことで」

「か、母様!」

「うふふ」

 

そんな感じで時間が過ぎていき、料理が完成間近になった時、巌谷さんがやって来た。

「栴納さん、唯依ちゃん、お邪魔するよ」

「巌谷さん、お久しぶりですね」

「おお、冬夜くんじゃないか。大きくなったね」

「そりゃ、だいぶ時間が経ってますからね。巌谷さんもお元気そうで何よりですよ」

「ハハハ!まだまだ、すべきことや守るべき者がたくさんあるからね。老いぼれるわけにはいかんよ」

 

豪快に笑うその顔は普段見せる軍人としての顔ではなく、優しさに満ちた顔だ。

「僕も早く一人前になってその役目を引き継ぎますよ」

「焦る必要はないよ。まだまだ、現役でいるつもりだからね」

 

巌谷さんはそう言ってくれけど少なくなくとも唯依ちゃんは守れるようにならないと。

「冬夜、料理が出来上がりましたから料理を運ぶのを手伝ってくれませんか?」

「おっけー。すぐ行くよ。では、巌谷さん。また、食卓で」

「わかった」

 

巌谷さんと別れて台所へと向かうといい匂いが漂ってくる。

「んー、美味しそうな匂い。今日も今日とて唯依ちゃんと栴納さんの料理は最高なのであった」

「ふふ、冬夜さんに褒めてもらえるのは嬉しいですね。さて、榮二さんをあまりお待たせするのも失礼ですから早く運んでしまいましょう」

「「はーい」」

 

 

 

 

「いやぁ、さすがは栴納さんに唯依ちゃんの料理。格別ですな」

「当然ですよ、巌谷さん。なんたって唯依ちゃんと栴納さんですから」

「ふふ、そんなに褒めてもなにも出ませんよ」

「いやいや、もう出してもらってますから。な、冬夜くん」

「はい」

 

談笑を交えながら食事は進んでいきあらかた食べ終わった頃、巌谷さんの携帯が鳴る。

「もしもし、私だ。何かあったのか?」

 

おそらく自衛隊からの電話なのだろう。電話に出た巌谷さんの顔が巌谷中佐のものへと変わる。

(何か、厄介ごとでもおきたのか? はぁ〜、せっかくの唯依ちゃんとの夏休みなのに勘弁してくれ……)

「……ああ、了解した。っと、すまん。仕事が入ってしまったようなので私はこれで。栴納さん、唯依ちゃん、料理美味しかったよ」

「榮二さん、ご苦労様です」

「巌谷のおじ様。お話は帰ってからですのでお忘れなく」

「は、はは……」

 

唯依ちゃんの据わった目に苦笑いしながら出て行く巌谷さんを追いかける。

「巌谷さん、何か手伝え──」

「いや、大丈夫だ。こちらのことはこちらで処理する。君はいつものように二人に付いていてくれ」

「わかりました」

 

まあ、巌谷さんがそう言うのなら大丈夫でしょ。無茶するような人ではないし。

「さてと、それじゃあ僕達もお開きにして片付けと行きますか」

「ええ、そうですね」

「冬夜さんには、洗い物をお願いしますね」

「了解です」

 

洗い物をしていると俺の端末にも誰からか連絡が入る。

(うん……?この端末にかかるってことは……)

「もしもし?」

「久しぶりね、冬夜。元気にしてる? あなたが元気にじゃないわけないわね。明日、そっちに行くからよろしくね!」

 

ぶちっ。

それだけ言って通信が切れる。てか、この暴風のような喋り方の女の子って……。

「冬夜、誰からからだったんですか?」

「昔の知り合いの暴風中華っ娘」

「……?」

 

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