巌谷さんと食事をした翌日、俺は唯依ちゃんと栴納さんと一緒に唯依ちゃんのお父さんであり栴納さんの夫である『篁 裕唯』さんの御墓参りへと来ていた。
「裕唯さん、お久しぶりです」
墓石を洗い終えた俺は、人生の中で最も感謝している人へ挨拶をする。
というのも裕唯さんは、親に捨てられ当時まだ子供だった俺を養子にして育ててくれた人だ。
「近頃来れてなかったから……えーと、何年ぶりでしょうか。まずは、拾っていただいた身でありながら黙って出て行ってしまったこと謝罪申し上げます」
この人のおかげで俺は人の優しさを知ることができたし唯依ちゃんとも出会えたのだから、感謝しても仕切れないよ。
「父様……」
「あなた……」
唯依ちゃんと栴納さんも墓石に向かって手を合わせている。
(いくら、お礼させて下さいと言ってもさせてくれませんでしたね。そして、そのまま逝ってしまうなてずるいですよ?)
だから、せめて────
「……唯依ちゃんは幸せにしてみせますよ、僕の全てを賭けて。なんで、天国で娘と娘婿の幸せでも祈っててくださいな」
言いたいことを言い終わり、最後にもう一度手を合わせる。
「唯依、冬夜さん。裕唯さんに挨拶は済みましたか」
「ええ、バッチリです」
「私もです、母様」
「では、私は用事がありますからお二人は行きしなに見つけた茶屋で一休みでもしてきてください。あそこは宇治金時がオススメですよ」
そう言うと栴納さんは家とは違う方向へと歩いていった。
「ってことだけど、どうする?」
「そうですね……すこし疲れましたし丁度いいと思います」
「なら、いざ宇治金時へ」
唯依ちゃんと一緒に件の茶屋へ向かって歩いて行くと、見覚えのある顔が二つ現れる。
「ちょっと、遅いじゃない!私を待たせるなんていい度胸してるじゃない、トウヤ!」
「中尉!貴様、シラサキ少佐に向かってなんて口を!」
中華連邦所属の『
二人とも物凄く優秀なIS操縦者であり、その容姿も合わさって軍ではかなり有名だ。
「まあまあ、ターシャもそう怒らないで。せっかくの再会だし楽しくいこう。それに亦菲が畏まってたらなんか変だって」
「しかし……」
「どうやら私の勝ちみたいね、大尉?」
「くぅっ……」
いやー、この感じ久しぶりだけどやっぱりこの二人は面白いや。昔はここにあと二人いたんだっけ。
「ところで、なんで二人は日本に?」
「この格好を見てわからない?」
そう言って亦菲がくるんっとその場で回る。
そういえば二人の格好は見慣れた軍服ではなく、亦菲がタンクトップに長ズボンという元気で勝気な亦菲らしい格好でターシャは白のワンピースというロリフェイスとの相性バツグンの格好だ。
「えーと、休暇?」
「はい。私も崔中尉も仕事が片付いてまとまった休暇を得られましたので折角の機会にシラサキ少佐にお会いしようかと」
「へぇー。二人から会いに来てくれるなんて嬉しいよ」
「い、いえ!私こそ少佐に会えて感激です!」
「ターシャ。俺はもう少佐じゃないから亦菲みたいにトウヤでいいよ」
「しかしっ!」
「トウヤお兄さんからのお願い。あっ。トウヤお兄ちゃんでも良いよ?」
「ひ、卑怯ですよ……」
「ほらトウヤって呼んでみて。もしくはトウヤお兄ちゃんで」
「と、トウヤ……お兄ちゃん……」
うーん、まだちょっと固いけど仕方ないか。ターシャは真面目な子だし。
「ちょっとぉ〜、私を放っておいてなにトウヤといちゃいちゃしてるんですか、大尉? 第一、トウヤに会いに行こうって言ったのは私なんですよ?」
「冬夜、ちょっと良いですか?」
唯依ちゃんに手を引っ張られる。
しまった、あまりの懐かしさに唯依ちゃんを放置してしまうとは!
「どうしたの?」
「あのお二人は一体何なんですか? 中尉とか大尉ってことは軍属の方なんですよね? それに白崎少佐って……」
「私たちはトウヤと同じ基地で働いてたことがあるのよ。それで、その時のトウヤの階級が少佐ってこと。私からも質問なんだけど。トウヤ、このトウヤに馴れなれしい牛乳女は誰よ」
「牛っ!?」
唯依ちゃんと牛を一緒にするなっ!
「俺がお世話になってる家の女の子で、篁 唯依っていうんだ」
「へぇ……そういうこと。ねぇ、牛乳女さん」
「し、失礼な方ですね!誰が牛乳女ですか、誰が!」
「どうせ、そのだらしないオッパイでトウヤを誘惑してるんでしょうけどトウヤは私のものよ」
「なっ!トウヤは誰のものでもありません!それに、誘惑なんてしません!自分が私より小さいからってひがまないで下さいっ!」
「な、なんですって〜!」
僕的には誘惑されまくりたいです!
なんて、俺の希望は置いといて二人は言い争いを始める。
二人の女の子が俺を賭けて言い争う光景は中々。なので、俺は膝の上に合法ロリであるターシャちゃんを置いて宇治金時を味わおうと思います。
「ということで、宇治金時二つね。さぁ、ターシャ。トウヤお兄ちゃんの膝の上においで」
「し、失礼します」
ちょこん。と膝の上に心地よい重みがかかる。そして、お腹に手を回し落ちないようにする。
「ひゃんっ!?」
なんか、いけないことしてる感があるけどターシャは合法ロリだから大丈夫!
「はい、宇治金時二つね」
「どうも。それじゃあ、食べよっか」
「あの二人は放置するんですか?」
「あの二人なら大丈夫だよ。唯依ちゃんも亦菲もすごくいい子だから」
「トウヤ……お兄ちゃんがそういうなら」
そうして、二人で俺のために争う二人を見守りながら、膝の上のターシャと宇治金時を味わった。