~暮羽side~
唐突に目が覚めた。知らない天井だった
ネタを言う余裕も無く、自分の携帯で性格な時間を確認する
あれから一日過ぎていた。が、まだ学校は始まったばかりの時間だった
自分の体を見てみると、治療された後があった。恐らく、蓮樹達がやってくれたのだろう
放っておいても勝手に治るし死にはしないのに……
だが、治療してくれた蓮樹達に感謝しつつ、ベッドから降りる
部屋から出ると、そこが蓮樹の家だと理解できた
今から行っても遅刻だろうし、今日は学校をサボろう
ズキズキ痛む体を引きずって、玄関に向かう
「あ、暮羽。起きたんだ」
「ん?あぁ、蓮樹か。すまんな」
「って、まだ寝てないと」
「いや、平気だ。死にはしない」
「でもねぇ……」
「って、お前、学校はどうした」
このままだと無理矢理にでもさっきの部屋に連行されると思い、唐突に話題を変える
「今日は休みの日だよ」
「そうだったな……」
すっかり忘れていた
俺はそのまま然り気無く蓮樹の家を去ろうとする
「駄目。どっちにしても今日の内は面会出来ないらしいから、今日は家で休んで」
「……あぁ」
何も出来ない、自分が歯痒かった
~少年休養中~
そして、次の日になった
どうやら、水姫達には蓮樹が連絡してくれたらしく、あいつらの事は気にせず休めた
そして、俺は目が覚めて、十時位になった頃にミッドの病院に来ていた
横には蓮樹がいる
「昨日の内にヴィータちゃんから聞いておいたから案内するね」
と、蓮樹が先に歩き、俺がその後ろを歩く
少し歩き、エレベーターを上ると、なのはの病室についた
ネームプレートも見たが、どうやら一人部屋らしい
蓮樹はドアをノックして中に入った。その後ろをついていく
「おはよう、なのはちゃん」
「……」
「あ、蓮樹くん、暮羽くん……来てくれたんだ」
良かった。生きていた
点滴を打たれているが、それだけ。なんとかなったみたいだ
「どう?調子は」
「……大丈夫だよ……足以外はね」
……足以外?
どういうことだ?
「なんかね……足、動かないかもしれないんだって……」
「何だと……?」
「それにね……リンカーコアにも少し傷がついたみたいで……もしかしたら魔法も……」
何て事だ……
良かった?何処がだよ
全く良くねぇだろうが。足が動かない?さらに魔法も使えないかもしれない?
最悪じゃねぇか
「……暮羽、席を外そう。ここに居ても、なのはちゃんに辛いだろうし……」
蓮樹に催促され、病室を出る
出る直前に振り返って見たなのはは声を殺して泣いていた
そして、俺達は病院の敷地内のベンチに二人で座っていた
「……くそっ……俺が油断しなければ……」
「それは僕の台詞だよ……」
買ってきた飲み物も飲む気が失せ、まだ開けていない
「あいつ、魔法を身に付けてから生き生きしてた……でも……今は……」
「…………」
「それに足まで動かないかもしれない……?あの年でか?冗談じゃねぇだろ……はやては治る見込みがあったが、なのはは……」
段々と飲み物が入っている缶を握る手に力が入ってくる
「……起こってしまったものは仕方ないよ……」
「お前っ……」
「じゃあどうすればいいのさ……魔法でも治らないんでしょ……」
……確かに、蓮樹の言う通りだ
だが、俺の情報操作なら出来るかもしれない……
プレシアの病も治したが……あれは紫が境界を操る程度の能力で半ば無理矢理能力を強化して治したからな……
腕は……回復の賜物としか言いようがないな。神様の超人スペックと能力が可能にしたって感じだし……
なにより、俺にあいつを治せる自信がない
くそっ……俺は無力だ……
だけど……俺は……もう時間が……
もう、ここら辺が……潮時だ……
「……僕、帰るね」
蓮樹がその場を去った
そこには、俺一人だけが残った
そこで、ポツリと。俺は呟いた
「…………帰ろう。俺の世界に」
現実逃避するように、俺は決心した
~蓮樹side~
なのはちゃんの容体は、恐らく原作よりも酷い
原作だと、足が動かないかもしれないという状態だけだった。そして、なのはちゃんはリハビリで元通りになった
けど、今回はそうもいかない
リンカーコアが傷付いた
それは、魔法が使えなくなることを意味する
アクセルシューターとかの簡単な魔法ならデバイスを使って使えるだろうけど、ディバインバスターやスターライトブレイカーは多分、生涯、撃つことは出来ないだろう
最悪の展開だ
これを打破する方法を……僕は持ち合わせていない
一体どうしたらいいんだ……くそっ!
~才賀side~
止められなかった……か
だが、俺はこれを何とかするための宝具を一つ、持っている
俺の回復速度がやけに早いのもこれのお陰にしておきたい
「頼んだぜ……」
手に持ったのはエクスカリバーの鞘。宝具名、
これの効果なら、絶対に治せる
原作でも、致命傷とも言える傷を治すほどの宝具だ
これなら、確実に行けるぜ
~暮羽side~
何時間だろうか……そのベンチでボーッとしていた
そして、毎日のように感じている妖力が近づいてきた
「暮羽」
「……水姫か」
水姫は何も言わずに俺の横に座った
「なのはは?」
「……足とリンカーコアがやられた……」
「……そっか……」
なのはの容体を聞いて水姫も黙り込んだ
やっぱり水姫もそこまでとは思ってなかったんだろう
暫くして、俺から声をかけた
「……明後日だ」
「……へ?」
「明後日に……帰るぞ」
「……じ、冗談でしょ?」
「本気だ……」
「なのはが入院してるんだよ!?」
「ここが限界なんだよ!もう……これ以上ここに居たら……俺は帰れない……」
「っ…………分かった。身支度……してくる」
水姫は静かに立つと、その場を去っていった
すまんな……でも、限界なんだよ……
あいつらと、近付きすぎた。帰ったら、二度とあいつらとは会えない
だから、ここら辺が妥協点なんだ
ここで帰らないと……あいつらが寿命で逝くまで、俺は帰れない
もうちょっと、心を妖怪や神に近付けておけばよかった
そうしたら、殺しはしていただろうけど、確実にあいつらともっと一緒に居られた
そして、何も言わずに帰れた
……はぁ…………
「……もう、無理だ」
帰ろう……そう、帰ろう……
その日は、もうなのはに顔を合わせず、マテリアル達にも顔を合わせず、部屋に篭った
~才賀side~
高町の病室にノックして入る
「よう、高町」
「才賀くん……へへ、やっちゃった……」
……完全に無理してるな
さっきまで泣いてたのか、目が真っ赤だ
「……こりゃ、お邪魔虫だな。ってな訳で、これ。受け取っておけ」
俺は高町に全て遠き理想郷を手渡す
「これ……剣の鞘?」
「抱き枕だ」
これで押し通す
「でも、これ……」
「抱き枕だ」
「いやいや、これ、固いし……」
「抱き枕DA☆!!」
「ハイダキマクラデス」
一日でも抱いて寝てくれればリンカーコアの傷も少しは治ると思う
ってな訳で、
「これでも被せてみたらどうだ?」
と、ウサギ型抱き枕カバーを高町に渡す
クリスに似た物をチョイスしてきました
「へ?あ、うん……」
「じゃあの!」
そのまま窓からフライハイしてその日は帰った
って、わざわざ抱き枕って説得させなくても良かったんじゃないか?
だって、持ち主の傷を癒すのが効果なんだし、持ち主が俺から高町に移ったんだし……
うん、気にしないでおこう
まぁ、アーサー・ペンドラゴンの魔力が無いんだから、効果はかなり薄いだろうけど、無いよりはマシだろう
せめてリンカーコアさえどうにかしてくれれば、高町は自力で何とかしてくれるさ
それに、暮羽という支えもあるしな
~翔一side~
何が守りながらの戦いは得意……だよ……
完全に不意を突かれてたじゃねぇか……
蓮樹から聞いたが、足も魔法も使い物にならないかもしれない……
くそっ……何が仮面ライダーだよ……友人一人守れねぇじゃねぇか……
こんな俺に……仮面ライダーを名乗る資格なんてない……
……士さんやユウスケさん……いや、他の仮面ライダーならどうしてるだろう……
くそっ……
「ちくしょう……」
~蓮樹side~
「ユーノ、片っ端から治療魔法に関する本、持ってきて」
「……なのはの事?」
「分かってるなら聞かないで。僕も探すから」
「……荒れてるね」
「荒れなきゃやってらんないよ……真後ろでだよ……?やられたの……」
「……分かったよ。じゃあ、探そうか……」
僕の知識に無かったとしてと、この無限書庫になら、僕の知識に求めるものが有るかもしれない
神頼みだろうが何だってしてやるよ……
だから、絶対に何とかする
僕がダメでも、暮羽がきっと、何とかしてくれる
次回、最終話
暮羽は治せないって言ってますが、それは自信が無いからそう思い込んでるだけだったりします
一度、粉砕骨折(すずかの一撃で実は粉砕されてました)を瞬間的に治してますし