~暮羽side~
「つ、疲れた……」
「にゃはは……お疲れ」
何であんなに質問が絶えないかねぇ……
今は給食の時間だが、三時間目の休み時間まで質問攻めだった……
「お陰でボク達は天我のいい餌食だったよ……」
「僕は寝てたからよく分かんないけど……」
「しっかし、天我もしつこいわね」
「確かに、あれはしつこいな」
「わたしたち、結婚した覚え、無いんだけど……」
「ナルシストだよね?」
全くだ
ってか、あんだけボコスカ殴られてよく嫌われてないと言えるものだ
何だ?自分の容姿に絶対の自信があるのか?
「そういえば、暮羽くんと水姫ちゃんのお弁当って誰が作ってるの?物凄く美味しそうだけど」
「俺だが?」
『やっぱり……』
水姫も料理出来るが、朝は起きるのが俺の方が早いから、弁当と朝食は俺が作っている
楽しいものだぜ?料理って
「そういえば、蓮樹くんのお弁当は誰が作ってるの?」
「えっと……お姉ちゃんが……ね?」
あ、これは……
(デバイスのゼクスさんだな?)
『(うっ……正解…………)』
(男なら料理くらい自分でやれ!!)
『(はい……善処します……)』
だろうと思ったよ
「まぁ、雑談してて食べる時間無くなっても嫌だし、食べようぜ?」
「そうよね。じゃあ、」
『いただきま~……』
「お、ここに居たのか。俺の嫁達」
……何でこんな時に来るかねぇ…………
「って、モブ野郎共!!なのは達から離れやがれ!!嫌がってんだろうが!!」
…………神様である俺がこんなこといっていいのか分からんが……
「黙れ。クズ」
「んなっ!?何だと!?このモブが!!」
聞いてた以上にウザい
「モブだか何だか知らんが、家の水姫に話はよ~~く聞いてるぜ?」
「あぁん!?家の……だと!?」
「生憎、俺はあいつの兄なんでね。よく聞いてるよ。天我蒼志?」
「何だか知らんが、てめぇの家族ごっこに水姫を巻き込んでんじゃねぇぞ!!モブが!!」
…………家族……ごっこ……だあ?
「天我!!お前は……」
「待て。水姫」
わりぃが、ちょいと頭にきたぜ?
「あぁん?何睨んでんだ?モブが」
「黙れ、クズ。俺はお前の事をよく聞いてるぜ?」
「ふん、お前よりも俺が兄の方がよかったってか?」
「お前のせいで学校が嫌だって、小声でいってんのを何度も何度も聞いてんだよ!」
「戯れ言はいてんじゃねぇぞ!!モブが!!」
それでキレたのか、俺を殴ろうと、胸ぐらを寄せる
そして、拳が迫ってくる
「く、暮羽!!」
「くだばれ!!モブ!!」
ふん、その程度なら……
「ッラァ!!!」
俺はタイミングを会わせて、拳に頭突きをする
それが決まると、ドゴッ!!と鈍い音が響く
ケッ、しけた拳だ
全く痛くないな
「いっ……!」
「ふん、その程度か」
まだ水姫の拳の方が万倍痛い
「暮羽!!」
「だ、大丈夫?凄い音がしたけど」
「保健室行く?」
「大丈夫だ。これくらいなら一日中受けてても余裕だね」
「で、でもおでこに……」
「気にすんなって」
「……っこのモブ野郎!!」
ったく、まだ懲りてねぇか
「何だ?今の俺は荒っぽいぞ?」
神力を解放し、威圧をかけ、一言一言に重みをかけて話す
それによって、なのは、アリサ、すずか、蓮樹が驚いている
「放課後、体育館裏に来い!!決闘だ!!!」
「ふん、構わん。用はそれだけか?だったら去れ」
「……チッ、待ってろよ!俺の嫁達!!絶対に解放してやる!!」
それだけ言って階段を降りていく
「ふん、所詮はガキか」
ったく、折角の飯が不味くなる
……ん?
「どうした?なのは、アリサ、すずか、蓮樹。そんなに頭を下げて」
『いや、何か頭を下げないといけないような気がして』
あっちゃあ……威圧をばら蒔いてた?
そりゃあ、最初に見たらこうなっちまうか
「頭上げろって。さ、飯食うぞ」
『あ、はい』
「あと敬語もやめろって……さっきのは気にすんなって」
「あはは……」
プッツンしたら神力解放するの、どうにかした方がいいよな……
町中でやったらどうなるか……
考えたくないぜ!!
~キンクリして放課後~
ふぅ……そんなに疲れはしなかったな
英語意外はスラスラだったしな
国語?楽勝っすよ
で、天我は……もういねぇ
「ねぇ……暮羽くん……」
「ん?何だ?なのは」
「ほんとに行くの?……怪我、しちゃうかもしれないよ?」
「気にするなって。自分で撒いた種だからさ」
会話をしながら、鞄を片付け、下校の準備をする
よし、行くか
「あ、待って……」
なのはが後ろからついてくる
そんなに心配かよ……
「じゃあ、こいつを持っててくれ」
「え?」
俺はいつも首に下げているネックレスを渡す
そう、神奈子達に貰ったあれだ
「それをお前が持っている限り、俺は負けないし、何処かに行かない。だから、大事に持ってろ。俺がそれを返せって言うまでな」
「……うん!」
よし、じゃあ、玄関を出て、そこら辺の草むらに行って……
「えっと……確か……」
と、言いながら木刀を置いて、不可視フィールドを解除する
「あった」
「それ……木刀?」
「俺の二番目にお気に入りの武器だ。よし、体育館裏に案内してくれ」
「うん」
ちなみに、一番は羽桜刀だ
たって、何百年もかけて魂を込めて打った刀だからな
それなりに愛着もわくさ
……えっと、ここは学校の裏……ん?あそこの銀髪は……
いたいた
「暮羽くん」
「何だ?」
「負けないで……絶対」
「……分かった。この桜庭暮羽、必ずしや、この戦い、勝って見せよう」
「うん!」
よし……今までの水姫への迷惑行為……ここで一気に清算してくれる!!
~なのはside~
「なのは!!」
「あ、皆」
「もう始まった?」
「ううん……まだ…………」
暮羽くんは強いし、負けないと思うけど……
なんだろ……嫌な予感がするの……
「大丈夫かな……?」
「大丈夫。暮羽は仲間の事がかかれば、暮羽に勝てる相手なんて、この世にいないから」
でも……このもやもやとした気持ちが……
「あ、始まるよ」
「……負けないで…………」
わたしは、静かに呟いた
~暮羽side~
「おい、クズ野郎。来てやったぞ」
「ふん、モブが。いい気になるな」
俺は自分の強さに慢心してる奴には負けない
それに、こんなやつ、一捻りだ
「ご託はいい。始めるぞ」
「その前に、賭け事をしよう」
「手短にしろ」
「俺が勝ったら、てめぇはなのは達に一切合切近付くな。そして、水姫とは兄妹の縁を切れ」
こいつ……
「だったら、俺が勝ったら、お前もなのは達に近付くな」
「ふん、もっとも、俺が負けるわけ無いけどな」
ふん、戯れ言を
どうせ、後で泣きわめくだろうに
「得物は何だ」
「木刀だ」
同じか
だが、こんなクズに俺は負けん
「お前から来い、クズ」
「ふん、後で言い訳にするなよ!!!」
一気に地面を蹴り、距離を詰めてくる
中々の脚力だ
だが、
「遅い」
それだけ言って、奴の上段振りを髪の毛にかすらせながら避ける
パワーも中々……いや、肉体強化をしてるな
魔力がダダ漏れだ
だが、そのせいか、並みの人間には避けるのは不可能な連撃をしてくる
「どうした!!?言ってた割りには避けてばかりじゃねぇか!!」
俺はその全てをグレイズさせている
たまに何本かの髪の毛が宙を舞う
それに構わず、奴は滅茶苦茶に剣を振ってくる
そろそろ反撃するか
横凪ぎ、突き、上段……今……!
「ふん!」
「ぐえっ!?」
剣を振り上げたと同時に蹴りを腹にいれる
「がはっ!?」
「どうした?まだ始まったばかりだぞ?」
それに、肉体強化のせいか、随分と固い
これは少し時間がかかるか?
「こ……の……モブ野郎が!!」
今度は感情任せに突っ込んでくる
「ラァ!!」
上段振り……グレイ……
「しまった!?」
すっぽ抜けてる!?
だが、これは勝……!?
真っ直ぐなのはに向かってやがる!?
普通に走ってたんじゃ間に合わない!!
「瞬動!!」
~なのはside~
「なのは!避けて!!」
こっちに木刀が飛んでくる……
あ……足が……動かないの…………
「なのは!!」
だ、駄目!!当たる!!!
「瞬動!!」
だけど、予想していた衝撃は来なかった……え?
「くれは……くん?」
「ッ……大丈夫か?なのは?」
え?何で?
さっきまで、あんなに離れ……
「オラァ!!」
え?
「ガッ!?」
急に、暮羽くんがぶれたと思ったら、何処から取り出してきたのか分かんないトゲに血を付着させたメリケンサック……を…………
「あ……え?」
それに……わたしの顔に、少しだけ暖かいナニかが……
「天我!!!貴様は!!!!」
「ふん、背中を見せる方が悪い」
え?
何で、暮羽くんは倒れてるの?
何で、天我くんは足を暮羽くんの頭の上に……
「あ……」
その暮羽くんの頭からは、物凄い量の血が……
「あ……あぁ……」
「く、暮羽!!」
~蓮樹side~
「く、暮羽!!」
天我め……
魔力強化の腕力に魔力で強化したメリケンサックだと!!?
そんなもの、なんの強化もしてない暮羽は致命傷だぞ!!!
「貴様は……何処までクズなんだ!!!」
「黙れ、モブ。背中を見せる方が悪い」
この……
こうなったら僕が……!!!
「この…………程度で………………」
……え?
「勝った気に……なってんじゃあ…………」
う、嘘だろ!?
「ねぇぞ!!!」
ドゴッ!!という音と共に暮羽の頭の上にあった天我の足が退けられる
「んなっ!!?」
「オラァァァァ!!!!」
~暮羽side~
片足が宙に浮いてる間に、もう片方の足を掴み、立つと同時に投げ飛ばす
ぐっ……左肩がちょっと痛むか…………
それに、血で片目が見えん
「く、暮羽……くん?」
「言ったろ?それをなのはが持っている限り、負けないって」
「うん……うん!!」
だが、正直、しんどい
目も軽く回ってるし、意識も朦朧だ……
出血も半端じゃない……
これだと、数十分で出血多量だ……
しかも、頭蓋骨に軽くヒビまで入ってやがる……
重症ってレベルじゃねぇぞ……
「この……モブが!!」
仕方が無い……一撃で決める
「夢想天生……」
霊力を体に流し込み、一気に体を強化する
「くたばれぇぇぇぇぇ!!!!!」
いい感じに突っ込んでくるな……
気絶する前に一撃で仕留める!!
「死ねぇぇぇぇぇ!!!」
行くぞ!!
「ふん!!」
「なっ!?」
トゲが刺さろうが、お構い無く、左手で攻撃を防ぐ
こいつで終いだ!!
「粉、砕……」
「この……離…………」
「拳!!!!!」
「ガッ…………」
ゴシャッ!!!!と、尋常では無い拳の音と共に、天我が吹き飛ぶ
「はぁ……はぁ…………」
もう起き上がってはこれないだろう……
鬼すら気絶させる威力だ……
あ、やべ…………
「血が…………」
目、目の前…………が………………
あ、なのは…………泣くなって……それに、頬に……血…………付いてる…………ぞ
暮羽も、現人神とはいえ、肉体は能力で強化しなければ、少し頑丈な普通の人間です
魔力強化された腕力とメリケンサックを頭に受ければ流石に出血多量でヤバイです
あと、天我はここで一時退場です