~暮羽side~
フェイトが帰ってから数ヵ月
俺と水姫はこの世界に来てから初めての冬を迎えようとしている
まぁ、妖精にはちとキツい季節らしいのだが
「最近、寒くなってきたよね」
「そうだな。水姫は大丈夫か?」
「なんとか」
帰ったらこたつに潜り込むんだろうなと考えながら帰り道を歩く
教室内は暖房がついているから暖かいのだが、急に寒い場所に放り出されると、いつもよりもかなり寒く感じる
ちなみに、天我はめっきり絡んでこなくなってきた
滅茶苦茶睨んできたが、神力開放して神様モードで睨み付けたらすぐに目を逸らした
根性無しめ
まぁ、そのお陰で水姫も毎日学校が楽しそうだ
「……ん?暮羽、あそこに鴉が…………」
……ゴミ捨て場でも無いのに鴉の大群が一ヶ所で飛び回っている
…………特に死臭はしないが、何がいるんだ?
「取り合えず、行ってみるか」
「そうだね」
鴉の大群の前まで行く
だが、鴉が余りにも多く、何を囲んでいるのか見えない
「ほら!退いて退いて!!」
水姫が鴉を払おうとしても、鴉は全く退かない
仕方がない
神力開放、神様モードっと
「退けッ!!!」
その一言で鴉は散った
「一体何が…………」
そこに居たのは、数ヵ月前、家に訪ねてきた……
「リニス!?」
「うぅ…………くれ、は……ですか…………」
リニスは、何処か苦しそうで、身体も少し透けている
「どうしたんだ?」
「……プレシアに…………契約を……破棄されたんです…………」
「どうやったら助かる?」
「誰かが…………使い魔契約を…………してくれれば………………」
なら……
「水姫。出来るか?」
「…………魔力の質が違うから、無理……って言いたいけど、何とかなるかも。ちょっと術式を組んでみるよ」
水姫が目を閉じ、集中する
「式神としての契約じゃ駄目なのか?」
「式神が……なんなのか…………分かりませんが、魔力でないと………………」
駄目か…………
「…………それっぽい術式を構成できたけど、どんな感じに変換したらいいのか…………リニス、ちょっとごめん」
水姫がリニスに手をあてる
「……大方分かったよ。これで…………よし、構築成功。後は、契約っと…………」
水姫の足元に魔方陣が出来ると共に、徐々にリニスも元に戻っていく
「…………成功」
「うそ…………」
何とか成功したか
「……だけど、即席で組んだ魔方陣だから、かなり燃費悪いよ…………供給する量の五倍位持ってかれてる……」
「じ、じゃあ破棄してくれても……私、使い魔の中でも、かなり燃費悪い方ですから……」
「気にしないで。この位なら平気だから」
「……分かりました」
……あれ?何でリニスはこんな所で消えようとしたんだ?
「何となく転移したら、ここだったんです」
「読心は止めてください」
「嫌です。あと、私に対してはタメ口で構いませんよ」
嫌ですって…………
「で、何処に行くの?」
「特に無いので、そこら辺で野生化でもしてますよ」
「駄目駄目!」
野生化て…………
「じゃあ、家に住んでよ」
「で、でも迷惑じゃ…………」
「別にいいよね?暮羽」
俺は、胸の前で手をクロスさせ
「え?」
るような動きをして、頭の上で丸を作る
「紛らわしい!!!」
「まそっぷ!!」
水姫に腹を蹴られた
痛い
「って事」
「えっと……」
「主が良いって言ってるんだから、良いんだよ」
くっそ……水姫のやつ、魔力で肉体強化してやがったな…………
しかも溝に入ったからかなり痛かったぞ!!!
「ほら、いつまでのたうち回ってるの?行くよ?」
俺を蹴りながら言ってくる
悪魔か?こいつ
「ほれほれ(何か楽しい……)」
「ひっ!?(な、何か変な感情が!?)」
……後でお仕置きしてやる…………
~少年等帰宅中~
「……と、まぁこんなところだ」
あのあと、帰宅して、こたつに入って俺達の素性を話した
「えっと……にわかに信じられませんが、暮羽が現人神、水姫が妖精で、一万年以上生きていて、別世界から来て、魔力を使わず戦ってたりしたと」
「纏めるとな」
まぁ、信じてもらえなくても、そんな感じだと覚えてもらえれば問題はないな
「あと、二人にはレアスキルがあると……特に、暮羽の次元を司る程度の能力……でしたっけ?それはあまり使わない方がいいですね」
「何でだ?」
「こちらでは、次元震と言うものがあり、それが起こると、ちょっとした問題が……それに、そのレアスキルがバレると、管理局に目を付けられたり、下手すれば歩くロストロギア……えっと、こちらでいう余りにも危険な力を持った取り扱い注意の遺産……に認定されかねませんから」
…………
「つまり、面倒な事になりたくないのであれば、次元を弄るなと」
「はい。直訳すれば、そうなります」
何?そんなに俺の能力って目をつけられやすいの?
「えっと、管理局って何?」
あ、そういえば、さっきもチラッと出てきたな
「管理局とは、この世界にある数多の次元世界の治安維持を行う組織……いわゆる警察です」
ん?次元世界……
少し調べて…………
「パカッと」
開いて、覗いてっと…………
「な、何か色んな世界があるのな」
「ちょっ、何やってるんですか!!バレたら大変ですよ!!?」
「いや、気になってな」
いやぁ、結構たくさん世界があるんだな
驚いたぜ
「まぁ、これからは自重するよ」
「はい、心臓に悪いです……」
……じゃあ、零次元斬とか使ったらどうなるんだ?
「零次元斬!!」
素振りついでに使ってみる
「ちょっ、何次元震を起こしてるんですか!!!?」
「あ、わり」
すぐに止めて痕跡をすべて断つ
「目に見える次元震なんて初めて見ましたよ……」
「俺が起こしたのはもっとタチが悪いやつだけどな」
そりゃあ、零次元に吹っ飛ばして存在ごと全て消滅させる攻撃だもん
使ったことは殆ど無いけど
まぁ、二度と見たくない黒歴史を葬り去る事に特化した技だと考えてくれ
「さて、リニスの事は後から聞くとして、今はリニスの服を買いに行かないとな」
「え?」
「じゃあ、ボクが連れていくから、暮羽は家事をお願い!」
「はいよ」
「さ、流石にそこまでは……」
「いいから!行くよ!!」
「あ~~」
……水姫とリニスは行ったな
よし、蓮樹に通信するか
(蓮樹、報告がある)
『……何~?』
お、繋がった
(リニスって原作キャラ?)
『そだよ~。そういえば、そろそろ消えちゃう頃かな?』
(って事は……死ぬの?)
『うん。そろそろね』
(…………帰り道で助けちまったZE☆)
『マジでいってる?』
(マジで)
『……どうやって助けたのさ。暮羽じゃ無理でしょ?』
(水姫が数分でやってくれました)
『……まぁ、僕にはどうでもいいんだけどね。じゃ、こんど会わせてよ』
(いいぞ。じゃ、また明日)
『またね~』
よし、リニスの部屋を用意して、飯を作るか
これから賑やかになるな
後数話の後、無印編へと移行しようと思います
ちなみに、作者は超☆ハッピーエンド主義です