~暮羽side~
「はい?」
「だから……翠屋の仕事、手伝ってくれない?」
とある日、翠屋にシュークリームを買いに行ったら、いきなり桃子さんに『一日だけ翠屋で働いてくれ』と言われたのだ
「……何故ですか?」
「ちょっとパートの子がね、休んじゃって……人手不足なのよ」
成る程ねぇ
「なのはや恭也さんは?」
「手伝ってくれてるけど……駄目?」
…………はぁ、仕方がない
「分かりました。代わりに……」
「ん?」
「シュークリーム、奢ってください」
「それくらいならお安いご用よ。じゃ、こっちに来て。何をするかパパっと話すわ」
そう言われて、店の奥に連れていかれる
その間に、通信符で水姫に帰るのが遅れるから、リニスと飯を食べていてくれと連絡だけをしておく
で、その後、何をするか聞いたんだが…………
「ち、厨房で料理!!?」
「駄目?レシピはここにあるけど……」
おいおい…………
幾ら何でも小学一年生に……
「蕎麦を一から作れるって聞いたんだけど……無理かしら?」
なのはァァァァァァ!!!!
何喋ってんだァァァァァァ!!!
いや、隠すことでもないが……
「流石に美由希の料理を出すのは……ね?」
成る程。理解
「分かりましたよ。その代わり、」
「シュークリーム2ダースで」
「何なりとお申し付けを」
え?折れるの早すぎ?
いや、あのシュークリームが2ダースだぜ?
誰が断れるものか
「じゃ、よろしくね」
「イエス、ユアハイネス」
よし、張り切るぜ!!!
~水姫side~
「暮羽、帰るの遅れるってさ」
「じゃあ、ご飯は二人分でいいですね」
暮羽、一体何する気だろう
面倒ごととかじゃないよね?
「よし、じゃあ、パパっと作っちゃいますね」
「よろしく~」
最近買ったてれびってやつを付けて暇潰ししておこっと
……あれ?どうやって電源を付けるんだっけ?
~暮羽side~
「JAOOOOOOOOOO☆!!!!!」
「はい、注文表。……暮羽くん、張り切ってるね」
「そりゃあな。なのは、これ、7番テーブルに」
「は~い」
いやぁ、やってみると楽しいものですなぁ!!!
「すっごい早い……」
「俺達、必要か?」
「さぁ……?」
ハッハッハ!!!
俺は神をも越えた!!!!
あ、俺が神か
「……正規に雇おうかしら」
「か、母さん……彼、小学一年生……」
「じゃあ、翠屋の跡継ぎ?」
「それはなのはでしょ……」
「私は?」
『…………』
「何で目を逸らすのかな?」
何か変な会話が繰り広げられてるが、気にしない
「JAOOOOOOOOOO☆!!!!!」
「……ジャオーって何?」
「掛け声じゃないか?」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、気にしたら負けなの」
俺の菓子作りは世界二位ィィィィィィ!!!!!
あ、一位は勿論翠屋さ☆
「はい、注文表なの」
「よっしゃあ!!燃えてきたぁ!!!!」
「凄い気合いなの……」
料理って楽しいィィィィィィ!!!!
~水姫side~
「……何か暮羽が暴走してるような…………」
「奇遇ですね。私もです」
リニスが暮羽の目の前では絶対にならない動物形態でボクの膝の上でゴロゴロしてる
「そういえば、何でリニスは暮羽の前だと耳と尻尾を隠してるの?」
「……恥ずかしいから…………ですかね?」
何かリニスって変わってるなぁ
とか思いながら適当に通信符を弄る
「……暮羽、何時帰ってくるんだろ?」
「さぁ……まぁ、その内帰って来ますって」
『JAOOOOO☆!!!!!』
……何か適当に通信符を弄ってたら暮羽と繋がった…………
「……何ですか?今の」
「暮羽だね」
『JAOO……ゲホッガハッ』
あ、むせた
そりゃあ、ジャオーって叫んでればいつかむせるさ
「……何してるんですかね」
「ナニとか?」
「それは無いでしょう。ついでに言うと、少し引きます」
「めんご」
リニスとは精神リンクしてるから、結構引いてるって分かる
そんなに引かなくてもいいのに……
ここら辺で通信は切っておこう
「さて、私は掃除でもしてますね」
「頑張って~」
リニスがとてとてとボクの膝から降りると、光に包まれ、その光が収まると、人間態のリニスがいた
「何か面白いてれびやってるかな?」
……やっぱり使い方がイマイチ分からないなぁ…………
あ、消えちゃった……
~暮羽side~
「暮羽君、お疲れ。もう上がっていいわよ」
「あ、はい。分かりました」
ふぅ、結構疲れた
いや、半分くらい叫びすぎっていうのがあるけど
「暮羽くん、ジャオーって何?」
「……掛け声?」
「その掛け声はどうかと思うの。お店に来た人も何事?って感じで厨房を見てたの」
あちゃ、失敗か
「でも、凄い早さだったわね」
「しかも、一つ一つがちゃんと丁寧だったしな」
「一から蕎麦を作る人間をなめないでくださいよ?」
「でも、掛け声はどうにかしてほしかったの」
なのは、しつこい
「はい、シュークリーム2ダースよ」
「あ、ありがとうございます」
ヒャッハー!!今日はシュークリームパーチーだァァ!!!
「で、暮羽君、一つ相談なんだけど」
「はい?」
「家で働いてみない?」
『母さん!!』
「冗談よ。でも、たまに働いてみない?」
たまにか……
「高くつきますよ?」
「最低でもシュークリーム1ダースよ?」
「どんな時でも、駆け付けて見せましょうぞ」
『かるっ!!!?』
「……物凄く扱いやすいの…………」
え?軽すぎ?
いや、この条件なら、一日中労働でも釣り合うと思うね。俺は
「じゃあ、今日はこれで」
「今日は助かったわ」
「また学校でね~」
店から出た瞬間、俺は……
「CLOCK UP」
瞬動を使った高速移動で帰宅した
~なのはside~
「CLOCK UP」
そんな事を暮羽くんが言ったと思ったらいつの間にか暮羽くんが消えていたの
もう何をされても驚かないの
「消えた!?」
「いや、瞬動だな……」
「才能の無駄遣いなの……」
「だけど、ほんと、簡単に釣れたわね。暮羽君」
お母さん、ちょっと黒いの
「……明らかに労働量と給料が釣り合ってなかったけど、いいのかな?」
「まぁ、本人がいいって言ってるからいいんじゃない?」
「これで暮羽くんの弱点を握れたの」
「なのは、あんたも十分染まってきてるよ」
何かあったらシュークリームで釣れるの
~暮羽side~
「ただいま~」
ドアを潜った瞬間、瞬動を止める
いやぁ、はやいはやい
途中、電柱に五回くらいぶつかったぜ
勿論、シュークリームは無事だ
「あ、おかえり~」
おっと、こいつは四次元に隠しておこう
「なにしてたの?」
「翠屋で手伝いをな」
「そうだったんだ」
よし、自分の部屋でシュークリームを思う存分、食うか
え?シュークリーム中毒者?
最高の誉め言葉だ
くれは は シュークリームちゅうどくしゃ から シュークリームいじょうしゃ に レベルアップ した
そんなこんなで、また次回