~暮羽side~
『ジュエルシードの反応があったよ!!』
犬型と戦ってから翌日の夜
ユーノからの知らせがあった
まぁ、俺は事前にサーチして位置だけは炙り出してあったんだが
『水姫は寝てるから俺だけでいく。場所は?』
『場所は……』
ユーノの念話を聞きながら、寝間着から私服へと着替える
『……だよ!』
『分かった。すぐに行く』
よし、行くか
「リニス、ちょいと野暮用で出掛けてくる!」
「……何があったかは聞きませんが、怪我をしないようにしてくださいね」
リニスの言葉を背に、玄関へと走り、靴を履く
そのまま扉を勢いよく開け、助走をつけ、飛び立つ
まだこの季節の夜は冷える
よし、とっとと行くか
~少年移動中~
俺が着いた頃には、ジュエルシードは絶賛暴走中
しかも、建物の屋上で
まぁ、救いはかなり屋上のスペースが広いって事だ
ちなみに、今回は鼠型だ
「……鼠の願いをどう叶えたらそうなるんだよ…………」
まぁ、歪に叶えてるんだから、こうなるのか
差し詰、強くなりたいとか大きくなりたいっていう願いだろうけど
「……着いた…………」
「な、なのは……無理しなくても……」
「ううん……大丈夫……眠いだけ…………」
あ、なのは達が来た
って、かなり眠そうだな……
「よっ、なのは、ユーノ」
「あ、暮羽くん……」
「暮羽……なのは、かなり眠そうなんだけど……」
確かに
だって、目が半分閉じてるし
「……仕方がない。今回は俺がやろう」
「え?でも、デバイスとか……」
「わたしがやるよ~……」
「少しは休め。今回だけ、俺がやるだけだ」
だってなのはの目が四分の一しか開いてないんだぜ?
下手すれば寝ぼけて転んで気がついたら殺られてるとか洒落にならんからな
「そこで見てろ」
「……じゃあ、レイジングハート使う?」
「いや、素手でいいさ」
何か、鼠が空気読んでるのか、威嚇してるのか、こっちを睨んで唸ってるし
あと、尻尾は二本に増え、先は刃物のように尖っている
爪も牙も同様だ
色は真っ黒
「……いくぞ!!」
瞬道で横に回り込む
「はっ!!」
そこから左足を軸に、回し蹴りを叩き込む
だが、そこまでダメージが入ってるようには思えない
『シャァァ!!!』
俺が体制を整える前に尻尾を突き刺そうとしてくる
「危ない!!!」
俺はその尻尾の先を顔にかすらせながら回避し、尻尾を掴む
そのまま、上回る程度の能力であっちの世界の盟友(鬼)のステータスを上回る
そして、一気に踏み込み、
「ラァァァァ!!!!」
鼠を一気に振り回し、持ち上げたあと、そのまま仰向けになるように地面に叩き付ける
ドゴォ!!!と、地面が音をたてて揺れる
「うわっ!?」
「まだだ!!!」
体制を立て直す前に腹の上に乗り、
「マスター……スパーク!!!」
マスタースパークを叩き込む
勿論、建物に被害が出ないように設定してある
そして、そのまま後ろへとバックステップをする
よし、マスタースパークが入ったんだ
これならいけるだろう
「朝組んだばかりの封印術、試させてもらう!!!」
ポケットから数枚のお札を取りだし、鼠を中心に、八角形となるように投げて設置する
「霊符「八卦封印」!!」
俺の掛け声と共に、陰陽陣が現れ、お札が青色にひかり、その光は一気に眩しさを増し、周りが光に包まれる
「うわっ!!?」
そして、光が収まった頃には、一匹の鼠とジュエルシードがあるだけだった
「……成功っと」
「す、凄い……あっという間に…………あ、その傷、治すよ」
「すまない。頼む」
ユーノの足元に魔法陣が現れ、俺の体が緑色の魔力に包まれる
「……終わりだよ」
「サンキュ」
傷口を探してみたが、何処にもない
かなり高度な治癒魔法だな
「……で、なのははご就寝と…………」
「な、なのは!起きて!!」
「すぅ……」
結構デカイ音が出たのに、よく寝れたな……
……はぁ
「ちょっとレイジングハートを借りるぞ」
なのはの手からレイジングハートを借りる
「レイジングハート、ちょっと杖になってくれるか?」
『All right 』
レイジングハートが杖に変わる
よく俺の言うことを聞いてくれたな……
「……これでよかったか?」
レイジングハートの宝石の部分でジュエルシードに触れる
そうすると、ジュエルシードはレイジングハートへと吸い込まれた
よし、完了っと
「サンキュ、レイジングハート」
『お礼には及びません』
レイジングハートが元に戻ったことを確認し、なのはの手に戻す
「さて、眠り姫様を送るとしますか」
その前に、屋上を元に戻してっと
「よいしょっと」
なのはをお姫様だっこする
軽いな
「よっと」
ユーノも肩によじ登る
よし、飛行っと
「ねぇ、暮羽」
「ん?」
「さっきの砲撃みたいなやつって……」
「マスタースパークの事か。まぁ、霊力をそのままぶっぱなしただけの変鉄も何にもない技さ」
「でも、かなり強力だったよね」
「訓練の賜物さ」
まぁ、俺がよく使う技の一つだしな
転生初期からお世話になっている技だ
「あれが全力?」
「まさか」
「あ、あれで全力じゃないのか……」
全力?
そんなもの、今まで出したことないんだが……
ってか、基本的に霊力に困ったことが無い
「さて、着いたぞ」
「確か、なのはの部屋の窓は開いてるよ」
「……何で分かる」
「えっと……なのはの部屋で寝泊まりしてるから……」
成る程ね
「まぁ、変な気は起こすなよ?」
「あ、当たり前だよ!!!」
さて、窓を開けて、中に入ってっと
おっと、着地したらいけないな
汚してしまう
「そーっと…………よし」
なのはをベッドの上に寝かせる
「じゃあ、今日はありがとう」
「あぁ。またな」
ユーノが肩から降りる
「……明日は休みだから、ゆっくりと休め」
「くぅ……」
なのはの頭を撫で、ツインテールをほどいて、リボンを机の上に置いておく
「じゃ、また今度」
「うん。またね」
来た窓から飛んで出ていく
さて、帰って寝るか
~蓮樹side~
<ピンポーン
……こんな時間に誰?
「ふぁい……今でますよ……」
もう寝る気満々だったんだけど……
寝かせてよ……
「はいはい……誰です……か……」
え?いや、何でこの人がここに?
ってか、何で僕の家に?
あ、これはあれか。うん、あれだな
「うっそ~ん……」
うん、諦めるしかなさそうだ
蓮樹の家に訪問した人間とは……?
一応、誰かは言いません。今後、誰かが分かります
次回は……あの木です