「すいませーん、ミッションを受注したいんですけど。」
「ユウさん!お久しぶりです。」
「テルオミ君!久しぶり!本当にオペレーターになったんだね。」
「はい、おかげさまで。後呼ぶ時はテルでいいって言ってるじゃないですか。」
「あ、うん今度から気をつけるよ。」
「いや別にそうしろって言っているわけでないので、呼びやすいほうでいいですよ。それでミッションの受注でしたね。どのミッションを受けますか?」
「そうだね・・・。」
その時ミッションカウンターの上から懐かしい声が掛けられた。
「久しぶりだな。それ儲かりそうな仕事か?」
「よっ、高難易度のミッションなら俺も一緒に連れて行けよな。」
「カレルさん、シュンさん。お久しぶりです。」
「あいさつはいい、時間の無駄だ。それでどんなミッションを受ける気だ。」
「俺様もいるから感応種討伐でもいいんだぜ?」
どうやらユウが帰ってきたことで高難易度ミッションで一稼ぎ、もしくは討伐実績を増やそうと考えているようだ。
「すみませんが、ユウさんはまだブラッドアーツを覚えていない状態ですので感応種討伐のミッション全般は受注できないようになっています。」
「なんだよ、つまんねーの。」
「あと今回は肩慣らしが目的なので報酬は安いですよ?」
「チッ、ならいい。おいユウ、感応種討伐できるようになったら俺を誘えよ。報酬分の働きはしてやるぜ。」
「俺様も忘れずに誘えよなー。」
目論見が外れた二人は、そのままミッションの受注をしさっさとゲートから出発してしまった。
「もしかしてユウさん、便利屋みたいに思われています?」
「アハハ・・・多分そうかも。クレイドルに入る前から二人から一緒に行かないかって誘われたりしたからね。」
「それは・・・お気の毒です。」
「いや別に迷惑してたわけじゃないよ。自分も素材集めできたわけだし。」
「なるほどそういう考えもあるんですね。それでミッションはどうします?」
「これからの事を考えるとソロじゃない方がいいんだけど・・・。」
「あの、でしたらご一緒してもよろしいですか?」
控えめな声で呼び掛けられ、声の主を見るとこれまた懐かしい人だった。
「カノンさん!?お久しぶりです・・・あの一緒に行きたいというのは・・・?」
「ごめんなさい!!話を盗み聞きしたみたいな感じになってしまって。さっきカレルさんとシュンさんのミッションに同行しようとしたら『お前は来るな。』と言われてしまいまして・・・。」
「それでミッションの話が聞こえたからこっちの方に来たと・・・。」
「はいそうなんです。前にもユウさんには特訓でお世話になったので・・・。」
「えーっとユウさん、どうしましょう。」
「じゃあ、一緒に行きますか?」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
「いいんですか?」
「大丈夫だと思うよ・・・多分。」
「分かりました。お二人で行かれますか?」
「できればあと一人は欲しいかな。」
「でしたらあと一人は私が連れてきます。ユウさんは先に神機保管庫で待機していて下さい。」
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カノンがミッションのことは任せてくださいと言うのでユウは先に神機保管庫へ向かっていた。
「やぁユウ君、久しぶりだね。」
「お久しぶりですリッカさん。神機の調整終わっていますか?」
「いつでも出撃できるようにしてあるぜ。準備は万端だ。」
神機保管庫には楠リッカとダミアンが作業をしており、リッカはいつもと変わらず顔にオイルでの汚れが付いていた。
「あの、そちらの方は?」
「俺はダミアンだ。あんたのことはゲンさんから聞いているぜ。よろしくなユウ。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「指導教官だったりリンクサポートデバイスの運用などを担当させてもらっている。」
「・・・?リンクサポート?」
聞きなれない言葉に首を傾げると、リッカが誇らしげに説明してくれる。
「実はキミがいない間に新しくできた技術でね。ミッションを受注したなら聞いていると思うんだけど・・・。」
「ミッションはカノンさんに任せてきたので・・・。」
「じゃあ帰ってきたら詳しく教えるよ。まずは習うより慣れろだね。」
「おいリッカ、団体様のご到着だぞ。」
ダミアンの声と同時にゲートが開き、そこから現れたのはブラッド隊の面々だ。
「ブラッド隊全員帰還しました。神機の整備お願いします。」
「ふー、今回も疲れた~。」
「そうだね~、でもそれよりも早くおでんパンを補充しなきゃ~。」
「おう、お疲れさん。後は俺たちに任せて早く報告に行きな。」
「いつもありがとうございます。」
「ん?アンタ、クレイドルの制服着ているがもしかして・・・」
「初めまして、クレイドル所属の神薙ユウで──」
自己紹介しようとすると、どうやら話題になっているようで話を聞こうと一気に人が集まった。
「おお!ヒバリさんの言う通り本当にコウタさんと同じ背格好だ!」
「うちらの隊長と同じ雰囲気感じるね~。」
「ちょっとロミオ、ナナ失礼ですよ。」
「すみません。うちの隊員が迷惑かけて・・・。」
「いや大丈夫だから、気になさらず。」
「ちょっといいか、聞きたいことがあるんだが・・・スサノオを一人で何体も討伐したというのは本当か?」
「おいリヴィ、今聞くようなことか?」
「情報管理局にいた身としてはその話がどうしても気になってな。」
質問されたからには答えなくてはとユウは昔のミッションを思い出す。
「スサノオ、スサノオ・・・うん二体同時討伐はしたけどそれが?」
「本当かどうか確認したかっただけだ、気にしなくていい。」
「マジで!?じゃあシユウを何十体討伐したのは?」
「そのミッションはよく覚えているよ。討伐したのは三十体だけどあのときのシユウは体力も低かったし、四人で行ったから思っていたのよりは簡単だったよ。」
「いや簡単って言うが行く機会がねえよ・・・。」
「ほらほらブラッドのみんな、報告に行かなくていいの?」
話を聞いていたのか何人かが唖然としていたところに、リッカが助け舟を出す。
「そうだな、みんな話を聞くのは報告が終わってからでもいいんじゃないか?」
「お、おう、そうだな。」
「じゃあまたね~、ユウさ~ん。」
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「なんというか噂どおりというかそれ以上というか、言葉で表せないような人でしたね。」
「ああ、まったくだ。・・・?どうしたヒロさっきから黙っているが。」
「・・・あの人本当にブラッドアーツいるのかな?要らないような気がしてきたんだけど。」
「まぁ気持ちは分かる。」
「なんというか極東は激戦区だというやつだな。」
神機保管庫で待機しているとカノンが嬉しそうにやって来た。・・・ぬいぐるみを連れて。
「すいませんお待たせしました。こちら今回のミッションに同行してもらうキグルミさんです。」
( ・×・)
「・・・えっと初めまして、よろしくお願いします。」
( ・×・)づ(握手)
「あの・・・彼?は一体?」
「実は私達もよく分かっていないんです。いつのまにか極東支部にいてあっという間に馴染んでしまって・・・でも悪い人ではないので大丈夫です。」
( ・×・)
「そ、そうですか・・・。」
ヘリでの移動中、久しぶりのミッションなのかやけに張り切った様子のカノンがブリーフィングを進めている。
「今回のミッションは『トワイライト・ブルー』場所は『愚者の空母』です。討伐目標アラガミは『クアドリガ堕天』『ラーヴァナ』各一体です。」
「クアドリガ堕天か・・・なんだか懐かしいですね。」
「前に特訓してもらった時もこのアラガミでしたね。でも今回は違いますよ、ユウさんがいない間に成長した私の姿を見せますよ!!」
「それは楽しみです・・・。」
「それから作戦開始して二分三十秒後にラーヴァナが乱入します。ラーヴァナのスタンレーザーには注意してください。」
「ならまずはラーヴァナが来るまでに一箇所結合崩壊を目指したいですね。」
「それについては安心してください。登場遅延のリンクサポートを選んだのでラーヴァナが来る前にクアドリガ堕天の討伐ができるはずです。」
(リンクサポートについてよく分からないけど)「でしたらその作戦でいきましょう。」
( ・×・)=3
「(ところで・・・あのキグルミさん、カノンさんの誤射は無くなったんですか?)」
(;・×・)
「(誤射しない時とする時がある・・・ですか・・・)」
一抹の不安を残しつつ一行は作戦区域へと向かった。