救世主の帰還   作:kisaragi

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無事ミッションを終え、アナグラに帰還した三人。

積もる話もあるがサカキ支部長からの呼び出しがあり、支部長室へ向かったユウ。

そこにはサカキ博士とさっき出会った神威ヒロが居た。

 

「ミッションから帰ってきたばかりで申し訳ない。今後のことについて話しておきたい事があってね、まず紹介しておくとしよう。こちらブラッドの隊長を勤めている神威ヒロ君だ。」

「神威ヒロです。改めてよろしくお願いします。」

「神薙ユウです。こちらこそよろしく。」

「お互いの話は当人達に任せるよ。とりあえず適当なところに座って。」

 

サカキ博士の一言でそれぞれ腰掛ける二人。

 

「では呼び出した理由について説明するよ。ヒロ君には二回言う事になるがこれからの約二週間、ユウ君のブラッドアーツを目覚めさせる為に君達は一緒のミッションに行く事になる。しかしブラッド隊隊長であるヒロ君と、一時期しかいないが元第一部隊隊長であるユウ君の二人の戦力が集中してしまうのは問題といえば問題になってしまう。」

 

たった二人だけだがそれぞれの戦力は他のゴッドイーター達とは比べものにならないほど突出している。

この二人がミッションに行っている間にどんなアラガミがアナグラを襲ってくるのか分からない。

サカキ博士はその事について考えていた。

 

「そこで二人にはより高難易度なミッションに行ってもらう。もちろん様子を見ながら判断はするし、手の空いているゴッドイーター達に同行を頼んでもいい。」

「どんな感じのミッション内容になるんですか?」

「とりあえず今考えているのはサバイバルミッションだね。」

「それだと一日に受けるミッションの数が減りませんか?」

「強いアラガミさえ討伐してくれれば問題ないから、サバイバルミッションの数とフェイズ数は減るはずだよ。」

「とりあえず一回ミッションをしてみないことには分かりませんね。」

「判断が早いですね・・・。」

「ヒロ君は意見や質問はあるかい?」

「そうですね・・・。」

 

少し考えた後、ヒロは少しでも早くブラッドアーツが目覚めたほうがよいと考え

 

「これからミッションを受注しても大丈夫ですか?」

「そうだね・・・今のところ緊急を要する強いアラガミの反応もないから受注は可能だ。けど、ヒロ君はサバイバルミッションから帰還したてで疲れも溜まっているはずだ。支部長としてそして一個人としてそれを見過ごすことはできない。だから今日はもうミッションの受注は禁止とする。支部長命令だ、いいね。」

「・・・はい、分かりました。」

「うん、それでいい。大丈夫だ、君の力ならあっという間にユウ君のブラットアーツも発動するさ。」

 

サカキ博士はユウと同じぐらいにヒロに対しても信頼しているようだ。

 

 

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結局この日はミッションの受注は禁止になり、本格的になるのは明日からのようだ。

サカキ博士はせっかくだからとヒロにリンクサポートの説明やブラッドのみんなとの顔合わせをしたらどうだと提案した。

断る理由もなかった二人は、リンクサポートに関わっているダミアンがいる神機保管庫に向かった。

 

「よぉ二人とも、どうした?神機のメンテナンスはあと少しだぜ。」

「いえ、今回はユウさんにリンクサポートの説明をしに来たんです。」

「そうかそうか、ユウはよくわからないままミッションに行ったのか。」

「はい、リンクサポートはカノンさんに任せたので。」

「よし詳しく説明してやろうじゃねえか。といってもミッションに行ったのならどんなものかは分かっただろ。」

「『ミッション前に設定することでなんらかの効果を得る』といった感じですか?」

「それだけでも十分さ。詳しく説明すると、アナグラで待機している神機使いの神機を使って効果を発揮しているのさ。この技術のメリットは退役した神機使いの神機を使えるという点にある。この技術が成功したおかげでまだまだ役立つことが増えたってわけだ。」

「使わなくなった神機を使った技術は考えた事なかったな・・・。」

「といってもまだ課題が残っていて、リンクサポートに設定した神機の所有者はミッションに同行できないといった問題がある。」

「その問題をダミアンさんとリッカさんの二人で?」

「いや俺は運用試験担当で今リッカが解決しようとしている。ヒロから得たデータを使ってな。」

 

そういってダミアンはヒロを指差した。

 

「ヒロは血の力の影響か唯一リンクサポートと戦闘の両方をこなせるんだ。」

「俺は頼まれたことをしただけですよ。」

「ダミアーン、いつまで休憩してるのー・・・ってどうしたの二人そろって。」

「すまんリッカ、今二人にリンクサポートについて説明していたところだ。」

「それならそうと早く言ってよ。私からも説明したかったのに。」

「使わなくなった神機を使おうと考えるなんてリッカさんすごいですね。」

「へへっ、ありがとう。元々この技術はお父さんが考えたものだったんだ。それを完成することができた、ヒロ君の力もあってね。いやーユウ君よりヒロ君の方がいい子だよー。」

「・・・?ユウさんは問題児ってことですか?そんな風には・・・。」

「俺も初めて聞くぞ、そんな事。」

「ところがね、ヒロ君には前に言ったよね『勝手に他人の神機に触るな』って。」

「はい覚えています。」

「ユウ君はね勝手に他人の神機に触って倒れちゃったんだから。それも二回。」

「「えっ!?」」

 

リッカの一言に一瞬戸惑う二人

口を挟もうとしたユウだったがさせまいとリッカがその言葉に被せて続ける

 

「いやあれは──」

「技術者や神機使いでは常識とも言える様な事なのに、ましてや命に関わることよ。これで問題児じゃなかったらどうなるのよ。」

「他人の神機を触るやつなんて俺が現役の頃は聞いたことがないぞ。」

「い、いや俺も神機兵に無断で乗り込みましたし無事だったんだからいいじゃないですか。」

「ふふっ大丈夫よ責めている訳じゃないから。ヒロ君のほうがそういう意味では大人だから、ちゃんと見てあげてね。」

「えっ、これってそんな話なんですか?」

「あっ、はい分かりました。」

「お前らそんなんでいいのか?」

「よしっ、言いたい事は言ったしこれから神機の調整で忙しくなるからまた今度ね。ダミアンも手伝ってよ。」

「ああそうだな。じゃあなお前らミッションで困ったことがあったらいつでも来いよ。」

「分かりました。リンクサポートの説明ありがとうございました。」

「それでは失礼します。」

 

 

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神機保管庫からラウンジに移動し再びブラッドの面々と顔を合わせる。

そこで改めて自己紹介をしこれからの事についていろいろ話をしている。

 

「難しいミッションってなんだろうね~。どんなアラガミが相手なのかな。」

「どんなやつが相手でもぶっとばすだけだろ。」

「あのねー、ちゃんと考えないとやられるぞ。これだからイノシシ馬鹿は・・・。」

「なんだよ、ビビッてんのか?」

「誰もビビッてるなんて言ってないだろ!少しは考えろって言ってんの!」

「ミッション内容によってはバレットの見直しや新規作成も必要ですね。」

「後、どれだけチームワークを発揮できるかも攻略の鍵になるな。」

「なんかみんなやる気満々だね。ブラッドっていつもこんな感じなの?」

「はい、みんな家族みたいなものです。」

「隊長、ちょっといいか?」

「どうかした?リヴィ。」

「次のミッションに私を連れて行ってくれないだろうか?」

「別にいいけど・・・。何か理由でもあるの?」

「少し・・・な。」

 

と言いつつ周りを見回す。

どうやら言いづらい理由があるらしい。

 

「ユウさんはいいですか?リヴィを連れて行っても。」

「うん別にかまわないよ。」

「感謝する。」

「な~にコソコソ話し合ってるんだっ!!」

「痛っ、ちょっとロミオ先輩痛いですって。」

「うるさい!!ちょっとヒロ、あのイノシシ馬鹿に言ってやってよ。」

「もー、今度は何ですか?」

「さっきから俺のことをビビりだのなんだの──。」

「ユウさんごめんね。ロミオ先輩がうるさくて。」

 

ヒロと入れ替わりに今度はナナがやって来た。

──大きい麻袋を持って。

 

「お詫びにー・・・はいおでんパン。暖かいうちが一番だからね。」

「あ、ありがとう。それじゃあいただきます。」

「どう?おいしいでしょ?」

「・・・おでんとは思えないね、このパン。すごくおいしい。」

「でしょー。お母さんの味だからね。」

「ロミオ君のお詫びって言ってたけど大丈夫だよ、なんかコウタに雰囲気が似てるね。」

「あーそういえばアイドルがどうとか、シルブプレがどうとか二人でよく話し合ってたね。」

「そうなのか?そんな場面は見たことがないが。」

「今テレビであまり流れてないからねー。なんだっけシルブプレじゃなくて・・。」

「シプレな、シプレ。」

 

さっきまで言い争っていたロミオがいつの間にか戻ってきた。

 

「ギルとの言い争いは終わったのか?」

「そっちはどうでもいいんだよ!!シプレについてはコウタさんとも熱く話し合ったんだけど──」

「もしかしてこの話って長くなる?」

「語りだしたら止まらないからねー。」

 

ロミオによるアイドル講座は他のメンバーが止めるまで続いた。

 

 

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