救世主の帰還   作:kisaragi

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「こちらがサカキ支部長が提案したミッションになります。」

「『ガルム』と『デミウルゴス』の二体ですか。」

「ですがどちらも強化個体ですので準備は怠らないようにして下さい。」

「ユウさんはこの二体と交戦経験はありますか?」

「デミウルゴスはあるけどガルムとはないな。どんなアラガミ?」

「飛び跳ねながら戦うのが特徴だ。動きに惑わされないようにすれば問題ない。」

 

ユウ、ヒロ、リヴィの三人はとりあえずのお試しということで提案されたこのミッションを受注することにした。

 

「後一人連れて行くことができますがどうしますか?」

「この人を連れて行きたいってありますか?」

「僕は特に。」

「私も問題ない。」

(強化個体だから万全を期して四人で行きたいけど・・・。)

「リヴィはユウさんに話があるみたいだけど他の人に同行を頼んで大丈夫?」

「・・・ならリンドウを呼んで来てくれ。」

「リンドウさんを?」

「ヒロは大体話の内容に予想がついてると思う、リンドウなら話を聞かれても大丈夫だ。」

「・・・分かった。ヒバリさん、リンドウさんを呼んでくれませんか?」

「はい少々お待ちください。」

(・・・多分情報管理局に関係しているんだろうな。)

 

リンドウの到着を待つ間ミッションについて三人で話し合う。

開始一分後に増援としてガルムが来る為、被ダメ減少に重視しようと決めたところでリンドウが来た。

 

「おう待たせたな。呼んでもらってありがとよ。」

「リンドウさん今回のミッションは高難易度になっているので注意してくださいね。」

「あ~、つまり?」

「俺とユウさんが一緒にミッションに行く為いつもより難しくなっているんですよ。」

「なるほどね、了解了解。それでデートの相手は?」

「強化個体のガルムとデミウルゴスです。」

「うし分かった。まああまり考えすぎるなよ、気楽に行こうや。」

「リンドウさんと一緒にミッション行くのって久しぶりですね。」

「キュウビと初めて会った時以来だな。あれからどう強くなったか見させてもらうぜ。」

「はい頑張ります。」

「キュウビと戦ったのはあれが初めてじゃないんですか?」

「その時に発見してクレイドルでずっと追っていたってわけだ。その時にコイツが無茶してなー。今回討伐するデミウルゴスの首を一刀両断で倒しちまって、俺に叱られたってことがあったのさ。」

「もうその話はいいじゃないですか。」

「本当に無茶してばっかりなんですね。」

「ヒロも結構無茶してるって聞いたけど。」

「ユウさんには負けますよ。」

 

和気藹々とした雰囲気の中、リヴィの顔だけ緊張していた。

 

 

 

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「それで話というのは?」

 

ミッションに向かうヘリの中で話を切り出した。

 

「単刀直入に聞こう。リンドウがアラガミ化した時に何故介錯をしなかった?」

「えっ・・・。」

 

予想外の事を聞かれ戸惑うユウ。

リンドウはユウの反応を楽しんでいるようであり、ヘリの中で固まっているのはユウ一人であった。

 

「え・・・っと、まずどこでその話を?」

「リンドウから腕の話を聞き、その流れで昔何があったのかを話してくれた。」

「実はな俺も聞かれたんだよ。でもな、そういう話はお前の方が適任だと思うんだ。後俺も当時お前が何を考えていたのか興味があったしな。」

「でもなんでその理由を?」

「それは・・・。」

 

一瞬躊躇った姿を見せたが覚悟を決め話を続ける。

 

「私はブラッドに転属するまで情報管理局に所属していた。そこで私はアラガミ化した神機使いの介錯を主な仕事としてしてきた。」

「実はリヴィはあらゆる偏食因子を受け入れることができる特別な体質の持ち主なんです。その為アラガミ化した神機使いの神機を使うことができたんです。」

「だから何故介錯しなかったのかを聞きたかった、それだけだ。」

 

初対面の時にスサノオの討伐について聞いてきたリヴィの意味がようやく理解できたユウ。

 

「ほらユウ早く答えてやりな。」

「リンドウさんも当事者でしょ。」

「いやいやこれはお前さんが答えてやらないと。」

「何故介錯しなかったのか・・・、うーん順番に話していくから昔話になるし長くなるけど大丈夫?」

「問題ない。」

「お願いします。」

「それじゃあ──、第一部隊隊長の時のリンドウさんは仲間の生還率90%以上。今は技術が進歩したおかげで殉職は少なくなったけど、その数値は当時他の部隊長と比較しても高いもので、それくらい優秀である為みんなからの尊敬や人望も厚い存在なんだ。」

「あ~、こうして自分の話聞くのはなんか照れるな。」

「俺は昔の話が聞けて新鮮ですね。」

「そんなリンドウさんがあるミッションでMIA(作戦行動中行方不明)と認定されてからのアナグラは雰囲気が暗い時期がしばらく続いたり、終末捕食が起きたりと大変だったんだ。それらが一段落したときにリンドウさんが生きているかもという情報がでてきた。」

「その情報はどこから来たんですか?」

「ハンニバルを解析したときにリンドウさんのDNAパターンと一致するという発見があって、その情報を元に捜索が始まって遂にアラガミ化したリンドウさんを見つけ、介錯するかどうか悩んだ。」

「・・・・。」

 

真剣な表情で話を聞いていたがここで時間切れとなった。

 

『そろそろ『創氷の峡谷』に到着します。みなさん、準備をお願いします。』

「よし話はここまで、続きは帰りだな。お前ら死なないように注意しろよ。」

 

 

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『下に見えるのが討伐対象のデミウルゴスです。強化個体が二体出ますので無理をしないようお願いします。』

「了解、それじゃあ行きますか。」

「降下準備しますから待っててくださ──ってリンドウさん!?」

「僕が追うのできちんと準備してから来て。」

「ユウさんも!?」

 

アラガミを目視したとたんロープなしで飛び降りたリンドウ。

それを追うようにこちらも単身飛び降りるユウ。

 

「クレイドルは無茶をする人しかいないのか?」

「それは後で考えよう!急いで降りるよ!」

 

「うおぉぉりゃあぁっ!!」

「せいっ!!」

 

飛び降りた先のデミウルゴスの頭や胴体めがけ神機を叩きつける。

 

「ユウも降りてきたのか。」

「あまり無茶しないで下さいよ。」

「俺の中ではこれは無茶のうちに入らないよ。」

「いやヒロ達戸惑っていましたよ。」

 

話しているうちにデミウルゴスの眼が光り、氷の弾丸を飛ばしてくる。

 

「さすがに攻撃が重いな。強化個体なだけあるな。」

「直接攻撃はもっと重いですよ。」

「お待たせしました!」

 

そこに無事ヘリから降りたヒロとリヴィが合流してきた。

 

「揃ったな、みんな生き延びろよ!」

 

腕が伸び体を引きよせ体当たりをしてくる。

行動が大きいので予測しやすく回避に徹する。

腕の筋繊維が伸びきったところを斬るがそうそう簡単には壊れない。

 

「みんな慎重に。行動が大きいから当たらない様に立ち回りまわるよう心がけろ。」

「ガルムが来たらガードを中心にな。隙を見せるなよ!」

 

頭に向けて弾丸を撃ち込む。

こちらも怯む様子がなく巨体を揺らしながら攻撃してくる。

 

『ガルムが作戦エリアに侵入!気を付けて下さい!』

「ここからが本番だな・・・。」

「先にデミウルゴスを倒しましょう!囮とか考えないようにして下さい!」

「言われてるぞユウ。」

「もうそんな無茶はしません──よっ!」

 

 

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