遊戯王 Spirit Code   作:久那月

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14 終わらないこと

 

「っし、これでDVDは俺のもんだ」

 

ダルクは改めて賭けられていたDVDケースを手に取る。

 

「……成る程、実力は噂以上やな……」

「あー?噂?なんだそりゃ。勝ったついでだ、答えな」

 

キールの呟きに反応するように、ダルクは向き直る。

 

先程の『猟犬』という一言から何かが引っかかっていたのだ。

もしかしたらこいつは、意図的に自分と争ったのだろうか?

 

「さぁ?なんの事やら。……目当ての物が手に入らんかったんや。引き揚げさせてもらうで」

 

とぼけたような口調でキールはそう言うと、キールは去っていった。

……どうにも釈然としないが、奴の態度はダルクの疑問に無言の肯定をしているように思えた。

 

(立場を知られるってのはどうも気持ちのいいモンじゃねぇな……)

 

どこからか情報が漏れていたのか、または、奴自身がなんらかの形で『ゼロ』に関わっているのか。

最も、考えても不毛なだけなので今は置いておく事にするのだが。

 

「ダルク〜、選び終わった?」

「ん、ああ。待たせちまったか?」

 

目当てのDVDを探し終えたのか、ライナが小走りで駆け寄ってくる。

 

「ううん、探し終えたのついさっきだから。ちょっと時間かかっちゃって……」

「なら良かった。早くレジ行くか、疲れた」

「そだね」

 

 

 

 

 

〜A・O・J本部、長官室〜

 

上品な装飾の部屋に人影が一つ。

シルバーブラウンの髪に、銀色の瞳、A・O・J長官、混沌帝龍だ。

 

「『ゼロ』が集めたカードが11枚」

 

壁の11個の数字が点灯する。

 

「京東で、新しい収穫が一枚」

 

『No.12 機甲忍者 クリムゾン・シャドー』がテーブルに置かれると、壁の『No.12』が点灯する。

 

「そして……私の手持ちのカードが4枚」

 

『No.17 リバイス・ドラゴン』

『No.39 希望皇 ホープ』

『No.62 銀河眼の光子竜皇』

『No.107 銀河眼の時空竜』

 

その4枚の数字が点灯する。

 

「これで、『No.』は16枚。4年間という短い期間でよく集まったものだ」

 

自らが記憶している時間だけでも1万と3千年。

世界は幾度となく滅びかけ、その度に再生を繰り返した。

 

……だが、次の終焉を迎えた先には再生があるのか?

理不尽な破壊でこの世界が終わり、息絶える。例えそれがいつか来る運命だとしても、世界を護る者としてそれだけは防がなければ。

 

永遠に続く命の営みと、世界の終焉。

秤に乗せてどちらに傾くかなどは想像に難くないだろう。

 

「終わりに終わりを告げる。私には、終焉の支配者としての義務がある」

 

書き換えるのだ、真理を。

世界は、神の我儘では動かない。

 

「……勝負だ、神よ。この世界は貴様らに壊させん」

 

アランレイヴはそう呟くと、部屋の照明を落とし、背中に顕現させた翼で窓から飛び出した。

 

 

 

 

 

〜一方その頃〜

 

「……なぁ、ライナ?」

「んー?」

「(ぽりぽり)」

 

ダルクの家ではクソ映画鑑賞会が開かれていた。

アバンスはピーナッツ食ってる。

 

「俺、ラピュタ見たいんだけど……。つか、この映画すっごい面白くないんですが……。雑だし、演技棒だし、安っぽいし」

「そこがいいじゃん。こう、変な方向への努力の結晶みたいで」

「やだよ!?キラートマトが襲ってくる努力なんてやめちまえ!残りの映画もなんだよクソ映画ばっかじゃねぇか!」

「(ぽりぽり)」

「アバンスもピーナッツばっか食ってんじゃねぇよ!落花生の割り方無駄に上手いの腹立つんだよ!」

「……ん、いや、この映画俺は好きだぞ」

「でしょでしょ?」

「……襲われたら、斬りたくなる。それを想像できて楽しい」

「親友が辻斬り的思考です。どうしましょう」

「笑えば、いいと思うよ?」

 

昨日と同じ今日。

今日と同じ明日。

 

世界は繰り返し時を刻む。

願わくは、平穏な日々が崩れ去らんことを。

 

 

 

 

 

 

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