神様に色々なことを教えられ、アランレイヴはひたすらに強くなっていきます。
そして、アランレイヴは独り立ちをし、知識と、鍛えた力でいくつもの偉業を成し遂げます。
だから、でしょうか。
アランレイヴは、間違えてしまったのです。
力を求める方法を。
どれだけの偉業を成し遂げても、どれだけ強くなっても、自分が目指す理想は遙か遠く。
先を見過ぎて足元を踏み外し、アランレイヴは力に苦しめられてしまいました。
昏く哀しい、闇の力に。
ターン01:ダークマター
「俺のターン、ドロー!メインフェイズ、『神獣王 バルバロス』をリリース無しで召喚!」
神獣王 バルバロス ☆8 ATK1900
「さらに、自分フィールドに地属性モンスターが存在する場合、『幻水龍』は手札から特殊召喚できる!」
幻水龍 ☆8 DFF2000
「『幻水バルバ』……!やはり、お前は……!」
連続してフィールドに並ぶ水龍と獣の王。
その2体のレベルは8
「ああ……。俺は今、ムカついて仕方がねぇ……!眠ってる間も、僅かに目覚めた時も、暗い闇の中でテメェへの怒りだけを糧に自分を保ってきた。ようやく、ようやくテメェをブチのめせる……!レベル8の神獣王バルバロスと幻水龍でオーバーレイ・ネットワークを構築ッ!!
我が身を焦がすは銀河の鼓動
闇より出でし果てなき怒り
逆巻け、遙かな銀河の彼方より
時空の流れを打ち破り、ここに顕現せよ
エクシーズ召喚!!」
二体のモンスターの光が交わった先に、バイオレットの紡錘体のオブジェクトが出現する。
それは、眩いほどの輝きを放ち、次第に姿を変えていく。
「そのカードは……!ああ、してやられた」
「テメェからの土産だ、ありがたく使わせてもらうぜ!来い、『No.107 銀河眼の時空竜』!!」
No.107 銀河眼の時空竜 ★8 ATK3000
オブジェクトは完全に形を変え、機械的な印象を併せ持つ竜となり咆哮する。
所有者の感情を悟ったように、悲し気に哭いた。
「先攻1ターン目だ、攻撃はできねぇ。カードを1枚伏せてターンエンド」
ダークマターLP8000
モンスター No.107 銀河眼の時空竜 ATK3000 ORU:2
魔法、罠 伏せ1枚
手札 3枚
ターン02:アランレイヴ
「私のターン、ドロー。……ダークマター、私は、お前に」
「聞く気はねぇ、さっさと進めろ」
「……ああ。『光の援軍』を発動。デッキの上から3枚を墓地へ送り、デッキからライトロードモンスターを手札に加える。まずは3枚を墓地へ」
BF-大旗のヴァーユ
カードガンナー
増援
「手札に加えるのは『ライトロード・アサシン ライデン』だ。そのまま通常召喚」
ライトロード・アサシン ライデン ☆4 ATK1700
「そして、ライデンの効果を発動。デッキトップからカードを2枚落とし、その中のライトロードの数1枚につき200ポイント攻撃力を上昇させる」
グローアップ・バルブ
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン
「ライトロードは無し、よって攻撃力は上昇しない」
「はン、随分いいカードが落ちたじゃねぇか?」
墓地に堕ちたグローアップ・バルブは、デッキトップから1枚墓地へ送ることで、自身を墓地から特殊召喚できるチューナーモンスター。
雀の涙ほどの攻撃力アップを狙うより、よほどいい成果だろう。
「続いて手札のレベル5以上の闇属性モンスター、『冥府の使者 ゴーズ』を捨て、『ダーク・グレファー』を特殊召喚」
ダーク・グレファー ☆4 ATK1700
「ダーク・グレファーの効果、手札の闇属性モンスターを捨て、デッキから闇属性モンスターを落とす。手札の『BF-精鋭のゼピュロス』を捨て、デッキからは『BF-暁のシロッコ』を墓地へ」
「変わらねぇなぁ、テメェのその姿。淡々と墓地に送るプレイングは、昔のテメェにそっくりだ。無表情で、無感情に戦場の敵を淡々と殺す。……テメェの一番近くにいて、何より嫌だった」
『もう嫌だよ!どれだけ、どれだけ多くの血を流せば気が済むんだ!どれだけ多く殺せば終わるんだ!答えてよアランレイヴ……!答えろよ……ッ!!』
かつて心を貫いた言葉が、今でも時折脳裏をよぎる。
それは決まって、非情とも言える決断をした時だ。
既に殺していたはずの心が、破裂しそうになったのを覚えている。
「……ああ、お前の叫びは、嫌というほど身に染みた。身に染みすぎて……今ここでお前と戦っている。あの日お前に言われた言葉は、今でも私を咎め続ける」
「……気に入らねぇ……。さっさと進めろ」
「私は、レベル4のライデンと、ダーク・グレファーでオーバーレイ・ネットワークを構築!!
生命と終焉の間より
破滅の使徒を穿つ者
牙を剥け、雷鳴と共に吼えろ
黒き逆鱗を震わせ運命を打ち破れ
エクシーズ召喚!!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ★4 ATK2500
《ハッハァ、旦那、ソイツかい?あんたの言う聞かん坊ってのは》
「っ、そいつは……!」
「ああ、私と同じく『守護竜』の一体。今は、私に力を貸してくれている。ダーク・リベリオンの効果!エクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力の半分を吸収する、トリーズン・ディスチャージッ!」
「残念だったなぁ!手札よりカウンター罠、『タキオントランスミグレイション』を発動!」
《っ!手札からカウンターだと!?》
逆鱗の竜が放つ雷撃は、それに即座に反応した『時空を司る力』により阻まれ、無力化されて歪曲した空間の中に消え去ってしまう。
そして空間の歪みは広がっていき、ついには逆鱗の竜も吸い込まれてしまった。
「やはり、一筋縄ではいかないか。一応、覚悟だけはしていたつもりだが……それも甘かったらしい」
だが、とアランレイヴは付け加える。
「この程度で私を止められるとも、思ってはいないだろう?墓地のヴァーユの効果を発動、このカードと、チューナー以外のBFを除外することで、そのレベルの合計と同じBFのシンクロモンスターをエクストラデッキより特殊召喚する。シロッコを共に除外し、レベル6のBF-星影のノートゥングを特殊召喚!」
BF-星影のノートゥング ☆6 ATK2400
「その効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となる。お前のエクストラデッキのBFはその全てが『素材』だ。勝手に生み出して使い捨てる。世界のために、って免罪符の元に、だ」
「……そう、なんだろうな。私は、自分の為すべきことのためにしか生きられない。墓地のグローアップ・バルブの効果、デッキトップを1枚墓地へ送り、このカードを特殊召喚する」
グローアップ・バルブ ☆1 DFF100
「しかし、だからこそ、昔のお前の叫びに対して悩む!!どれだけ心を殺そうとも、屍血山河を築こうとも、見なければ、作らなければならない世界がある!!今の自分の為すべきこと、それはお前を救うことだ、ダークマター!」
「ほざけ!なら、その為の力を、見せてみろ!」
「レベル6、星影のノートゥングに、レベル1のグローアップ・バルブをチューニング!
生命と終焉の間より
破滅の使徒を穿つ
雷光と共に響け、旋風と共に薙げ
迸れ、漆黒の涙雨
シンクロ召喚!『ABF-涙雨のチドリ』!」
ABF-涙雨のチドリ ☆7 ATK2600
「だが、それでも俺のタキオンには届きはしない!」
「涙雨のチドリは、自分の墓地のBF一枚につき300ポイント攻撃力を上昇させる。墓地のBFは2枚、よって、600ポイントの攻撃力上昇だ!」
ABF-涙雨のチドリ ATK2600→3200
「攻撃力がタキオンを超えた……!?」
「バトルだ、チドリでタキオンドラゴンを攻撃!」
刀を携えた鳥を模した姿の武士の剣閃はまさしく雷光。
その迅さは例え時空を手繰れども、回避することは能わない。
ただ一閃のみに全てを込めた一撃は、竜の首をすら刈り取った。
「ぐおっ……!」LP8000→7800
「ダークマター、私は、この言葉が届くまで何度でも言おう。お前を、救いに来た」