遊戯王 Spirit Code   作:久那月

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07 青眼の蒼嵐

ターン04 アバンス

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

前のターン、クリムゾン・ブレーダーの効果が発動してしまったため、このデッキの肝である儀式を行う事は出来ない。

 

……だが、まだまだ動ける、はず。

 

「墓地のリチュアの儀水鏡の効果を発動。このカードをデッキに戻し、墓地のリチュア儀式モンスター、リヴァイアニマを手札に加える。そして、『トレード・イン』を発動。手札のリヴァイアニマを捨て、デッキから2枚ドローする」

 

ドローした2枚は、1枚は手札に握っておきたいカードが引けた。

もう一枚は少し微妙だったものの、次のターンから役に立ってくれるだろう。

 

 

 

 

セットモンスターをリバース、『リチュア・エリアル』だ」

 

リチュア・エリアル☆4 ATK1000

 

『ふわぁ……。アバンス、がんば〜』

「気ィ抜けるわぁ……」

 

欠伸混じりの声援に、若干アバンスのテンションが下がる。

だが、いい具合に緊張もほぐれた。

 

 

「リチュア・エリアルのリバース効果、デッキからリチュアモンスターを手札に加える。『リチュア・ビースト』をサーチ、そのまま召喚」

 

リチュア・ビースト☆4 ATK1500

 

「リチュア・ビーストの効果、召喚時にレベル4以下のリチュアを蘇生する。シャドウ・リチュアを特殊召喚」

 

シャドウ・リチュア ☆4 DFF1000

 

 

『レベル4ガ3体……!』

「……いや、レベル4のリチュア・エリアルと、リチュア・ビーストでオーバーレイ!!

 

我が身に刻むは儀水の聖痕

我が身に宿すは怒涛の激流

 

遠き神代の世界より

海神に牙向き海を断て

 

エクシーズ召喚、絶海の覇者『バハムート・シャーク』!!」

 

バハムート・シャーク ★4 ATK2600

 

 

『……!」

「(どうする?今まで何の反応もなかったとは言え、奴の伏せは2枚。下手に展開していいものか……否)押すしかネェな!バトル、青眼の白龍で、クリムゾン・ブレーダーを攻撃ッ!滅 び の 爆 裂 疾 風 弾!!!」

 

 

グッオオォォォォン!!!

 

 

強烈な空気の振動と共に、白き龍のブレスが疾風を伴い真紅の戦士に直撃し、跡形も無く消し飛ぶ。

 

まさに『滅び』と呼ぶに相応しい一撃だ。

 

 

『ッ!!……!!』LP7700→7400

「休む暇はやらねぇよ!バハムート・シャークでダイレクトアタック!」

『ッオォ……!?』LP7400→4800

 

 

残る2体の攻撃で守り人のライフが残り半分近くまで削られる。

アバンスに大きく形成が傾いた。

 

 

「メインフェイズ2、バハムート・シャークの効果を発動!素材を一つ取り除き、エクストラデッキからランク3以下のエクシーズモンスターを特殊召喚する。来い、『トライエッジ・リヴァイア』!」

 

トライエッジ・リヴァイア ★3 ATK1800 ORU:0

 

「更に、ランク3の水属性モンスターであるトライエッジ・リヴァイアを、アーマード・エクシーズチェンジ!推参せよ、『FA-ブラック・レイ・ランサー』!!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサー ★4 ATK2300

 

 

槍を携えた海竜が、強靭な黒い鎧を身に付け、パワーアップする。

メインフェイズでバハムート・シャークの効果を使わなかったのは、攻撃を放棄するデメリットを放棄するためだ。

 

 

「俺はこれでターンエンド。どうした?口ほどにも無いな」

 

 

アバンス LP7800

モンスター 青眼の白龍 ATK3000 バハムート・シャーク ATK2600 FA-ブラック・レイ・ランサー ATK2300 シャドウ・リチュア DFF1000

魔法、罠 リビングデッドの呼び声

手札 2枚

 

 

 

ターン05 守り人

 

 

 

『グッ、カァッ……渡サン……。『No.』ハ、渡サヌ……!ドロー!!』

「(来る!!)」

 

ライフ半分を切った事で、守り人の歪んだ人型が、気迫を放つ。

 

だが、アバンスとてその気迫と向き合った事は少なく無い。

 

 

『我ハ、『暗躍のドルイド・ドリュース』ヲ召喚、ソノ効果デ墓地ノアンブラル・グールヲ復活ッ!!』

 

暗躍のドルイド・ドリュース☆4 ATK1800

アンブラル・グール☆4 DFF0

 

「レベル4が二体、来るか!?」

『レベル4ノドリュース、アンブラル・グールデオーバーレイ・ネットワークヲ構築!現レヨ、『No.66』、禁忌ヲ守リシ覇者ノ鍵!『覇鍵甲虫 マスター・キー・ビートル』!!』

 

 

No.66 覇鍵甲虫 マスター・キー・ビートル ★4 ATK2500

 

 

「こいつがお前の『No.』……!いや、お前自身か!!」

 

 

66番目の『No.』、その意は『鍵』

何のひねりも無く、宝箱を開ける為のキーパーツなのだろう。

 

No.の守り人は、自分の正体という秘密の入った宝箱を開け、歪んだ人型だった姿を、マスター・キー・ビートルそのものに変化させる。

 

 

『……久シイナ、コノ姿トナルノハ。……我を得ントスル者ヨ、覚悟スルガイイ。罠カード『安全地帯』ヲ発動。対象ハ我自身。コレニヨリ、我ハ効果ノ対象二ナラズ、破壊サレナイ。ソシテ、我自身ノ効果ヲ発動。X素材ヲ一個使イ、自分フィールドノカード1枚ヲ選択スル。選択シタカードハ破壊サレズ、我自身ガ破壊サレル場合、代ワリ二墓地へ送ルコトガデキル。安全地帯ヲ選択スル』

「(えーと?、安全地帯で、このカブトムシに対象+破壊耐性を与えて?カブトムシが安全地帯に破壊耐性を与えて……?)…………硬っ!?破壊以外で安全地帯どかすしかネェじゃんか!」

『……ソノ通リ、我ハ堅牢ナル鍵。生半可ナ者二力ヲ与エル訳ニハイカヌ。……ソシテ、硬イダケデハ無い』

「……まだあんのか」

『手札の速攻魔法、『イージーチューニング』を発動。墓地ノカメンレオンヲ除外シ、我ノ力ヲ1600ポイント上昇サセル』

 

No.66 覇鍵甲虫 マスター・キー・ビートル ATK2500→4100

 

「攻撃力4100……!」

『マダ終ワラヌヨ。罠発動、『罪鍵の法-シン・キー・ロウ』』

「!!?」

『コノカードハ、自分ノXモンスタート同ジ攻撃力ヲ持ツトークンヲ3体、特殊召喚スル。現レヨ、3体ノアンブラル・ミラージュトークン……!!』

 

アンブラル・ミラージュトークンATK4100×3

 

 

小さな三本の鍵と思しきもの、それがマスター・キー・ビートルを象り、力が分配される。

 

「攻撃力4100が4体……!!なんだこの悪夢……!?」

『トークンモダイレクトアタックハ出来ヌガ、十分ダ。バトルフェイズ、襲エ、我ガ分身達ヨ!シャドウ・リチュア、FA-ブラック・レイ・ランサー、バハムート・シャーク二攻撃!!ミラージュ・キー・ブラスト!!』

「くっ、ソがぁっ!!FA-ブラック・レイ・ランサーは戦闘破壊される場合、素材を全て取り除くことで、その破壊を免れる!」

 

FA-ブラック・レイ・ランサー ATK2300→2100 ORU:1→0

 

『ダガ、切レ味ハ受ケテモラウ!』

「ヅッ……!!」LP7800→6300→4500

 

戦闘の余波がアバンスを襲う。

いかに頑強なアバンスと言えど、攻撃力4000超えの攻撃を立て続けに食らえばダメージは大きい。

 

『……。倒シ切レヌガ……我自身デFA-ブラック・レイ・ランサー二攻撃ヲ行ウ。受ケロ、キー・ブラストッ!!』

 

オリジナルである守り人の角の先より、黒騎士に閃光が走る。

眩い光に黒騎士は消し飛ばされ、その熱がアバンスを灼く。

 

「ぐっ、あぁぁぁっ!!!」LP4500→2500

「……手札ハ無イ為、コレデターンヲ終エル。……ココデ諦メルヨウナラ、我ヲ受ケ入レル二足ラン』

 

 

守り人 LP4800

モンスター No.66 覇鍵甲虫 マスター・キー・ビートル ATK4600 ORU:1

アンブラル・ミラージュトークン ATK4100×3

魔法、罠 安全地帯

手札 無し

 

 

 

ターン06 アバンス

 

「いってぇなクソッタレ……!……けど……この痛み、この感覚、好きじゃネェけど……」

 

アバンスは目を閉じると、デッキトップに指をかけ、気合を引き絞る。

 

相手の手札はゼロ、伏せカードも無し。

越えるべき壁のみがある。

 

「嫌いじゃ、ネェな!!ドロー!!」

 

引いたカードを見て、笑みが零れる。とても、グッドだ。

 

「俺は、魔法カード、『サルベージ』を発動。墓地のヴィジョンとシャドウを手札に加える、そして、ヴィジョンとシャドウを捨て、効果発動!デッキより儀式モンスターイビリチュア・ソウルオーガと、儀水鏡を手札に!」

『……!』

 

手札には既にレベル8の青眼の白龍を握っている。

 

逆転勝利のピースは、既に揃った。

 

「リチュアの儀水鏡を発動!手札のレベル8モンスター、青眼の白龍を供物に捧げる!

 

 

我が身に刻むは儀水の聖痕

我が身に宿すは怒涛の激流

 

大海を穿つ巨躯なる影

輪廻を捻じ曲げ御霊を喰らえ

 

降臨せよ!イビリチュア・ソウルオーガ!!」

 

 

イビリチュア・ソウルオーガ ☆8 ATK2800

 

『ソノカードハ……!』

「正直危なかったぜ、サルベージ引けなきゃこいつは出せなかった。そして、儀水鏡の効果、儀水鏡をデッキに戻し、墓地のリヴァイアニマを回収する。これで、ソウルオーガの効果を発動するコストが確保できたってことだ」

 

3枚のカード消費だ、これだけ使ったのだから1撃ブチこんでやらなければ暴れん坊アバンスの血は鎮まらない。

 

ついでに半分近いライフダメージも食らってやった。

だから奴には利子つけてお返ししなければならない。

 

 

「ってなワケで、ソウルオーガの効果発動。手札のリヴァイアニマを捨て、相手の表側表示で存在するカードを1枚、デッキに戻す、対象は安全地帯だ。吹っ飛べオラァッ!!」

『ムォッ……!!』

 

マスター・キー・ビートルが篭っていた安全地帯が、巨躯の鬼の拳圧によって吹き飛んでしまった。

 

そして、この安全地帯が消滅したことにより……。

 

「安全地帯のデメリット、フィールドから離れたら守っていた対象も共に消える。そして、アンブラル・ミラージュ・トークンもコピー元がいなくなったことで自壊。お前が築いた堅牢な壁も、脆い箇所つつけば崩れる砂の楼閣だってことよ!!……さぁ、俺が受けたダメージの分、きっちり利子つけてお返しだ!!問おう、お前の最期の言の葉を!」

 

『……強ク猛々シイ貴様二問ウ、名ハ?』

 

勝者が決したことにより、諦めがついたのか、守り人は問うた。

自らを斃し、受け入れる者の名を。

 

 

「リチュア・アバンス。禁術集団リチュア次期当主だ」

『来イ、リチュア・アバンス。貴様ガ我ヲ受ケ入レヨ』

「……バトル!青眼の白龍、ソウルオーガでダイレクトアタック!!これで、終わりだ!!」

 

 

2体の大型モンスターが放つ一撃が、守り人のライフを削り切った。

 

『…………』LP4800→0

 

 

 

 

 

 

 




ウボァ……。

夏休み今日で終わりやでェ……。
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