英雄になるのを望むのは間違っているだろうか   作:シルヴィ

11 / 92
彼らの二つ名

 四時も過ぎた頃になって、シオン達4人はロキに呼び出された。

 理由は知っている。今日が神会開催日と、シオン達はあらかじめ聞かされていたからだ。つまりこの用件は、十中八九二つ名の話だ。

 ワクワクしているティオナを横目に、シオン達もどんな称号()が与えられるのか、内心ソワソワしていた。

 あまり変な名前は困る。でもカッコイイ方が嬉しい。いやでも呼びかけられて恥ずかしいものはちょっと……いやいやでもでも、と実は結構皆期待してたりする。これでもシオンは男の子なのだ。

 一応コンコンコン、とノックを三回してから言う。

 「呼ばれてきたシオンだけど。3人もいる。入っても?」

 中からええでー、とどこか疲れた様子の声に顔を見合わせる。神会とはそんなにも疲れるものなのだろうか。議題で何か白熱するような物でもあったのだろうか。

 と、自分達の事を完全に忘れ去っているせいか、頭を捻りながら中に入る。

 「おー、ようきたな……そこ適当に座ってくれや」

 ベッドに横になってひらひらと手を振るロキ。かなりラフになっている彼女は服がズレてヘソが見えていた。

 とはいえシオン達はまだ6歳、何かあったのだろうかと心配はしても、それ以上の感情を抱くことはなかった。

 シオン達全員が座ったのを確認すると、ロキは上半身を起こし、姿勢を正す。そして気怠げな雰囲気を一瞬で打ち消すと、真剣な表情でシオンを見渡す。

 そして、ニンマリと笑った。

 「よかったなぁ皆! いい二つ名(なまえ)、貰ってきたで!」

 おおっ、と沸き立つシオン達を見て、ロキは内心、頑張って良かった……と心中男泣きでガッツポーズしていたのだが、顔には素振りすら見せない。

 「でもま、ティオネとベートはシオンに感謝しとき。2人の二つ名はシオンのお陰で決まったようなもんやから」

 「おれの……?」

 「2人、ギルドの質問にまともに答えなかったやろ。そのせいで資料がスッカスカで、最後に答えたシオンが埋めるハメになったんや。変な二つ名になってたら自業自得になってたかもしれないんやで」

 「「……っ」」

 一瞬息を呑み、それからゆるゆると緩慢な動作でシオンを見つめる。けれど恥ずかしさが先行したのかぷいっと顔を横に向けた。

 しょうがないなぁと微笑ましげな笑みを浮かべると、ロキは、

 「それじゃ最初はベート。心して聞き」

 「ああ」

 言葉少なに言っているが、組んでいる腕が小さく揺れている。期待が隠しきれていない証拠だ。本当に、子供である。

 「【頂見上げる孤狼(スカイウォルフ)】、それがベートの二つ名や」

 「【頂見上げる孤狼】……な。意味は、あんのか?」

 「あるでー? でもま、ティオネも言ってからな」

 そして手を後ろに回しているティオネを見る。彼女の体に隠れて見えていない――とティオネは思っているかもしれないが、腕の動きから手をフラフラさせているのが丸わかりだ。

 「ティオネは【小人の乙女(リトル・レディ)】、やな」

 「【小人の乙女】……なんか、可愛らしい感じね」

 「さっきも言ったやろ? この二つ名はほぼシオンの言ってたことを参考にしてるってな」

 そう言うとロキは横に置いてあった紙を二枚取り出し、一枚をベートに、一枚をティオネに渡した。

 不思議そうに見上げてくる2人に、堪えきれずくくっ、と笑ってしまう。

 「それな、調査書の一部――()()()()()()()()抜いたもんや」

 「!??」

 黙っていたシオンの肩が跳ね上がり、数度視線が3人の間を往復する。そしてやっと意味を理解すると、

 「ま、待てベート、ティオネ! その紙よこせ!」

 慌てたように2人に向かって突撃してくる。

 当たり前だ。あの紙に書かれているのは『シオンの本音』である。決して口外しないのを理由に質問に答え、司会進行役の資料にのみ記されている物。ロキが持っているのは神会が終わったあとにヘルメスを脅――話し合って譲り受けたからだ。

 しかしそんな事シオンにとってはどうでもいい。

 重要なのは――中身を見られない事なのだからッ!!

 「ティオナ、シオンに抱きついて!」

 「え、あ、うん!」

 「ティオナ……裏切るのか!?」

 それを封じるのは、なんとティオナ。思わぬ伏兵に悲痛な叫びをあげるシオンに心を痛めるティオナだが。

 ――ごめんなさい……私はティオネに逆らえないの……っ。

 先日借りたお金を、ティオナはまだ返済しきれていない。それをチャラにしてやるから言うことを聞きなさい、いや聞けと目で脅されたティオナは、指示に従うしかなかった。

 「やめ、やめてくれ……やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!??」

 例え、想い人の叫びを聞いても、放すわけにはいかなかった。

 調書に書かれていた内容を抜擢すると、このように書かれていた。

 ベートの場合、

 『双剣で戦うのが主なスタイル。一撃離脱が基本で、役割は遊撃手――って、違う? 聞きたいのは普段の日常的な事? ハァ、まぁそれならいくらでも言えるけど。

 ベートは素直じゃない。汚く罵ってくるのは普通だし、相手を見下すのは日常茶飯事。敵を作るには本当に事欠かないよ。

 でもそれは、相手を想ってのことだ。

 何もしようとしない、あるいはその場で燻り続ける人間のケツを蹴り上げて、無理矢理奮起させてやる。自覚させて、前を向かせようとしてるんだ。その為になら嫌われる事だって受け入れるんだよ、アイツは。

 だからベートは努力する。相手を罵って見下すのなら、それに足るだけの根拠を示すために。そう言えるだけの事をしてる。おれも努力してるけど、アイツは誰にもわからない場所で人知れず双剣を振るってる事が多いから、どれだけ差があるのか。

 きっと、ベートは強くなる。今はまだ遥かに遠い頂きを見つめているだけだけど、どれだけ時間がかかったとしても、そこに牙を、爪を突き立てて、無理矢理にでも上り詰める。

 とても頼りになる――皆を守ってくれる、気高い狼さ』

 ()()()()()ベートがグシャリと紙を握りつぶしたのを、シオンが絶望的な顔で見ている。まるで目の前で大切な人を殺されたかのような表情だ。

 「それじゃ、次は私」

 ティオネも、容赦してくれなかった。

 そして皆に聞こえるように、その綺麗な声で読み始める。

 『さっきと同じ感じに話せばいいのかな。それなら色々あるよ。まぁ、殺し合いをした相手だからこそよくわかるっていうのも、変な感じだけど……。

 ティオネは結構面倒見がいい。そのお陰なのかは知らないけど、おれの次に戦況を俯瞰して見てくれてるから、気づかない部分を教えてくれるのも彼女だ。

 元々はオラリオの北区で悪ガキの大将をしてたらしいから、多分その影響かな。あるいはフィンがいたからか。

 ん、ああ、ティオネはフィンに恋してるんだよ。色々惚気話も聞いた。そのために努力してるのも知ってる。できれば報われて欲しいと思ってるけど、結局のところ当人同士の話だからおれにはどうしようもないね。

 いつも周りを叱咤激励して、足りない物を補ってくれて。パーティのお姉さんって感じになるのかな。本当に、助けられてる。

 彼女がいなかったら、きっと【ランクアップ】は無理だった、そう言い切れるからね』

 読み上げたティオネも、ベートと同じく紙を握り締めていた。顔が真っ赤になっているのは気のせいではあるまい。

 「……いっそ、殺せ……っ!」

 ティオナから解放されたシオンは、しかしガックリと四つん這いになって項垂れる。それはまるで斬首を待つ囚人のようで、

 「二人の二つ名は、まんまそこから引用や。詳しい意味は自分で考えるか、シオンから聞き」

 しかしロキは容赦なく無視した。

 「ほな次行くで。ティオナやな」

 「え、え……?」

 ――マジもんの鬼である。

 シオンを放り捨ててロキはティオナに向き直る。ティオネとベートも赤くなった顔を見られないよう顔を背けているため、一向に口を開かない。

 困惑するティオナに、ロキは何故か先程よりもニヤニヤ成分をあげている笑顔で彼女のことを見つめていた。

 ――なんか、嫌な予感が。

 その予感は、的中した。

 「ティオナの二つ名は――【初恋(ラヴ)】や」

 「へ……? は、【初恋】ッ!?」

 「いえす。ラヴュや、ラ・ヴュ。ちなみにこれ名付けた神は『ふに濁点じゃなくてうに濁点な、間違えんなよ!』とか妙に力説してたで」

 「う、あ……え――」

 チラチラとティオナの視線が横を向く。その先にいるのは彼女の想い人であるヒューマンの少年がいる。

 バレた……バラされた、ロキのばかぁ!? とティオナが内心泣き叫んでいると、やっと心の整理がついたらしいシオンがティオナを見て、気まずそうに目を逸らしながら。

 

 

 

 「えっと、ティオナって好きな人、いたんだな……」

 ――部屋の空気が、凍った。

 全員の口がえっ、という形に固定されているのに気づかず、シオンは言う。

 「そういうのおれにはよくわかんないんだけどさ、それならあんまりベタベタおれに触れるのはマズいと思うんだ。勘違いされたらティオナも困る、だ、ろ……」

 視線は定まらず、ところどころ妙に声音が跳ねていて不自然丸出しだが、それに気づかないティオナは少しずつ移動してシオンに近づき、

 「し」

 「し?」

 「シオンの、バカあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

 「ぐふぁ!?」

 ティオナの全力の張り手が、シオンの頬を打ち抜いた。

 これが普通の子供なら、何ともなかっただろう。だがティオネの『力』は、パーティ内で最も高い。シオンの『耐久』をぶち抜いてダメージを与えるなど、造作も無かった。

 洒落にならないダメージにシオンが倒れ、その口から血がこぼれる。けれど涙目になったティオナはわかってくれないシオンをキッと睨んで、部屋の外へ飛び出した。

 「自業自得だ、ダァホ」

 溜め息を吐いて、ベートはシオンの頭を軽く蹴って部屋を出る。

 「ま、流石に全力はやりすぎだと思うけどね。これ、飲んどきなさい」

 呆れを宿しながらも持っていた回復薬をシオンの横に置き、ティオネも部屋を出た。

 「……シオーン、大丈夫かー?」

 自分がけしかけたことなので一応問いかけるが、この程度の傷はシオンも慣れている。ただ脳を揺らされたので、プルプルと手をあげただけだった。

 何とか落ち着いて回復薬を飲めたのは、数分後のことだった。

 どこか物憂げに薬を飲んで、手元で空になった瓶を弄ぶ。

 「ハァ……ティオナの一番近くにいたのに気づかないなんて、なんかショックだったな」

 瞬間、ロキは真顔になり、それからどうしようもない子を見る目でシオンを見て、

 「ホント、()()、やな……」

 そう苦笑しながら言った。

 どこか呆けた様子のシオンを横目にロキは姿勢を正してから告げる。

 「最後、シオンの二つ名や」

 だが、シオンの反応は薄い。スッと視線をロキに移しただけだ。

 「あんたの二つ名は――」

 それを聞いたシオンは何も言わず、数十秒思考した様子を見せてから、部屋を出る。それを見送ると、ロキは誰もいなくなった部屋で思い切り体を倒した。

 「ああ、もう! 一難去ったらまた一難かいな。ホント苦労するで……。まるで、フィン達みたいや」

 一番いなくてはならないのがシオンで、しかしシオンが一番の爆弾を抱えている。

 それを何とかするのはロキじゃない。

 「頼んだで、皆」

 何とかするのは、3人……いや、もしかしたら、4人かもしれない。

 

 

 

 誰もいない屋根の上で、ボーッとシオンは日が暮れる寸前の、赤い太陽を見ていた。

 理由は特にない。1人になりたいと思って、気づいたらここにいただけだ。風に当たっていたかったのかもしれない。よくわからなかった。

 「シオン、風邪引いちゃうよ」

 そこに、気まずそうにしながらティオナが来た。眉を寄せて、先ほどの件が尾を引いているのか近づこうとしない。

 シオンは振り向いた顔を戻し、また視線を太陽に戻す。おずおずと歩き出し、シオンの隣まで来るとティオナは腰を下ろした。

 ――ど、どうしよう……。

 先ほど頬に思い切り紅葉を付けてしまった手前、どうにも話しかけづらい。黄昏てるシオンを放っておけなくて来てしまったが、浅慮だったかもと後悔する。

 それでもティオナは諦めず話題を探し、最適なのを見つけた。

 「ところで、シオンの二つ名ってどうなったの? 聞けてなかったから、教えて欲しいな」

 「【英雄(ブレイバー)】」

 「そっか、【英雄】なんだ。って……え?」

 あまりにも呆気無く言われて流しそうになったが。

 「その名前って、フィンのものじゃ? それをロキが許したの?」

 当然ではあるが、他人とほぼ同じ二つ名はまず存在しない。というか、存在しては二つ名の意味がない。その名の持ち主がずっと前に死んでいた場合や、あるいは()()()()()()()()()()という例外を除けば、同じ時代に似た二つ名は、無い。

 「だから、フィンが許可したんだろうね。ロキの顔を見て、大体察した。本当、この二つ名は()()()()よなぁ」

 憂いのこもった息を吐き出し、シオンは儚く笑う。

 それはいつもシオンが浮かべる、皆を励ますためのそれとは違う。

 色々な物に疲れた、生きる事に疲れた者の笑みだ。

 「重すぎるって、でもシオンは『英雄になる』のが目標なんでしょ? それが叶ったんだから、喜んでもいいんじゃ」

 「おれは別に英雄って呼ばれる程の事はしてないよ。分不相応すぎる」

 そんなことない、そう言いたかった。でも届かない。いや違う、シオンはもっと別の部分にも思い悩んでいるから、こんなに疲れているのだ。

 考える。普段回さない頭を回して。

 【英雄】になるのに分不相応、これはわかる。ティオナ達にとってシオンは英雄のように頼りになる存在だが、シオンはそう思っていない。

 重すぎる――これが恐らく鍵。

 何が重いのか、と考えてみて、関係があるのはフィンが許可したということ。

 【勇者】はフィンの称号だ。そして、ブレイバーという呼び方は、英雄に付けるにはちょっと違和感がある。

 フィンが勇者という名を求めたのは目的があるからだと聞いている。そしてそれは、小人族のために、ということも。

 ――勇者とブレイバーを切り離して考える……?

 勇者という称号は小人族のために不可欠。だからシオンに付けることはできない。そもそもシオンは英雄になりたいのであって、勇者になりたいわけではないのだから。

 しかし、呼び方は別だ。ブレイバーという名をシオンに渡す、そこに意味が有る。ただ、ここから先がわからなかった。

 「……そんなに気になるのか?」

 「!?」

 ビクリとティオナの肩が跳ねる。おずおずと視線をシオンに向けると、無機質な瞳がティオナを捉えていた。

 ゆっくりと頷き、シオンはそれを見て、そう、と答えた。

 「ブレイバーは、役職だよ。今フィンが【ロキ・ファミリア】で行っている事の象徴。それをいつか、おれに譲り渡すっていう意思表示……なんだと思う。多分ね」

 「フィンの、役職? それって、まさか!」

 フィンが【ロキ・ファミリア】においての立ち位置は、誰もが知っている。そしてそれを受け渡すのが、どんな意味なのかも、わかった。

 「で、でも、私達まだ6歳だよ? いくらなんでも性急すぎると思う」

 「別に不思議じゃない。フィンはもう三十を超えてる。【ランクアップ】の恩恵で老化が遅くなってるからわかりづらいけど、十年後ならおれは十六で、フィンは四十。二十年後なら二十六と、五十になる」

 逆に考えるんだ、とシオンは言う。

 「今から後継者を育てないと、間に合わないかもしれない。一から学んだフィンと違って、次代の団長は育ちすぎた【ファミリア】を背負うようになる。それで右往左往していたら今までの努力が瓦解する。もしかしたらフィンは、最初からこれを狙っていたのかもしれないね」

 だから、重すぎる。

 まだ背負うに足る力を持っていないのに持たされた【英雄】という名前と、いずれは【ファミリア】の団長を任されるという重圧。

 けれど、ティオナは少しだけ引っかかった。

 ――シオンは、何か隠してる……?

 まるで本当に大事なことだけを押し隠しているかのような、そんな違和感。放っておいたらダメだという焦燥感がティオナの胸を焦がす。

 ふと、言葉が漏れた。

 「……待って。二つ名として、団長を譲るのを表明した? シオンにそれを気づけたんだったら他にもわかった人はいるんじゃ……!」

 「よく、気づいたな」

 それが聞こえたのか、シオンは言いながら顔を逸らした。

 基本的にシオンは嘘を言わない。言いたくないことははっきり言いたくないと言うし、情報がはっきりしていない時はそう前置きするか、後にちゃんと付け加える。

 そんなシオンが否定しないとは、つまり、その可能性に、気づいている。

 【ロキ・ファミリア】を快く思っていない相手に、『自分が殺される』可能性を。

 「なんで、そんな。フィンだってわかってるでしょ、そんなことくらい!」

 「だろうね。気づいてないはずないよ。フィンなんだし」

 とはいえ、実際に狙われる可能性は低い。

 下手にシオンに手を出して、その【ファミリア】の所在がはっきりした場合、待っているのは迷宮都市二大派閥の片割れが全力で殲滅しに来るという報復だ。それだけの価値がシオンにあるかどうか。そこが判断基準だ。

 ちなみにシオンは、自分を喧伝する裏で、本当の後継者を育てている可能性も考えていたが、絶対にティオナが怒るとわかりきっていたので言わないでおいた。

 『シオンを囮にするなんて許せない!』、と烈火のごとくフィンに抗議しに行く姿が目に浮かぶ。

 「望んだ、名前ではあるけど……まだ欲しくは、なかったな。贅沢なんだろうけどね」

 そして一泊置いて、シオンは言った。

 「たまにだけど、ふと思うんだ。いっそ全部投げ出して、どこかに行っちゃえば、楽になれるんじゃないかって」

 ティオナの体が固まった。

 驚きに見開かれた目と口をシオンに向け、困惑し、そして最後に、理解した。

 ――シオン、弱気になってる?

 巷の誰もがシオンを凄いと思っている。ダンジョンで指揮を取り自らも戦う、小さな者達のリーダーだと。

 確かにそれは正しい。けれど噂に尾ひれは付き物で、中にはシオンを天才だ、完璧だと言うような者さえ言うほどだった。

 でも、シオンだって疲れる時はある。だから心が落ち込んで、弱気になったとしても、不思議でも何でもないのだ。

 落ち込んでる姿を見たのは、これが初めてだけれど。

 きっとこれも一時的な物だ。明日になればいつものシオンに戻ってくれる。

 でも――私は……

 カタ、という音がする。ティオナが立ち上がった音だ。そろそろ戻るのかな、とシオンは思う。後十分か二十分で日も暮れる。そうなればシオンより軽装のティオナは寒くなってもおかしくはない。

 赤くなった夕日を見るのに目が疲れてまぶたを下ろす、その瞬間だった。

 「シオンってさ、頭いいけどバカだよね」

 「誰が、バカだ。それよりこの格好……!?」

 ――抱きしめられてる。

 何となく感覚で、ティオナが膝立ちになっているとわかった。そのままティオナは顎をシオンの額にぶつける。

 顎で額を、後頭部を胸で、即頭部を両腕が通ってシオンの胸元を抱きしめているせいで、逃げられない。そもそも『力』で劣っているシオンは、こういった体勢になるとまず勝てないのだ。

 それでも、形振り構わなければ逃げ出せた。両腕は自由に動くのだ、ティオナを無理矢理振り解けば何とかなる。

 行動には、移さなかったけれど。

 「シオンが逃げないように、だよ。もしシオンが暴れたら、私、屋根の上から落ちちゃうかもしれないねー?」

 コロコロと笑うティオナを、唯一動く視界で見上げる。

 一体何が、したいんだ、と困惑するシオンに、ティオナはいきなり頭を撫でてきた。

 「シオンはちょっと考えすぎ。だからこんな風にうだうだ悩むんだよ?」

 「考えなきゃ後で困るのは自分なんだが。いつものティオナがいい例だ」

 うっ、と言葉を詰めるティオナ。頭の地力で負けているので、口論になれば同年代でシオンに勝てる人間はほとんどいない。

 「それはそれ! これはこれ! もう、何でこういう時のシオンは頭固いのかな……いい? 一つだけ、シオンに聞くよ?」

 「まぁ、いいけど」

 「それじゃ。――シオンは、二つ名を貰えて嬉しいの? 嬉しくないの?」

 ティオナがやったのは、単純な事だった。

 感情に訴える、ただそれだけである。

 頭で――理屈で考えるのはもう散々やりきった。ならば後は、それだけだ。嬉しくなければロキとフィンに抗議しに行くだけ。幸い二つ名は【ランクアップ】の度に再度決め直せるらしいので、それを利用すればいい。

 嬉しいのなら、後は言うまい。

 「……嬉しい、よ。嬉しいに、決まってる」

 数分して、シオンはそう答えた。

 「ずっと、なりたかった」

 「うん」

 「義姉さんが死んでから、誰かを守れる、助けられる英雄に、なりたかった」

 「うん」

 「今は、名ばかりの英雄だけど……いつか、きっと。フィンが、ロキが、この二つ名がおれに相応しいと思えるような英雄に……なってみせるっ」

 「……うん」

 「でも……」

 やっぱり、シオンは優しいと思う。

 優しいから、こんなに苦しんでる。

 「私達は、気にしないよ?」

 でもその優しさは、ティオナにとって余計なお世話だった。

 「()()()()()()()()()()のを恐れてるなら、そんなの気にしないで」

 「なんでわかっ、っ」

 目を見張らせるシオンの口に指を当てて、動きを制する。

 理屈で言うのなら、自分の命を軽視しがちなシオンがここまで気にするのはちょっとおかしい。先の理由の更に付け加える内容に、誰かの目が届きにくいダンジョンで襲撃されたらパーティメンバーである3人の命も危ないから、である。

 けれど、もし感情論で言うのなら。

 「わかるよ。シオンは私の大切な、初めての――」

 一瞬ティオナは口篭ると、

 「友達、だからね」

 照れ臭そうに、笑いながらそう言った。

 ギュッとティオナの両手に力が入り、シオンの服に皺ができる。同時に胸元を押されたシオンの後頭部がティオナの胸元に押し付けられるようになり。

 トクントクンと、ティオナの心臓の音が聞こえてきた。

 ――……なんか、落ち着く。

 スッと目を閉じて耳を澄ませる。よくわからない感覚だけれど、理由もなく、体から力が抜けていった。

 シオンの肩から力が抜けたのがわかったのだろう。少しだけ体にかかる重さが増したティオナが今の体勢に恥ずかしさを覚えて、笑みを苦笑に変えて茶化した。

 「まぁ、私が図書館から出れたのはシオンのお陰だし。もしかしたらシオンは私の白馬の王子様なのかもね?」

 お姫様って柄じゃないけど、と言うと、少し身動ぎしたシオンが右手をティオナの手に重ねて強く握った。

 まるで、何かを反論するかのように。

 「ティオナはもうちょっと身嗜みに気を付ければ、お姫様になると思うけどね。素材はいいんだからお洒落してみなよ」

 「っ!」

 ティオナは一気に顔が熱くなるのを感じた。声を出さなかったのは奇跡だろう。

 今、シオンに顔を見られてなくてよかったと思う。

 きっと耳まで赤くなってると思うから。

 ――ていうかシオン、自分が褒めてるって自覚、無いよね……。

 ちょっと姿勢をズラしてぽふっとシオンの髪に顔をうずめる。どうしてそうしたのかなんてティオナにもわからない。

 シオンはちょっと擽ったそうに身をよじると、先ほど茶化された意趣返しのように、

 「でも本当の王子様とお姫様なら、この場面は愛の告白になるんじゃないかな?」

 「へっ!?」

 そんな、ティオナの心臓を跳ねさせる言葉を言ってきた。

 きっとシオンは冗談で言っている。そんなのはわかっている。だけど、それでも。

 ――少し期待しちゃうのは、どうしてなのかな。

 滅多にない機会(チャンス)である。全然察してくれないシオンに一体どれだけやきもきしたか。

 今言えば、きっとシオンは誤解せず、言葉の意味を察してくれる。

 なのに、ティオナの唇は震えたまま動かない。何かを堪えるように固く引き締まっているだけだった。

 「……それはちょっと、本の影響受けすぎじゃないかな」

 結局言えたのは、それだけだった。

 シオンもそうだよな、と笑って返す。やはり冗談だったらしい。どこかホッとしたような、寂しいような、複雑な気分になる。

 せめてもう一度だけ、力強く抱きしめてから、シオンを離す。

 「……元気出た?」

 「ああ、出たよ。悩んでるのがバカらしくなってるくらいには、ね」

 そっか、と言って、ティオナは立ち上がる。実は結構痛かった膝の鈍痛を堪えてシオンに背を向けると、

 「私、そろそろ部屋に戻るね。体、冷えちゃうし」

 「おれはもうしばらくしてからかな。あと少しだけ、夕日を見てたい。あ、そうだ。リヴェリアに一つ聞きたい事があるって、伝言お願いできるかな」

 「うん、わかった。……ちょっと早いけど、お休みシオン」

 「お休み、ティオナ」

 足音でティオナがいなくなったのを感じる。

 「なんか、変な感じ。でも」

 さっきまでは何の感慨も抱かなかった太陽に、口元を緩める。

 「本当に、ありがとう」

 その笑顔は、ティオナの好きなシオンの笑顔だった。

 

 

 

 2人が会話していた、その合間の出来事。

 「――行かなくていいの? 折角ここまで来たのに」

 「けっ、落ち込んだ男を慰めるのは女の役目だ。俺はお呼びじゃねぇ」

 「……あんたも大概素直じゃないわね。()()()()()()()()じゃない」

 「……何のことだか、わかんねぇな」

 「全く、パーティメンバーを理解するためだとか言って。本当は……」

 そんな会話が影で交わされていたかどうかは、定かではない。

 

 

 

 部屋に戻って湾短刀と投げナイフを手入れしていたティオネは、ノックも無しに部屋に入ってきたティオナを訝しんだ。

 とはいえそれもよくある事なので、何かを言うつもりはない。ただ、もう少し部屋の中にいる人間の都合は考えて欲しいが。こっちが着替えていたらどうするつもりだったのか。

 何故か何も言わないティオナにどうしたのかと視線を向けてみるも、彼女は黙したまま部屋に置いてある椅子を引いて座ると、いきなり頭を抱え出して、

 「ああああああもおおおおおおおおお! 私のバカ、バカ、バカあああああああああ!!」

 ゴン! ゴン! ゴン――!

 唐突な奇声と共に、頭を机に叩きつけ始めた。

 あまりにもあんまりな展開にポカンと口を開けて呆ける事しかできなかったティオネだが、ピシピシという妙に嫌な音が出て我に帰ると、ティオナを雁字搦めに縛りにかかる。

 「落ち着きなさい! ていうか落ち着け! 机壊れちゃうじゃないの!」

 「なんで言えなかったの、私いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 ……何とかティオナを落ち着けて、事情を聞いたティオネ。

 その第一声は、

 「――バッカじゃないの?」

 「うっ!」

 「あのシオンが、自分からそう言ってくれたのよ? またとない好機(チャンス)じゃないの。それを自分から手放してどうするのよ……」

 「うぐっ!」

 まるで鋭い刃が胸元に突き刺さったかのようにそこを押さえるティオナ。だがティオネとしては呆れて物も言えないので、仕方ないだろう。チラとティオナを見る。

 クッションを抱き枕にしてゆらゆら揺れているティオナに、しかし後悔の色がなかった。

 「だって、ズルいと思ったんだもん」

 「何が?」

 「落ち込んでるところに付け込むみたいで、なんか、イヤだったの。私が見たいのは、いつものシオンで、あんな悲しそうにしてるシオンじゃないんだもん」

 もしかしたら、受け入れてくれたかもしれない。

 でもそれは、本当にシオンが受け入れてくれたのかと、いつかきっと疑問に思うタイミングでもあった。

 いつか後悔するなら、今後悔する。

 だからティオナは、

 「今はいいの。いつか、きっと。その時まで、告白(すき)はお預け」

 そう言って、素直に笑えるのだ。

 必ず『好き』と言える、その日まで。

 「本当に、バカね。恋は戦争なのに」

 それは、フィンを好きになったティオネだからこそ言えること。

 オラリオでも女性人気の高いフィンは、ティオネの知らない内に女性に言い寄られている事が多い。それにヤキモチを妬かされた事など暇がない。

 ティオナが何も言わずにいる間、誰かがシオンをかっ攫っていく可能性だってあるのに。

 そう言い切れる妹を、誇らしく思えるのはどうしてだろう。

 「……頑張りなさい。いっそシオンの方から告白させるくらいにね」

 「うん、頑張るよ! ……それはちょっと、ハードル高いけど」

 姉妹はお互いの想い人と結ばれるため、ただ努力する。

 いつか訪れる、未来のために――。

 

 

 

 ――そんな事があってから、一ヶ月が過ぎた。

 オラリオに広がった二つ名は各所に激震を与え――特にシオンの二つ名に関しては、様々な噂が噂を呼んだ――ており、下手に外を出歩くとどこかの神に余計なちょっかいをかけられる有様となっていた。

 それでも金稼ぎのためにダンジョンに潜る必要はあるので、ぐったりとしながらシオン達はバベルとホームを行き来するハメになったのだが、ロキが方々に手を回してくれたので、今は何とかなっている。

 そしてシオンは今、相変わらずアイズの手解きをしていた。

 一ヶ月前は無理矢理型の矯正だけをしていたが、アイズの剣の腕前はメキメキと上達してきており、皆の目を驚かせた。

 Lv.2のシオンでも中々ヒヤリとする剣筋だが、それでもまだまだ荒い。

 そう、思っていたのだが。

 「ハッ!」

 「おっと!?」

 一瞬素早く手を振り、加速する剣閃。

 咄嗟に首を捻って避けたが、頬にパックリと傷ができた。特に問題無いレベルだと判断したが、初めてシオンがアイズから受けた傷だった。

 「や、やった! 初めてシオンに、攻撃当たった!」

 「アホ、無茶しすぎだ」

 と喜ぶアイズに、シオンは溜め息を吐いてゴツンと彼女の頭を叩いた。呻きながら頭を押さえる彼女の右手を無理矢理引っ張る。

 「っ……」

 「無理矢理手首捻っただろ。あんなやり方してたら癖になって簡単に骨が折れるようになるぞ。もっと考えて振れ」

 「でも、工夫はしたよ? シオンの言った通りに」

 それを言われると、弱い。

 再度溜め息を吐き出しながら回復薬を自分の頬とアイズの手首に塗りつける。この程度ならわざわざ飲む必要性は無いだろう。

 痛みに顔をしかめていたが、それでもアイズは聞いてきた。

 「ねぇシオン、私、そろそろダンジョンに行けるかな」

 「またそれか。何度も言ってるだろう? 今行っても死ぬだけだ。ダンジョンはそれくらい危険なんだよ」

 当たり前のようにそう言って、シオンは剣を握り直す。今握っているのは鍛錬用に買い直した物であり、刃は潰してある代わりに耐久度が高くなっている。

 そんな剣でシオンの頬を切り裂いたのだから、相当だ。これならもうちょっとすればダンジョンに行けるようになるだろう。

 内心でそうワクワクしながら構える。しかしアイズは一向に構えないまま俯いていた。

 その姿は、まるで我慢に我慢を重ねたかのような。

 「……? アイズ?」

 「……に、なったら」

 ギリリッ! と歯を噛み締めるような音がした。

 「いつになったら! 私はダンジョンに行けるの!?」

 一ヶ月だ。

 もう一ヶ月も経った。それなのにまだ一度もダンジョンに行けていない。フィン達は『シオンが許可したらいいよ』としか答えず、そのシオンは『まだダメだ』としか言わない。

 「私は今すぐお母さんを探しに行きたいのに、シオンは『まだ』って言うばかりで、何もしてくれない! 手伝うって言ってくれたクセに、私の邪魔ばっかり!?」

 声が裏返るほどの大きさで、アイズは叫ぶ。

 私はいつまでここで燻っていなければならないのか、と。

 「……落ち着けアイズ。焦ったっていいことは無いんだ。地盤を固めないと、あっさり崩れて死ぬぞ」

 なのに、シオンはそれをわかってくれない。

 いつも上から目線で、『死ぬぞ』と繰り返すだけ。そんなのわからないのに。そうと決まっているわけじゃないのに。

 どれだけ声を荒らげても、冷静に返されるだけだった。

 「――嘘つき」

 「え……」

 「シオンの、嘘つき! もういいよっ、私は一人でダンジョンに行くから! シオンの手伝いなんて初めからいらなかった!」

 無駄な時間ばかりが、過ぎていた。

 シオンのせいで。

 目の前にいる奴のせいでっ!

 怒りのままに背を向け走り去る。扉を押し開け、刃の潰れた剣ではなくちゃんとした剣を武器庫から『拝借』して、玄関から外へ。途中誰かとすれ違ったけど、目的までは察せないだろう。

 門番の人にはお使いと嘘を言って、外に出してもらう。

 チラリと後ろを見る。

 そこにシオンは、いなかった。




――ラブコメを封じてしまおうかと言ったな。アレは嘘だ。

とまぁ本当は前回書くつもりだった戯言は置いといて。

割とあっさり目に書かれた原作の二つ名発表を、こちらは敢えてガッツリ書いてみました。特にシオンが叫ぶシーンは珍しいので入れたかったのですよ。
シオンの本音に恥じらう2人はどうだったでしょう? ニヤニヤできたのならいいのですが。

ティオナとシオンは……あの時点では相変わらず、と。

まぁここまで長くなったのは大体ティオナがいたから()
彼女とシオンのシーン書いていたらここまでになっちゃったのです。

感想にあった部分抜粋。
『そして、六話目の
>ティオナ・ヒリュテは、バカみたいな笑顔で、それを伝えられる人間なのだから。
前々からどうしてもこれがフラグにしか思えない件。
想いを伝えようとしたティオナが羞恥で顔を真っ赤にして結局伝えられずに自室に逃げ帰って自己嫌悪に陥る様が目に浮かびました(悶絶中)』

これあったので、ちょっと細かい部分変更して書いてみました。
書いて欲しい! って感じでは無かったのですが、個人的に気に入ったのでこんな感じにしようかな、と。要望応えられたでしょうか?

言えたチャンスがあったのに言えず、後悔。しかししっかりした理由を姉に告げて微かな未練を吹っ飛ばす。ダイジェストにするとそんな感じですね。

やっぱラブコメ書くとティオナばっかりになりますね。まぁだからこそ、前回のロキの魅せ場ティオナに食われないよう分割したんですが。

・二つ名について。
本編通りベートから。
頂見上げる孤狼(スカイウォルフ)
今はまだ果てすら見えない強さの頂点を見上げている狼。つまりベートそのものを表した二つ名です。
孤がついているのはシオンが表現した『気高い狼』から。
決して孤高(笑)とか孤独(ボッチ)じゃないですからねっ!
蛇足で付け加えると、インファント・ドラゴン戦の奇襲時に空を跳んだ(スカイウォークした)事からスカイウォルフを引っ張ってきました。
まぁこちらは語感からです。これに気づいた人いたら正直怖い。

次にティオネ。
小人の乙女(リトル・レディ)
原作の姉妹の二つ名は恐ろしげな印象があります。
なのでコチラでは完全に可愛い二つ名にしたかったんですよ。可愛らしい二つ名にできてたらいいんですけどね。
【小人の乙女】をもっと詳しく言うと、小人(フィン)に恋する乙女(ティオネ)、です。ただ長いので短縮した結果ああなりました。
ティオネの頑張り、報われて欲しいです。

ティオナ。
初恋(ラヴ)
割とあっさり決まった二つ名。
前回で書きませんけど【愛】にしようか、【恋】でいいんじゃないか、なんて検討されていましたが、彼らがティオナをよく知らず、年齢的に初恋だろって事で、この名前に決まりました。
……ある意味直球過ぎてティオナが恥ずかしい目に。
本命(シオン)には気づかれてないけどね!

最後にシオン。
英雄(ブレイバー)
本編でほぼ書いたのでここでは何も言いません。
一応『ティオナは乙女』でフィンとロキが会話していたのはこの為です。結構簡単な伏線でしたかね。
感想でも
『【ロキ・ファミリア】は主神の方針から女性は美女美少女だらけですから、このままシオンが成長していったらとんでもないことにならないですかね?
新入りやらを見下すベート、ティオナやリヴェリアと口論、そして一人その新人のフォローに走るシオン。おお、新たなフラグが。
男女関わらずフォローしそうですし、将来的にメッチャ人気出そうな気がします』
おっ、と思ったものです。
実際フィンはシオンの才能と人格から『シオンなら』と思ったので、感想でもこんな指摘があったのは嬉しかったですね。

本編ではテンポ悪くなるので入れられなかった二つ名の詳しい解説。これからの本編ではまず関係しないので、裏設定的な感じです。
読まなくても影響無いのですが、気になる方のために一応。

長々と書いてしまいましたが、ほのぼのと終わった4人と違い、シオンとアイズは険悪な雰囲気で終わりました。

次回の更新は、ちょっと悩んでいます。間を開けるか、いつもどおり更新するか。恐らく次回の文章量でまた変わります。
なので次回の更新日は謎です。時間は21時ですが。
タイトルも今回は発表無し。

あんまり間は開けないので、楽しみに待っていてくれると嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。