英雄になるのを望むのは間違っているだろうか   作:シルヴィ

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『中層攻略』

 「『中層』に行く前に、一度隊列を組み替える」

 どこか疲れた様子でシオンが言う。何とか姉妹を宥めることはできたが、かかった時間と労力は押して図るべし。

 「前方にティオナとベート。中央におれ。後衛にティオネとアイズ。……おれが常に指示を出すから、これはあくまで初期配置になるけど」

 言い終えると、ティオナが首を傾げた。

 「私はわかるけど、ベートが前方って珍しいね。いつもは中央なのに」

 「アホかテメェ。中層から何が出んのか忘れたのか?」

 「あ、そっか。うん、今のは私がバカだった。何でもない」

 アイズにはよくわからないやり取り。しかし当人同士は納得したらしいので口を挟めず、そのままシオンが続けた。

 「おれの説明はいらないな。後衛のティオネとアイズだけど、はっきり言うと奇襲対策だ。最初の内は後ろの警戒をする必要はないが、ある程度進めばそうする必要がある」

 「付け加えると、比較的安全な後方なら【ステイタス】に若干不安のあるアイズが危険に晒されないから、でしょ?」

 「いやまぁそうなんだが、はっきり言わないでくれるとありがたいんだが」

 「どうしてよ? 事実なんだからはっきり言えばいいじゃないの」

 顔を赤くして目を逸らすシオンは気づかない。

 ティオネが底意地の悪い笑みを浮かべてシオンと、次いで本音を聞いて嬉しそうに両手でグーを作るアイズを見ているのを。

 「うぐぐぐぐぐ……!」

 「……大丈夫なのかよこのパーティ」

 それから歯軋りするティオナと、一番遠くから呆れ果てているベートもいたが。

 話しながら13層へ続く下り坂を降りていく。視界の先には今までの軽く整備されてきた道とは違う、全てが固い岩盤で形成された少し幅が増えた通路が広がっている。ところどころに灰色の岩石も転がっており、戦闘の際には注意しないと転びそうだ。

 湿った空気も何かを想起させてくるようだが、生憎と知識になく、わからない。

 「なんか、山の中にある洞窟って感じがする」

 ポツリとティオナが呟く。全面的に同意するが、実際はダンジョンの中にあるのだから、ここの仕組みは謎だらけだ。

 「13層から先は最初の死線(ファーストライン)って事で有名ね。光源が足りないから、奇襲には注意しないと」

 後衛として気合を入れ直すティオネを見て、アイズも『なぁなぁ』ではダメだと、先ほどのシルバーバック戦を思い出して警戒心を叩き起こす。

 「一番面倒くせぇのは縦穴だな。落ちたら階層飛ばしだ。戻るのも一苦労だぞ。シオン、こっから先のマップは覚えてんのか?」

 「知識だけあってもって感じだ。頭の中で立体的な組み立てができたとして、自信を持ってこっちだとは言えないな」

 付け加えれば、必死になって覚えたマップが間違っている可能性もある。やはり実際に体験しないとわからない事は多い。

 ベートもその辺りは理解してくれてるのか、仕方ないと割り切っていた。

 「……私、今回でダンジョンに潜るの二回目になるけど、『上層』とは全然違うんだね」

 暗に、どうして中層に来たのかとシオンに聞いているアイズ。全員の視線が集まる中、シオンはどうしてか荷物を下ろすと満面の笑みを浮かべた。

 「じゃーん! これ、なんでしょーか!」

 シオンが広げたのは、光沢の強い、派手な赤い生地。風になびいて揺れる程に薄い作りで、傍目で見ても重さが感じられない。

 名称『サラマンダー・ウール』と呼ばれる『精霊の護符』の一つ。精霊の魔力の編みこまれている特殊な効果がついたローブで、『サラマンダー』の名の通り、炎属性に対し高い耐性を誇る布。それが五着。

 付け加えると、恐らくローブの下に着る用だろう、踊り子風の服が二着、インナー三枚にパンツが二枚、スカート一枚。

 どんどんと取り出された物の内容に、アイズ以外の3人の顔が引き攣る。

 「待て、シオン。これ用意するのにいくらかかった……?」

 「うわ凄いよティオネ。裁縫技術かなり高いみたい」

 「どれ一つとして手抜き無し……どうやって揃えたのこれ。『精霊の護符』って確かすっごく高いんでしょう!?」

 3人の様子を見てアイズも大雑把ながら状況を把握したのか、恐る恐るシオンを見る。質問しようとしたアイズは、しかしいつの間にか手甲やら胸当てやらを外して着替え始めていたシオンの体を見て、アイズは硬直した。

 「え……あうぅ……」

 年齢に反して少ないとは言え筋肉のついた体。親の遺伝か、薄い明かりでも真っ直ぐ目に入る白い肌は、女と見紛う程だ。細い手足もあって、本当に戦う人には見えない。

 「……ん、どうしたアイズ?」

 着替え終え、真っ赤な上下の服を整えながらアイズに言う。ポヤーっとしていたアイズはハッと我を取り戻すと、ギャイギャイ賑わってる姉妹と戦慄しているベートを横目に、小さな声でシオンに聞いた。

 「この、えっと、『サラマンダー・ウール』? 大体どれぐらいしたの?」

 「フィンから渡されたクーポンと、十三着同時購入で割り引いて貰って六九万ヴァリス。本当はもうちょっと値切れそうな気もしたけど、次回利用がしにくくなるから諦めた」

 「ろくじゅ……」

 提示された金額に、アイズが固まる。ついでに騒いでいた3人も固まった。どこからそんなお金を引っ張ってきたのかと考えて、そういえば、と思い出す。

 ――シオンって、貯金が七十万以上あったはずだから……。

 買えなくは、ない。全財産を吹っ飛ばす覚悟があれば。

 「ああ、パーティ資産には手を付けてないから大丈夫だよ。おれのポケットマネーだ。気にしないで着てくれ」

 ――気にするわ!

 と、珍しくアイズまでもが同意して4人心中で叫んだが、シオンはもうそれ以上言う気は無いらしい。『サラマンダー・ウール』を手渡してくる。

 ここはまだダンジョン。口論していればそれだけ隙を晒し続ける。それはわかっている、のではあるが。

 「……これ、どこで着替えればいいのよ?」

 ティオネの純粋な疑問に、今度はシオンの時が止まった。

 サプライズにかまけて純粋な問題をド忘れしていたアホがいるようだ。シオンとベートは男だからまだ気にしないだろうが、ティオナ、ティオネ、アイズの3人は女だ。こんなどこに人の目があるかもわからない場所で脱ぐような酔狂な感性は、生憎持ち合わせていない。

 どうすんのよこれ、と渡された踊り子風の服を胡乱気に揺らしていると、

 「……や、やらかした――!」

 シオンがガックリと項垂れていた。どうも完全に何も考えていなかったらしい。何となく、アイズは『通常時のシオンはアホだ』と言われている理由の一端を悟った。

 「シ、シオンからの贈り物だし……私は――!」

 「やめなさいティオナ」

 目がグルグル回りだしているティオナを一括してから、ティオネは手元の服を数秒見つめ、ふぅと溜め息を吐いた。

 「見苦しいけど、服の上から着れば何とかなるかしら」

 どうせローブを被るのだ。多少の違和感は黙認するしかないだろう。そう諦め、彼女は今着ている服の上に『サラマンダー・ウール』を纏う。元々薄着なのもあって、そこまで着心地が悪くなかったのは上々。

 「どうせシオンの事だし、ローブだけだと不安だったんでしょ? 炎は気体だからローブで防ぎきれるかわからないから」

 「……全部お見通しか」

 少しでも火傷を防ぐために、ローブ内部にもう一つ保証が欲しかった。それが自分達の命を守るためだとわかっているから、ティオネも大きく出れない。

 わざわざ服が違うのだって、アマゾネスという種族を考えてだろう。できるだけ服の面積を大きくするために、許容できるギリギリを選んだのだ。

 がしかし、置いてけぼりの人間が1人。

 「ねぇ、一つ聞いていい? そもそもなんでこれ買ったの?」

 「これが必要なモンスターが出てくるからだよ」

 「話を聞くだけでも厄介そうな相手が、ね」

 そう、つまり。

 ()()()()()()()()()()()()ような攻撃を使うモンスターが、13層から存在する、という事だ。

 「13層から出現する『ヘルハウンド』……別名『放火魔(バスカヴィル)』としても知られている。上層とは違う高い身体能力も厄介だけど、何より注意すべきは口から発射される炎の息吹だろうな」

 アイズの着てる鎧なら蒸発されて終わるくらい高熱の炎だし、と言うシオンの横顔は、冗談とか洒落とかが一切含まれていなかった。

 つまり、そんな言葉が吐き出せるような生易しい相手ではない、ということ。『サラマンダー・ウール』が無ければ全滅も覚悟しなければならないような、そんなモンスター。

 アイズは急いで鎧を脱ぎ、服の上から『サラマンダー・ウール』を着る。この場で最も危ないのはアイズというのは、自分が一番よくわかっている。

 「ベートを前衛にしたのは、ヘルハウンドがいるからだ」

 「わぁってるっての。アイツが出たら他のモンスターより先に殺せって事だろ?」

 「ああ。ベートの動きがパーティが全滅するしないの境目だ。……できるか」

 「舐めんな。狼だぞ、俺は。たかがヘルハウンド(犬っころ)、噛み千切れねぇでどうする」

 不敵な笑みを浮かべるベートに、緊張なんて言葉は縁遠い。後はシオンが信じきれるかどうかでしかない。

 ――こいつなら、やってくれるだろ。

 全員がそれぞれ、ローブも含めて『サラマンダー・ウール』を纏ったのを見て、シオンは言う。

 「中層は上層と違う。あっちは武器を投げつける程度しかしなかったが、ここから先は明確な遠距離攻撃を使ってくる。今までみたいな戦い方は通用しない。――おれだけじゃない、自分でも考えて行動してくれ! ……アイズには、悪いけどな」

 「ううん、大丈夫。無理はしない。できる範囲で、できる事をやるよ」

 そう、シオンにできるのは信じること。

 「それじゃ――『中層攻略』、行くぞ!」

 「「「「おう!!」」」」

 

 

 

 

 

 「シオン、前から敵が来たよ! 多分一角兎(ニードルラビット)……の、強化モンスター!」

 「数は!」

 「多分十五匹だ! もう少し距離が詰まったら先駆けするぜ!」

 多い、と思いながら前方を見つめる。

 単純計算1人頭三匹になる。いきなりこの数とは、ちょっと運が無かったかもしれない。ただ腕試しにはちょうどいい。

 ティオナの言葉が正しければ、敵は恐らく『アルミラージ』だ。

 兎のような外見を持ったモンスターだ。通常の兎と違うのは、その額に生えた一本の角。体格は大体自分達よりちょっと大きいくらい。

 そこまでは一角兎と変わりないだろうが、彼らが一角兎と明確に違う点は、後ろ足で立つ、つまり二足歩行していることだ。

 実際彼らの姿を見ると、概ねシオンの知っている内容通りだ。

 「……可愛い」

 「見た目と違って中身は可愛くないけどね」

 その愛くるしい姿をポーッと眺めるアイズの頭を叩いて再起動。ティオネとしても可愛いのは同意したいが、だからといって見惚れるのは危ないのだ。

 そう、アルミラージは見た目と裏腹にかなり好戦的なモンスターで、現にこちらを視認すると手近にあった大岩を砕き、即席の石斧(トマホーク)を取り出した。

 天然武器にも限りはある。全員が装備できた訳じゃないが、半数が武器を持っているだけでも十分脅威だ。

 アルミラージは中層でも比較的弱い部類に入る。敏捷についてはシルバーバックすら上回っているくらいだが、逆に言えばそれだけだ。

 厄介なのは、ただ一点。

 「相手は『集団戦』に強い――連携の練度が勝負の決め所だ! 行くぞ!」

 どちらの『集団』が優れているのか。

 人間の雄叫びと、魔物の鳴き声。

 それをぶつけ合いながら、彼らも己の体を削り始める。

 「まず一匹貰うぜ!」

 グッと体を沈め、ベートの体が掻き消える。Lv.2になり、それからずっと走り回っていたベートの『敏捷』はもう500代を超えている。アルミラージの動きを上回る速力に戸惑う彼らの内、前の方に居た武器を持つ一匹の心臓を貫く。

 『キュウ!?』

 『キィ、キュ! キッ!』

 驚きに声をあげながら、しかし仲間意識が強いのか、彼らの目に怒りが宿る。数匹がベートに向かって殺到するが、彼は冷静にアルミラージを見つめる。

 離脱はできない。アルミラージを屠った代わりに、全速力の一撃は相応の硬直をもたらした。その場に縫い付けられたかのように動かないベートは自身に迫る斧を見つめ、

 「……ハッ」

 薄く笑い、軽々と避ける。一発、二発、敢えてベートはアルミラージに近づいて仲間殺しを誘発させようとしていた。決して止まらないベートを捕まえられず戸惑うアルミラージ。

 ベートの役目はあくまで遊撃手。必ずしも倒す必要は無い。

 要は、その場で敵を引き付けられればそれで十分なのだから。

 「私も行っくよー!」

 眼前を埋め尽くす敵を前に怯まず大剣を構え、足を踏み出すティオナ。振りかぶれられる石斧を敢えて避けず大剣で受け止め、そのまま全てを斬り捨てる。

 「うん、問題なし。私の『力』なら武器ごと斬れる!」

 一撃で決着を付けられ、援護にすら回れなかったアルミラージはそれでも前と左右からティオナに向かって殺到する。右から無造作とも言える石斧の振り下ろし。ティオナはそれを後ろに下がって回避し、同時に左側からの拳をいなす。

 それでも躱しきれるのは二匹まで。最後の一匹は哄笑を浮かべてティオナへと凶爪を振るう。

 「……ま、させないけどね」

 ――トスン。

 それは、とても小さな音だった。

 『キュイイイィィ!?』

 ティオナの後方から飛来した、一本のナイフ。それは容赦無くアルミラージの眼に突き刺さり、その視界の一部を奪った。両手の指と指の間に挟んだ計八本のナイフを弄びながら、ティオネは次なる獲物を狙う。

 『キィ!』

 後方支援をするティオネを危険と判断したのだろう。眼を抉られたアルミラージが吠え、次いで残ったアルミラージがティオネに向けて走り出す。

 「アイズ、ティオネと一緒にアルミラージを倒してくれ!」

 その壁となるようにシオンが彼らの前に立ち塞がる。視界の端でティオナが視界を塞がれたアルミラージを倒しているのが見えた。

 「おれも、負けてられないよな……!」

 ベートには劣るが、シオンの速度だってアルミラージを上回る。軽く地面を蹴って移動し始めた時には、もうアルミラージの前にいた。

 『キュキュキュ!』

 しかし何度も同じことをしすぎたらしい。アルミラージは冷静にシオンの剣を見て回避すると、反撃してきた。

 「――甘いんだよ」

 キン、という音とともに、アルミラージの腕が吹き飛ぶ。そこに走った激痛を知覚し膝をついた瞬間、その首が吹っ飛び血が吹き出てきた。率直に言ってグロい。

 それでも怯まず二匹のアルミラージがシオンの前後に移動する。後の二匹は行ってしまったが、追いかけるにはこの二匹が邪魔だった。

 「まぁ、いいか。出会い頭の一匹削りは成功してるんだし」

 『相手の方が数が多い時には、必ず最初の接敵で一匹削る』――杜撰な考えだ。しかし数の暴力に対処できる方法の一つでもある。

 実際今ベート、ティオナ、シオンとの接触で三匹、途中ティオナがもう一匹削ったため、生き残っているのは十一匹。それもベート三、ティオナ、シオン、ティオネとアイズがニずつ受け持っているのが現状だ。

 ――残ったニ匹がこっちで言うベートの役割か。

 警戒は向けておく。だがこのまま順当に行けば、特に問題はないだろう。

 なにせ、ここにいるのはアイズを除いた全員が『Lv.2』という存在。今までは『サラマンダー・ウール』という物が用意できず来れなかったが。

 戦力的な意味で考えれば、シオン達は()()()()なのだから――。

 「緊張してる?」

 「ううん、大丈夫。行けるよ」

 そう言葉を交わして、アイズはティオネの前に出る。その体に過度な緊張はない。あくまで自然体、リラックスした状態だ。心配する必要は無いだろう。

 まだアイズには出会い頭の一殺しはできない。ティオネのフォローは必須だ。

 ――あ、隙発見。

 ベートの相手をしているアルミラージの一体が意固地になっているのか、ベートだけしか目に映ってない。

 ――はい、援護しとくわよ。

 声は出さない。静かに、ナイフを『置きに』行く。アルミラージの絶叫を耳にしながら、もうすぐ傍まで来た敵を注視する。

 アイズが剣を構え、アルミラージが石斧を持つ手に力を入れて。

 ――その石斧を、『ぶん投げた』。

 「え!?」

 ほとんど反射的に剣で受け止めて、アイズは失策をしたと理解した。

 もう一匹のアルミラージが全速力を維持してアイズに突っ込んでくる。手に武器はないが、その額にある角は十分鋭い獲物だ。このままでは石斧を防いだ衝撃が抜けないまま、腹に風穴が開く一撃を貰う事になる。

 「まったくもう、中層からのモンスターは面倒くさいわね」

 そう言って、いつの間にかアイズの前に立っていたティオネが湾短刀を構え、防御する。交差した湾短刀で受け止められた角を一気に真上に押し上げ、その勢いに乗ってアルミラージの体が宙に浮いた。

 「ほら、アイズ」

 「ありがと!」

 ティオネが横にズレると、アイズがガラ空きの胴体に突きを入れる。先ほどのベートの攻撃で魔石のある位置は大体わかっている。後はそこを突けばいいだけだ。

 自分達の受け持ちは後一匹。

 「新手、来るわよ」

 そこに、今まで戦闘に入るようで入らず周囲を走り回っていたアルミラージがアイズとティオネへ駆けてくる。やはりティオネの投げナイフはそれだけ警戒されているのだろう。彼らの目にはどこか必死さがあった。

 武器持ち二匹が走って来るのは中々迫力がある。剣を持ち直しているアイズに、ティオネは提案する。

 「私が二匹相手するわ。アイズは武器持ちのどっちかを相手して」

 「……。わかった」

 言いたい事はあったが、沈黙する。【ステイタス】と戦闘経験において、アイズがティオネに勝っている部分は何一つ無い。反論するだけ無駄だし、そんな時間も無かった。

 アイズは駆け出し、アルミラージを迎え撃つ。一匹は立ち止まってくれたが、もう一匹はそのまま横をすり抜けていった。

 ――脅威だと思われてない、か。

 この場にいる誰より弱い、そう判断されている。モンスターにそんな『知性』とも呼ぶべき物があるのか甚だ疑問ではあるが、そういう行動を取っているのだから考える意味は薄い。

 今はただ、目の前にいるアルミラージを倒すべき。

 「行くよ」

 『キィァ!』

 アルミラージが体当たりをしかけてくる。相手の方が素早いため、回避するのも困難だ。アイズはその場でしゃがんでスライディングし、アルミラージの『股下』を通る。蹴られないかと冷や冷やしたが、幸いそうはならなかった。

 グッと前に出した足で地面を掴み反転。彼の武器、機動力を奪うために足狙い。だがアルミラージもバカではない。己の一番の武器を理解しているからこそ、そこを守ろうとする意識はどこよりも強かった。

 アイズと同じく反転したアルミラージは石斧を地面に叩きつける。

 「……!?」

 その不可解な行動に瞠目したアイズは、アルミラージの真意を理解した。

 ――石が、邪魔……!

 粉々に割れた石と砂がアイズの目の前に広がる。このまま行けば石が体に当たり、砂が目に入るだろう。急停止するしかないアイズに、アルミラージは石斧を叩きつけた場所――即ち大岩のあった場所から新たに天然武器を確保する。

 どちらも怪我はなく、手放した武器もない。

 アイズとアルミラージの一騎討ちは、まだ終わりそうになかった。

 ティオネは二匹のアルミラージを前に、両手の湾短刀を向けながら言う。

 「さて、お守をする必要は無くなったし……そろそろ『全力』を出しても、いいかしらね」

 アルミラージの『ティオネが危険』という判断は、間違っていない。だが同時に、どうしようもなく間違っていた。

 ()()なのではない。()()と呼ぶべきだ。

 何故ならそれは、『シオンがティオネを前に出そうとしない理由』の一つだから。

 前後になった状態で来るアルミラージ。武器を持った方が後ろにいるという事は、前にいるのは陽動で、後ろの武器を投げたりしながら追撃できるのが本命か。

 「――小細工ご苦労様」

 ティオネはそんな彼らを笑い、手にした二本の湾短刀をあっさりと――投げた。

 『……キュ!?』

 投げられたのは、後ろにいたアルミラージ。一本目の湾短刀を回避するために減速、更に二本目を躱すために失速。それに戸惑う前方のアルミラージに近づいて角に触って。

 「いいわね、これ。私に()()()()()?」

 ボキン、という音がした。

 『キュイィイイィィィィッッ!?? キィィァアァアアアァァァ!?』

 余りの激痛に意識が飛ぶ寸前のような悲鳴を上げ、身悶えるアルミラージ。そんな姿を見てティオネが抱いた感想は。

 「あら、ここにちょうどいい台座が」

 手に持っていた折れた角を、アルミラージの額に突き刺す。グリグリと頭を掻き回し、ビクビクと震えるアルミラージを眺めながら、ティオネはただ笑っていた。

 「……もう死んじゃったの? 根性無いわねぇ」

 角から手を放し、ティオネは手を見る。ささくれだった角を持っていた影響か、その手は血塗れになっていた。

 しかしティオネはそれを一顧だにせず、残った武器持ちに目を向ける。

 『キュ!?』

 その瞬間、アルミラージが肉食動物に補足された草食動物のように震えだし、

 『キュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!』

 ……全速力で、その場から逃げ出した。

 「はい?」

 その予想外の行動に、ティオネの思考が止まり。

 「……に、逃げるなああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 慌てて自分の(えもの)を、追い駆け始めた。

 剣を両手で持ち、アルミラージの体を両断する。二対一程度ならどうとでもなった。一匹をいなしながらもう一匹を追い詰めるなど造作もない。相手が焦ってくれたのもあったが、ジワジワと嬲り殺しになったのはちょっと気分が悪かった。

 シオンには相手をいたぶる趣味など無いのだから。

 一応ベートとティオナを見るが、相手をしているアルミラージに少しずつ手傷を負わせているようで、特に手助けはいらなそうだ。それなら自分の方を先に終わらせよう。

 「それじゃ、次……ん?」

 『キュ、キュ、キィィィィィ!??』

 喉の奥から絞り出したかのような悲鳴が後方から聞こえてくる。どうにも気になって敵と自分の位置を調節した後、そっと後ろを見ると。

 泡を食ったように全力で走る、アルミラージの姿が。

 ――え、怯えてる?

 思わず驚愕するシオンだが、それでも体は動き出す。今走っているアルミラージは前傾体勢を取っていてシオンの姿など見えていない。だが、走る方向は自分の方、つまりこのまま行けばシオンの立っている場所に突っ込んでくる。

 それを先に察知したのはシオンを相手取っていたアルミラージ。石斧を振り回し、シオンの動きを阻害する。

 ――乗ってやるよ。

 シオンは、避けない。剣で相手の攻撃をいなし続ける。そしてそこに敵味方関係無く突っ込んできたアルミラージの角がシオンの腹に迫ってきて。

 ――ギャリギャリギャリリリッッ!!

 いつの間に取り出したのか、逆手に持たれた短剣が角とぶつかり、火花を散らす。その音と衝撃にアルミラージは我を取り戻し、このまま走れば自身の速度によって頭に短剣が突き刺さると理解すると、急いで減速を始める。

 ……それが、死神の鎌に刈り取られる行動だと、知らずに。

 「ばいば~い」

 似合わぬ口調で、笑顔のティオネがアルミラージの首を斬り飛ばす。それを確認せず、シオンの前に立っていたもう一匹を切り捨てた。

 「ありがとね、受け止めてくれて。あのまま逃げられてたら面倒だったわ」

 「……一体何をやったんだか。まぁいい、二人のフォロー行くぞ」

 「了解」

 気には、なった。

 なったが、世の中には知らなくていい事がある。

 ティオネの戦闘の仕方を知っていながら、しかし知らないフリをし続けるシオンは、目の前の戦闘に意識を向けることで、一旦全てを忘れることにした。

 シオン、ティオナ、ティオネ、そしてベート。

 この四人の連携を前に、元から『詰み』が見えかけていたアルミラージは、そう間を置かずに全滅した。

 そして残った一匹である、アイズの前に立つアルミラージ。

 仲間の全滅を知り、それでも一糸報わんと決死の覚悟でアイズを睨む。

 そんなアルミラージを、アイズは静かに見ていた。

 ――全身ズタボロになった、その兎を。

 確かにアルミラージは強かった。その素早さに翻弄されかけもした。だが、それでも、アルミラージはシオンの速度よりも劣っている。ならば、その程度の速度しか出せぬアルミラージを捉えられぬはずはない。

 シルバーバックを倒した経験は、確かな血肉となってアイズを支えていた。

 走る、駆ける。それぞれの動作で一人と一匹は交差した。

 ――キンッ、チッ。

 血を斬って、帯刀。アルミラージからの返り血を浴びる事無く倒しきれた事実に、アイズは両手を握って歯応えを感じた。

 「そっちも終わったか」

 「あ、シオン。うん、なんとかね。私だけでも倒せたよ」

 褒めて褒めてと言うアイズを素直に褒める。微かに安堵の息を吐いたのは、うまくいった事を喜ぶ証か。

 「まぁ、シルバーバックに勝てたんだから大丈夫だとは思ってたが」

 「え……?」

 アルミラージの魔石を回収しながら、シオンはそう言った。

 そう言えば中層に行ったほうが早いからと説明を後回しにしたのを思い出す。魔石を回収しながらこちらに聞き耳を立てる3人にも届くような声音でシオンは説明した。

 「実を言うとアルミラージを始めとして、【ステイタス】面だけで判断するならシルバーバックを全面的に上回るモンスターがすぐに出てくるわけじゃないんだ」

 あくまでここは13層『でしかない』のだ。12層からの続きであるこの階層は、確かにモンスター達に知恵がつき、攻撃方法も多彩となる。その上量だって違う。だが、それに対処できれば後は何も変わらない。

 「少なくともシルバーバックを倒せれば、中層から出てくるモンスターを相手にして戦える。サポーターっていう()()()()()()じゃなくて、1()()()()()として数えられる」

 そもそも13層はLv.2が1人と、できるサポーターともう1人の合計3人がいればある程度渡り合える程度でしかない。

 よっぽどのトラブルにでも見舞われなければ、Lv.2が4人のパーティならアイズがいても十分に守りながら戦える。

 だから、あんな無理をする必要はない。それは誰もが感じる疑問だ。

 「で、でも、そんな無茶しなくても、少しずつ戦っていけば」

 「それにアイズは耐えられるのか?」

 「――!」

 「チマチマと他の冒険者みたいに少しずつ強くなっていくのに、耐えられるのか。たった一ヶ月戦闘訓練をするだけで爆発した、お前が」

 言われれば、反論できない。

 当たり前だが【ステイタス】は戦わなければまず伸びない。アイズが戦い、その身で勝ち取れなければ意味がないのだ。

 だからシオンは、敢えて強敵と戦わせた。本来なら身の丈に余るモンスターを相手に、本人の才覚だけで上回らせる事で、強制的な【ステイタス】の底上げ(パワーレベリング)を図ったのだ。

 「……でもそれ、下手すれば死ぬわよ? その時はどうするつもりだったのよ」

 魔石を回収し終えたティオネが胡散臭そうにシオンを見るが、シオンはシオンでその問いを鼻で笑い返した。

 「おいティオネ、勘違いするなよ。誰がアイズに剣を教えたと思う? 誰があのシルバーバックの相手をしたと思う? ――戦力差くらい計算したさ。その上で『アイズが勝つ』と判断しただけにすぎない」

 そう、シオンは一月もの間アイズと手合わせし続けた。

 そしてアイズと戦わせる前に、シオンはシルバーバックの動きを軽く見た。

 彼我の戦闘能力を鑑みて、その上で行けると判断したにすぎないのだ。後はアイズの精神力次第だった。怯えていれば勝てないのは自明の理。その時は素直に介入するつもりだった。

 それに、とシオンは言うと、

 「仮に勝ったとしても、その後もちゃんと考えていた。余裕で勝てたのなら問題はない。普通に倒せてもな。ただ、ギリギリだったら今日は中層に来ないつもりだった。無謀な特攻をする程、バカなつもりはない。一番大事なのは、アイズの命だからな」

 そして見事、アイズは期待に応えてくれた、というわけだ。

 実際アイズは単独でアルミラージを倒せている。本来ならLv.1の中でも上位の能力値が無ければ倒せない相手をだ。これならこのまま戦い続ければ、上昇量は期待できるだろう。

 「理解できたか? できたのなら魔石を入れて次に行くぞ」

 「待って。次もアレだけの量が来たら辛いわよ。もう少し考えないと」

 「その必要はない。アレだけのアルミラージがここにいたのは理由がある。……多分、おれ達が来る前に逃げたパーティがいる。入れ違いだったんだろう」

 普通、十五なんて数のモンスターが一ヶ所に密集するのはありえない。ならば、それを引き連れた誰かがいるはず。

 そしてそんな事をするのは、冒険者しかいない。

 「だから、これから当たるとしても精々片手で数えられるくらいだと思う。慎重になるのは大事だけど、そこまで身構える必要もないよ」

 「そう、でも私は警戒を続けるからね」

 そう言うと、シオンは小さく笑って了解と返した。

 シオンがベートとティオナのところに向かうと、ティオネはアイズに向き直る。

 「……大体わかった?」

 「え?」

 「だから、シオンの考えが、よ。わざわざこうして目の前で口論してあげたんだから、覚えておかないと損よ? ()()()()()()()シオンも説明してくれたんだから」

 「私の、ため」

 「当然でしょ。あなたはまだまだ経験が足りない。だったらせめて、知識だけでも増やさないとダメでしょう。ちゃんと覚えておきなさい」

 ポンポンとアイズの頭を叩くと、ティオネはアイズの手を引いてシオン達を追いかける。合流した5人は、その後幾度かの戦闘を経て、地上へ戻った。

 幸いと言っていいのか、あるいは不幸だったのか、ヘルハウンドとは出くわさなかった。

 それでも今日のところは、大成功で終わったと見ていいだろう。顔にそれぞれの笑みを浮かべながら、5人はホームへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 そしてシオンは、リーダーとしての責務の一つ、得た物をフィンに提出する作業を行っていたのだが、

 「――もう出さなくていい?」

 「ああ。正確には、これから自分で換金しに行くんだ」

 それは、今まで禁止されていた事を解禁するという事を示す。何故今になって、と疑念の視線を送ると、フィンは頭が痛いという顔をしていた。

 「そもそも、できれば最初からギルドに行かせたかったんだ。でもシオンは外見が外見だから、荒っぽい冒険者に金を奪われやすい。だから僕が代わりにやってたに過ぎないんだよ」

 「まぁ、そこはわかってるけど」

 「でもシオンもLv.2として名が知れ渡ってる。ギルドの近くで問題を起こすとしたら、それを知らない新米くらいさ。それ以外は手を出せないはずだよ」

 「何故なら【ロキ・ファミリア】の後ろ盾が強いから、か」

 「そういうことだね」

 シオンは、フィン達だけではない、【ロキ・ファミリア】という看板に守られている。そこさえ利用しろと彼らは言うが、何とも言えない感覚を呼び起こされる。

 「フィンの時間を必要以上に奪う事がなくなったのは嬉しいけど、ギルドで換金する理由は? 別に商人相手に直接取引してもいいだろうに」

 「いくつか理由はある」

 まず、魔石やドロップアイテムの買取。ギルドでの買取価格は最低限度の物だが、逆に言えば相場を下回る事はない。そこで『最低限』を覚えておけば、実際に商人達に売りつける時にボッタくられずに済む、というわけだ。

 それから冒険者依頼(クエスト)。とはいえこれは今のシオン達に余り関係が無いので放っておく。

 しかし上記の二つでは、わざわざギルドに行く意味は薄い。

 だからフィンが示唆するのは、最も重要な情報である『ダンジョンの情報』だ。

 当然ではあるが、ギルドはダンジョンに最も密接にかかわるところだ。それが仕事なのだから言うまでもないが。

 けれどここで重要なのは、『ギルドにはどの冒険者も赴く』点にある。現在は全く出向かないフィンとて、たまに行く用事はある。

 ピンからキリまでの冒険者がギルドへ赴く。その理由は様々だ。そんな中、ふとした拍子に噂話から真実味を帯びた情報が転がっている事もある。

 実はもう一個理由はあったが、そこは話さないでおく。どうせすぐにわかることだ。

 「つまり、ダンジョンの『不穏な話』を……情報を集めろってことか?」

 「そういうことだよ。そういった類の情報は実際に体験した【ファミリア】に、次いでギルドに集まるのが一般的だ。特に『上層』と『中層』は、潜る人間の数が段違いだからね」

 「…………………………」

 誰かの命を預かるのなら、内側だけに目を留めてはいられない。それを知ってはいた。それでも実際にやるのは、少し勇気が必要だった。

 「わかった。行ってくる」

 だが、シオンはそう言う。

 自身が背負うのは、仲間の命。多少の面倒と、臆病風くらい吹き飛ばさんで何とする。

 そう思って、来ては見たものの……。

 ――どうすれば、いいんだっけ?

 まず初めに覚えるべき手順を全てかっ飛ばした結果、行き交う人々を見ている事しかできないシオンがそこにいた。

 列に並んで受付嬢に頼む、ただそれだけの事に、かなりの難易度を感じてしまう。魔石とドロップアイテムを持ったバックパックの紐を握り締め、誤魔化すように冒険者依頼の貼られた掲示板を眺めているしかない。

 そこに理由はなかった。

 「……あの、何かお困りでしょうか?」

 「はい?」

 まず目に入ったのは、どこかほっそり尖った長い耳。けれど身内にエルフのいるシオンにとってそれは見慣れたものだが、どうしてか気になった。

 けれどその一点を見続けるのは失礼だと思い直し、彼女の全体像を見直す。光沢に溢れたセミロングのブラウンの髪。美しいその容姿は、しかしエルフのような際立った完璧さのない、どこか親しみを感じさせる角の取れた容貌。

 ――ハーフエルフ?

 細い体に、見たところギルドの制服であるギルドのスーツとパンツを着慣れていない感じで纏っていた。

 恐らく自分よりも二つか、三つ上。

 そんな判断を下していると、シオンの言葉を疑問に捉えたのか、彼女は一度頭を下げてきた。

 「申し遅れました、私はエイナ・チュールと申します」

 「丁寧に、どうも。シオンだ」

 別に名前を気にした訳ではないのだが、名乗られたからには返すのが礼儀だ。そんなシオンの反応に少し安心したのか、ホッと息を吐き出すと、彼女は笑みを浮かべて言った。

 「ようこそ、ギルドへ。冒険者依頼の発注依頼でしょうか?」

 その言葉の内容は、よくわからなかったけれど。




――や  ら  か  し  た。

8巻何となく読み返してたらエイナさんがギルドの受付嬢始めたのが『五年前』である。どうやら色々考えていた間にどっかで頭の中でごっちゃになったみたいです……。
言い訳用意しておくと原作エイナさんは19歳。受付嬢を11歳開始→下積み期間もあるでしょって考えて仮で10歳からギルドにいたっていう感じ、だった、のに……。
原作通りに考えるのなら14歳。つまりシオン達が11歳の時にににににに。三年の差はちょっと大きすぎる。
いやでもそろそろギルドに絡ませて且つ原作キャラで受付嬢してるので出せるの彼女だけしかいないしオリキャラ出すとエイナさんの出番時困るしアアアアアアァァァァァッァ!??

……よし決めた。
うちではこの設定を通す。

将来的にギルドの受付嬢で働くと決定済み→そのためバイトとしてギルドの仕事を手伝い、学区で勉強しながらノウハウを覚えている真っ最中。そこでシオンと出会った。

――理論武装終了。バイトなんだからいてもおかしくないよね!

だって受付嬢をしたのが『五年前』であってそれ以前に何してたかなんてどこにも書いてなかった『はず』だからね。問題無いね!
後は知らん(丸投げ)
うちはうちのやり方を通すだけだあああああああああああああああああああ!!

とまあアホな私のアホな独白は置いといて。

解説じゃ解説!

・『サラマンダー・ウール』の調達
前回鎧を購入したとき一緒に注文していた。これのお陰で所持金が七割方吹っ飛んだ模様。逆に考えるとまだ貯蓄が残っている、恐ろしい。
ちなみにシオンは天然である。ここで新たな属性を付け加えるのだァッッ!!!

・前回のアイズへの無茶振り
最初わざわざシルバーバックと『遊んで』からアイズに手渡した理由がアレ。ちゃんとシオンは考えているのです。
あくまでシオンの目的の一つは『アイズを速く強くさせる』なのですから。できるできないは判断しているんですよ。

後はいつも通り。5人になって色々複雑化する感情模様。からかいからかわれ嫉妬し嫉妬され気苦労をかけあう。それでも最後は笑顔、です!
――ティオネの悪魔っぷりは忘れてください。

後感想でリューさん期待されてた方いますが申し訳ない、彼女の出番はもう決まってしまっているんだ。
物語上結構絡んでくる予定なので、それまでお楽しみに。
(ミスをフォローするためのおためごかしじゃないよ? ホントダヨ?)

次回は、どうしよう……。書き終えて知った事実にショック受けてる。閑話にする予定だった話を繰り上げて、できたらもう1人原作キャラでも出すかな……。
特にいてもおかしくないし。うん、問題無い、はず(疑心暗鬼)

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