英雄になるのを望むのは間違っているだろうか   作:シルヴィ

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一応前回の後書きにも書きましたが、こちらにも注意書きを。

・本編の15年後(シオンが25歳)の短編。
・本編に無い設定の登場。
・あくまでIfストーリー。

要するにBAD END√みたいに考えてくれって事です。こっちでの設定本編に持ち込まれても困りますし、その逆も然り。

それでも良いって方はどうぞ、楽しんでいってくださると幸いです!


閑話 その心を向けて欲しい

 細かな数字と文字が入り乱れた紙に目を落とす。些細な報告書に過ぎないが、かといって適当に済ませてもいられないのが辛いところだ。

 全文通して誤字及び脱字が無いか再度確認し、お金の移動に違和感が無いかも見る。どれだけ有名な派閥でも腐敗は存在する。見逃しては調子に乗られるので、目を皿のようにして確かめた。

 全て大丈夫だと判断して、ようやっと判を押す。それを確認済みの箱に入れた。そして横に置いてある未確認の紙を入れた箱を見て、大きく溜め息。

 「毎日毎日、よくもまぁ……」

 かつてフィン達がやっていた作業らしいが、面倒という、ただそれだけの感想しか出てこない自分に呆れる。

 この作業をするようになったのは十年程前。その時は単なる手伝い程度で、本格的に任せられるようになったのは二十歳くらいから。六年前くらい、か。

 「十五年くらい前は気楽だったんだけどな」

 あの時はあの時で苦労ばかりではあった。それでもこうして、日々紙の束に追われないだけマシに思えるのはどうしてか。

 文句は言えない。それだけの恩を自分はこの【ファミリア】から貰った。その恩を返す一つとして次代を育て、見守るのは当然のこと。いつかは今のこの苦労も笑い話になるだろう。若気の至りである数々の英雄譚(くろれきし)も、今ではすっかり笑い話だ。

 また一つ書類を片付ける。そこで一度伸びをすると、欠伸してしまった。

 今いる場所はホームの中庭。そこに生えた木の一本、その下で作業をしていたのだが、ポカポカと暖かい気温、木陰故に感じる清涼さ。時折流れる風が髪をなびかせ、微かな眠気を極端に刺激して止まない。

 その誘惑を振り切れない。計算上、一時間以上寝ても問題無いと判断してしまっては尚更だ。

 「少し……寝て、再開……」

 敢えてその欲求に逆らうことなく、瞳を閉じる。瞼の裏に浮かんだ激動の日々に、口元が緩やかな弧を描いた。

 そして――最後に一人の女性が振り返る姿が見えたところで、意識は落ちた。

 

 

 

 

 

 コツ、コツ、コツ、と一定のリズムを保った靴音が響く。一瞬の乱れも無いその動きは、足音の主が相当に鍛えていると伺える。

 その足音が、止まった。ふと見下ろした中庭に面する窓から、一人の青年が見えたためだ。力が抜け切った様子に、思わず笑ってしまう。そして無意識に触れた手首――そこに嵌められたブレスレット。それを愛おしむように、撫でていた。

 どれ、一つ叱ってやろうと思いながら階段を下り、扉を開けて中庭へ。気配を隠すことも誤魔化す事もせずにすぐ傍まで近づいても、眠りから覚める様子は無い。そこでちょっとした悪戯心が湧いてしまい、隣に座ってみる。

 すると、その衝撃故か体が揺れ、頭が肩に乗っかった。ある程度とはいえ成人男性の重みは、女性の身である彼女にとってそこそこの重みとなる。

 その重みを、悪くない、そう思っている時点で彼女の心境が伺える。起こさないよう、その手に握られたままの紙をスッと引き抜き、判子が押されているのを見て、確認済みの箱へ。叱ってやろうと思ってきたのに、そうしていない自分は甘いのだろうか。

 「だが、悪くはない、な。こういうのも」

 呟いた言葉は、決して誰にも聞かせてはならない。溢れてしまった想いが口からついて出てしまっただけ。幸い近くに人はいない、だから問題も無い、はず。

 けれど、そう思う彼女は気付けていない。

 その顔に浮かぶ笑みは、とても穏やかで、幸せそうで。それは誰より愛しいと想う人と一緒にいる女性の、魅力溢れる表情だった。

 それを見てしまえば、この女性が青年にどんな想いを抱いているのか――察せない者はいないだろう。

 ――もうちょっと。もう少しだけ望んでも、罰は当たらないだろう。

 さも偶然を装い、青年の頭が前に動くようにする。重力という法則に従い、青年の体が横に倒れていく。そこまでされれば流石に起きる、しかし倒れきる寸前、女性は修練された技術で勢いを相殺すると、優しく己の膝の上に小さな頭を乗せた。

 起きて――いない。

 成功した、と小さくガッツポーズ。普段の彼女であれば、そのイメージを崩してしまうだろうくらいに想像できぬ姿。

 その体勢から、数秒。喜びを抑え、それでも隠しきれぬ喜色を湛えながら、彼女の手は青年の髪を梳いていた。

 そうされる青年の顔は、彼女の目が曇っていなければ、とても穏やかで、安心しきっていた。

 

 

 

 

 

 ちなみに。

 彼女は()()()()()()()()と思っていたが、それは()()()()()()()と同義ではない。

 「――やっぱ気づいてねぇな、ありゃ」

 ホームの最上階から二人の姿を見下ろす青年。その顔にあるのは呆れがほとんどを占めていた。内心では、二人供らしくないなと思っていた。

 「何やってんのよベート。……って、あの二人は」

 そんな彼の様子に、偶然通りがかった女性が声をかける。少女然としていたのは昔の話、今ではすっかり女性らしさを身につけていた。魅力溢れる、そう言い切ってもいいくらいに、とベートは思っているが、決して口には出さない。

 「見りゃわかんだろ」

 「わかるけど……」

 野次馬同然な状況を見られた事に少し気まずさを感じ、ぶっきらぼうに答える。それが不満だったのか、ティオネは何か言いたげだった。しかしその感情を振り払うように肩を竦めると、

 「正直、あんたはアレを見てどう思ったの?」

 話の中心である、あの光景へと目を向けた。ベートとしても思うところはあったのか、すぐに答えてくれる。

 「どこをどう考えたとしても、決定的だろ」

 「――。そう、よねぇ」

 「あの距離までシオンに近付いても起きない。そんだけ受け入れられてる証拠だ」

 シオンは気絶でもしない限り、誰かが近付けばすぐに起きる。例外はアイズやティオナを始めとしたパーティメンバーくらいだが、それだって理由がなければ無理だ。

 唯一の例外。

 何時シオンに近付いても、心の底から身を任せられる――そんな存在は、一人だけだ。

 リヴェリア・リヨス・アールヴ。

 シオンが今よりずっと幼い頃から、母として、友人として――シオンにとっての『姉』はあの人だけなので、それだけはなれなかったが――成長を見守り続けてくれた彼女だけが、シオンが心安らげる居場所。

 リヴェリアもそんな自分である事を良しとしている。……良しと、していたのだろう。

 「リヴェリアのあの表情、私にはよくわかるわ」

 「…………………………」

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それは、かつてティオネがフィンに抱いていた感情そのもの。だからこそ、ティオネはどうしようもなくリヴェリアに対して共感を覚えてしまう。

 そんな事は無いのだと伝えたい。諦めずに伝え続ければ。いや、まず伝えなければ、始める事さえできないのだと。

 思わずリヴェリアのところへ行きかけたティオネを、ベートは止める。

 「やめとけ。余計なお節介にしかなんねぇよ」

 「どうして、そう言い切れるのかしら」

 「シオンはこの【ファミリア】で一番の頑固者。リヴェリアはこの【ファミリア】で一番の自制心の塊だ。下手に何かすれば、悪化するだけだ」

 他にも色々理由はあるが、最も大きな理由はそこにある。恐らく、シオンがその想いを伝える事は無いだろう。それを察している可能性が高いリヴェリアも、自分から言う事は無い。自制心がありすぎるが故に――魔導師だからこそ培った『大木の心』が原因で――決して、枷を外す事ができないからだ。

 シオンが動かなければ、リヴェリアは動けない。

 「だから、やめておけ。俺達にできるのは、見守る事だけだ。歯痒いけどな」

 

 

 

 

 

 シオンが起きるのを察したリヴェリアは、名残惜しむ感情をねじ伏せながら、膝の上に乗せていた頭を地面へ移動させ、立ち上がる。

 その後すぐ、シオンは目を瞬かせると上体を起こし、意識を覚醒させる。それでも少しだけぼうっとしていたのは、どうしてだろうか。

 「……リヴェリアか」

 「書類仕事が全部終わった訳ではないだろう。サボっていて大丈夫なのか?」

 本当は、処理してある量と内容からわかっていたが、敢えて聞いた。先程の事はリヴェリアの胸に仕舞っておくために。

 アレは一時の幸せ。誰かに知られていたとしても、シオンにだけ知られなければいい。リヴェリアはそう思いつつ、素知らぬ体を装って言った。

 「手伝いが必要であれば、手伝うが」

 「それは……いや、頼っても、いい?」

 ちょっとだけ逡巡を見せたが、最終的には頷いた。本人は無意識だろうが、目尻を下げての上目遣いは、中々に威力があると、リヴェリアは目を逸らした。

 「……リヴェリア?」

 「っ、いや何でもない。どんどん頼ってくれて構わない、シオンの頼みであれば、私としてもその信に応えたいからな」

 言いつつシオンの隣に座る。先程のように密着ではなく、半歩分の距離を取って。

 「…………………………」

 その事がどうしようもなく悲しいと思ってしまった事を、リヴェリアはすぐに消し去り、何事も無く書類を処理してシオンと別れた。

 どうせ後で自分が確認するからと言って箱を持って立ち去ったが、違和感は無かっただろうか。何時もの自分でいられただろうか。そう考えていると、

 「リヴェリア」

 「フィン、か。私に何か用でも?」

 「ちょっと誘いに、ね」

 向かいから現れたフィンに呼びかけられた。彼に問いかけてみれば、返ってきた言葉はその掲げられた物とほぼ同時だった。

 「酒か。フィンにしては珍しいな、昼間から飲酒など」

 「たまにはいいかなと思ってね。ガレスは誘ってないんだけど、どうする?」

 ふむ、と顎に手を当てて考える。普段のリヴェリアであれば、まず断っていた。相手がどうこうではなく、何の理由もなく昼間から飲酒を好んでいないだけだが。

 しかし、今は。酒を飲んで、この想いを紛らわしたいと、考えてしまった。

 「わかった、たまには付き合うのも悪くない」

 それに驚いたのは、誘った側のフィンだった。リヴェリアは少し訝しんだが、すぐに普段の自分を思い出して納得した。

 ――フィンが驚いていたのはそれだけではないのだが、リヴェリアは気付かなかった。

 二人並んで移動し、適当な空き部屋を借りて蓋を開ける。コルクを抜くのに道具などいらない、適切な力と角度で引っ張れば軽く抜けるのだから。

 グラスを受け取ったリヴェリアはそれを傾けて酒を入れてもらう。ある程度注ぐと、今度は逆にリヴェリアがフィンの持つグラスへ酒を傾けた。

 正直言うと、二人共ザルだ。この程度では酔うに酔えないだろう。『耐異常』を上げすぎて酔う事すらできないシオンよりはマシだが。

 と、考えていたリヴェリアの予想に反し、

 「……この酒、かなりの度数だな」

 「元々ドワーフ用の酒みたいだからね。そのせいかな?」

 「なるほど、納得だ」

 一般のドワーフならそれだけでほろ酔いになるような度数であっても、この二人には通じない。ただそれも、一杯や二杯程度の話。フィンの話術と動作によって、リヴェリアは気付かぬ内に三杯四杯とグラスを傾けてしまう。

 その事実に、やっぱり、とフィンは眉を寄せた。

 ――リヴェリアも、そろそろ限界みたいだね。

 恋という感情を理性で抑えるのは難しい。ハイエルフである事に誇りがあっても、それに固執していないリヴェリアにとってシオンと結ばれるのに障害はない。周囲のエルフに何か言われたとしても、その相手は凡庸ではない、稀代の傑物。文句は封殺できる。

 だからこそ、彼女は辛いのだ。自分達は結ばれる事に何の問題もないのに、未だに結ばれていない事が。

 ちょっとでも考えてしまえば、それは現実的な問題になる。理想(ユメ)と現実。その差が、本人の気付かぬストレスとなっていた。だからフィンの誘いを受けたのだ。

 考えている内に、リヴェリアの酒を飲むペースが落ちてきた。どれだけ気分が落ち込んでいようと、ほろ酔いと泥酔を見極める程度の自制心は残っている。だから、チャンスは今だけだ。

 「リヴェリアは」

 「うん?」

 「シオンの事を……どう思っているんだ?」

 ピシリ、と空気が凍った。次いで怒気に移り変わる。一度瞳を閉じたリヴェリアの頬からは赤みが消え、その眼には冷たい物が宿る。

 「用件は最初からそれか。頼んだのは……ティオネだな」

 「誤魔化す、のは無理みたいだ。そうだよ、断りきれなくて、ね」

 「全く、何歳になってもあの子は。余計なお世話だ」

 フィンが肯定すると、リヴェリアはあっさり怒気を収め、視線を落とす。それから苦笑を浮かべて、グラスに注がれた酒に映る自分の顔を眺めた。

 「……心配されるほど、私はダメになってしまったか?」

 「そう言う訳じゃない。でも、ところどころリヴェリアとは思えない行動を取ってるみたいだ」

 あくまで他人事な言い方から、それは誰かから聞いた話なのだとわかる。ティオネか、ベートかあるいはそれ以外の団員か。

 「シオンは、気付いていると思うか?」

 「気付いていたならもっと別の対応になってるさ。アレはとにかく鈍い。そうであるように自分自身を追い込んでる。無意識で気づいていたとしても、意識は気づかないように、ね」

 「やはり、か」

 リヴェリアも何となく察していた事実をフィンにも指摘されて、肩を落とす。何とも言えない雰囲気に、フィンも思わず口籠ると、

 「儂を抜かして酒飲みとはどういう事じゃああああぁぁぁぁぁッ!!」

 ドゴン、という轟音と共に扉が開かれ――吹っ飛んだともいう――ると、そこから現れたのは筋骨隆々のドワーフ。

 「フィン、ドワーフでも滅多に飲めない希少な酒を手に入れたそうじゃな。何故儂も誘わん、お主薄情過ぎないか!?」

 余りにもあんまりな事を言うドワーフ、ガレスに、落ち込みかけていたリヴェリアでさえ呆気に取られてしまう。フィンとリヴェリアが沈黙していると、冷静になったガレスは二人を交互に見直して、やっと気付いた。

 「……珍しいな、リヴェリアが付き合うなど。なるほど、儂は余計な事をしたようじゃ」

 ガリガリと後頭部を掻き毟りつつ、残っていた最後の一脚に座る。フィンが飲んでいたグラスを勝手に奪うとそこに酒を注ぎ、一気に飲み干した。

 「――カァ、良い味じゃな!」

 「ガレス、君は酒を飲みに来ただけか? ならそれごと持って行っていいから、出て行ってくれると……」

 「まぁ、待て。単に喉を潤したかっただけよ。本題はこれからこれから」

 酒瓶を置き、体の向きを直してリヴェリアに正対する。先程までのおちゃらけた雰囲気は形を潜めていて、嘘は許さないと宣言していた。

 「リヴェリアよ」

 「……何だ?」

 「四の五の言うつもりはない。もし、シオンがお主を好きだと言ってきたら、どう答える?」

 「――それは」

 直球過ぎる言葉に、思わず目線を逸らしてしまう。あまりに情けない、あまりにらしくない。そんなリヴェリアにフォローを入れようとしたフィンを手で制し、ガレスは続けた。

 「受け入れるか、否か。それだけ答えてくれればいい。それさえわかれば、儂もフィンも、これ以上の余計なちょっかいは出さんと誓おう」

 違えれば酒を禁じよう、とまで言ってのけたガレス。大の酒好きの彼がそこまで言うのなら、あの質問は本気も本気、なのだろう。

 だから、リヴェリアは答えた。

 「もしシオンが、私でいい、と言ってくれたなら……そうだな。涙を流して抱き付いてしまうくらいには、喜ぶだろうさ」

 普段のリヴェリアからすれば絶対にありえない事だ。それは言外にそんな事は起こりえない、と告げていた。

 それを、ガレスは鼻を鳴らして一笑した。

 「シオンが何時までも殻に籠っているはずが無かろうに。ま、期待して待つがいい」

 そう言ってガレスはフィンの肩に手を置いた。フィンはその肩に込められた力に苦笑し、二人は部屋の外へ出る。

 残されたリヴェリアは一人、泣きそうな顔で、

 「期待など……散々しつくしたさ」

 泣きそうな声で――小さく、言った。

 

 

 

 

 

 書類仕事を終え、完全に手持無沙汰になったシオンは一人街に出ていた。服、装備、食糧に回復薬等の備蓄は最近補充したばかり。挨拶回りもしなくていい。

 「久しぶりに歩き回るだけってのも良いか」

 目的の無い散歩も、たまにはいい。そう思って適当に歩き回っていたら、中央、ダンジョンに繋がる塔前の広場で、ばったりと知り合いに出会った。

 「ベル、か? 帰ってきたのか」

 「そっちは仕事、じゃないみたいだね。珍しい」

 ダンジョンから帰ってきたばかりなのか、ところどころ薄汚れているベル。二十を超えても容姿は変わらず、兎みたいな印象は薄れていない。

 まぁ、それはシオンにも当てはまる。というより『神の恩恵』の効果によって全盛期が長い二人は老化がほぼ進行しないため、十六歳の頃から外見的変化は無い。

 「ああ、完全に暇だ。アテもなく彷徨っていたところだが、そっちは? 一人か?」

 「うん、そうだよ。たまにはソロで潜るのもいいかなって。でもあんまり深いところに行くとヘスティアに怒られるから、中層までだけどね」

 ふーん、と相槌を打つ。随分過保護なんだな、と言えば、心配されてると思えば嬉しいよと返された。

 「そうだ、今日の稼ぎで何か食べに行かない? 奢るから」

 「……なるほど、言われてみれば良い時間だ。丁度お腹も空いたし、お言葉に甘えて」

 ベルと並んで歩き出す。妙に視線を浴びるのは、仕方ないのだろう。滅多に行動を共にしない二人が一緒にいるのだから。

 「お店に入るのは」

 「やめた方がいいだろうな。迷惑にしかならん」

 「だよね……」

 どこに行っても視線を感じてしまうので、仕方なくそこらの屋台で適当に買い漁り、食事の確保を済ませる。後はそれらが零れないようにすると、

 「んじゃ、()()()

 「いつでも」

 軽い動作で、しかしその結果はありえないもの。二人にとってのちょっと跳んでみたは、数Mを超えて屋根の上にその体を着地させる。それを数度繰り返して視線を撒いて、裏路地に飛び込んで何度も曲がる。

 そうして全ての人間を振り切ると、シオンとベルは適当な段差に座って腰を落ち着けた。

 「何か零れてないか?」

 「ギリギリセーフ、問題ないよ」

 肉の串焼きを受け取って噛み千切り、飲み込む。ベルはスライスした肉をパンで挟んだ物を、大口開けて放り込んだ。

 ホームでは二人共団員が用意してくれる料理を食べるので、こういったジャンクフードは久しぶりだった。こう、雑多な味付けがたまらない。

 「……シオン、一つ聞いてもいい?」

 「内容次第。流石に内部情報は流せないからな」

 なんて冗談を口にしつつ、はてなんだろう、と思う。ベルからの質問も随分前にあったきりなので、今日は珍しいことが多いなとも思った。

 それは、油断だった。

 「シオンは、リヴェリアさんに告白しないの?」

 「――――――――――な、にを」

 油断していたから、誰でもわかるくらいの動揺を見せてしまった。

 致命的な失敗。誰にも――多分ベートとかはわかっているだろうけど――バレないように注意していたのに、何故、ベルが。少なくともベルの前でリヴェリアと行動していた事は無いはず。

 いいやそれよりも、質問の意味がシオンにはわからない。

 大きく深呼吸して、言った。

 「質問の意味が、わからない」

 「そのままの意味だよ。あなたが好きです、付き合ってくださいって意味の」

 相変わらずベルに気負いはない。むしろ、どうしてシオンがこんな反応をしているのかと、困惑すらしていた。

 絶句しているシオンの反応。

 「……ん、あれ?」

 どこかで見たことが――いや、覚えがあるような反応。一秒、二秒、と考え、十を数える頃に、ああと思った。

 「もしかして、遠慮してる?」

 「……ッ!?」

 「図星、なんだね」

 ああ、覚えがあるはずだ、と鈍い自分に呆れてしまう。思えばベル・クラネルも、シオンという人間も、好いた相手がほとんど同じ共通点を持っている。

 だからきっと、シオンがベルの言う『遠慮してる』という真意も、ほぼ同じなはず。

 「……僕はリヴェリアさんの事を、あんまり知らない」

 良くも悪くもベルはリヴェリアに対し人伝から聞いた話しか知らない。

 「でもね、これだけは言えるよ」

 それでも、その人がシオンを好いていたなら、一つだけわかる事がある。かつて自分も言われた言葉。ベルが偉そうに言える事ではないが、敢えて口にする。

 「シオンのそれは、ただの自分勝手だ」

 「自分、勝手って。何を、根拠に」

 「君はそれで満足だろう。でも、少しは考えた事がある?」

 顔を歪ませて、聞きたくないと言いたげなシオンを、ベルは見たことがない。だけど、少しだけ安心した。聞きたくない、という事は、それを自分でもわかっているのだ。

 ――目を背けて、内に籠っているのは、決して相手の為だけではないのだと。

 「待たされ続ける相手の方が、辛いんだって」

 遂に、シオンは反応すら見せなくなった。けれど、纏う雰囲気は逃げているものではなく、ただただ考えている人特有のそれ。

 しばらくして、シオンは目を閉じたまま言った。

 「俺は、さ」

 何かを堪えながら、それでも続ける。

 「愛するのが怖いし、愛されるのも怖いんだ」

 どうして、とは問わない。ずっと昔聞いた事があるから。今では英雄とまで呼ばれるシオンは、幼い頃にたった一人の家族を失った、と。

 それが理由で、英雄になると立ち上がったんだ、と。

 「ベルは知ってるだろうけど、幼い頃の俺は義姉さんだけが全てだった。小さな子供にとって親が全てみたいなのと、同じようなものかな」

 「……うん。僕にも、わかるよ」

 「そうか、そういえばお前も爺さんを……」

 いや、と首を振って、逸れかけた話を戻す。そっちの話は、またいつかすればいい。

 「義姉さんは、目の前で、俺を庇って死んだ。その後気絶して、目が覚めて、アレが夢でも何でもないとわかって。ただ、胸の真ん中に空洞ができた気がした」

 だからこそ、シオンは恐れた。

 「人が生きている以上、どうあがいても繋がりはいつかどこかでできる。でも、その繋がりをまた失えば――弱い俺は、耐えられない」

 シオンは愛するのが恐ろしい。愛した誰かの手を二度と繋げないことが、震えて動けなくなるくらいの恐怖を生む。

 シオンは愛されるのが怖い。かつて何の理由も無く愛してくれた人は、愛してくれたが故に自分を守って死んでしまったから。

 「それに、な。相手はヒューマンじゃなくて、エルフ。それも更に長寿のハイエルフだ。どうしようもない『寿命の差』は、俺よりもいつかのリヴェリアを苦しめるだろう」

 シオンは知っている。愛する事の恐怖の側面、その一つ。異性ではなく、家族として愛した人の死でも、あそこまで抜け殻にさせられた。

 「なら、今のままでいいと思ったんだ」

 でも、とシオンは続けた。

 「それが俺の独りよがりだって、ベルは言いたいんだろう?」

 「……そうだよ。僕も、シオンと同じことばかり考えてた。だけど、やっぱり間違っているのは僕だったんだよ。自分一人で勝手に納得してたって、意味がないのに」

 結局それに気づけたのは、気づかせてくれた人がいたからだけど。

 「シオンも、まずは言ってみたら?」

 「……。ああ。まずは言ってみる。ダメだったら――許してくれるまで、頑張るさ」

 「だったらきっと大丈夫だよ」

 シオンの『頑張る』は『できるまでやる』のと同じこと。であれば、それはいつか実現してしまう事なのだ。

 何よりも、

 「よし、善は急げって奴だな。ベル!」

 「何?」

 「ありがとう!」

 そんな屈託のない笑顔を見て、できない姿だなんて想像もできない。どこか吹っ切れた様子を見せるシオンは、そのまま一気に跳躍して消えてしまった。

 一人残って食事を続けていたベルは、口の中が空っぽになったタイミングで呟く。

 「……本当に、良かったんですか?」

 「…………………………」

 物陰に隠れていた、()()()()()()は、俯きながらも答えた。

 「良いんだよ、これで」

 その声音は、少しだけ泣きそうではあったけれど、

 「シオンは今までずっと頑張ってきたんだもん。幸せになれないなんて、私が嫌」

 でもきっと、満足そうでもあった。その顔には、穏やかな笑みを湛えつつ、彼女はいつもの快活な声で言った。

 「それに何より、私は始めから一番でなくてもいいって思ってたからね。シオンはリヴェリアが好き、でも私だけが嫌い、なんて許してあげないんだから!」

 「そう、ですか」

 その言葉は、自分の友人に言われた言葉を思い返させるものだった。その友人である彼女は、その宣言通り今も諦めていない。

 そして、段々と絆されている自分がいるのを知っていたベルは、

 「でしたら、諦めなければ想いは叶いますよ」

 シオンの苦労を思い浮かべ、苦笑した。

 

 

 

 

 

 リヴェリアは、団員の一人から受け取った伝言に首を傾げながら廊下を歩いていた。

 ――『初めて会った場所で待ってる』とは、一体……。

 誰が言ったのかも伏せてくれと言われてしまい、どこに行けばいいのかわからない。……その、はずなのに。

 ――やめろ。期待、してはならない。

 鈍い痛みに胸を押さえる。そんな都合の良い事などありえない。きっと人違いか、悪戯か。

 『もし、シオンがお主を好きだと言ってきたら』

 こんな時に、ガレスの言葉を思い出すのは、どうしてなんだろう。

 『どう答える?』

 「……私、は」

 頭痛を起こす程に脳が回転する。否定して否定して否定して、それでも浮かんでくるのは『ひょっとしたら』という期待。

 きっといない、いるはずがない――そう思いながら、辿り着いた扉を開ける。

 そこは、怪我人を寝かせるための部屋。そして、彼と初めて会った場所でもある。脆くて、今にも崩れそうなくらい泣いていた子供がいた場所だ。

 その部屋に、リヴェリアが思い描いていた人がいた。

 「……時間的に考えると、真っ先にここに来てくれたのか」

 聞こえてきた言葉にドキリとする。けれど、それよりも、シオンの言葉に悔恨の色が強く出ていたのに驚いて。

 「シオン、どうした? こんなところにわざわざ呼び出して」

 だけど、何事も無いかのように、何も知らないように振る舞う。シオンはそれに強く瞼を閉じてから、リヴェリアと二歩分の間を開けたところで止まった。

 「あなたが好きです」

 「――ッ!?」

 たった八文字の言葉。それを聞いても、リヴェリアの脳は『ありえない』と否定した。視界がブレている――それはつまり、瞳が揺れている。

 それはシオンにもわかった。信じられていない、というのも。

 「リヴェリア・リヨス・アールヴという人が、好きなんです」

 だから、言葉を重ねる。信じてくれないなら、信じてくれるまで言い続ける。シオンの我儘で待たせてしまった、だから今度は自分が待たされ続けても仕方ないとさえ思っているから。

 「……っ、何の、冗談だ。全く笑えないぞ」

 「冗談じゃ無い。俺は本気だ」

 口調を戻し、本気を示すようにはっきりとした口調と、鋭い目で彼女を見る。それを見た賢しいリヴェリアは、理解して、一歩下がった。

 「……どうして、何故、今更?」

 「俺は、怖かった」

 想いを伝えるのは怖い。断られるのは嫌だ。

 ――理由を伝えるのは、それよりも恐ろしかった。

 それでも言おうとしたのは、隠し続けるのを厭う故に。

 「自分が愛した人を残して、死ぬことを。愛した人が()()()()()()()()()()苦しむ姿を、考えるのが」

 「どういう、意味だ」

 「初めて愛した人は、忘れられないから」

 初恋、というのは厄介だ。初めて恋して、好きになって、愛してしまったら。いつかどこかで別の誰かを好きになっても、その時感じた物を影として覚えている。

 「それこそ記憶喪失にでもならない限り、その人の影を追ってしまう。……家族としてだけど、義姉さんを愛してた俺が、今でもそうしてるみたいに」

 でも、とシオンは続けて、

 「それでも、リヴェリア。……私と一緒にいてくれないか?」

 あなたの心を、私に下さい、と。

 「リヴェリアよりも先に死んでしまう私に、あなたの(こころ)を。私に向けてほしい」

 身勝手だ、と思ってしまった。ずっとずっと拒んでいたくせに、なんでこんなにあっさりと言ってくるんだと。

 そう恨み節を吐こうとして、でも、そうする前に体が動いていた。

 どん、とぶつかるみたいに自分の体をシオンに押し付けて、両肩を掴んで、その胸に顔を埋もれさせて。

 「……七年、待ち続けたんだぞ」

 「……うん」

 「ハイエルフの私でも、この七年だけは、どんな時より苦痛だった」

 「……ごめん」

 「だから」

 リヴェリアは、泣いていた。

 ()()()()、泣いていた。

 「それ以上に、私を愛し続けてくれ」

 その思いを伝えるように、グッと体を伸ばして。

 シオンの唇に、その小さな唇を重ねて――すぐに、離した。そうして微かに涙の残る顔で笑いかけると、シオンは強く、抱きしめた。

 「ああ。愛し続けるって、誓う」

 その言葉にリヴェリアは体の力を抜いて、そっと寄り添った。

 ――その言葉を、信じます。

 二人にしか届かない呟きを、風に乗せて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……シオン」

 「わかってる。もうそろそろ、時間だって」

 アレから、数十年が経ってしまった。ヒューマンの平均寿命を大幅に超えて生きているシオンであっても、もう限界は近い。

 事実、空の上では生命を司っていた神が言っていた。

 ――近い内、あなたの体は朽ちるでしょう。

 むしろ、想定を超えて生き続けていられたのは、多分、いやきっと。

 本当に色々あった。諦めきれなかったティオナはずっとぶつかってきて、その陰に隠れるようにアイズまでもが付いてきて。困惑しながらリヴェリアに言えば、私は構わない、私をずっと愛してくれるならなと男前なセリフが返ってきた。

 その後子供も生まれて、親としての接し方に困って、仕事もあって寂しい思いもさせた。それでも誰かに支えられて、生き続けた。

 大丈夫、と胸を張って言える。自分や彼等彼女等の子供はもう立派な大人になった。後を任せてしまっても、良いんだ。

 先の二人は、もう逝った。シオンが看取った。二人共満足そうだったから、それが何より嬉しかった。

 残るのは、リヴェリアだけ。それだけが、心残りではあるけれど。

 「リヴェリア、俺のことは忘れてくれ――とは、言わないよ」

 あなたの心をください、と言ったのは自分だ。だから、絶対に忘れてくれだなんて言わない。伝えるのは、これだけ。

 「お前が俺を覚えている限り、愛してくれ」

 それは、傲慢なのだろう。けれど、そう言われたリヴェリアは、むしろ満足そうだった。聞けばそう言った瞬間叩くつもりだったとのこと。

 「今更、というものだ。……愛し続けるさ、ずっとな」

 「はは、そうか。嬉しいねぇ、こんな爺さんに、美女が言ってくれる言葉としては最上級だ」

 「爺さんと呼べる外見ではないがな」

 シオンの外見は、多少歳を取ったものだ。それでも精々三十の後半程度。ちゃんとした装いをすればまだ二十代でも通じるほど。

 『恩恵』による副次効果と、充実した人生だったからこそ、だろう。

 しかし、シオンの体からは少しずつ力が抜けていく。

 わかってしまう。今日が『その日』なのだと。あの宣告を告げられてから、最期まで共にいようと決めたから。

 「シオン、私は幸せだよ」

 「……俺も、幸せだ」

 お互いにお互いの手を握り合う。シオンの手はとても冷たくて、逆にリヴェリアの手はとても温かかった。

 「じゃあね、リヴェリア」

 またいつか、という言葉は――聞けなかった。

 聞けないままに、シオンは逝った。完全に力の抜けきった手はリヴェリアの手の間からスルリと抜けていく。

 ああ――と、リヴェリアは口元を手で押さえた。

 「また、とは……言って、くれないのか」

 あの日、結ばれて以来泣いた事は無かったけれど。

 今日くらいは――泣いたとしても、きっと許してくれる。

 

 

 

 

 

 「やめとけって、その森は危険だ。そっちを通るよりも迂回した方が安全だぜ?」

 そしてまた、数百年が経った。

 数年程オラリオに留まり続けていたリヴェリアだが、ふと思い立って旅に出た。それこそ世界全てを見て回ったと言い切れる程に。

 けれど、移り変わる光景に、不変は無い。かつて見た場所でも、ずっと違う色を見せてくれる。だから彼女は旅を続けていた。

 「問題はない。私を害せるほどの脅威があるとは思えないからな」

 「は? ……ハァ、全く。んじゃせめてもの情報だ、危険の理由は、よくわからん人影がいるからだとさ」

 「そうか。情報、感謝する」

 やれやれと肩を竦める優しき偉丈夫に礼と、多少の金銭を渡して村を出る。無理にその森を通る必要はなかったが、迂回しては時間がかかってしまう。

 それに、腕には多少以上の自信があった。

 一時間か、二時間か。恐らくその間くらいの時が過ぎた時に、強い視線を感じた。敢えてそれに気づいていないフリをしつつ更に待つと、

 「……ッ!」

 小さな掠れ声と共に、上空から奇襲をしかけてきた。

 リヴェリアは余裕を持って後ろに下がると、地面に着地した人――全身に外套を纏っているせいで外見はわからないが――は、即座に追いかけてきた。

 地を這うように進んできたそれは、地面に落ちる石ころを拾うと即座に投げる。体を傾けてそれを避けると、隙と見たのか短剣を構えなおして更に走ってきた。

 「……甘いな」

 多少体が傾いている、その程度で隙と判断するなど。

 リヴェリアは持っていた杖を突きだす。当然回避されたが。片手で持っていた杖を思い切り横に振り上げる。下から斜め上に掬い上げられた杖の先が、人影の腹に突き刺さる。しかし、浅い。飛び退いて威力が低かったらしい。

 ――いや、それともう一つ。

 「風、魔法か?」

 突発的に吹いた風がリヴェリアの杖を押し退け、逆に影が飛び退くのを加速させた。今までリヴェリアが相対してきた者は、大抵一合で叩きのめせたのだが。

 「お前、名は?」

 ふと気になった。外で出会った者にしては随分強い、それが理由で。

 「……人に聞くなら、まず先に言うべきじゃないか」

 声は、比較的高い。それでも声の主は男性だとわかる。まぁ、微かに見える体付きから何となく察してはいたけれど。

 少し考え、そして答えた。

 「リヴェリアだ。リヴェリア・リヨス・アールヴ」

 「リヴェリア・リヨス・アールヴ……」

 何かを確認するように言い直すと、人影は少し機嫌良さそうに言う。

 「その響きは、良い。良い名だ」

 いきなり褒められて困惑すると、人影はそのまま跳躍して木の枝に飛び乗る。予想はしていたが逃げるらしい。

 「個人的に気に入った、お前はこのまま通す。だけど居残るのはやめてくれ、また狙わないといけなくなる」

 ――気に入ってくれたのは嬉しいが、せめて、名くらいは聞きたかった。

 そう残念に思っていると、

 「……俺には親がいなくてな。自分で付けたものしかない」

 それでも良い、と考えながら目で見れば、どうしてか伝わった。人影はどうせだからと外套を外して、その顔まで見せてくる。

 ――その、顔は。

 「()()()、だ。ふと思いついた名前だ、忘れてくれていい。じゃあな、リヴェリア」

 もう何百年も前に逝ってしまった、愛する人と、同じもの。

 ボサボサになって、まともに切っていない汚い藍色の髪と、埃に塗れた、女性のような顔。微かに見えた長い耳。違う点は多々あるけれど、それでも、その顔を、覚えていた。

 もう振り返らず、さっさと去ってしまったその人影に、リヴェリアは強い熱を胸が抱いたのを感じてしまう。

 ――お前か、そうじゃないのかはどうでもいい。

 そう、どちらでもよかった。

 ――もう一度、お前に会いたい。

 数百年ぶりに出会った気になる相手――だから絶対に、逃がさない。




ぇーまずは謝辞を。昨日投稿したかったんですけど、18時に家帰ってきて風呂入って飯食べて気付いたら気絶してました。朝まで11時間程。
仕方ないから夏祭り2日目にPCで書いてます。多分今日も帰ったら気絶してる(かも)。

さて、今回は シオン×リヴェリア でした。
『女性登場人物達も魅力的で素晴らしいです。リヴェリアに特に魅力を感じます、仕事の出来る自立した大人の女性である彼女ですが、是非とも主人公との恋愛などで女の幸せを掴んでほしいです。新鮮さ、という意味でも、恋愛要素などで人間関係でも新しい段階を描いていって頂きたい』
という感想を頂いたので、ふと思いついた内容を短編にしました。
リヴェリアとシオンの年齢的に厳しかったんです。やっぱり本編の年齢だとどう見ても彼女を淑女()にしてしまうのでこういう形に。

……そもそもダンまちのエルフって数百年単位で生きるのかな。そういう設定見たこと無いからわからんのです。
もし寿命がヒューマンと同じでも問題ないな。この短編だけのオリジナル設定ってできるんだからね、うん!

あんまり細かい事言いすぎるとアレなんですが、ここいらで。次は普通に本編に戻ります。
では次回をお楽しみにノシノシ。





……なんか『こんな展開あれば』とさりげなく言えば叶うかも(ボソッ

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