あれから絢瀬さんと東條さんを中庭に連れて行くと、木の下のベンチにオレンジのサイドポニーの高坂穂乃果、長い髪をストレートにしている園田海未、向かって左の髪の根元にを輪っかにしている南ことりが仲良くお弁当を広げていた。
あーお腹空いたなぁ…早くやる事やって昼食にありつこう。そうしよう。
「南さんお待たせしました」
「あ、友実、先輩」
声を掛けるとことりがこちらに笑いかけてくる。そして穂乃果と海未の両名も私の方を向く。
ん?穂乃果と海未が何やら囁き合ってるな。二人の事だから陰口とかでは無いだろうし…うん。取り敢えず絢瀬さんにことりを紹介しよう。
「絢瀬さん、こちら南理事長の娘さんの南ことりさん。南さん、知ってると思うけどこちら生徒会長の絢瀬絵里さん。南さんに聞きたい事があるみたいなの」
私の紹介に合わせてお互いに頭を下げ合う。よし、これで私の仕事はお終いだね。早速お昼を
「友実お姉ちゃん」
食べに行こうとしたら穂乃果に袖を引っ張られました…
「何かしら、高坂さんと園田さん?」
「廃校の事、生徒会はどういった対処を取っていますか?」
対処って言われてもね〜。私達も知ったの今日だし。
「まだ何も話し合っていないので、この後にでも話し合うんじゃないでしょうか。それと高坂さん」
「はい?」
「学校では「東野先輩」と呼ぶ様に言っていますよね?」
「は、はい!」
うん、素直でよろしい。いくら昔馴染みとは言えこういった公共の場ではキチンとしないといけないからね。ことりや海未を見習って欲しいよ。
「それではあちらの用件も終わった様ですし、私も失礼しますね」
絢瀬さん達もちょうど話しが終わったみたいだし、私はこれからとある場所に行かなきゃなんだよね。では絢瀬さんに捕まる前に逃げるよ!
「ふふふ、ウチの事忘れてるんとちゃう?」
…忘れてた。音ノ木坂学院生徒会スピリチュアル担当東條希さん。え、違うって?そうだね。副会長でした。
「いや私は図書委員の方に行かないといけないので」
「あ〜そういう事か。分かったウチからエリチに伝えとくわ」
「ありがとうございます。では」
東條さんに頭を下げ私は図書室に向かう。図書委員の活動をしてる時は大好きな本に囲まれてるから結構幸せな気分になれる。
今日は何の本を読んでようかな〜。職務怠慢?生徒や職員が来たらちゃんと対応してるから問題無い……ハズ。これまでの二年間で怒られた事無いから多分問題無いよね!
「おはようございます」
「あ、東野先輩おはようございます!」
「やっと来たか友実。遅かったじゃないか」
私が図書室のカウンター裏の扉から司書室なる所に入ると、一個下の後輩である
「遥さん、浅田さん。今日はお二人だけですか?」
「そうだよ。まぁ言っても特にやる事無いしね」
「や、やる事ならありますよ!」
「ほうほう。何があるのかね?浅田三等兵!」
遥さんが三等兵とか言っているが、もちろん仕事となんの関係もない。この間は軍曹とか兵長とか言われてたからね、浅田さん。
「え、えっと。返却された本を棚に戻すとか」
「残念だが今日の返本数はゼロだ!」
「ガーン!」
遥さんの言葉に落ち込みながら床に膝をつく浅田さん。
「さて、一年生の頃から一緒に図書委員をやっている友実よ。何か仕事ある?」
「なぜ説明口調なのか気になりますが、そうですね……特に無いですね」
遥さんの言った通り今日は返却された本は無いし、新しい本はまだ届いてないから何もしょうがない。二人の事だから本棚の整理とかも終わってるだろうし…あれ?本当にやる事が無い。
「仕方ない。やる事が無いんじゃ今日もお茶して終わるか」
遥さんが備え付けのガスコンロにヤカンを乗せながら楽しそうに言う。
まさか遥さんその為に比較的暇な今日も
「あ、あの」
「ん?どした?」
遥さんを止めるのかと思い、私も浅田さんを見つめる。すると浅田さんは冷蔵庫から箱を取り出すと机に置く。
「せっかくですからお茶受け用意しました」
「でかしたぞ!浅田伍長!」
「これって「穂むら」のほむまんですか?」
箱を開け中を覗き込むと、慣れ親しんだ匂いが鼻腔をつく。
穂むらとは東野家のお隣さんにある老舗の和菓子屋で、小さい頃から良く遊びに行ったりしてお世話になっている。穂乃果とはそこで知り合い、ことり達とは穂乃果繋がりで知り合ったりとかした。閑話休題。
「まさか浅田さん。今朝からずっと入れてたんですか?」
「はい!松田先生には許可得ましたので」
松田先生とは司書教諭で、フレンドリーで有名な人だ。
確かに松田先生ならお願いすれば置いてくれそうだな。
「では頂きますか」
『頂きま〜す』
私達はほむまんをお茶受けに静かな司書室でお茶を啜った。
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