巻き込まれた図書委員   作:名前はまだ無い♪

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episode.17「コラ三バカトリオ」

 突如巻き込まれた勉強会。結局の所私がいる意味はなかった。だって星空さんには西木野さんと小泉さんが、穂乃果には海未とことりが、にこには東條さんが付きっ切りで教えてるからだ。

 私、マジ空気。

 

「ハァ……」

「東野先輩暇そうですね」

「えぇ。東條さんに連れて来られたのは良いのですが、生徒側に回る程でもなければ教師側にも回れないので、手を持て余しているんです」

「東野先輩の成績ってどのくらいなんですか?」

「友実っちはいつも学年で二十位以内やね」

「東條さん!?」

『二十位!?』

 

 え、そんなに驚く事? 音ノ木は三年三クラス三十人計百人未満でしょ? だったらそのくらいは行くと思うよ。文系のテストいつもの上位とかだし。

 

「え、お姉ちゃん去年の学年末何点だった!」

「去年の学年末、ですか」

 

 何点だったっけな……学年末とか二ヶ月も前の事だからなぁ。正直記憶があやふや。

 

「確か……総合で450点前後だったかと」

「あの、内訳は……」

 

 内訳!? そんな所まで覚えてる訳ないじゃん!

 

「ええと、どうしても気になります?」

 

 一応確認の手立てはない事はないけど、ぶっちゃけ時間かかるからな〜、オススメはしないよ。

 

「お姉ちゃん。私達は今、知りたいんだよ!」

「友実私からもお願いするわ」

「お姉ちゃ〜ん」

 

 穂乃果、にこ、ことりの三人が詰め寄ってくる。いや、来るなよ。

 

「……分かりましたではお母さんにメールしておきますので、皆さんは勉強を進めて下さい」

 

 て言うか、急に勉強会なんてやり始めて、一体なぜに? あ、メール返ってきた。早いなぁ。

 

 [去年の試験結果なんて何に使うの?]

 

 うん、まぁ気になるよね。えと

 

 [ちょっとやる気を出す為に使うんだよ]

 

 っと。よしこれでOK。こら穂乃果。私が携帯弄ってるからってこっちをガン見するな。星空さん達も気付いちゃったじゃないか。

 

「それで友実。内訳はどうなってるの?」

「え〜っと、まずは数学から……」

 

 むむ。点数を上げていってるけど、前回調子良かったんだなぁ。

 

「ほぇ〜お姉ちゃんって本当に数学ダメだったんだね」

「理数が低いって言っても平均前後って……」

「驚いたにゃ〜」

 

 おいコラ三バカトリオ。疑ってたんか? て言うか穂乃果。お前は私が成績良いのは知ってたろうに……その顔は忘れてんだろうなぁ。

 

「取り敢えず、私は自分の勉強をしますので、邪魔はしないで下さいね」

『は、はい』

 

 やっぱりお願いする時は笑顔だね。誠意がキチンと伝わるよ。さて、と。スイッチ入れますか。

 と、スイッチと言う名のイヤホンを耳に入れ、音楽を流し始める。

 

 ☆☆☆

 

 ……? 誰かに肩を突かれそちらを見ると、ことりが困ったように見ていた。部室にはことりと机に突っ伏してる穂乃果しかおらず、他の子達の荷物は見当たらなかった。

 

「どうしたの?」

「もう私達以外は帰っちゃって……」

「あーうん。分かった。帰る支度するよ」

 

 片付けながらことりから聞いた所に事情を聞くと、にこと東條さんは近くのジャンクフード店に移動して勉強するらしい。その時私を誘ったが、どうも音楽を聴いていたので気付かなかったらしい。そのあとに一年生が帰って、海未は弓道部の練習で抜けたらしい。

 ん? メール?

 

 [帰りに何か新刊出てないか見て来て!(^人^)]

 

 友香め、姉をパシるつもりだな? ま、私も気になるから覗いてから帰るか。

 

「ほいじゃあことり。私は用が出来たからこっち行くね」

「へ? あ、うん。じゃあね〜」

 

 ことりと別れていざ書店へ!

 

 と、意気込んで書店に来たもののどうしたものか。現在の所持金、1.200円。目の前には1.100円(税抜き)の欲しかった本、しかもラス一。買うか、否か。

 

「む〜。今は試験期間中……買ったら間違いなく勉強は、しない……」

 

 勉強を取るか、趣味()を取るか。

 

「そんなの、決まってる。私は……!」

 

 ☆☆☆

 

「ありがとうございました〜」

 

 結局買っちゃったよね。後悔? ある訳ない。

 

「今夜は寝れないかな〜♪」

「へぇ〜。なんで寝れないのかしら?」

「そりゃあもちろん、この子()が寝かせてくれないからだよ♪ …………げ」

 

 後ろを振り返ると、そこには髪をうねらせて怒るお母さん()が立っていた。その手には買い物袋が二つ。

 あ、買い物帰りなんですか。それにしても本とかでよく「怒りで髪が蠢く」って表現、リアルでもあり得るんだね。

 

「さて友実? 私の言いたい事、分かるわよね?」

「わ、分かるけどそれだけは!」

「ダ〜メ♪ はい。この本はボッシュ〜♪」

「あ、あぁー!!」

 

 

 チクショウ! これじゃあテストが終わるまでの間お預けじゃないか! 私は今読みたいんだよ! お母さん、いや、母上殿! 許してつかぁさい!

 

「ダメよ、友実に本を与えると勉強しないでしょ。お小遣い、減っても知らないわよ」

「うっ……それを言われると何も言い返せない……」

 

 お小遣いを人質(金質?)に取られると強く出れない……

 

「ほら、早く帰るわよ」

「は~い」

「おねえちゃ~ん。おかあさ~ん」

 

 おや? この声は

 

「友香も今帰り?」

「うん。雪穂と亜里沙と一緒に勉強してたんだ」

「友~実姉!」

「友実さん!」

 

 おわっ! 背後からいきなりの衝撃!? しかしこの声は……

 

「雪穂に亜里沙ちゃんか」

「久し振りです!」

「久し振りっ!」

 

 亜里沙ちゃんはともかく、雪穂は毎日のように会ってる……あ、そう言えば最近「穂むら」に行ってないや。テスト終わったら行こうかな。

 

「二人だとちょっと重いかな」

「重い、ですか?」

「ううん。たぶん一人だとそうでもないんだろうけどね~」

 

 さすがに中学三年生二人に抱き着かれると重くて、しんど、い……

 

「お姉ちゃん!?」

「友実さん!?」

「友実姉!?」

「まったく。友実は体力ないわね~。はい友香、これ持って。二人もどいてね~」

 

 おお、お母さん助かったよ。まったく、危うく潰れる所だったよ。まぁ実際は潰れる事はないんだろうけどね。助かったのは事実。

 

「あ、ありがと」

「どういたしまして。さ、三人とも行きましょ」

「「「は~い」」」

 

 トテトテとお母さんの後ろをついて行く三人。ああして見ると可愛いんだけどな~、いきなり飛びつく癖は止めて欲しい。でも雪穂は姉が姉ゆえに甘えられないし、亜里沙ちゃんもなんか甘えにくいって言ってたな。あれ? 私って妹(義妹)多くない?

 

「ほら友実も。ぼさっとしてると置いて行くわよ」

「ちょ、それはあんまりじゃないかな!?」

 

 冗談じゃない。せっかく買った本没収された挙句、置いて行かれるとかどこのツンツン少年だよ。あ、あっちの方がもっと不幸か。

 取り合えずはあの本を楽しみに勉強頑張るか。

 

 ☆☆☆

 

 翌日。再び部室に召喚依頼が来るも、生憎今日は図書委員の仕事があるので拒否らせて貰った。別に勉強会が嫌だからって、いても空気になるならいなくても良いんじゃね? とか思って図書委員の子に代わって貰ったとかそういうんじゃないよ?

 

「とは言え今は試験期間。余程のことがない限りここに来る生徒はいないでしょ」

「あの、遥さん。それだとまるで私達が暇人みたいに聞こえるのですが」

「え、違うの?」

「違いませんけど、あまりそう考えない様にしてるので」

「アッハッハ……そうだね」

 

 よく考えると、三年生が揃って試験期間の放課後に無人の図書室のカウンターで話しているのだ。暇人以外の何者でもないね。さてと勉強するか、このまま遥さんと話すか。

 

「所でさ。友香ちゃんって高校受けるの?」

「さぁ? 先日聞いたのですが、上手くはぐらかされてしまって」

「もしかして、音ノ木だったりして」

 

 まっさかー。いくら友香だからって音ノ木が廃校の危機に瀕してる事くらい知ってるでしょ……知ってるよね? まさか知らないなんて事は……いや、確かいつかの晩御飯の時にその話をしたから知ってるはず。

 

「でもそれでしたら、私はなぜはぐらかされたのでしょう?」

「さぁね。ドッキリとかサプライズとかじゃない?」

「ドッキリ、ですか」

「そ。例えば私、三条遥は実はもう一つの顔を持っている。とか」

「……そのもう一つの顔がもっと真面目で、しょっちゅう出て来て下さるとありがたいんですけどね」

 

 遥さんのもう一つの顔宣言で少しドキリとしたものの、上手く誤魔化せた、のかな?

 

「因みに遥さんだったらどうします?」

「どうするって?」

「先程の、もう一つの顔が~と言うお話です。もし私がもう一つの、それこそ今とは違う顔を持っていたら、遥さんならどうします?」

「ん~それは難しい質問だな。今までの二年間の友実とは別の友実でしょ?」

「はい」

 

 隣の椅子で唸って考える遥さんをジッと見つめる。

 

「……まぁ結局はその友実の人格にもよるよね。ふざけた性格なら嫌だけどさ、もし今の」

「東野さん。ちょっと良いかしら?」

「絢瀬さん? どうしたんですか? こんな時間にこんな場所で」

 

 遥さんの答えを遮って声を掛けてきたのは生徒会長でクラスメイトの絢瀬さん。心なしか少し怒ってる?

 

「ちょっと良いかしら?」

「はい」

 

 さっきと同じ台詞。もしかして何か怒らせる事しちゃた!?

 取り敢えず遥さんに一言断り、絢瀬さんを司書室に通す。

 

「今お茶淹れますね」

「ありがとう」

 

 う〜んなんだろう。ちょっと固いって言うか鋭い? お湯を沸かしてる間にチラッと見たら司書室内を眺めてたし、緊張してんのかな?

 

「どうぞ」

 

 絢瀬さんの前にカップを置き、正面に座る。

 お互いにお茶を一口。ん、美味しい。

 

「えーと、それでお話とは……?」

「……あなたは、いえ、あなたと希はどうしてあの子達に協力するの?」

 

 あの子達って穂乃果達の事だよね? それにしてもどうしてって

 

「以前にも言いましたが、私個人は彼女達を応援していますが、仕事の時はキチンと仕事として話を聞いて」

「そういう事じゃなくて、今も希があの子達に勉強教えているんでしょ?」

「まぁそうですけど、私は教えてはいませんよ?」

 

 むしろ希に教わってるまである。て言うか、私も希が何を思って行動を起こしているのかは分からない。

 

「それで話は戻して。どうして私が助けるのか、でしたよね。先程の言葉に付け加えさせて頂くなら、幼馴染みの妹分達が頑張って何かをしようとしてるのに、それを邪魔するのは野暮ってもんじゃないですか」

「……そう。あなたは意地でもあの子達側って訳ね」

「あ、いえ。そういう訳ではないですよ?」

 

 私の言葉に首を傾げる絢瀬さん。もしかして今までの私の言葉に言い忘れてたとか、ないよね?

 

「えーと、先程の事ですが。取り敢えず前提として私の中である程度割り切っての話ですので、全面的に高坂さん達側ではありませんよ」

「それはつまり、希と似た立ち位置って事?」

「そうですね。ただし、私は東條さんよりも高坂さん寄りですけどね」

 

 こればっかりは仕方がない。別に東條さんが絢瀬さん側だからって訳じゃなくて、長年の付き合いゆえに私は穂乃果側になっちゃうんだよね。

 

「そう、話はそれだけよ。お茶ありがとうね。美味しかったわ」

「それは良かったです。なんならまた飲みに来て下さい」

「あら、生徒会室では淹れてくれないのかしら?」

「そんな事はないですよ。では今度淹れさせて貰いますね」

 

 生徒会室はここ程じゃないけど色々揃ってるからね。それなりに充実してる司書室バンザイ。

 

「それじゃあ今度こそ帰るわね」

「はい。また明日会いましょう」

 

 




【妹ラジオ】
雪「いや〜やっと本編に出られたね」
友「そうだね。二人とも名前だけなら私と同時期なのにね」
亜「でも友実さん相変わらずとっても綺麗だったね!」
雪「そっか。昔から一緒だからよく分かって無かったけど、友実姉って美人なんだよね」
友「私からしてみればお姉ちゃんだから特になんとも思わないけど、亜里沙みたいな反応は久し振りだね」
亜「ねぇ今度また友香の家に遊びに行ってもいい?」
友「いいよ〜。まぁお姉ちゃんがいるかは分からないけど」
雪「亜里沙が遊びに行くのは友実姉目当てって決まってるんだ……」
亜「そんな事ないよ。最近友香の家に行ってなかったから、久し振りに行きたいなぁって思ったの」
友「あ〜確かに最近来れなかったもんね。雪穂はしょっちゅう来るけど」
雪「まぁお隣だとね。お母さんに作り過ぎたお饅頭を渡しに行かされたりするだけだよ」
亜「雪穂の家のお饅頭美味しいもんね!」
雪「ありがと〜。今度お父さんに言っておくね」
友「それにしても、勉強会の話でいつまで引っ張るのかな?」
雪「さぁ? アニメで言ったらこのあと海未さんが絵里さんと会って云々あってからあのお知らせでおしまいでしょ?」
亜「なんか一気に飛びそうだよね」
友「まぁお姉ちゃん視点からだとどうしてもね。かと言って視点変更させる気ないみたいだし」
雪「と、いう事で次辺りでこの話も終わり。オープンキャンパスの話に移る、かも!」
亜「そこははっきりして欲しかったなぁ」
友「と、言うわけでまた次回! は凛さんの誕生日だね。それじゃあ」

『バイバーイ』
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