今回で今年最後の投稿となります!
さてと、昨夜友香にはああ言ったけどどうしよう。聞いた限りだと絢瀬さんのスピーチを面白くすれば、なんとかなりそうだけど。
「友実。何考え事してるのよ」
「んー? 再来週のオーキャンを成功させる方法を考えろって絢瀬さんに言われてるの」
「だったらこんな所じゃなくて生徒会室で話し合いなさいよ」
「だってここに連れてきたのにこじゃん? それににこといると楽しいし」
おお。赤くなっとる赤くなっとる。まぁ本音は昼休みまであんな息苦しい生徒会室に、缶詰めにされたくなからなんだけどね。だからアイドル研究部の部室にいるんだよ。それににこといると楽しいのは本当。
「さて。早くお昼済ませちゃお?」
「そうね」
「今日はどんな愚痴が聞けるのか、楽しみにしてるよ」
「愚痴ってあんたねぇ……あ、そう言えば最近海未の様子がおかしいわね。後輩なんだからもっと先輩であるにこを頼っても良いのに」
「へぇ。海未の様子が、ねぇ」
ちょっと聞いてみるか。
[今日一緒に帰れる?]
よし、これでOK。あとは返信を待つだけ。それまでにこの愚痴でも聞いてるとしますか。
「って友実聞いてる?」
「うん、聞いてる聞いてる」
「ことりもね、会員登録出来る服飾店なら、もうちょっと衣装代を安く出来るって言うのに」
あ、海未から返信が来た。何々?
[あの、練習の後でも大丈夫でしょうか?]
あーそっか。練習、休むわけにはいかないもんね。今はオーキャン前だから特にか。
[大丈夫だよ。適当な時間になったら屋上に迎えに行くね〜]
さて、放課後の練習が終わるまで何して……メールだ。東條さんから?
[友実っち? 今日の放課後、少し話あるんやけど]
話? オーキャンの事かな。でもそうだとしたら「少し話しがある」なんて書かないで「話し合いやるよ」と書くんじゃないだろうか。まぁ他の事かとも知れないし、一応聞くだけ聞こう。
[わかりました。放課後、どちらへ行けばよろしいですか?]
しかし東條さんが話しか……本当になんだろう? アイドル研究部の事について? うーん……お? 海未からだ。
[わかりました。それでは練習が終わったら再度連絡します]
よし、これで海未と話す機会を設けれた。あとは
「だからね。オープンキャンパスには無理だとしても、その次の曲は」
「ねぇにこ」
「何?」
「普段って練習何時くらいに終わるの?」
「大体18時くらいよ」
「ありがと」
18時か……て事は17時までに屋上に行けば大丈夫かな。
「それじゃあにこ。そろそろ教室戻ろっか。時間も時間だし」
「そうね。友実は聞いて来るくせに、全然愚痴を聞いてくれなかった事について、ちゃんと説明して貰わないとだものね」
「おほほほほ。なんの事を言っているのか皆目見当も付きませぬ事でございすですわよ」
「そのどっちでもないキャラはなんなのよ!」
物事を誤魔化す時用の取って置きの即席キャラだよ〜っと。
☆☆☆
いや〜学生の本分は勉強。なんて言う人達いるけどやっぱり違うね。学生の内にやりたい事をやる。これが本分だと私は思うね。だかは私の本分は読書。これに限るでしょ。
と、どうでも良い事を考えてる間に帰りのHRが終わる。
「友実っち」
HRが終わり、絢瀬さんを先に生徒会室へ行かせた東條さんが近寄ってくる。
えぇはい分かってますよ。それで? どこで話をするのかな? 結局あれから返信ないし。
「友実っちが落ち着く所でええよ」
「そうですか。ではあそこに行きましょう。人払いも兼ねれますし」
「あそこ?」
と言うわけでやって来たのは、もはや恒例の司書室。当番の子に遥さんが来てない事を聞き、誰も通さないでとお願いすると、一言返事で頷いてくれた。その表情はどこか緊張して見えたのは多分気のせい。
「さ、どうぞお入り下さい」
「へぇ〜。ウチ、司書室なんて初めて来た」
司書室内を見渡して感心したように言う東條さん。まぁそりゃそうか。司書室なんて図書委員にでもならない限り入らないか。
「東條さんはお茶、紅茶、珈琲どれにしますか?」
「う〜ん。お茶で」
「分かりました」
なぜかここ最近増えた茶葉の中からお茶っ葉を選び漉して淹れる。
「どうぞ」
「……美味しい」
「お口に合って良かったです」
それにしても何で受付の子はあんなに緊張してたんだろう。
「受付の子、緊張しとったなぁ」
「ですね。今日はこれと言って特別な事はなかったと思うのですが」
「……あ~、なるほどなるほど。そういう事か」
む? 東條さんは分かったのか……なんでだろう。
「友実っち、三女の内二人が揃ってるんよ?」
「……あ」
確かに隠れファンクラブがあるくらいだし、そりゃ緊張するか。私的にそんな緊張しなくてもって思うんだけどね。
「あの、それでお話とは?」
カチャリ、と容器を置く東條さん。
「友実っちはえりちがスクールアイドルに嫌悪感を抱いてるって事、知ってる?」
「……はい。新入生歓迎会の件といい、今回の件といい、絢瀬さんはスクールアイドルをあまり良く思ってないのは分かっています」
「ならその理由は?」
「まだ知り合って半年程しか経ってないんですよ? 分かるわけないじゃないですか」
私の答えに対して笑って頷く東條さん。あれ? これってバカにされてる? そう思ったのも束の間、東條さんは一つのURLが添付されたメールを送ってくる。
「あの、これは……?」
「その先に答えがあるんよ」
「この先に……?」
なんだかまどろっこしいなぁ。て言うか口で言えばで良いのに。
「ウチからの話はこれで終いや。ほな」
「あ、はい。それでは」
東條さんが司書室から出て行く。それから東條さんに貰ったURLのリンク先を見る。それは一本の動画だった。画面の中ではクラシックチュチュを着た一人の少女がバレエを踊っていた。
「これって……」
「絢瀬さんだね。へぇ、バレエなんてやってたんだ」
「遥さん、いつから?」
「ん? 今さっき友実がその動画を見始めてから少しだけど?」
音もなく背後に立たれると驚くからやめて欲しいんだけどなぁ。
「それで遥さんはここに何をしに?」
「暇潰しを兼ねてね」
「そうですか。それにしても……」
「うん。絢瀬さん上手だね」
遥さんの言う通り画面の少女の踊りは年齢の事を考えても上手だった。そして少女が一礼して画面が暗くなるまで私達は静かに動画を見ていた。
「それで? 今の動画はなんだったの?」
「さぁ? 東條さんからこの先に答えがある、としか」
前の言葉からすると、この動画に絢瀬さんがスクールアイドルを嫌う理由があるんだろうけど……
「遥さん、少し聞きたい事が」
「珍しいね。友実が私に質問なんて」
「そんな事ないと思いますけど……そうではなくて。遥さんはこの動画とスクールアイドルを比べてどう思いますか?」
「う~ん。まぁ土台が違うから比べようがないけどね。どうしても比べるとなると、やっぱりスクールアイドルが下に見えるってとこかな」
まぁ遥さんの言う通りなんだろうけど。っとそろそろ時間か。そろそろ行かないと時間に遅れるか。
「貴重な意見ありがとうございます。では私は用があるのでお先に失礼します」
「最近の友実は去年までと違って忙しそうだね」
「えぇ。少し幼馴染に振り回されたりしてるんですよ」
「そっか。ま、頑張ってね」
「はい。それではさようなら」
遥さんに一礼してから司書室を出てから、屋上に向かう。上から声が聞こえてるからまだ練習は続いてるのは分かる。良かった、間に合いそう。
『それでは少し休憩をしてからもう一度振り付けの確認をしましょう』
『ふぃ~疲れた~』
『ここのターン上手く出来ないなぁ……』
『かよちんそこはこうするんだよ』
お、今ちょうど休憩に入った所か、タイミング良いね。今なら出て行っても邪魔にはならないかな?
「失礼します」
「あ、友実お姉ちゃん! 今日はどうしたの?」
「いえ、少し様子を見に来ただけです。お邪魔してもよろしいですか?」
「もちろん!」
穂乃果はすぐに頷き返してくれる。後ろの子達も特に気にしてないのか、反対意見は出て来なかった。さて、取り合えずあの新歓の時と比べるとどうなってるのかな。
「友実。見てるだけならカメラで練習風景撮ってくれない?」
「カメラ、ですか」
壁に背を預けて休憩中の様子を見ていると、にこにカメラを渡される。これ誰のだろう? アイドル研究部から申請来てないから私物かな?
「分かりました。上手く撮れるか分かりませんが引き受けましょう」
そしてカメラを受け取り、休憩明けの練習風景を取り始める。そして撮って分かったんだけど、皆体力が付いて来たのか汗は掻いてるものの息はそこまで上がってない。
「では練習を再開させますよ」
そして海未主導の下、練習を再開させる。のは良いんだけど、やっぱりあの映像と比べてしまう。う~ん新歓からは上手くなってるとは思うんだけどなぁ、人数も増えたし。
それから練習が終わるまでいたんだけど、結構ハードなんだなぁ、スクールアイドルの練習って私の体力じゃ最後まで踊りきれそうにない。
「それでは今日はこれでお終いにしましょう。各自ストレッチをして下さい」
「友実~手伝ってよ~」
「……仕方ないですね。では背中押しますよ」
にこがおねだりしながら来る。まぁ人数が奇数だから仕方ないか。心の中で溜め息を吐きながらにこの背中を押す。
「うぐっ!」
「……矢澤さん。硬すぎません?」
「そ、そんな事ないわよ」
いや、にしてもこれは硬すぎないか? だって背中を押しても半分くらいしか前に進んでないぞ?
「そんな事言うなら友実はどのくらいなのよ」
「私ですか? それなりですけれど」
「それなりってどれくらいなんですか?」
にこと話していると、隣で小泉さんの背中を押してる星空さんが聞いてくる。今更だが、これって準備運動なのでは……?
「わ、私も気になります」
「何の話~?」
「友実がどれくらい柔らかいかって話よ」
「前に一度見た事がありますが、東野先輩はとても柔らかいですよ」
もう終わらせただのだろう、ことりと海未が近付きながら答える。そんなに柔らかいかな? 普通だと思うけど。て言うか一年生の三人はともかく、にこは春の身体測定で見てなかったのかな。……うわぁ、興味深々の視線が突き刺さるよ~。
「分かりました。さすがにこのままでは汚れてしまうので着替えてきますね」
なぜこうなった……今日は幸いにも体育があったから良かったものの、なかったらどうしてたんだろう?
てなわけで着替えてきました体育着。
「お待たせしました」
「ひ、東野先輩の体育着姿って貴重ですね」
「うん。同じ体育着なのに凛達とは何か違う気がするにゃ」
「あ、あははは。ありがとうございます」
なんだろう、この褒められてるのにあまり嬉しくない感じは。えっと、身体の柔らかさを見せれば良いんだよね?
「ほっ」
「ことり先輩と同じくらい柔らかいんですね」
足を広げて身体を前に倒す。身体は何の抵抗もなく倒れていき、お腹が地面に着く。う〜ん、地面が冷たい。
「これでよろしいですか?」
「友実お姉ちゃん凄いんだね!」
「そんな事はないですよ」
「あ、あの! 柔らかくなるコツとかってあるんですか!」
お、おう。星空さんが食い気味に聞いて来る。コツかぁ……う〜ん。私の場合は気付けば柔らかくなってたからなぁ。多分あの特技のせいだよね。いろんな動きするし。取り敢えず星空さんの質問には答えられそうにないか。
「そ、そんな事より皆さん時間は大丈夫なんですか?」
「誤魔化したわね友実」
煩いよにこ
「そうですね。あまり遅くなっては心配を掛けてしまいますし、もう帰りましょう」
海未の言葉で皆が着替える為に移動する。私も皆と揃って制服に着替える。まぁ私が一番早く着替え終わっちゃったんだけどね。で、今は改めて部室を眺めて暇を潰しているよ。
「東野せんぱーい!」
「り、凛ちゃん。急に抱き付いたら東野先輩に迷惑だよ〜」
眺めていたら突然後ろから星空さんに抱き着かれた。こう、両腕ごと体に抱き付く感じで。
別に本を読んでなかったからそこまで邪魔じゃないけど、急には驚くからやめて欲しい。
「星空さん。急に抱き付かれたら私もビックリしてしまうのでやめて下さいね?」
「ご、ごめんなさい」
「別に怒っている訳ではありませんよ。ではお気を付けて」
星空さんの後ろから西木野さんが出て来たのが見えたので、星空さんの頭を一撫でして三人を送り出す。
それから残ったメンバーを見送り、最後に海未と一緒に部室を出る。
「それで海未。話って?」
音ノ木から離れた所で今まで黙っていた海未に聞く。メールで話があるって言ってたからね。
「あの、友実は生徒会長……いえ、絢瀬先輩が
あれ? なんか既視感。あぁそうか、司書室での東條さんとの会話か。えーと? 絢瀬さんが海未達をよく思ってない理由だっけ?
「逆に海未はどこまで知っててそれを聞いてるの?」
もし何も知らないで聞いて来てるならバレエの動画の事とかについては話さない。私はそんな人の過去をホイホイ教えたくないんだよね。
「……絢瀬先輩が昔バレエをしていたのは友実は知っていましたか?」
「……まぁね。て言っても私も今日知ったんだけど」
「では率直に聞きます。あの動画を見てどう思いましたか?」
どう思った、か。
「一言で言うなら感動した、かな。私と遥さん、二人揃って最後まで見入ってたよ」
「そうですか……では今日の練習で見た私たちのダンスはどうでした?」
「……海未。これは遥さんが言ってたけど、バレエとスクールアイドルでは土台が違うんだよ」
「違いません! 舞台に立ち、観に来てくれた人の為に全力で踊る。バレエも私達も一緒なんです……だから! 私達もあの様な人に見入られる、感動を与える、そんな踊りを披露したいのです」
「でも海未。あのレベルに至るまでは大変だと思うよ?」
「それでも、です」
そっか。あの恥ずかしがり屋の海未がそこまで思ってたなんて……義妹の成長にお姉ちゃん嬉しくて泣きそうだよ。ま、冗談は置いといて。
「それじゃあ海未にとっておきのヒントを上げるよ」
「ヒント、ですか?」
「そ、ヒント。答えに導く為の手助け」
「意味くらい知ってます!」
少し顔を赤らめてツッコム海未に近付き、その耳元でヒントを囁く。
ふふ、驚いてる驚いてる。でもこのくらいの考えならあの子も思い付きそうだけどね。
「それは、大丈夫なのですか?」
「さぁね。ま、何事もやってみないと分からないもんだよ。それじゃあね」
ちょうど海未の家の前に着いたので、手を振って海未と別れる。
果てさて、今日のこの時間、やり取りが吉と出るか凶と出るか……こりゃ楽しみだね。
【妹ラジオ】
友「あけましておめでとうございます!」
雪「まだ年は明けてないよ!」
亜「これがこの作品の今年最後の投稿なんでしょ?」
友「そうだよ。最後だよ最後!」
雪「そんなに最後を連呼するとこれが最終回みたいだからやめて……」
亜「あ、最終回って言えば、作者の中ではもう最終回は決まってるんでしょ?」
友「もちろん! そこに至るまでの過程とかも出来上がってるってさ」
雪「まさかあんな事になるなんてね……」
亜「一体何があったの!?」
雪「まさか亜里沙が「兎の家」って言う喫茶店に行くなんて……」
友「雪穂なんて女神を体内に宿したりね」
亜「夢もキボーもないよ……」
友「そんなこんなあって最終回に至るわけだよ」
雪「そんなこんなあり過ぎだよ!」
亜「つまんねえ事聞くなよ!」
友「何も聞いてないよね!?」
雪「はいはい。それじゃあいい感じの時間だし、そろそろ締めるよ」
友「挨拶はいつもの? それとも期間限定の?」
亜「つまんねえ事聞くなよ!」
雪「亜里沙、それはもう良いから。期間限定のでいくよ。せーの」
『良いお年を! 来年も巻き込まれた図書委員をよろしくね!』